2022/02/24 のログ
フィーナ > 「そうなんですよね…粗悪品は無いんですけど、一級品が無いと言うか。落第街のと比べると掘り出し物がないんですよね」

暴走制御用のゴーグルを手に取りながら。ずっと目を閉じて見ていないというのに、一番遮断率が高いモノを手に取っている辺り心得は高いようだ。

「魔道具に関しては手に取れば大体わかりますよ。道具専門、というわけではないですが魔術を生業としてますので」

レナード > 「……へえ。
 ここのこと、詳しいんだ……?」

どうやらここの品質事情にも詳しそうだ。
特に疑うこともせず、少女の話に聞き入っている。

「僕は眼鏡を探してるわけ。
 ……目的は、異能制御というか、視界を一般人のそれと変わらなくしたいというか……」

だから、ここに来た目的を話すことにした。
ここで知識もなしに延々と探すよりは余程近道だと判断したようだ。

「このゴーグルでもそれは成り立ってるんだけど……
 ただ、まあ、目立つわけ。この格好だとちょっと浮くというか……
 だから、同等のことができる眼鏡がないかなー…と。」

フィーナ > 「ふむ。異能制御のメガネ、ですか」
少し、考える。異能に関しては余り心得は無いが…知識としては知っている。
魔術を利用したものであれば、自分も協力は出来るが…そうでないなら専門家に任せたほうが良いだろう。

「そのゴーグル、少しお借りしても?」
手を差し伸べて。その行動が引き起こす事も知らずに。

レナード > 「ん、え、……ぅ…………」

少年は迷った。
迷った、が、魔術的な類であれば渡して見てもらった方が話は早い。
だから彼女の発言に疑いはない。
だが、そうしてしまうと、裸眼となった自分の視界は…

「……え、っと。
 それじゃあ、…………渡す、し……」

逡巡したが、結局は渡してしまうことにする。
ゴーグルを外すなり、きゅーっと目を瞑りながら、それを差し出して。

そうだ、見なければいいのだ。目を閉じてしまえば問題ない。
ゴーグルをしている原因というか本質は伝えないまま、短絡的な方法で切り抜けようと試みた。

フィーナ > 「…ふむ、ふむ」

ゴーグルを手にとって、その声質を読み取る。
こういう専門器具に精通しているわけではないので、大まかなことしかわからないが…これは特異的な視界を阻害する作りのようだ。しかし副作用として通常の視界も阻害するようだ。

「成程…こういうものだとオーダーメイドしてもらったほうが早いですね。恐らく此処のものを調べても丁度いいのは出てこないと思います」

そう、ほぼ全ての眼鏡のレンズがその人に合うように調整されるように。
この異能阻害の眼鏡も個人に対して調整されるべきものとフィーナは断定する。つまりは…

「これ、普通に店員さん呼んだほうが早いですね」

レナード > 「むぅ。」

ここのものではどうにも探せない。と、彼女は言う。
暫く試着しながら探していただけに、その言葉はショックだった反面、腑にも落ちる。
どこかでそんな気はし始めていたのだから。

「そっか………まあ、それならしょーがないし。
 危うく総当たりで時間を浪費することになるところだったし。」

少年はなおも目を瞑りながら、声を頼りに会話を続ける。
彼女がどういう調べ方をしたのか結局見ることは叶わなかったが、
ひとまずここで過ごすのは得策でないと知れたのは大きかった。

「………えっと、それなら、その、そろそろ返してほしいし……?」

とはいえ、このまま目を瞑ったままでいるのも困ってしまう。
すっかり調べて貰ったのなら、なるだけ早く返してほしいと、
少年はゴーグルを載せてもらおうとして手を伸ばす。
その先に何があるかなんて、まったく見えない状態から。

フィーナ > 「っと、そうでしたね…っぁ」
ゴーグルを探す手が胸に触れ、悩ましい声が漏れる。

その手をどうにか自分の手に取り、ゴーグルを握らせる。

レナード > 「ぅい……!?」

するとやたらに柔らかいものに手が触れた。
思わず目を開いてしまいそうになって、強く強く目を瞑る。
ぷるぷる震えながらも少年は、彼女の手に導かれるようにゴーグルを握らせてもらい…

