2020/08/28 のログ
ご案内:「扶桑百貨店 ファッションエリア(4~6F)」に宇津木 紫音さんが現れました。
宇津木 紫音 > 彼女自身は、自身を悪だと思っていない。
ただ、敵だと認識されやすいことは理解している。

「もう少し甘い匂いのする香水はありません?」

微笑みながら店員に尋ねる。
用途は当然、誘惑…………。 それは嘘だが。

彼女の異能は甘い匂いを強く発する。
突然匂いが変わることは、確かに普通に考えれば違和感でしかない。

宇津木 紫音 > 自分の発している匂いと同じ香水があれば、普段から意識せずとも発動させられるのだが。

「………どれもこれも、しっくりきませんわね。」

甘い匂いは強いからこそ、系統の違う甘さには敏感になる。
まあ、嗅ぎ続ければ鼻が利かなくなるので効果が無いわけではないのだが。


「………他者から忌避されるほどの強い匂いでは、意味がありませんし。」

んぅ、と渋い顔をして試供品をことん、と置いて立ち上がり。

「仕方ありませんわね、まあ、こちらにとっての使いづらさがあってこそ、といえばそうなのでしょうけれども。」


体液を毒と為す女は、少しだけ肩を竦める。

宇津木 紫音 > 「そろそろ、あけすけに信用して何でも話してくれる人間……しかも、能力に詳しい人間が一人二人欲しいところですが。」

まあ、焦っても仕方ありませんね。
肩をもう一つ竦めて、店から立ち去っていくお嬢様。

ご案内:「扶桑百貨店 ファッションエリア(4~6F)」から宇津木 紫音さんが去りました。
ご案内:「扶桑百貨店 ファッションエリア(4~6F)」に修世 光奈さんが現れました。
ご案内:「扶桑百貨店 ファッションエリア(4~6F)」にフレイヤさんが現れました。
修世 光奈 > いつも賑わう扶桑デパートのファッションエリア
夕方から夜に変わる時間にそこを訪れる姿。

「どう?、フレイヤちゃん。結構色々種類あるでしょ」

先を歩くのは快活な私服の光奈だ。
今日の目的は、浴衣を選ぶこと。
せっかくだからと…お試しでご主人様となっている少女を誘ってみた。

二人の関係は…一応主従関係だが、光奈は現在、友達の様に話しかけている。
未だ、ペット、というのがしっくり来ていないからだ。
怒られれば止めるだろうが、そうでなければこの態度は続いていくだろう。

二人の目の前に広がるのは色とりどりの浴衣コーナー
大人っぽい色合いのものから、フリルがついた変わり種までずらりと並び。
サイズも…この島だからか、とても大きなサイズから逆に非常に小さなサイズもある。

そんな浴衣の楽園ともいうべき場所に案内しつつ、お試しとはいえご主人様の様子を伺おう。

フレイヤ >  
「わぁー!」

一方のこちらは目を輝かせて並んでいる浴衣にはしゃいでいる。
浴衣を着たマネキンに駆け寄って眺めては、離れてしまった彼女へ駆け寄り、その途中の別のマネキンに駆け寄り、とはしゃぎにはしゃいでいる。

「すごいわ! ジャパニーズユカタ! わぁー!」

写真や絵でしか見たことのないものが目の前にあって、興奮しているようだ。
カラフルでおしゃれな浴衣をあれもこれもとちょろちょろきょろきょろ。

修世 光奈 > 「喜んでくれてよかったー…」

最初に会った時は…光奈基準で言えば結構怖いことを言われた気がするから。
こうしてはしゃぐ相手のことを見れば、見た目相応ではあるんだなぁ、と、とても安心する。

「こんなにいっぱいあると迷っちゃうねー、わ、と、と」

あんまり離れないように…光奈もあっちへこっちへとはしゃぐ姿についていく。
柄モノが多いが、無地だったり、無地に見えて角度によって刺繍が見えたり、色が変わったり。
異界の技術も多少入っている浴衣も普通のものに混じって所狭しと並んでいる。

