2020/08/09 のログ
ご案内:「扶桑百貨店 異能・魔道具エリア(7・8F)」に桑原 梅乃さんが現れました。
桑原 梅乃 > はい!ウメです!今日は扶桑百貨店の異能・魔道具エリアに来ています!

常世渋谷から離れてお買い物。
久那土会でもある程度の物品は揃えられるのだが、
あそこに有るのは基本的に裏渋へ行くための特別品なので、
一般的な魔術道具などはこういう外で集めたほうが効率がいいのである。
表に持ち出すと効力が消えてしまうものも多いし。

ただ、外から持ち込んで見たら機能しないというケースもある。
そういう事が起きた場合も、久那土会に報告すると、情報料がもらえるのだ。
特別品を作るための情報として久那土としては有用なのだ。
(技術力の問題で作れるとは限らないが)

桑原 梅乃 > ということで、魔術用の"触媒"を探しに来た。
梅乃は特異体質なのか、風に関係する魔術に非常に相性がよく、
よほど大規模でない限り、詠唱すら要らないのだ。

ほぼ直感的に使えてしまうので、どうしても使いすぎる。
そのため、負荷を肩代わりさせる結晶類などを用いて、
使いすぎを警告する魔道具を作成するのである。

具体的に言うと、ある程度行使すると弾けるようにすることで、
視覚的、聴覚的、触感的に認識できるようにする。

「すみませーん!いつもの、あるッスかー?」

NPC > 「そこになければ無いですね」

コーナーの一角を指差す。

桑原 梅乃 > うわっ!接客雑!百均の店員かよ!
この人はじめて?ウメは常連のはずなのに……。

「あー、はい、あざまーす」

仕方ない、自分で探すとしよう。
いくつか並んだ触媒の収まった箱を適当に物色する。

ご案内:「扶桑百貨店 異能・魔道具エリア(7・8F)」にハルシャッハさんが現れました。
ハルシャッハ >  
――裏渋なる場所があるという。
噂に聞いた程度の男は、カネの匂いがするならとりあえずそちらに向かう性分持ちだ。
迷宮探索の心得はそれなりに盗賊ながらに有る男は、そのための物資を買い揃えに来ていた。

――真鍮のランタン、油壺、チョーク、投げナイフ。

あとは、小さな魔道具を。位置判別に、帰り道対策の道具があればいい。

「んー……。 コッチじゃさすがにねぇかなぁ……。」

いくつかの道具を探すも、見つからずアチラコチラをうろついている。

桑原 梅乃 > 4種類ほどの水晶系触媒のクラスターを手に、店員に声をかける。

「あとー、白紙の護符1ダース……用途は学習用ッス」

そこで梅乃のスマホがなる。

「あ、っと、ちょっとすみません、すぐ切るので」
「なんスかぶちょー。今日はお休み……?え?
 ああ、百貨店の魔術エリアっすね。
 ランタンっすね……あ、おっけーッス。あったッス。明日領収書ッスね。それじゃ」
「えーっと。すみません。これ、別会計で1個お願いするッス」

会計を済ませ、荷物を手に後にしようとすると竜人が視界に入った。
別に珍しいという訳でもないので、ちらっと見て、横を通り過ぎようとする。

ハルシャッハ >  
アロハシャツの男も男でざっくばらんである。
しかもクズ気質で手近にあったところに戻すだけで、
元にあったところに物を戻していない。
面倒くさいこと、ヒトの命や病気絡みでなければ手は抜きまくる男だ。
ドアも開けたら開けっ放しのノリである。

一方、視野の隅に人間が一人。
ざっくりと目的が似通って居るようだが、特段話す理由も――無いように見える。
男は後にその相手から依頼を受けたりすることに成るであろうが――。
それはまだもう少し未来の出来事だ。

ちらり、と視線を投げれば軽く目が合った。
盗賊の目はそれなりに鋭く、竜の眼の瞳孔は縦に開いている。
視線を外せば、ぽつり。

「――しかし、この世界にも『有る』とはねぇ……。
 メジャーじゃねぇのかしらねぇが、まだ道具は表じゃ揃わねぇか……。

 おっ、これ使えるか?」

2つ一セットで置いた場所を記憶し、もう片方を使うとその方向を示す魔道具。
よくあるパターンだが、あれば便利だ。

桑原 梅乃 > 梅乃は相手の種族は特に気にしないタイプ。
鋭い目にはすこしピリついた雰囲気を感じるが、
もともとそういう目なのだろう、と気に留めない選択ができる。

と、彼は気になることを言った。
"裏"を探しているようだ。

もちろんそれが裏渋であるとは限らない。
それに久那土会は勧誘活動はしていない。表の領域であればなおさらだ。

こういう時に梅乃はどうするか。

「"久那土会"の噂、調べてみたら」

通り抜ける際に一声。噂を流す。それだけ。
たどり着けるならそれでいいし、たどり着けないならそもそも適正がない。

呼び止めなければ、そのままここを後にする。

ハルシャッハ >  
――筆者側からすれば申し訳ないの極みである。
しかしてこの男、平穏の中で暮らしたくても暮らしづらいというクズ気質。
そうでなければ、盗賊という職につくこともまたなかったであろう。

そんな中で相手がこぼした一声。
耳に意識を振っていなくとも、小耳に引っかかる情報は、
時にカネの匂いを纏って耳膜に響く。

「――"久那土会"……か。」

詳しく聞かせてくれ、とするにはあまりにも相手が見ず知らず。
しかし、キーワードさえあれば情報源はたどることが出来る。
この前手に入れたばかりの違法端末で、
後で落第街辺りで調べてみれば出るだろう。

「――ありがとな。」

礼のみ軽く舌に載せるのは最低限の礼節だ。
男は暮らしの場所が場所だった。
故に、たどり着くのはそう難しいことではない――。

桑原 梅乃 > 十分伝わった。これでよし。

お礼の返事には言葉を発さず、
背中を向けて歩きながら手をひらひらさせるだけ。
まぁ、こっち見てるかどうかわからないので、伝わってるかもわからないが。

「んー。アイス食べて帰ろ!」

梅乃は魔道具を後にする。

ご案内:「扶桑百貨店 異能・魔道具エリア(7・8F)」から桑原 梅乃さんが去りました。
ハルシャッハ >  
繋がりなんてそんなもの。
風の如く軽く、そして袖が触れあえばまた話も変わってくるだろう。

名前すら、分かればそれでいい。

男はそんな世界の住人だった。
――会計だけ済ませれば、互いにこの場を後にすることになる。

それは、短いのか長いのか、それともはてまたどれだけ続くかわからない、
そんな世界での付き合いの、始まりだった――。

ご案内:「扶桑百貨店 異能・魔道具エリア(7・8F)」からハルシャッハさんが去りました。