2022/08/08 のログ
■レナード > 「………ん」
そのまま帰路に就こうとしていた矢先のこと。
ふと視界に入ってきたのは、軒先でりんご飴を売っている店。
季節柄、お祭りもそこそこに行われてるし、時間帯をずらして売っていても不思議ではないだろう。
一度は華やかな甘味を求めていたけれども、こういう素朴なものでも悪いわけではない。
少年は一度生唾を吞むと、とてとて店番に近づいて。
「そのりんご飴、おひとつ欲しいし」
ちょっとばかりぶっきらぼうに言いつつも、釣銭が出ないくらいにぴったりとお金を渡して、
いつの時代も変わらなさそうなそのフォルムの駄菓子を片手に、そのまま雑踏へと戻っていく。
「………おいし」
思っていた甘味は得られなかったけれども、
こういうのも悪くないなと思いつつ、少年は住処へと帰っていったのだった。
ご案内:「商店街」からレナードさんが去りました。