「買うかどうかは別にして―、フレイヤちゃんは何色が好き?」

光奈もまた、それらの浴衣に注目しながら、好みを聞いてみよう。

フレイヤ >  
「だってキモノよ!」

本国でも人気の浴衣。
それがこんなに並んでいるのは本国ではそうそう見ない。
テンションも上がると言うものだ。

「私? 私は緑が好きだわ。赤も情熱的で好きだし、青も爽やかで好きよ」

つまり何色でも大体好きと言うことである。
売り場をあちこち駆けまわっていたお嬢様だったが、ふと何かを思い出して彼女のところに戻ってくる。

「そう言えばコーナ、貴女に渡すものがあったのよ」

そう言って持っていた小さな鞄から取り出すのは、小さめの箱。
開ければ中には純銀の茨の装飾が施されたブレスレットが入っているだろう。

修世 光奈 > 「確かに、カッコイイよねえ、着物…着るの、すごく難しいらしいけど」

実際、光奈も機会が無くて着たことはないけれど。
簡単着物ならまだしも、しっかりとしたものはコツを掴まないと難しいということはわかる

「じゃあこっちのカラフルめなのも好きそう…、って、えと?」

どんな色でも好きだという相手にマネキンにかかった商品を指さしてから。
箱を受け取れば…開けて良い?と聞いてから開ける。
中に、綺麗なブレスレットが入っていれば首を傾げて。

「わ、綺麗…。これって?」

しげしげとそれを眺め、大事そうに両手で持つものの。
贈り物をされる理由がいまいち光奈にはわからず、聞き返す。

フレイヤ >  
「ふうん、そうなの? メイドにちゃんと勉強させておかなきゃ」

自分で着れるようにする、と言う選択肢はないらしい。

「ペットの証よ。常に身に着けておきなさい」

さも当然であるかのように。
繊細な細工の施されたそれは、見るだけで明らかに高価だとわかるだろう。

「そうでないと、血を啜る人斬りに斬られちゃうわよ?」

そして物騒なセリフ。

修世 光奈 > 「………」

何とも、メイドの苦労が思われる言葉が聞こえた気がするが。
実際、お世話したい、という気持ちはわからないでもない。
過激な言葉を除けばお人形さんのように可愛いし、さっきまでの様子を見ていれば放っておけない気持ちも生まれる。

「…首輪…ってことかな?別にこれなら、付けていられそうだけど…人斬り…?」

素人の光奈でも、明らかにイミテーションではないとわかる豪奢な細工と金属らしい重さ
直球で首輪を与えられたらかなり戸惑っただろうが、こういうおしゃれなモノなら抵抗感も薄い。
が、しかし。付けていないと斬られるとはどういうことか、と首を傾げ。

「と、とりあえず付けて置けばいいんだよね。んしょ、と…」

こう、浴衣にはしゃぐ可愛らしい姿を見た後だとペットの証と言われてもどこか気が抜けてしまう。
あっさりとそのブレスレットを身に着けて。

「ヘンじゃない?こういう高級品って全然持ってないから…。
これで、人斬りには狙われ無さそう?」

ブレスレットだからか、それほど自分では違和感は感じない。
過激な冗談だと思っているのか、くす、と笑って言葉を返そう。

フレイヤ >  
「そうよ、人斬り。スズネって言うんだけど、その子もペットなの」

さらり、と。
彼女の知らないところで着実にペットが増えている。

「その子、誰彼構わず斬っちゃうから。それを付けてる子は斬っちゃだめよ、って躾けてあるのよ」

困ったものね、と腕を組みながら。
この間も逃げた最初の三人を斬って連れて帰ってきた。
ペット同士でケンカしたらだめだと叱っておいたが、まぁそれは彼らの自業自得なので仕方ない。

「似合ってるわコーナ。スズネの機嫌が悪くなければ狙われないでしょうね」

慈悲の笑み。

修世 光奈 > 「ああー……なるほど。それなら、付けておくね。どこでそのスズネさんと会うかわからないし…」

正直なところ、これを付けていても斬られる可能性があるというのは聞きたくなかった情報。
けれど、知っていれば対策は立てられる。
いざとなったら、この御主人様の名前を出せばどうにかなるだろうと。

