2021/11/06 のログ
ご案内:「商店街」にノアさんが現れました。
ノア > 「菊とカスミソウを、あとは一緒に色味の明るい奴をいくらかおまかせで包んで貰えるかな」

学生街にほど近い商店街の一角、路地に面した花屋の店内に緑のロングコートを揺らす人影が一つ。
賑やかながらも穏やかな時間の流れる街並みに合わせてか、普段の仏頂面をなるべく隠した作り笑顔が貼り付いていた。

黒いエプロン姿の店員は人当たりの良さそうな笑みを浮かべて快諾すると、
先に伝えた二種の花でだいたいの用途を察したのか、手早く寒ボタンを中心に小花を添えて包んでくれる。

ノア > 派手過ぎず、ただ地味でもなく。
手渡された白と青を基調とした大人しくも彩りのある花束に、
小さく礼を言って代金を支払う。

(……? この時期にユリって咲くもんだっけか)

提げた半透明の袋から覗く寒ボタンの隣、甘い香りを放つ華やかな花弁に思い至り去り際に店員を見やるが、
あちらは笑顔で手を振るばかり。
餅は餅屋、世の中には素人の知らない物が山程あるのだろう。

ノア > チラリと携帯端末に目をやれば遠く離れた落第街のライブ映像。
フリップ動作で次々に映像を切り替えていく中、
瓦礫を映すだけの物や破損して映りもしない物も増えてきた。
組織対組織の小競り合いの域をとうに超えた惨状の行く末、
終幕は未だ見えず、火の手は絶えず立ち昇っている様子。

「しばらくはあっちの方面では休業だな…」

修めた逮捕術とて異能の前では気休め程度、今のあの街に踏み入れれば蜂の巣にされるのがオチだ。
不似合いな手荷物と自己の非力さを自嘲しつつ、アスファルトを鳴らし歩く。
飲み物片手に談笑しながら歩く学生、新鮮な食材を買い求める人々。
この街は──今日も平和だ。

ご案内:「商店街」からノアさんが去りました。
ご案内:「商店街」にフローレンス・フォーさんが現れました。
ご案内:「商店街」に紅月 純さんが現れました。
フローレンス・フォー > ハロウィンは過ぎてしまったがまだメニューが残っている店はいくつかある。
その内の一軒に食べてみたいと思うスイーツがあり、かと言って人で食べても詰まらないと強引に誘いその店、以前にやってきた喫茶へとやってくる。

「ここでまだハロウィンのデザートが食べられるのよ。
純もそう言うの好きでしょ?連れてきたワタシに感謝していいのよ」

喫茶に彼を引っ張る様に足を踏み入れればウェイトレスに軽く手を振り慣れた足取りで勝手にテーブル席に、
彼を押し込み向かいの席に腰を下ろして。

「どれも純好みでしょ?どれにする?」

席に座るなりにメニューを差し出しご機嫌と言う笑みを浮かべ。
そしてその姿は普段の服装ではなく、何処から手に入れたのか制服姿であって。

紅月 純 > そんな彼女のお向かいに、むっすりした顔で座っている自覚がある。

この二人組を見た周囲の反応は
『あの子は脅されてるのか』『なんであんなチャラそうな奴が』『裏がありそう』『ハゲ散らかせ』『あ、甘味好きな強面だ』等、外見が作用してマイナスのようだ。
知ったことか。今更である。

「……いや、おう。とりあえずカップケーキでいいわ」

強引に連れ出されるのも今更である。
何故こんな顔をしているか、それは、

「やっぱ違和感すげぇ……」

楽しそうにしている彼女の見慣れない服装。学生服。

フローレンス・フォー > 強引に連れて来た事に反省も良い訳もないが彼のむすっとした顔は普段よりも不機嫌そうに見える。
季節限定の大好きな甘みを食べにきたのにと不思議そうにその顔を眺め。
センサーに聞こえる声は大体一緒に出掛ければ聞こえるものも多いので聞き流し。

「それだけでいいの?プリンとかパイもあるわよ?」

カップケーキで良いと聞けば自分はプリンやパイを頼み。
メニューの写真を見る限りは美味しそうなのにと考えていたが。

「違和感?何か違和感がある?」

彼の言う違和感、何だろうと喫茶内を見回すも変わった物はなく。
その違和感がまさか自分の服装とは欠片も思っていない。

紅月 純 > 「違和感はこっちの勝手な考えだから気にすんな。
……俺はお前が頼んだのを少しずつ分けてもらうから」

ガッツリ食べてしまうと夕飯とかが食えなくなりそうだし、この後の行動とかを考えるとお裾分けてもらった方がいいかなと思っている。

彼女が普段と全然違う恰好をしている、しかも自分の元いた学校のものならば『どうしてあるんだよ』という、もう既に終わった話なので何とも言えない感情で服を眺めていた。

フローレンス・フォー > 「ワタシはその違和感の正体を知りたいのだけど?
そう?だったら半分あげるわね」

頼む物が決まればウェイトレスを呼んで注文し。
パイとプリンは少し多いかもしれないがそれでも夕飯を食べる余裕はある。
というかこの後に彼の家にもう一度押しかけて夕飯までごちそうになるつもり。

