2021/02/14 のログ
玖美・E・A > 「オススメ?うーん、そうだなぁ、私が去年食べて美味しかったのはこれかな。果物のソースみたいなが入ったやつとか、いろんな種類があって楽しいの!」

いっそ今年もこれでいいかも、と思ったくらいにはお気に入りなのだけど、違ったものも食べたい、と悩んでいたものだ。とはいえ、それは他人にオススメするには関係ないことだ。

金剛 経太郎 > 「ふーん……これかあ。
 じゃあ、僕はこれにしよっかな。こういうチョコレート、食べたことないし!」

玖美が示したチョコレートを指し、エコバッグの中にある財布を探す。
はたして財布の中に買えるだけのお金が残っていたかは怪しいところだが。

「玖美お姉ちゃんはどれにするの?」

玖美・E・A > 「わかった、じゃあこれねー。私は、ええっとぉ……」

そうと決まれば、こちらは食べたことのない、気になるチョコを選ぶだけなのだが、

「これと……これと、これと……これもください!」

さきほど経太郎くんに勧めたものや、大きなチョコケーキも含めて、四つほどをまとめて注文してしまう。
明らかに自分で払うつもりで、財布から万札を取り出しつつ。

金剛 経太郎 > 「え、えっと……ひ、一つずつじゃないんだ……」

次々と注文する玖美を見て、一瞬たじろぐ経太郎。
てっきりお互いの選んだチョコを一つずつ、半分に分けるのだとばかり思っていたのだが。

「あっ、あっ、僕が選んだやつくらいは自分でお金払うからっ」

さらりと万札を取り出す玖美に、慌てた様子で声を掛ける。

玖美・E・A > 「せっかく食べるならいろいろ食べたいでしょ?二人ならきっともっとおいしいし!」

なんのためらいもなく、一切曇りもない笑顔で、

「大丈夫大丈夫、私は付き合ってもらう側なんだから、お金くらい出すよ~。それに、大して高いものでもないしね」

と、財布を出そうとする経太郎くんを制止した。何せ使い道のないおこづかいを溜め込んでいる身なのだから、たいして困ることもない。

金剛 経太郎 > 「それは、そうかもしれないけど……」

笑顔に圧されて返答に詰まる。
ゆるふわな雰囲気の中に凄みを見た気がした経太郎。

「そ、そう?でも、ううん……
 じゃあ、お願い……ね?ありがとう、玖美お姉ちゃんっ」

奢られる形になるのは少しばかり格好悪いな、と思わなくもないが。
しかし玖美の言う事はもっとも過ぎて、根負けするように全額の支払いを玖美に任せる経太郎だった。

玖美・E・A > 一万円を店員に差し出し、いくらかのお釣りと、かなり大きな紙袋にまとめて入れられたチョコレートを受け取る。心なしかいつもよりもにこやかな笑顔で、

「ふふん、お姉ちゃんに任せとけばいいのよっ」

普段はいつもボーッとしているタイプなので、頼られるというのは新鮮な経験だった。心なしか若干どや顔になっている。

「それじゃ、うちにきて一緒に食べよう!今日はチョコパーティーだ!」

と、大きな紙袋を抱えたまま、軽い足取りで歩きだした。

金剛 経太郎 > 店員が玖美に渡すチョコレートの袋はだいぶ大きなものになっていた。
再度申し訳なさがふつふつと湧いてきたが、心から嬉しそうな玖美の顔に、まあ結果オーライだろうか、と自分を納得させる。

「前に迷子になった時もだけど、頼りになるね玖美お姉ちゃんはっ」

エコバッグを抱えなおし、イートインコーナーを探そうと辺りを見回す経太郎。
しかし玖美に声を掛けられれば、ハッとした顔で振り返って。

「うち?……玖美お姉ちゃんのおうちに、行くってこと?」

良いのだろうか、と少し戸惑いながら後に続く。

玖美・E・A > 「そーでしょー!……と言いつつ、私も普段そんなにしっかりしてる方じゃないんだけどね、えへへー」

と、ちょっとおどけたように笑った。抱えた袋はなんとも頼もしい重みで、その中に詰まった甘味のことを思うと嬉しくなる。

「うん、外で食べるわけにもいかないでしょ?あんまり面白いものはないかもしれないけど、まぁま、ゆっくりしていってくれたらいいしー」

と、なんのためらいもなく我が家の方向へ足を進めていく。

金剛 経太郎 > 「えっと、その……じゃあ、お呼ばれ……するね?」

自分の家へ異性を上げることに抵抗とか無いのだろうか、と思わなくもないが。
そもそも自分は異性枠でカウントされるような見た目ではなかったことを思い出して。
このまま断るのも悪い気がしたので、誘われるままに玖美の後を追って行く。

「玖美お姉ちゃんの家って、近くなの?」

あまり遠くないといいなあ、とつぶやきながら。

玖美・E・A > 「ちょっと歩くけど、すぐだよすぐ」

ニコニコと笑いながら、ポケットから端末を取り出して、

「友達も呼ぶし、みんなで食べればきっと楽しいよ!ささ、いこいこー!」

と、足取りも軽く歩いていった。

ご案内:「扶桑百貨店 地下食品市場(B1・2)」から玖美・E・Aさんが去りました。
ご案内:「扶桑百貨店 地下食品市場(B1・2)」から金剛 経太郎さんが去りました。