ふりふり、と銀のブレスレットを振ってみる。
大きさも丁度良く、ずり落ちることもなさそうだ。

「大事にするね。せっかくもらったものだし…。そういえば、そのー…今のでちょっと気になったんだけど」

浴衣選びに戻りつつ、ふと気になったことを聞いてみる。
反抗したらだめ、とは言われたが聞くぐらいなら、と。

「もしかして、ペットって…お友達、とかそう言うのに近い…?
そのスズネさんは躾とかされてるみたいだけど、私はそう言うの無いから…それとも、別に反抗したりしてないから?」

気になったら、つい口に出てしまう。
言動はどうあれ、悪い人には見えない相手ならなおさら。

フレイヤ >  
「そうしておいて。ペット同士でケンカするのは良くないもの」

怪我の手当とか、後始末とか。
悪いことをしている、という自覚はないが、知られると面倒なことをしている自覚はある。
お金はともかく面倒は避けたい。

「無くしたらちゃんと言うのよ。新しいのあげるから――何?」

隠し事をされた方が怒る、と言うこと。
そうして彼女の言葉に首を傾げて、

「――コーナは、犬とか飼ったことない?」

尋ねる。

「飼い犬には餌をあげる、つまりお世話をするでしょう? それとは別にお散歩をしたり、公園で遊んだり、悪戯をしたらそれは良くないことだと躾もするわ。そう言うことよ」

修世 光奈 > 「失くさないよ、こんな綺麗なの…付けてるだけでもいいのかな、ってなっちゃうし」

庶民にとっては手が届かない一品であることには違いないだろうそれを腕に付けていると緊張する。
この辺りは、慣れれば緊張も薄くなるのだろう。

「犬?……ああーーー……」

凄く納得した。
会って話して…わかっていたつもり、だったが。
改めて、私とは全然考え方が違うんだなあ、と。

「じゃあ、行儀よくしておかないとね。
あ、もしかしてこれって…お試し卒業しちゃう感じだった?」

遅まきながら、ブレスレットの意味を深く考えて。
未だ理不尽な命令はされていないが、もしかするとこれからされるのだろうか、と。

フレイヤ >  
「斬られてもいいと言うのなら、付けておかなくても良いわよ?」

別に何が何でも、と言うものでもない。
付けたくないと言うのなら無理にと言うものではないし。

「そうね、お行儀のいい子は好きよ。お試し――?」

にこ、と笑って。
が、その後の言葉に首を傾げる。

「卒業、ってどういうことかしら? ペット、やめたいってこと?」

妙な圧のある真顔。

修世 光奈 > 「ううん。斬られたくないよー…誰だって、通り魔には会いたくないって思うでしょ?」

馴染みは無いから、落ち着かないが…相手が嘘をついているとも思えないため、大人しく付けておくことにしよう。
色々と心配事もあるし、心配をかけたくない相手もいるから、傷つけられる可能性は減らしたい。
ただ、その後の相手の反応には説明が足りてなかった!と慌てて

「あ、違う違う。別に辞めたいとかじゃなくって。
ただ単に、お試しは終わりかなーって思っただけだよ。
後は―そのー、粗相しない限り痛いことはしない、って言われてても、もしかしたら何か扱いが変わるのかなー、とか。それだけ」

どういう方向にしろ、何か変わるなら把握しておきたかった、というだけではあるが。
ご機嫌だったのに怒らせちゃったかな…と不安そうな表情だ。

フレイヤ >  
「私は別に。だって強い――うん、私強いもの」

通り魔など怖くない。
通り魔だろうと何だろうと、痛みを与えてやればあっさり地面を転がるのだ。
それだけの力が自分にはあるし。
そう胸を張ろうとして、先日見事に叩きのめされたことを思い出した。
うん、あれは相手が悪かっただけ。
自分は強い、そう言い聞かすように改めて自分は強いと胸を張る。

「そう? 別に何も変わらないわ。コーナはお試しかどうかで自分のペットの扱いを変える?」

変なこと言うのね、と笑いながら。

修世 光奈 > 「…そっか。…強いんだ。いいなぁ」

この島では見た目と…異能の強力さは比例しない。
もしかすると、まだ聞いてはいないが…この相手はとても荒事に向いている異能なのかもしれない。
そんな力があれば、どれだけいいだろうかと。

