2021/12/14 のログ
芥子風 菖蒲 >  
「へぇ、そうなんだ。その中にスープかぁ……」

中からぐじゅぐじゅになって崩れたりしないんだろうか。
これぞ料理のワザマエなのか。ちょっと気になる。
今度買ってみようかな。そう思いながら鞘に来るんだ饅頭箱を手繰り寄せる。

「それ何処に売ってたの?オレも後で買ってこようかな」

財布のひもは意外と緩い。
即断即決である。青空をぱちくり瞬きさせて、首を傾ける。

「あやめっち……?ヘンなあだ名だな。
 ……どーだろ。考えて事ないけど、美味いもの食べるのはいいよね」

うん、そう考えると食べるのは好きかもしれない。
箱を開ければずらりと並ぶ綺麗な白色饅頭の群れ。

「食べる?華霧」

せっかくなら一緒に食べた方が楽しいものだ。

園刃 華霧 >  
「飲ンでみル?ッテ言いタいトコなンだが、飲み切っチまってネ。
 あンま気長ニしてット、流石に皮がスープ吸っチまイそーデさ」

皮はそこそこ厚みもあって、強そうだ
それでもちょっとやわい感じにはなってる。
ただ見た感じ、そうそう簡単に崩壊はしなさそうでもあった

「マ、残りモンの部分でモ良ケりゃ試しテみル?」

そういって、ミニ蒸籠に残った肉まんっぽい部分を見せる
少し割ってあって、中からまだ瑞々しい肉部分が見える


「チな、場所は界華楼ッテとこネ。
 普通に他のモン食ってモ美味いヨ」

なーんて宣伝
美味いもの情報は分け合ってこそだ

「ひひ、あだ名付けは趣味みタいな……
 いいノ?」

差し出された饅頭に興味津々。
早速手を伸ばす。

今日は何しろ、デスクトレイだかダストシュートだかいう胡散臭い殺人ヤローのつけた
怪我の分、栄養補給が欲しい。

いつもの倍増しで遠慮がなくなってる

「マ、代わリにコっちのモ提供すっからサ」

芥子風 菖蒲 >  
「貰っても良いの?それならほしいとは思うけど……」

元はと言えば彼女のもの。
ただで貰うのも少し気が引ける。
とは言えあのみずみずしい肉部分、ちょっと食べてみたいと思うのは男の性。じー。

「かいかい……何?
 よくわかんないけど、そう言う店があるんだ」

なんか珍妙な名前だ。
商店街にはそれこそ無数の店がある。
自分が見逃してるだけで、店自体は見たことあるかもしれない。
今度巡回中に探してみようと決意をするのだった。

「趣味なんだ。変わった趣味だね。……ん、どうぞ
 店の名前は……なんだっけ?けど、美味しいよ」

どうにもまだまだそう言う細かい事に興味は無い。
思い出そうとしても、"まぁいいか"だ。
とは言え味は本物。ちょっと皮が薄くてこしあんの濃厚な甘味。
ダイレクトなよくあるタイプの和菓子だ。

「ギブアンドテイク……って、奴かな?
 オレは別にいいんだけど、くれるなら貰うよ」

饅頭は何時でも無償提供中。

園刃 華霧 >  
「イーよ、別に。
 減ル……モンじゃアるケど。欲しケりゃマた買えバいいシ。
 なンなら、他にモ食うモンまダあるシね?」

ほらほら、と色々どこからか取り出してみせる

本日は中華の気分だったのか、焼き小龍包だとか、月餅だとか、
粽だとか、そんなテイクアウト中華が色々あった

それ、全部食べる気か?という分量でもあったが
少女は、本当に食べる

「ソーそー。
 アー……うン、ホレ。読メるかシらんけど、これ此れ」

入れ物に刻まれた店の名前を見せる。
発音はともかく、字さえ見ておけばまあ間違えることもないだろう。


「おっマ、店の名前クらい覚エとケよー。
 そウいうノ、興味ナいタイプかー?
 ……とイうよカ、どーデもいーッテほーカ?」

重要でないところは割とぞんざいに扱うというのはよくあることだ。
自分にも覚えがあるから尚更に

ということは、少なくともいろいろ細かいタイプでないのだろう

「そーダな。ソレそレ。
 ギブアンドテイク。ちょウど、色々食べタい日だッタかラさー」

そういって遠慮なく饅頭をとって口に
うん、うまい
思ったよりは濃厚だ

芥子風 菖蒲 >  
「そう言う事なら貰うよ。ありがとう、華霧」

それじゃぁそう言う事なら頂きます。
蒸籠から一つミニ肉まんともいえるそれを手に取った。

「いただきます」

しっかりと挨拶は出来るほうだ。
端に齧りつけば溢れる肉と肉汁が口いっぱいに広がる。
吸うって話はどうした。美味しければ何でもいいんだ。

「んー」

最近寒いから寧ろこの暖かさも旨味にプラス。
ほっこり。満足気にもごもごと頬を動かして食べ進めていく。

「うーん。名前を覚えなくても場所は覚えてるし。
 どうでもいいと言えばいいけど、そこまで重要かな?」

それ自体を蔑ろにしているわけではなく、興味が無いのだ。
美味しいものは美味しい。そんな大雑把な解釈だ。
事実店の場所は覚えていても、その店で何時も饅頭を買ってるわけじゃない。
巡回ルートに合わせて近い店に入っているだけだ。

