2020/07/11 のログ
ご案内:「扶桑百貨店 商店街支店エリア/催事場エリア(1~3F)」にマルレーネさんが現れました。
■マルレーネ > テストはギリギリなんとかなったような気がする。
気がするだけかもしれない。
まあ、補習があっても別に気にしないのでいいのですが。
休みで何をするというわけでもありませんし。
そんな彼女は、まだ来たばかりということもあって受けなければいけないテストの量もそこまで多くはない。
だからこそセーフだったとも言えるのであるが、それは後日の話に譲る。
今日は、アルバイトの代打をお願いしてきた生徒のためにお仕事をすることにしたのではあるが。
「………ふー。」
溜息をつく。本当に深いため息。
神よ、今日の試練はこれですか。
■マルレーネ > 『もうすぐ夏だね! 一緒にキャンプ! 海! 楽しみだねー! 水着とキャンプ用品がたっくさん! みんな見ていってねー!』
電子音声に合わせて踊る二足歩行の猫の着ぐるみ。
にゃんにゃん、とかポーズを取ってみたり、流れる音楽に合わせて踊ってみたり。
あれこれ旅よりハードなんですけど。
体力自慢の彼女にしては珍しく、膝に手をついてふー、ふー、っと吐息が乱れる。
だって体感温度40℃超えてる。
■マルレーネ > 踊り終わって、子供に何度もパンチされて。
ようやく休憩をもらえれば、ショッピングを楽しむ人たちがあまり通らない裏の通路で、はーーーーーっ、と大きなため息をつく金髪の姿。
着ぐるみの頭だけ取ったシスターが、完全に体力の限界を迎えて崩れ落ちて真っ白になっていた。
「………こんなにハードなお仕事もあるんですね………」
けふ、ちょっと体調まで悪い。
手を抜くことを知らない彼女は、なんかもう湿気の塊みたいになっている。
お風呂入りたいな……なんて、ぼやけた視界で思う。
ご案内:「扶桑百貨店 商店街支店エリア/催事場エリア(1~3F)」に金剛 経太郎さんが現れました。
■金剛 経太郎 > 「あのー……大丈夫、ですかー?」
息も絶え絶えのシスターへとそっと声を掛ける影が一つ。
テスト初日をどうにか乗り越え、気晴らしに百貨店へと来た経太郎である。
遠巻きに猫の着ぐるみが凄い頑張ってる姿を見ていたが、そのうちに段々と心配になって来て、今に至る。
「これ、良かったら……ええと、差し入れです。」
そっとさっき買ったばかりのスポーツドリンクなんかを差し出してみる。
今仕事中で飲めないなら、後で飲んでください、と付け足して。
■マルレーネ > 「……ほ?」
完全に息も絶え絶え。現状ではシスターであることすら分からない女が一人。
着ぐるみの頭だけ取ってくたばっている金髪の女。
「……あ、あははは、申し訳ありません。
お客さんですか?」
ありがとうございます、と微笑みながら善意は受け取りつつ、一応確認。
客だと言えば、よいしょ、と猫の頭をかぶろうとするだろう。
「頭を取っていたのは内緒ダヨ!」
おどけて体力の限界を誤魔化そうとする。
■金剛 経太郎 > 「あっ、いえっ……一応、アルバイトというか、お手伝いというか……」
手ぶらで冷やかしをして行こうと思ったら、同級生が別の売り場でアルバイトしていた。
大変そうだなあと見ていたら、サクラとして一日バイトに付き合わされることになった。
そんな経緯があって、お客様だけど、お客様じゃない経太郎である。
正規のお仕事をさせるには少しばかり見た目がアレだから、という事に納得がいかなかったりもしてるが。
「……えっと、すごいですね。なんていうか、プロ意識というか。」
正直、軽く引いている。
だってこのお店はテーマパークのような夢を売る場所ではない。あくまで商品を売る場所だ。
それなのに、目の前の彼女は猫さんを演じようとしている。ふらふらなのに。
■マルレーネ > 「ああ、お手伝いなんですね。
じゃあ、ちょっともうしばらくこのままで。」
はへー、……と、弱り切った様子でスポーツドリンクを口にして、もう一息。
溶けた猫みたいになったまま。
「……プロ意識? ああいえ、私もバイトですよー。
お仕事の代打を頼まれたので、できる範囲ですけど。
動きを教えてもらったくらいで、どこまでやっていいか分からないんですよね。
………あー、でも、染みますねー………」
ドリンクでゆっくりと身体を潤して、はー、っとまた溜息。
何も知らないから、全力全開だったのだろう。
■金剛 経太郎 > 「えっ……代打で……?」
マジかよ、と言わんばかりに目を丸くする。
道理で同級生も『今日はやたら動いてるなあの猫ー』とか言ってたわけだ、と納得して。
「出来る範囲でへろへろになってたら元も子もないですよ。