注文をしたデザートが来るまでの間、楽しそうに待っていればようやく彼の視線が自分の服装に向いている事に気が付き。

「この服どうかしら?歓楽街で買ったのよね。
似合ってるでしょう?」

高かったと楽しそうに伝えては胸を張って偉そうにして。
まさかこの制服が彼の元の学校の物とまでは知らずに。

紅月 純 > 「似合ってるぞ。とても似合ってる。
学校にいたらモテモテ間違いない」

ご機嫌な彼女がこの学園を、ついでに元いた世界の学校にいる様子を想像して。

(この学園ならともかく、あっち側じゃ美人すぎるなうん。
つーか歓楽街にあったんか)

服にも彼女にも罪はないのでそっとしまうことにした。

フローレンス・フォー > 「本当に?なんか投げやりなように聞こえるのは気のせいかしら?
モテモテ……どうかしら」

彼に褒めて欲しいと思うが心ここにあらずのように見え。
モテモテと言われ学園に自分がいる姿を想像をするが…何故か叱られている姿が浮かぶ。

「何故かしら、叱られてる姿しか浮かばないわね……。
それはそれとして、来たみたいね」

褒められるまでこの格好でいるのも良いかもしれない。
そんな悪戯を考えていれば注文が届けられテーブルに並び。
彼の前にカップケーキの乗った皿を押し進め、その後にパイを一切れ手にして口に運び、美味しそうに頬を緩ませて。

紅月 純 > 「あー……すまん。無駄に引き摺ってこっちの問題だな。
だが、似合う、モテそうと嘘は言ってないからな?」

思ったより感情に出ていたようだ。
カップケーキも来たし、深呼吸して気を取り直し。

「俺も頂くか……お」

一口入れてみれば程良い甘さが広がり、眉間の皺も薄くなる。
やはりこの店のお菓子は美味い。
彼女の様子を見ながら食べることでほっこりした。

フローレンス・フォー > 「そう?悩みがあるならワタシでよければ聞くわよ?
本当に?モテるのはどうでもいいわ、でも似合ってるなら嬉しいわね」

引き摺っていると聞くと悩みがあるならとこの瞬間だけは真面目に言葉にし。
しかし次には似合っているという言葉に嬉しそうに笑みを浮かべ。

「美味しいでしょ?美味しいって聞いたから純を連れて来たかったのよね」

カップケーキを一口食べ眉間の皺が薄くなった事に笑い。
無理やりではあったが連れてきてよかったと自分の行動を褒め。
パイを一切れ食べ終えれば次はプリンとスプーンで掬い上げるが…。

「先に食べてみる?」

ほっこりとしている彼に視線を向け、お先にどうぞとプリンの乗ったスプーンを口元に差し出して。

紅月 純 > 「確かに美味い。
ハロウィン売れ残りの投げ売りもある中でこれは当たりだろ」

大量に食える程ではないが甘いものは好きで、少し饒舌になる。
ちなみに投げ売りで一番酷かったのは落第街の爆殺パイだった。ほぼ生というか粉で文字通り爆発した。

「そういやお裾分けて貰うって言ったわ。んじゃ、遠慮なく……」

先に、という言葉で差し出されたスプーンを口に含む。
食べてから『あーん』だこれと気付くと、周囲から舌打ちが聞こえた気がした。

フローレンス・フォー > 「この喫茶店はあたりが多いのよね。
売れ残りの投げ売り?……何か忘れてるのよね…」

人でない故に太るという事がないので甘いもの、美味しいものには目がなくなっていて。
その美味しいものを教えてくれた彼には本当に感謝をしてはいるは口にはしていなく。
ただ……食の喜びを覚えた結果のポカミスもあり、何度か投げ売り品のあまりの不味さに記憶を数回飛ばしているが自覚はなく。

「そうよ、それに全部食べておきたいでしょう?」

彼がスプーンを口に含むと次は自分とそのままプリンを口に運び。
パイとはまた違った美味しさに舌包みを打ち。
ふとなぜか聞こえた気がした舌打ちに他の客を眺めるように視線を巡らせ。
そして気のせいかと思えば今度はパイを彼に差し出して二度目の「あーん」に持ち込んでいく。

紅月 純 > 「忘れとけきっといらん記憶だ、っと……あーん」

間接キスとかあーんとか全く気にしないよなぁ……ロボだし……と、彼女と絡んでから今更のことを思い出しつつ、彼女のやりたいように食べていく。美味。
楽しそうな彼女に釣られて笑いながら、裏で周囲の奴をいつかしばくと誓った。

フローレンス・フォー > 「そう言われると気になるのよね……。
これも美味しいわよ。はい、あーん」

気にしろ、辞めろと言われれば考えはするがそうでなければ間接キスなどは全く気にしない。
ロボという事もあるし、何より誰にでもしている訳でもなく。
美味しいものを楽しく食べればよりおいしくなるという理屈で少々断られた程度ではごり押しすらする事もありえ。

「これも作り方を記憶すれば毎日食べれるかしら…?
純のカップケーキも貰うわね」

笑う彼に楽しんで貰えていると思うと嬉しくなり。
小さく聞こえる嫉妬の声や舌打ちはただの雑音と気にせず、カップケーキも分けてと手を伸ばして。