「ていうか、華霧こそ食べるのが好きなの?
 そんなにいっぱい食べるって事は怪我でもしてる?」

なんて、首を傾げて尋ねた。
勘、ではない。ただ自分がそうだというだけの問い掛けだ。
怪我をしたらとりあえずいっぱい食べると治りが早い。異能の影響だ。
だからなんとなく、それを連想した。

園刃 華霧 >  
「オー、食え食エ」

意外とちゃんと挨拶をしてきたな?
いや……意外、でもないのかもしれない
なんとなく、相手の性質が見えてきた気がする

「アー、そンな感じ、ダろーナ。
 興味ナいンだナ。うン。」

興味のあるなしの線引がめっちゃはっきり分かれてるタイプっぽい
まあ別にどうということもないけど

「マ―……アレだな。
 人と話ニなっタときニ、ちっとメンドーってクらいカ?
 重要デないッテ言わレりゃマ、確かにナ」

店の名前なんていちいち覚えていない、は確かによくある話。
こだわるのは……まあ大抵人に話す時の利便性ってことになる


「食べるノは大好きサ。
 ……ァー、まァ、そうネ。
 ちょイと怪我シて、ネ」

ダスなんとかにやられた、とまではまあ言わない
言ってどうなるもんでもなし
……とはいえ、軽く調べれば風紀委員ならすぐわかることだろうあ

芥子風 菖蒲 >  
「じゃぁ、遠慮なく」

そう囃し立てられると乗るタイプ。
食べる速度はまぁ普通だがもごもごと定期的な速度を保って食べ進める。
その食べるスピードが衰えない辺り、少年の胃袋も中々なのかもしれない。

「…………」

ただ、そう言われるとぴたりと止まる。
だがすぐにもぐ、と飲み込みお食事再開。一瞬の思案タイムだ。

「困るのかな、そう言うの」

確かに少年はまだ多くの事に興味を持って、興味が無い。
ただ、他人と自分に対する価値観は絶賛揺れ動いている。
だから人が話す時に困ると言われた時、そう言うものなのかと気に掛けるのだ。

「そうなんだ。…………」

生返事に脳裏に過るはあの仮面の男。
斬奪怪盗だか何かは知らないが、如何にも気になる。
まさか、ソイツのせいだとは思わないだろう。
考えを振り切るようにふるふる、と首を振った。

「そっか。すぐ治ると良いね。あんまり深くなさそうなら良かった」

園刃 華霧 >  
問われたことに、んー、と考える

「ン―……そーダな。
 アヤメっちが、マジで欠片も他人にキョーミ無いッテ感じなラ。
 別に、いーンじゃナい?」

他人に興味がなけりゃ、どうでもいい情報はどうでもいいままだ
別に、好きにすればいい


「けど。もシ、他人に少しデも興味アるんなら。
 無駄も、無駄じゃナくなンのサ。
 案外、チっさナことガ。
 どーデも良さソ―なこトが。
 人ってヤつを繋ぐカらナ?」


そういって……
空になった蒸籠を見せる

「コれだッテ、たかガ飯じゃン?
 でモ、少なクとも……アタシらが話すキッカケにはナった。
 ……な?」

ひひ、と笑う


「マー、ギリで避けタかンな。
 そんナ深いキズにナらんで済んダんよ。
 ちょイと待テば、多分治るダろ

 
 ま、それデも元々大食いは否定でキんけど、ね」

芥子風 菖蒲 >  
「…………」

興味が無いならそのままでいい。
けど、何かのきっかけ。"暖かいもの"のきっかけになった。
正直まだどういう風に興味を抱けばいいかわからない。
世界が広がったばかりの少年の足取りはまだ覚束ない。
それらの線引きがどういうものか。今までハッキリしすぎたせいでどうすればいいかわからない。

けど。

「……青い暖簾のお店なのは、覚えてる」

多分、華霧の言ってる事は間違いじゃない気もする。
こういう何ともない事が普段皆のいる所で
こんなどうでもいい事が存外普通なのかもしれない。
こくり、と頷くとベンチから飛び上がる。

「次はちゃんと、お店の名前見ておくよ」

「その方が多分、華霧も喜ぶと思うから」

彼女だって喜ぶから。
その"無駄"を"無駄"じゃなくしていこう。
ん、と軽く伸びればトントンと鞘で自身の肩を叩く。

「なら、その饅頭はお見舞い代わりって事で全部上げるよ。
 オレ、巡回中だからそろそろ戻るから。無理せずちゃんと病院行ってね」

「またね」

そんな彼女の"怪我"をこれ以上増やさない為にも自分はいる。
だから黒衣を翻し、今日も街の平和の為にその場を後にするだった。

ご案内:「商店街」から芥子風 菖蒲さんが去りました。
園刃 華霧 >  
「おイおいオい、気前良いナ?」

やれやれ、と息をつく


「青イ暖簾の店、ネ。
 ンー……」

なんか、記憶にあるかも知れない。
今度調べてみるか

そう想いながら、追加の一個を口にくわえる


「んム、ンまい」

けど
どうも、歪んでんなあアイツも

でも、ま、多分
自覚してんのかはわかんないけど、
それを少しでもマシにしようとしてんだろうな

「ふほひは、へふはっへはふは」

のんびり、饅頭を咀嚼しながらつぶやいた

園刃 華霧 > そして、ごくり、と飲み込み
 
「……さテ。
 食っチまったシ、土産にハできンよナ……」

しょーがない、青い暖簾の店を探して
手土産の一つも持って同居人のところに戻るかな

そう思って、のんびりと歩き始めた

ご案内:「商店街」から園刃 華霧さんが去りました。