「………ぁ、ありがとう…
 そ…それと、ご、ごめん……そんなつもりは、なかったんだし……」

何に触れたのか察してしまったらしい。
せっかく戻ってきたゴーグルもまだつけないまま、まずは謝罪の言葉が口から出てきた。

フィーナ > 「盲目に慣れてなければそうなるのが普通です。気にしてませんよ」
自分は産まれたときから盲目であったがために慣れたが、普通はそうではない。
自分だって特殊な方法…魔力の放射による反射を利用した魔力アクティブソナーとも言うべき方法で周辺把握している。

「その目が不便であるなら視界に頼らない代替方法も考える必要があるかも知れませんね。普通なら…耳を使うことでしょうか」

レナード > 「む、むう………
 こう、今まで制御できてたから、こういうのはまだ慣れてねーんだし……」

言いながら、ゴーグルをつける。
ぱちぱちと目を見開きながら、目を瞑ってた理由を話す。

「……まあ、その、制御できてねーから、ああして目を瞑ってたわけ。
 わざとじゃないってわかってくれてるなら、うん……」

そういえば、目の前の少女はずっと目を閉じたまま。
先の自分と同じだったろうに、その所作は目を閉じながらとは思えない。

「………そういえば、おめーは目を閉じたままでもふつーにしてるし。
 そっちこそ、目で見る以外に何かしてるわけ……?」

フィーナ > 「まぁ、基本は耳で周囲の状況を確認してますが……アクティブソナー、って知ってます?それに近いことはしてますね」

魔力ソナーは自分の魔力感知能力があるが故の方法だ。
それよりかは、人の範囲で出来る聴覚のソナーを題材にしたほうが良いだろう。
そう思って、そちらの方へ話を進める。

レナード > 「………ソナーか………」

一つ覚えがあるとすれば、自分に宿っていた異能の一つ。
電気に関するものだから、それを応用できはしないだろうか…
と、聞いていてふと考えを巡らせるも、首を横に振る。

「………なるほど、器用なもんだし。
 僕にはちょっとマネできそーにねーし。
 おとなしくこの眼を手懐けるしかないかなあ………」

肩をすくめて、少年は小さく自嘲する。
自分の身体の一部でさえまだ手懐けられていないのだと、己が非力を嗤った。

「それにしても、すげーからだしてるし。
 その紋様といい、そういうことをするためのものなわけ?」

あまり自分のことを話しても気分が沈むだけなので、
一番最初に目が留まったその紋様について、モノのついでに聞いてみることにした。

フィーナ > 「器用というか、何度も繰り返して身につけるものですよ。無いものを代替しなきゃいけないわけですから必死にもなりますし」

実を言えば魔術で視界を取る方法はある。しかしソナー方式に慣れた今では使うことはあまり無い。

「あぁ、この刻印は……色んな術式が込められてるんですよ。今使ってる浮遊魔術もそうですし…他にもこの世界では禁じられてる術式だってあります」

レナード > 「へぇ………」

足元、肩、腕、ゴーグル越しに目視できるのはそこまでなのだが、
それでも尋常じゃない量の紋様が刻まれてるのは見ればわかる。
それも、ただ一つの術式のためのものでなく、幅も広そうだとも。

「こういうこと聞くのも変なハナシだけども……
 からだに刻んだ紋様って、その、服の内側にもびっしりなわけ……?」

ともすれば、見える範囲にとどまらないはずだと。
そう考えてしまうのも無理はない。
つい、興味の赴くままに彼女に尋ねてしまう。

フィーナ > 「えぇ、そうですよ?中には生命維持に必要な魔術も含まれてますから。」
別に隠すようなことでもない。聞かれればすんなりと答えるだろう。

レナード > 「わぉ。」

どうやらその通りだった。
更に生命維持だの、聞くだけでも凄そうなイメージのものが含まれているという。
流石に自分の知る相手にここまで魔術に傾倒した人物もいなかったような。
ともあれば、多少の興味も持つわけで。

「………へぇ、そっか………。
 生命維持とか、すごいこともできちゃえるわけ……」

少年は、迷った。
ゴーグルを外して、その内側に秘められた禁忌ともいうべき刻印を見てみたいという、知的好奇心が生まれたから。
…決してその裸体を眺めたいという不埒なそれはない、はずだ。おそらく。

「………………」

ただ、視るだけ。悪用だの、写生だのするつもりもない。
どういうものか、ただ視たいだけ。この眼のことも言わなければ何も起きないはずだ…
そんな小さな好奇心と、当然そんなの良くないに決まっているという理性の間で、僅かに少年が揺れていた。

