2020/10/16 のログ
ご案内:「商店街」に芥子風 菖蒲さんが現れました。
芥子風 菖蒲 >  
「腹減ったぁ……」

商店街のど真ん中、少年は一人ぼやいた。
風紀の警邏の最中の事、人間何も喰わなければ腹が減る。
時刻は丁度日が沈んだばかり。比較的治安安定した地域とは言え
未だ人込みの明かりは沈みはしない。この活気こそ、人の営みそのものと言える。

「……何食おう……」

まぁ、それはそれとして腹は減った。
風紀で金に困りはしないが、それはそれとしてこの飯選びは重要だ。
此処は学生通り、商店街。様々な部活動が店を開き
当然飲食店も存在する。好き嫌いこそ少年にはないが
店選びに失敗するとそれはそれでへこむ。一日位。
そう言う訳でふらふらと、食事をできる場所を探していた。

ご案内:「商店街」にレアンさんが現れました。
レアン > 商店街の一角に一際異彩を放って…いなかった寧ろ景色に溶けこみ過ぎて、
いつの間にかある的な感じに仕上がったシールやら塗装やらべたべたに貼り付けられ、
写真やらハガキやらが垂れ下がりB級感が臭う売店、ホットドックを専門に販売していそうなちっちゃなお店。
座椅子がいくつか無造作に置かれ売店というより最早これは屋台ギリギリ寸前なもの。

神出鬼没をモットーにした移動式屋台な売店が昨日までなかった所にデンとあった。
売店の中には一人の女の子が暇そーに新聞を片手にぼーとして。
時々 誰かが注文をするときちんと動くが―という具合。

芥子風 菖蒲 >  
ふうらふら。千鳥といかずとも小鹿の如き頼りない足取り。
さて、今日の空腹は如何程の気分か。和中洋。空腹気分は宙ぶらりん。
あの店でもない、この店でもない。嗚呼、気分も視線も右往左往。

「……ん?」

そんな時、ふと視界に留まったのはとある屋台。
何というか、色々無造作と言うか何と言うか。
とにかく、店主の性格が表れているような適当っぷりが良く目立つ。
少年は商売人では無いが、あんなに適当でいいのだろうか、と思わなくもない。

「まぁいいか」

かしこまったものよりも、そう言う乱雑なものがいい。
せっかくだし、そうしよう。屋台へと近づけば、中の女性へと声をかける。

「ねぇ、やってる?ホットドック欲しいんだけど、いい?」

レアン > ホットドックを売りにしているのかはたまた別のものを売りにしているのか。
無造作無国籍B級というかC級に行ってしまう恐れすらある適当っぷり。
昨日までなかった空間に本日いつの間にかあったんです、と
苦情すらありそうな店名不明、全てが適当過ぎる写真と落書き塗装がとっても目立つ屋台な売店。

「客ぼちぼちっすねー まっいっかー」

これまたぼんやーりとだるそうな顔で時々欠伸をして
あとどれくらいやろうかなーと売り上げ伝票をぺらぺらと捲ったり、幾度となく読み切った新聞を見たり
そうしていたらお外からお声がかかりましたーぁー。

「はぁーっい、いらっさいー、やってるよー?
 ホットドックの辛さのお好みはどんくらい?
 やべーっの、ふつーっしょ、ほどっほど 三種類しかないけどっ!」

だるそうだけどにこやかーにへらりと笑みを浮かべて
間に合わせの椅子から腰を上げどの辛さがいいかな?質問一つって。

芥子風 菖蒲 >  
近づいてみるとますますわかるこの適当っぷり。
力の抜き具合というのだろうか。
何というか、田舎の屋台的雰囲気ってこんな感じなんだろうか。
青空のように青い瞳がぱちくりと、数度瞬き。
……よくよく考えれば、"部活動"の範疇であればこんなものかもしれない。

「何だが随分と適当そうだけど……オレ以外の客は来てるの?」

それでもまぁ、にわかに信じがたいものもある。
彼女の売り上げが心配だ。それはさておき、選べる辛さは三種類。
今時、ホットドック以外売っていない(と、思われる)ストロングスタイル。
成る程、剛の者だ(?)