万一倒れたりしたら、お店にも迷惑かけちゃいますし。
んーと、とりあえずしっかり水分補給して、篭ってる熱は逃がした方が良いですよ。」
頭だけじゃなくてと、着ぐるみの胴体を指す。
あとは塩分補給も必要じゃないかとは思うのだが、簡単に塩分補給が出来そうな物は持ち合わせていなかった。
「あとは、もう少し動かなくても大丈夫だと思います。
他の売り場の人が心配するくらい動いてましたから、今日の猫さん。」
■マルレーネ > 「はい、ちょっとテストがまずかったからー、って。」
あはは、と力なく笑いながら、確かに、と渋い顔をする。
「そうですね、もうしばらく休ませてもらって、あとは配置を変えてもらって、ですかね………。
ああ、えー、っと。 えっと。
ダメです、今はダメです。 脱げません。」
あははは、と笑って、頬を赤くして目を右に左に泳がせて。
「いやその、中薄着でして。………汗だくなのでまあ、その、いろいろ?」
首を傾げて、ぺろ、と舌を出して笑う。
■金剛 経太郎 > 「テストが………。」
なるほどなるほど、と頷いた。
身に覚えがある。ありまくる。出来れば今は考えたくない話だった。他人事じゃない。
「あっ、その……はい。
今じゃなくて良いです、人が来ないわけでも無いですし。」
釣られて頬を赤らめながら視線を逸らす。
わざわざ理由まで説明されると否応にも着ぐるみの中を想像してしまう。
ふるふる、と首を振って邪な想像を追い出して、
「もちろん後で、配置換えの前とかで良いのでっ!
空調結構利いてるので、気を付けて下さいね……?」
汗だくで冷房の風を受け続けたら風邪をひいてしまうから、と。
■マルレーネ > 「そ、そうですよね。 いや、別にダメってわけじゃないんですけど。
ほら、あれです。匂いとかもやっぱり気になっちゃいますしね。」
あはは、と笑いながら頬を赤くした少年相手に言い訳のように言葉を連ねる。
自分でちら、と着ぐるみの中を覗いて………ダメだこれ、と視線をそらした。
「あー、そうですね、涼しいなあと思ってましたけど、これ、風邪ひいちゃいますね………。
休憩中にお風呂でも行った方がいいんですかね、これは。」
■金剛 経太郎 > 「いや、ダメですよ。それは。
いちいち言わなくても大丈夫ですからっ、分かってますからっ」
折角追い払った邪な妄想が戻ってくるような事言わないで欲しい。
……等と言えるはずも無く、少しだけ視線を彷徨わせる。ぐるぐる。
「お風呂……
お風呂なら、確か上の階にあるって、聞きましたけど。」
だから邪な以下略。
何だろう、わざとやってるのだろうか、と若干疑い始める経太郎。
勿論、全部思春期の思い過ごしなのではあるけれど。
■マルレーネ > 「あはは、………そうですよね、風邪ひいちゃいますもんね。」
緩い笑顔を浮かべながら、わかるわかる、と頷くシスター。
全然わかっていないけれども。
「こっそりと上の階に行って、お風呂を浴びてから戻ってきたらなんとかなりますかね………。
いやでも、終わってからさっぱりした方がいい気分はしますよねー。」
腕を組んでうんうんと唸り始める猫。
「……あ、そうそう。……私、異邦人街で修道院に住んでおります、マルレーネと申します。
異邦の教会ではありますが、何かありましたらいつでもいらっしゃってくださいね。」
同じ学生ではあるが、こうして名を名乗ったことはなかったはずだ。穏やかに名乗りながら、よっこいしょ、っと立ち上がって。
足元がふらつく。
■金剛 経太郎 > ですですですです、と何度も何度も頷いた。
同時に自分の顔から熱を払う。
「どちらでも、良いんじゃないでしょうか。
休憩時間、結構あるんです?……それなら、」
今行ってしまっても、問題は無さそうだけど。
ふと思い出した事があって告げようとしたが、先に相手が自己紹介を始めたので口を噤む。
「あ、ご丁寧にどうも……マルレーネさん、ですね。金剛 経太郎です。
教会というと……病気の治療とか、蘇生とかする……
ああっ、危ないですよ。もう限界なんじゃないですかっ」
相手が名乗ればこちらも名乗る。が、続く教会の知識はだいぶ間違っている。
実のところ教会というものが現実世界でどのような役割を果たしているのかはさっぱり知らない経太郎だった。
立ち上がり、ふらついたマルレーネを見て慌てて身体を支えようとする。
体格差から、自然抱き着く様な形になってしまうけれど。
ご案内:「扶桑百貨店 商店街支店エリア/催事場エリア(1~3F)」からマルレーネさんが去りました。
ご案内:「扶桑百貨店 商店街支店エリア/催事場エリア(1~3F)」から金剛 経太郎さんが去りました。