2022/02/23 のログ
ご案内:「扶桑百貨店 異能・魔道具エリア(7・8F)」にレナードさんが現れました。
レナード > 「…………んー。」

魔道具の装飾品エリアで、眼鏡を物色している少年が一人。
あまりデザインにこだわってはいないのか、
目についた眼鏡を手に取るとゴーグルを外して試着してみたり、
合わないと思ったら元に戻して、ゴーグルをかけて…
そんなことを片っ端から繰り返している。

「……なかなか、これだけの制御ってワケにはいかねーもんだし。
 まだまだあるから探せばあるかもだけど………」

うーん、と腕を組みつつ少年はくたびれている。
こんなの繰り返しているだけで閉館時間になってしまいそうだ、と。

レナード > 少年はこの手の制御用魔道具には詳しくない。
なぜなら、元々そんなものを使わなくても制御できていたのだから。
今までの当たり前がそうでなくなった現実を、少年は憂うように肩を竦めた。

「……はぁ。
 まあ、制御って意味ならこのゴーグルで十分だけどさ……
 見た目的にかなり目立つし。もうちょい身だしなみに気を付けたいし。」

ゴーグルを外す。
するとその黄色い蛇の眼に飛び込んでくるその風景は、向こう側が透けたり、更にその先が見通せたり…
目を細めたり、ピントを合わせる要領で、その透明度がころころと変わってしまうようだ。
そんな常に透視が効いている状態であっては、迂闊に外すら歩けない。

「やめやめ。やっぱ裸眼ってのはナシだし。
 こんな眼のことが辺りにしれたら僕はここにいられなくなるし。」

ため息を吐きながら、やはりゴーグルをつける。
諦めて自分の体質に合う眼鏡を探したほうがいいと、考えを切り替えたのか、
止まっていた眼鏡探しを再開する。

レナード > 「…………そーいえば。
 レイにこの眼のことを話したときに、覗きか何かだと疑われたっけ。」

近いようで、遠いような、そんな記憶。
あの時は呆れ気味に否定したんだったか、なんて淡い思い出に小さな笑みを浮かべる。
あの頃は自分で自由に制御できていたから、そんな蔑みにも笑い飛ばせたものだった。

「まったく……
 今同じ質問されたらちょっと言葉に詰まりそうだし。」

縁を変え、柄を変え、詳しくないならないなりに総当たりで挑む中、
ただ単調にも思える作業に彩りを添えようとするなら、多少思い出に頼るのもいいだろう。
それでも、望みの品は中々見当たらない。
取り揃えた品は多いだけに、そこから探し当てるのも一苦労だ。

ご案内:「扶桑百貨店 異能・魔道具エリア(7・8F)」にフィーナさんが現れました。
フィーナ > 「良いのないなぁ」
そんな事を呟きながら、魔道具を漁っているフィーナ。
百貨店だけあってその魔道具はどれを取っても量産品としては一級品だ。

しかし、フィーナが必要としているのは突出した性能を持つもの。
素人や初心者には扱えない代物だ。

百貨店という性質上『心得があるなら誰でも使えるもの』を売っている。『扱いの難しい特級品』を求めるなら専門店へ行け、という話なのだ。

そうしてありもしないモノを探し求め、ふらふらとレナードの近くまで。
その姿は子供のように小さく、漆黒のドレスで少しわかりにくいが女性としての主張は激しく、そして何より…全身に至る魔術刻印が目につくだろう。

フィーナは、レナードの存在には気付いているものの、気にしていない。

レナード > 「………………。」

同じエリアにて、目立つとかそういうレベルじゃない出で立ちの少女の姿が目についた。
小さい体躯に見合わぬ女性としての主張…とりわけ目を引くのはその紋様。
何かしらの意味を持つものなのだろうけれども、少年にはその手の知識が乏しいようだ。

「なんかすっげーのがいる………」

いつもの調子で、文字通りの色眼鏡であるそのゴーグルを外して裸眼で見てみたくなってしまったが、
それをすると大変なことになるのを寸でのところで気付いたか、
慌てて外そうとした手を下ろして、一つ咳ばらいをした。

「……あっぶな。
 ゴーグル外したら大変なことになるんだったし………」

フィーナ > 「うーん、やっぱり落第街の品揃えと比べると、いまいちぱっとしないと言うか…私が扱うには耐久性に問題が………ん?」

視線と咳払いに気付き、レナードの方へと顔を向ける。
ふよふよと浮きながら、近づいてくる。
よく見れば、靴すら履いておらず、裸足で宙に浮いている。

「どうしたんです?こっちを見て。なにか気になることでもありました?」
レナードを覗く顔はやはり魔術刻印が刻まれており…なにより、その目は見開いていなかった。
出会ってからずっと、目を閉じたまま。

レナード > 「……あ、ああ。いや……」

ゴーグルつけて外を歩いてる自分よりも、イロイロと奇抜な格好で外を歩いてるなんてスゴいな、なんて。
よもや初対面の相手にそんなことを言えるわけもなく、つい口ごもる。
よく見れば歩いてすらいないのだから、こちらは閉口するしかない。

「そっちも、自分に合った魔道具を探すのに苦労してるんだなー……って……
 そんな風なことを言ってるのが聞こえたから、つい。」

そこで、つい先ほどから聞こえてきた独り言から、話題をつなぐ。
実際にこれは自分もそう思っていたものだから、その口ぶりに嘘偽りもない。
尤も、魔道具の知識のありようには雲泥の差がありそうで。
ゴーグル越しにその肢体を上から下へと眺めているが、その出で立ちの時点で何かしら魔術に詳しい雰囲気を感じているようだ。

「……おめーはここの売り物に詳しかったりするわけ?」