「じゃぁ、全部で」

全部で。腹減ってるし丁度いいでしょ。

「飲み物とか売ってる?あるならついでに買いたいし、他に何かあるの?」

レアン > 本当にやる気というやる気をどこかにおいてきたら、
こんな適当な店主の出来上がりが出来ると思われる程力の抜き具合天井知らず。
屋台のレベルが適当過ぎてガスボンベなり燃料タンクなり適当っぷりに事故でも起きていそうなのに
起きていないから程々の力の抜け具合を調整して けだるげ適当寧ろ潰れていなくて不可思議な屋台の店主は、

「んーぼちぼちうれているっすよー、飽きられると困るから
 明日は別のところで 適当に売ってるかなーあはははっ☆」

この学生街な商店街の他に移動をして売っている―つまりそれは的屋な屋台じゃないか!
本当に大丈夫なのか、そもそも売れているのか?でもカウンターに突き刺さっている伝票の紙の束は多かった。
適当な店主は適当なホットドックを売ってい――まともなやつを作っているとでもいうのか!?
真実は胃の中に聞くがよい(?)

「全部ってあーた、?それとっも全部混ぜてスペシャルに仕上げろって?
 まー、いっか、全部ね 全部っ…まじか!?」

あーた、口から火を噴くぞっ!?とけだるげな眼がかっと開き、大丈夫なのか、と驚く顔になった。
でも注文を受けたのでいそいそとホットドックを作り始める…作りながら、

「飲み物ねー…今は あたたかい炭酸飲料数種類っ、
 ぬるい天然水、キンキンに冷えておかしいことになったレモン水…
 温度調整間違えちゃって変になっちゃったかなー!お勧めできない…私が適当だからっ」

ちゃっちゃと辛子をトッピングしていくもいかにも辛そうな色が足されていく。

ホットドックづくりは程なくして完成したけど…けど。
うわぁ、猛者がいるよ猛者が! 

「お、おっそろしい…全部トッピングしろといってのけた君専用の
 スペシャルウルトラやっばいホットドックならぬホットウルフ完っ成(きらりん)」
包装用の新聞紙にくるまれてカウンタ越しに少年に差し出されたホットドックならぬホットウルフ…!

芥子風 菖蒲 >  
「…………」

何と言う事でしょう、やる気というものはまさに何処かに置いてこられてしまった。
これがドライビング屋台の神髄とでも言うべきか。
その為の移動式。果たして、彼女が置いてきたやる気は島のどこへ……。
少年に一つだけわかる事は、恐らく初めて相対する適当っぷり。
そりゃもう、視線は不思議そうな、さながら珍獣を眺める視線で見つめている……!

「そうなんだ。って事は、味は大丈夫って事かな。」

疑ってたぞ、味。
しょうがない、飲食店の商売はとりあえず味。第一印象は大事。

「明日明後日で飽きるようなものだっけ、ホットドックって。
 オレは毎日でも食べれるけど……えっ。」

あれ、三つそれぞれ頼んだつもりだけどおかしいな。
何だか知らないけどキメラドッグが出来上がりそうだぞ!
少年は、所謂"不愛想"に位置する感情性の持ち主である。
だが、そんな彼もまさにシンキングフェイス。顎に指を添えて、首を傾げた…!

「まぁいいか。レモン水もちょうだい」

本当にか?なんと、細かい事を気にしない性質が此処にきて強み(アダ)となる……!
そして、いよいよ目の前に出てきたホットドックならぬホットウルフ。
如何にも『辛い』と言わんばかりの色をしている。
そりゃもう、明らかにもう持っている。色々。

「…………」

じー。青空が真っ赤な何かを見下ろしている。
おまけに新聞紙包装って大丈夫なのか?まぁいいか。
とりあえず、食べるとしよう。手に取ったホットウルフを遠慮なくかじりついた────!

「…………」

もぐもぐ。もぐもぐ。
しーん……。

「……結構イケるね、コレ」

────なんと、無事だった────!

レアン > そもそもやる気があったら別のエネルギーとして使いたいっ
無駄に溢れるやる気を温存するより適当に力を抜いて適当に過ごしたい。
移動を適当に繰り返して 明日もホットドックを部として売っているのかはたまた違うものを売っているのか!
適当に味の抜けた…味は抜いていないと思うけどけだるげ屋台はやる気が欠乏したまま島を彷徨う。

「うっわー 棒読みぃー 味だけは跨いでないよ!?」

何を跨いでいないのか。最低限味の線は守っている。見た目は跨いでいそうだ。
一応屋台にしろ何にせよ、飲食店許可証は持っている 持っていなかったら摘発されてる!