フィーナ > 「そういう体質に生まれてしまったものでね。これがないと死んじゃうんですよ」
フィーナは先天性の全身不随だ。この魔術刻印がなければ生存すら望めない。

「……ちなみに、その目、何が制御出来てないんです?」
聞かれるばかりでは会話にならないので、自分も聞いてみる。

レナード > 「……なるほど、そういう………」

なんて、若干不埒な好奇心とせめぎ合ってる最中に、
それがないと死んでしまうという言葉の重みに、現実に戻ってきた。
少し遅れて相槌を打った後にふるふると首を振って、好奇心という小さな悪魔を振り払おうと。

「………んー…、ぁー……」

すると、あなたからついぞその質問が飛んでくる。
ここで答えてしまえばさっきの歪な欲望は日の目を見ない。
だが、ここで答えればそれを征することにもなるわけで…

「………透視。
 僕のこの蛇の眼は、ものを透かして視る。
 ピントを合わせるようにすれば、どこまで透けるかもある程度…」

だからこの際、言ってしまうことにした。これで選択肢を断つ。

「ほんとは、一般人のそれと変わらない目と切り替えられたんだけどさ。
 いろいろあって、今はこの眼だけになっちゃったわけ。」

ご案内:「扶桑百貨店 異能・魔道具エリア(7・8F)」にレナードさんが現れました。
フィーナ > 「……成程。それは…不便ですね。制御する必要がある、ということは…下手をすれば人なんかも透けたりしてそうですね」

多少過大評価をしておく。目を瞑ることで見えなくなる事は確認しているので、対象を見ることでその一部、ないしは全体を透視出来る能力だとは考えている。

裸を見られることは落第街で慣れたし、今更見られたところで恥ずかしくはない。

「それで、その異能制御ですか。納得しました」

レナード > 「う。」

人なんかも透けたりしそう。
まさしくその通りなものだから、言葉につまった。
だが、疑問を持たれてるのならば、答えてしまわないと。

「……そ、そうだし。
 人の服も、透けて見えるし。
 前まではその辺もちゃんと制御できてたけど……
 今はちょっと、訳ありで制御できなくてさ。」

だからこその、異能制御だと。あなたが発した言葉に付け加える。

「言う通り、人並みの視力が欲しかったわけ。
 ……だから目を瞑ってたんだし。
 おめーの、その、なんというか………
 服の下まで、僕からしたら丸見えになっちゃうわけだから……」

フィーナ > 「………別に私は気にしませんけど。デリカシーは持ったほうが良いですよ?」

言葉を濁しながらも自分の服の下という直接的な文言に指摘をする。
落第街でなら冗談で済む(但し自身の安全を問わない)が、此処ではそうはいかない。

「透視能力を持っているって言われた時点である程度は察せます。わざわざ言葉にして反感を買う必要はないですよ」

実際に言葉にしてしまえば、明確なイメージとなって、そういう考えがあったように聞こえてしまう。

実際、そうなのだろうが。

レナード > 「うぐ。」

ぐうの音もでない。うぐという言葉は口にしたが。
デリカシーのなさは割と成長のないところで、指摘されると何も反論ができなかった。

「……まあ、その、そうなんだけど、さ。
 おめーが自分のこと、そんなに明け透けに言ったんだったら、
 僕だって自分のこと、教えなきゃ……フェアじゃない、じゃん。」

ただの透視だと言ってしまうだけでは、どうにも味気ないと思ったのだろう。
余計な言葉とは思いつつもつい取り繕ってしまったようだ。
…尤も、自分の子の力について人に話すことが殆どないからだろうが。

「なんというか、具体的に言っておきたかっただけ、だし。」

少年は、ちょっぴり罰が悪そうにそっぽを向いた。

フィーナ > 「…見たかったんです?そんなに。」

挑発するような言葉を、淡々と述べる。
別に裸を見られたところでどうということはない。
落第街でもう慣れた。

「構いませんよ。見てもらっても。私は気にしませんから」

そもそも、その異能制御サングラスも適切に機能しているかもわからないのだ。なら、いっそ見られたほうがスッキリする。

レナード > 「……っ」

そんなに見たかったのか、と。
抑揚こそあまり見られないが、明らかに挑発するようなその言葉。
続けて彼女は、見てもよいとまで言ってのけた。

「へ、へぇ………」

そう言わしめるだけの経験と事情があるのだろうが、それを知らない少年にとっては挑発以外の何物でもない。
ここで引くのは悔しい。邪な好奇心と別に、少年の反抗心に僅かな火が灯る。

