2020/07/07 のログ
ご案内:「古書店街「瀛洲」」にレナードさんが現れました。
■レナード > 端的に言うと、レナードは苛立っていた。
一年に一度の特別な日。勿論、一年の中で同じ日は二度と来るまいが、
こうして意味のつけられた日には何かとハメを外したがる連中が現れるもので。
特に学生街やらは大賑わいであるが、ふと見渡せばカップルだかアベックだか伴侶だか…
そんな連中を見ていると、つい黒い感情が湧き出てきそうな気さえしたものだから。
そういう空気とは無縁の…普段と変わりない書店街に散歩へとやってきたのだった。
「まったく、なんたらは爆発しろって誰かが言ってたし。」
行き場のない感情を吐露するも、そんなものが叶ってほしいとは微塵にも思っていない。
ただ、言わずにはいられないものなのだ。
辺りを取り巻く書籍の山々が、彼の心を慰めてくれるのだった。
「………はぁー……
なんか、おもしろいこと、ないかな。」
■レナード > 「……今日はハズレだし。」
一通り見て回って、ため息。
こんな日もあるが、時々当たることもあるのでバカにならないのだ。
だから何度も来てしまう。ここは、そういう場所である。
「……やっぱあんな雰囲気だから気が散っちゃうんだし。
やめやめ、こんなこと考えるなんて厄日だし。」
不意を突いて頭に浮かぶのは、やはり本日の催し。
ちょっとうらやましかったりするけれど、その実自分には合わないような気がして、敬遠していたのだから。
浮かんだ煩悩を、頭をふりふり追い払って。
「…今日は引き上げだし。」
そのまま、帰路に就いたのだった。
ご案内:「古書店街「瀛洲」」からレナードさんが去りました。