相手の言い聞かせは見抜けず、ぽつりと呟く。

「そ?それなら、別にいいんだけど…。あ、ごめん。浴衣見に来たのに変な話しちゃって」

まだまだ、ペットというのは慣れない。
反抗しない限りは、友達のような状態だが。
さっき感じた妙な圧を考えると…余程でない限り逆らわない方がよさそうだとも思う。

「んー…私はどうしよっかな…暗い色にするか、明るい色にするか…」

ただ、光奈が誘った目的は浴衣選びだ。
気を取り直して、浴衣に向き直っていこうと。

フレイヤ >  
「そうよ、強いのよ」

再度言い聞かせるように。
今度は彼女に羨ましがられたのが嬉しいのか、さっきより少し上機嫌。

「そうよ、ユカタよ!」

そして思い出したかのようにはしゃぎだす。
改めて飾られている浴衣を眺めて嬉しそうに。

「暗い色は地味よ。明るい色の方が良いわ」

ニポーンの詫び寂びなど理解していないようなセリフ。

修世 光奈 > 一時は少し怖かったが、すっかり可愛らしい様子に戻った。
それにほ、としつつ浴衣を眺めていく。
どんな強さを持っているんだろう、と思いはしたが、今はまだ聞かずに。

「あ、そう思う?…せっかくだし、フレイヤちゃんに選んでもらおうかなぁ
良かったら、フレイヤちゃんの浴衣は私が選ぶから…選びあいっこしない?」

暗い色なら少し大人っぽいか…と思ったところに鋭い断言。
確かに詫び寂びは薄いだろうが、せっかくの意見を捨てるのももったいない。
二人で来ているのだし、買うかどうかは別にして選び合うのは楽しそうだと思い、提案。

「フレイヤちゃんの場合…可愛さを際立たせるか、敢えて大人びたデザインにするか悩むね―…」

じ、と相手を見てどんなのが似合うかな、と。
真剣に悩み始める。どの色も好きだと取れる風に言っていたから、問題は模様だろうと判断しているようだ。

フレイヤ >  
「選び合い? いいわ、コーナに似合うユカタ、私が選んであげる!」

任せておけと言うように胸を張り、さっそく並ぶ浴衣を選び始める。
マネキンを見て、彼女を見て、また別のマネキンを見る。
それを小動物の様にうろちょろしながら繰り返す。

「んー、んーー……」

真剣に。
彼女の声が聞こえないくらいに。
どれも彼女に似合いそうだ。
悩む。

修世 光奈 > 「えへへ…楽しみにしよ、っと。フレイヤちゃんが選んでくれるなら、嬉しいし。
その代わり…私も、しっかり選ばないとね」

なんだか心配ではあるから、余り離れすぎないように。
けれど、真剣に浴衣を探す。
ただでさえ色々と種類があるのに、異界のテイストが加われば種類は当然膨大。
真剣に探せば、それなりに時間はかかるだろうか。

こういった明確な探し物ではないが、探し物の場合。光奈の能力は…その感性に委ねられる。
光奈が一番、相手に似合うと思った浴衣に、眼が吸い寄せられるのだ。

「………………よし、私はこれかなー」

能力を過信しているわけではなく、じっくりと考えて。
選んだのは、サイズが合いそう、かつ似合うと思った浴衣だ。

全体の形としては…日本風のものに憧れていたようだったから、フリルなどがついていないスタンダードなもの
メイドさんがやってくれるという情報もあったから、敢えて簡単に着れる形のものではなく、本格的なものだ。
色は薄く明るい赤色をベースに、デザインが煩くならない程度に、群青の牡丹の花の柄が所々に散りばめられている。
芍薬と並んで美しい女性の象徴とされる牡丹は…幼い見た目ながらも、成長すれば美人になることは確実な相手にはぴったりだろうと判断。

帯は全体と比べて濃い赤色。これも、相手の長い緑髪と相性がよさそうな色をチョイス。
足元は…下駄はしんどそうだと思い、ヒールのあるサンダル。
足の甲を通る部分はこれも浴衣のベースと同じ色。ただ、装飾は百合だ。
商品のアオリ文には、百合は無垢、厳格を表すらしく…少女にぴったりだと思えた。