「い……いいわけ……?
 そこまで言われたら、僕、本当に見るし……?」

言われるままに、それでもゆっくりと、ゴーグルに自ら手をかける。
先と比べて非常にゆっくりとそれを外そうとしている辺り、逃げるのなら今の内だと言わんばかりに。

フィーナ > 「何度も言わせないでください。構いませんよ。見られてるのかわからないより、見られたとわかってるほうがスッキリするんです、こっちは」

不確定なことは何よりむず痒い。
不安要素は出来る限り廃してしまいたい。

シュレディンガーの猫ほど気分の悪いものはないのだ。

レナード > 「ッ………
 わ、わかった………」

どうやら、透視されてると分かっていた方がまだいいらしい。
事ここに及んで曖昧なままだと居心地が悪いのだと言われると、
少年は最早引くことができなくなった。

「ん…………」

ゴーグルを外す。
再び彼女へと向き直ると、ゴーグル越しに見えたその目は確かに黄色で、
蛇の瞳と同様に、縦に細長い瞳孔が目立つ、不思議な眼をしていた。
少年の言う、透視の蛇眼が、彼女の姿を捉える。

フィーナ > 「…………」
言葉を発するでもなく、唯佇んでいる。
服の先にはトランジスタグラマーな肢体に、胸部や局部に至るまでの魔術刻印が張り巡らされている。

知識の無い者であれば、痛々しいぐらいに。

刻印がなければ、ムダ毛一つ無い、幼いながらにグラマラスで美しい肢体に目を奪われたことだろう。

レナード > 「……………」

少年は、眉をひそめた。
女性として魅力的な肢体なのはわかる、だから生唾を吞む程度に反応はする。
だが、それを文字通り上書きするように、腕や足に刻まれていたものと同じような刻印が、
やはり身体中に張り巡らされたのもわかってしまった。

「おめー…………」

それ、痛くなかったのか?なんて、聞こうとして口を閉じる。
そんなもの、今こうして生きていられるのであれば、どんな痛みだろうと些末なものだろう。
彼女の弁によれば、生命維持に関するものまであるというのだから。

「………っ……」

非常に複雑な心境だ。
欲情を催すとか、知的好奇心を擽られるとか、そういうものも多少はあっただろうが、
それよりはむしろ、ここまで徹底されていること自体に無責任な同情の念を抱いてしまうのだから。

フィーナ > 「面白かったですか?」

複雑な表情をするレナードに対し、質問する。
人の裸を見て楽しかったか、と。
人の傷跡を見て愉しかったか、と。

表情を見る限り、楽しくはなかっただろうが。

レナード > 「……面白いと、思ってはいねーし。」

面白いとは思っていないと、そう返す。
そこに多少の好奇心があったのは事実だし、年相応の欲があったのもまた事実。
それを上塗りするだけの重たい事実が、今の心境を支配しただけの話。

「ただ、なんとなく……大変そうだなって、思ったわけ。
 ……無責任だって、言うだろうけど。」

フィーナ > 「貴方がこうなる可能性だってあるんですよ?
透視の異能は生活に多大な影響を与えるのは…自分でもわかっているとは思いますが。

度が過ぎれば盲目と同等です。あるものを見てしまったが故に呪われる可能性だってある。

私の場合は生まれついての障害でしたが…後天性でこうなることだって有り得るんですよ」

自分の魔術刻印は自分の先天性全身不随のせいだ。
目の前の子が自分と同じ道を辿るとは思わないが…脅しはしておいたほうが良い。

事実として。見るだけで呪ってくる存在は居るのだから。

レナード > 「…………それくらい、分かってるし……」

その眼は人の衣服の下どころか、例え禁忌だって覗き見る。
であるなら、見たこと自体が条件となる呪いにも…というのは自明の理だ。
分かり切っているが故に普段なら鼻で笑う話題だが、
そんな自分でさえ同情の念を抱かせる彼女に言われるのとでは重みが違う。

「……まあ、だから、ゴーグルに代わるものが欲しいってわけ。
 この眼のことが広まるのを避けたいっていうのは、そうだけど……
 あんまり目立つような見た目には、なりたくねーし。」