「いやー 屋台うどんとか 屋台そば売りとかしているんっだよー☆
 ホットドックはついこないだ不定期にやり始めたの。」

注文はやる気の抜けた店主の勘違いにより三つではなくキメラステッキドックならぬウルフの完成。
大きさも合同に仕上がって大きかったけど値段は一つの値段と据え置きしてた。

「…ほいっ 凍傷になっても責任取りませんっす。」

ごとっとおかしい音がした、瓶の外側まで凍り付いたレモン水の瓶とストローのセット。
瓶の外側が凍っただけでストローを突き刺して中のレモン水は気泡があるから液体らしい…。

うわ、食べてるよ あの味が奇天烈になった店主もきゃーと言いそうになった
キメラドックをもぐもぐと食べてる男の子を信じられない顔を見つめてる。

「お、…よかった、はじめてだよ 無表情ですまし顔で食べて感想言ってくれたん!」

いいよ いいよ 覚えておきたいよ この素敵な少年の顔を!

芥子風 菖蒲 >  
「学生屋台って、そんなもんじゃない?
 拙くてもちゃんとお金は払うよ。そう言えば、幾ら?」

中々辛辣な物言いだが、過小評価も過大評価もしない。
少年は在るがままに在るものを評価するだけ。
自他共に俯瞰的なだけに過ぎず、道理は守るタイプだ。
もそもそ、もくもく。実にそつなくホットリミットなホットウルフを食していく。

「でも、悪くは無いかな。コレ、食えるよ?」

……好き嫌いは少ないから食えるかどうかが第一基準になるらしい。
違う、そうじゃない。もそもそ。もぐもぐ。悪くない。あやを。

「本当に手広くやってるんだ、アンタ。
 料理人……って、感じじゃないな。普段は何してるの?」

流石に料理人と言うには余りにも雑と言うか、熱が無いと言うか。
この辺りは全部どちらかと言えば趣味の範疇を肌で感じる。
そう、目の前にいる。摘発する輩。だから、事情聴取も兼ねた世間話だ。

「普通の人は感想を言う前に立ち食いしてきそうだけどね。
 オレは菖蒲。芥子風 菖蒲(けしかぜ あやめ)。風紀委員なんだけど、アンタは……、……えっ。」

本日二度目のえっ。
自己紹介ついでに出てきたのは液体窒素。
い、いや、違う。仄かに香るレモンの匂い。
此れは間違いなくレモン水……!
本日二度目のシンキングフェイス。此れは飲み物なのか?

「……これ、飲めるの?」

流石の少年もためらった……!

レアン > 「まーそうだね 趣味でやってるやつだしっ
 据え置き特別価格、200円だよ? 正直食べるとは思ってなかった。」

屋台ホットドックとしては安い方だった。屋台の値段レベル平均点をたたき出しているといってよい。
これでまた一つ特別メニュー(お勧めは自己責任☆)が誕生してしまった。
明日はここではない違う所で神出鬼没にやってのける!

「素人さんにはお勧めできないっす! そんな少年は素人でなかった…ぁ」

食べちゃって今食べきったよ☆ 恐ろしいよ これ 本当に正常な人か!?
夢なのか現実なのかちょっと頬を…痛いので現実だった。

「料理は趣味、一人暮らしだしっ
 普段…言えないかな、んんん☆ じんじん?違った、
 尋問かな!? 職質かな!? 」

やる気とは違う何かがむくりと起き上がった。
といってももふもふの尻尾がむっくりと立っただけだった。
目ざとい摘発される側は ちょっとだけぴりっとした殺気を向けたとかなんとか。

「でも食べきった少年は普通の概念を超えちゃっているね!
 風紀! ある意味 やばいね!! …んー。あ、でも今怪しいことしてないっ!
 私は レアン。レアン・J・ヴァナルガンド。報道部ぅ!」