「あ、フレイヤちゃん。こういうの、どうかな?」

やっぱり、浴衣を体験してもらうならトータルで楽しんでもらいたい、と。
時間をかけて選んでは見たものの、気に入ってもらえるかどうか。
お店のサービスで、マネキンにそれらを着せた画像を一枚撮らせてもらい、相手のところへ持っていって感想を求めよう。

フレイヤ >  
「――あ」

ふと目に着いた浴衣。
マネキンが来ているものではなく、。
それを何気なく取り出してみれば、白を基調に黄色い花――ひまわりの刺繍がされているもの。
お値段の張るものだが、それは見ていない。

「――これ! これコーナに似合うと思うわ!」

それを抱いて振り向けば、ちょうど写真が差し出されたところ。
覗き込んで。

「これを、私に?」

彼女の顔を見上げる。
綺麗で素敵な浴衣だ。
それを自分のために選んでくれたと言うことにちょっと感動している。

「……オビも、選ぶのね……」

そして自分が選んでいたのが浴衣だけと言う事実。
帯も履物も選ぶものが色々あると初めて知った。

修世 光奈 > 「わ、かわいい…。ありがと、フレイヤちゃん。
あー、うん。ちょっと気合入っちゃって…フレイヤちゃん可愛いし、やっぱりこう…似合うもの着てほしいなって
着るの大変なやつだけど、その辺は大丈夫そうだし」

浴衣だけ、と言っても。
それは…相手が自分に似合うと思って選んでくれたものだ。
その気持ちはとても嬉しい。
白と黄色…元気なひまわり、なんていうのもイメージに合っている気がする。

「良かったら、帯と足元も一緒に選んでくれる?
これ、すっごく可愛いから…やっぱり、えらびっこしてよかった!」

浴衣を軽く抱きながら、光奈も嬉しそうに笑って。
もし、相手が気にするのなら、せっかくだから帯と足元も選んでもらおうと提案してみよう。
お金は、この際気にしない。
色々と…うん、色々とあって、なぜかお財布は潤っているから。

フレイヤ >  
「う、ん……ありが、と……」

ぱちぱちと目を瞬かせながら写真を見つめる。
映っているものは全て自分のために誰かが選んでくれたものと言う事実。
胸の奥が温かいような感覚。
よくわからない。

「え、あ、うん」

帯と足元も、と言われては、と我に返る。
とりあえず写真は置いておいて、今度は帯の並んでいるスペースに。
この浴衣に似合っていて、それでいて彼女にも似合う帯。
ちらちらと彼女の方を見ながら選ぶ。

「あ、これ」

手に取ったのは濃い黄色、オレンジに近い色の帯。
浴衣の花の黄色と少し色合いの違う色。
それをまじまじと眺め、決めたようだ。
次は足元。
これは比較的早く決まった。
赤い鼻緒のベーシックな下駄。

「どうかしら……?」

おずおずと彼女の反応を窺うように差し出した。

修世 光奈 > なんだかしおらしいご主人様と共に、今度は帯と履物を選ぶ。
向けられる視線には、どうしたの?というような視線を返しつつ、歩いていると。

ふと手に取ってくれたのは、浴衣に合いそうな色合いの帯。
勿論、雑に選んだわけではないことは、相手の様子を見ていれば当然わかり。
そうして、すぐに履物…浴衣に合いそうで、からころと気持ちのいい音が鳴るだろう下駄だ。

両方を受け取って、にっこりと笑みを返そう。

「ありがとー!このセット、絶対可愛いよー。
色も明るいから、暗いところでも目立つだろうし、下駄も…あ、これ指の間が痛くなりにくいやつ…かな?
いっぱい遊びたいから、こういうのだと更に嬉しい…」