だからこそ、あくまで、人並みを少年は求めた。
今日この場のことは例外としても、眼のことを触れ回られるのも望むところでないようだ。

フィーナ > 「…その異能は、その目が原因なんです?それとも、別の要因があったりしますか?」

彼が真剣に悩んでいることを感じ、自分も手法を考える。
現状ではゴーグルで済んでいるが…変異すればゴーグルじゃ抑えられなくなる可能性もある。

まずは、その異能の発端を探る。原因が解らなければ対処は難しい。

レナード > 「……うーん……
 僕の場合は、ちょっと特殊というか……
 心当たりはあるし。ただ、核心とまではいかないけど……」

自分の眼の制御が効かなくなった理由には、心当たりがある。
どうせここまで知っているのだから、隠すつもりはあまりない。
…相手はこの眼の前でのみ、自らの裸体まで晒したのだし。

「僕のこの蛇の眼は、生来のものだし。
 人並な眼と、蛇の眼と、僕はもともと二つの眼を持ってたわけ。
 でも最近、なんというか……僕に流れる蛇の血のバランスを、重くする方向で偏らせたことがあって……
 …それで、生来保たれてたバランスが崩れてる…と、僕は考えてる。」

そこには憶測が多い。だが、きっかけとなる出来事はあったと少年は言う。
ただ、それをここで話すには…少しばかり、腰を据えた方がいいのかもしれない。

「……まあ、やがてそれが自然な状態になれば、馴染むことも考えられるのだけど……
 そうなる道理も根拠も、今はなんにもないわけ。」

少年は、ゆるりとゴーグルをつける。
彼女との話は有意義だったが、流石にここに居すぎた。

「……そろそろ、僕は帰るし。
 おめー、落第街なら質のいい道具が見つかるかもって言ってたし?
 今度、僕も探してみるし。」

フィーナ > 「成程。だとするなら…場合によっては対症療法では限界が来そうですね。根本的解決をするならその体質と向き合わなければ奈良なさそうですね」
勿論、こうなるとフィーナの専門外だ。きちんとした研究機関で調べてもらうのが一番だろう。

「落第街で買うのは良いですが…あそこは粗悪品も多く混じっていますので。どちらかといえば…専門性の高い異能研究機関だとかで調べてもらって、手段を用意してもらうのが確実だと私は思いますね」

物にも依るが、ちゃんとした施設であればある程度は要望には答えてくれる…筈だ。
異能は個人によって大きく差があり、対策機器は基本的にオーダーメイドになる。
それを考えれば有り物を漁るより新しく作ってもらったほうが確実だろう。

レナード > 「……研究機関はー………
 いや、いいし……ちょっとあそこは寄り付きたくねーというか……」

その言葉を、苦々し気に復唱する。
何かしら思うところがあるらしい。

「まあ、その、色々当たってみるし。選択肢が増えたのはいいことだし。
 おめーの話、いろいろ参考になったし。感謝はしてやるし。」

フィーナ > 「……研究機関も当たり外れがありますからね。今度は別の所に行ってみるのが良いと思います。」

同様の研究機関でも派閥があり、担当する人間が違えば対応も違ってくる。
この辺りの当たり外れは、伝手がなければ運に頼るしか無い。

「では、私もこの辺りで…っと。そういえば、自己紹介がまだでしたね。
私は、フィーナ。フィーナ・マギ・ルミナスと申します。」

レナード > 「……フィーナ、か。覚えたし。
 僕は、レナード。レナード・ウォーダン・テスラ。
 そういえば、今の今まで名乗ってなかったし。」

普段は"おめー"という二人称しか使ってないもので、
人の名前を呼ぶときは、相応の場面ということなのだろうか。

「……うん。じゃあ、また縁があれば。
 今日はー……おめーのことを無責任に可哀そうとか思っちゃったけど……
 今度はゴーグルを外した上でその体のすみっずみまで見てやるから覚悟してろしー。」

どうせ別れ際なのだし、ちょっと言い包められてたことも自覚があったものだから、
捨て台詞代わりに実践できるかすらわからない強い言葉を投げかけて、少年はふらふらと去っていった。

フィーナ > 「ふふ、楽しみにしてます、レナードさん」
面白そうに笑って。
いくつかの宝石のみを買い付け、この場を後にするのだった。

ご案内:「扶桑百貨店 異能・魔道具エリア(7・8F)」からフィーナさんが去りました。
ご案内:「扶桑百貨店 異能・魔道具エリア(7・8F)」からレナードさんが去りました。