液体窒素レベルにヤバい物体になってたレモン水の何か進化系。
冷やし過ぎて液体窒素か何かになってしまった。辛うじて
突き刺したストローで吸えば飲めるから、つまり。

「ストローは刺したから、そこから飲めばイケるよ☆」

きらん と素敵笑顔で掌でひえひえのレモン水の瓶ごと指さした

芥子風 菖蒲 >  
「食べれるとは思わなかったって……よくオレに売ったなぁ。
 まぁいいけど。はい、200円。うん、まぁまぁ美味しかったよ。御馳走様。」

趣味とは言え中々聞いてはいけないタイプの言葉だ。
大よそ発言のアンジャッシュなので、ある意味共犯者なのは言ってはいけない。
彼女の何処となく図太い神経には返って感心する。
少年は礼儀を忘れない。しっかり礼節と共に、硬貨を置いた。

「素人ではない、かな。体動かすのは得意だし。武術家……で、いいのか?」

一応端くれと言えばそうだが、中途半端とも言える自覚はある。
だが、別に武術家も腹は壊す。少年の胃は一体……!

「そうなんだ。……じ?よくわかんないけど
 尋問するなら、もっと手順踏むから安心して。」

単純な合理の差。そう言う問題ではないが?
涼しい顔をしながら言うが、何一つ安心できない言葉だ……!
ぴりりとした殺意も、口の中の辛味に比べれば大したことは無い。
文字通り、飼い犬がじゃれついてくるのと少年には変わらなかった。

「そう?そうかな……そうかも……。」

あ、ちょっと認めかけた。普通じゃない!

「報道部?要するに、ジャーナリストみたいな感じ?
 ふぅん……ヘンなことしてないならいいよ。レアン。
 別に風紀だからって、どうこうじゃないし、オレ達は対等。でしょ?」

立場で力を行使する事は在れど
同じ生徒同士ならばそんな物騒な話はない。
少年はただ不愛想なだけで、基本は友好的だ。
小さく頷けば、青空はじっと彼女を見つめていた。
さて、問題は……このレモン水。

「…………」

とりあえず買っちゃったし、仕方ない。
ビンを素手……で、持つと怖いので、コートの裾越しに掴んでぐいっとストローから吸い上げた!

「…………」

じゅー。ごくん。

「……冷たい」

そりゃこれだけ冷えてりゃそうよ。

レアン > 「勘違いから発生しまりのキメラドックを出したら
 食べちゃったじゃないかぁ! ……まいどあり」

途中でそれは違う!と止めてくれるなり抗議してくれれば
三つにしてそれぞれ出したのに。止めてくれなかった気がする。
細かい事は気にしない結果が良ければ経過はどうでもよくね?だった。
カウンターに置かれた硬貨を受け取るとレジに入金しておしまい。

「ぶじゅつか?胃はブラックホールか超合金で出来ているっぽいね…っ」

ちょっと 君 本当に人間かな!??
少年の胃は普通ではなく特注品なのかな!?? そうだと言ってくれ!

「じんじんじゃないんか。ならいいいや。
 やっぱ普通じゃないんだ…菖蒲君…君ってやはり」

飼い犬ではなくて今は獣人になっているけど、
成長したら怪獣扱いされたことがあるおおきなわんこではなくフェンリルという奴。
一寸の殺意で終わったのはやる気のなさが祟ってた。
やる気も殺意も何もかもやる気がないのであれば出てこない。

「んー最近ふうきんっ、暴走しててネタに困らないよ!?
 やっぱりふうきんはふうきんなんだね☆って陰口言われてるよ?
 対等なのかなぁ? ちょっと分からないねっ」

対等かな?対等なのかな?対等かも知れないね!
誰にも構わずネタになりそうだったら突撃突貫あるのみぞ。
犬のようにじゃれついて飽きたらとっとと離れるようなマジもんイヌのような女は、
へらへらとレモン水瓶を指さしてから「それは100円でいいや」と。

「一気に飲むと凍傷するかもね!喉が」

彼が飲んでいる間に屋台をたたむ行動をとっととし始めた。
ぼちぼち商売終わりをし始めたらしい。極めて無駄のない動きで瞬く間に屋台は店の形態から移動可能形態になった。
んーと大きく伸びをすれば 耳と尻尾がぴーんとなって。

「んー てきとーに売れたねっ よしよし資金源になったぞ。
 そろそろ ぼちぼち移動するけど 菖蒲君はどうするのかなっ?かな?」