買う買わないだけではなく。
使う場面も想像して、嬉しそうに。
下駄についていた紹介文を見て、更に喜びを表すように体が揺れる

「嬉しいよ、フレイヤちゃん。絶対これ着るね」

どんな眼で見ても、嫌がっているようには見えず。
むしろ、ぴかぴかと光が舞うように喜んでいるのがわかる返答だ。

フレイヤ >  
「う、うん」

彼女の笑顔を見てドキリとする。
こんなに喜んでくれるとは思っていなかった。
なんだろう、この感覚。

「そ、そうよ、私が選んだんだから、使わないと、許さないんだから」

ふい、とそっぽを向いて。
なんだろう、妙に恥ずかしい。

「――わ、私も、使うから、ちゃんと使うのよ」

そうして自身も彼女が選んだ浴衣をちゃんと着る、と。

修世 光奈 > 「?、どしたの?…へへー。じゃあ一緒に買いにいこっか。もちろんだよー。
買うだけ買って、そのままにしておくなんてもったいなくてできないし!」

高い、というのもあるけれど。
一番の理由はやっぱり相手がしっかり選んでくれたからだ。
ペット、と言われてはいるが…相手の態度からは真心を感じる。
ペットって、家族と取られることも多いからこんな真摯に接してくれるのかな、なんて考えつつレジへと向かおう。

何となく出すのが緊張するお札を出して購入し、相手も購入すれば。
晴れて、えらびっこ終了だ。

「えへへー。勇気だして誘ってよかった。またこうやって買い物とかしようよ、フレイヤちゃん」

そう言って、また次の予定も口にしていこう

フレイヤ >  
「なんでもないわ。行きましょう」

ぶんぶんと頭を振って。
そう、別になんでもない。
レジへ向かい、こちらは黒いカードで決済。
さらさらとサインをして、商品は家に送ってもらうようにして、買い物は終わり。

「私も、まだこの島の事良く知らないし、一緒に買い物に行ってくれるのは助かるわ。よくできたペットね」

そう笑いながら言い、背伸びをして彼女の頭を撫でてやる。

修世 光奈 > 「おぉ…」

慣れないブラックな光沢カード。
それをついついのぞき見してしまいつつ。
買い物は一度、終わりだ。
ただ、これだけ楽しいのならまた行くのは当然歓迎である。

「まっかせて!何か欲しいものがあったら一緒にかいにいこーよ。わ、……ごほーび?」

相手の場合、取り寄せとかでなんとかなんてしまいそうだけれど。
もし一緒に色々回ってくれるなら、それはうれしいな、と。
相手が背伸びをしてくれば、少し屈んで受け入れよう。

フレイヤ >  
「そうね、大抵はここに来れば揃うのでしょうけれど」

選び方がわからなかったりするものもある。
家電製品とか家具とか……そもそも使い方もわからないけれど。
基本はメイドに選ばせるのだが、一人暮らし?なのだから自分でも選んだ方が良いのだろうと思うから。

「そうよ、良い働きをしたペットにはちゃんとご褒美をあげないとね」

そう言って彼女の頭をゆるりと撫でて。

「――じゃあ、良い働きをして、ご主人さまにユカタを選んでくれたペットに、もう一つご褒美をあげましょうか?」

そう言って彼女の手を握る。
向かうのはレストラン街。
ちょうどいい時間だし、ドレスコードのないちょっと高級なレストランに連れて行って食事にしよう。
勿論ご主人さまのおごりで。

修世 光奈 > 誘っても、誘われても。
色々聞いたおかげで不安も払しょくされたから、もう気負うことはない。
何せ、光奈としてはいつも通りにしているだけなのだから。

「じゃあ、もっとご褒美を貰えるように…わ、ほんと?」

褒められるのは、例え年下からでも嬉しい。
素直に撫でられ、更に…レストラン街へと向かえば。
きょろきょろとしたくなるような高級なレストランに入っていく。
それこそ、おつきのペットの様に大人しく奢られて。

「……すごい緊張するんだけど」

そんな、固まった光奈が席についていたそうな。

フレイヤ >  
「慣れるわ、コーナ」

落ち着かない感じの彼女の様子にクスクス笑いを漏らす、慣れた様子の自身。
そうして色々お喋りしながら食事を楽しんだとかなんとか――

ご案内:「扶桑百貨店 ファッションエリア(4~6F)」から修世 光奈さんが去りました。
ご案内:「扶桑百貨店 ファッションエリア(4~6F)」からフレイヤさんが去りました。