2020/07/25 のログ
ご案内:「古書店街「瀛洲」」にジャムさんが現れました。
ジャム > 古い紙の匂いがする。
古今東西の禁書に密書、洋書に和書が集まる本好きエリアに立ち寄ったのは、夏季休業らしく普段行かないところへ探検するためだ。
ちなみにこの異邦人が本を読むスピードはカタツムリ並で、
長文読解力はナマケモノ級である。
まったくもって、棒きれひとつで戦場に飛び込むような無謀さと言えよう。

そんな半獣人でも古書店街は案外楽しかった。
なぜなら。

「わーい!すごーい!
このお店、薄い本だらけー!
こっちの本も、こっちもー!
えちえちー!とってもすけべー!」

同人誌専門の古本屋を発見してしまったからだ。
少年攻めオヤジ受けに、百合百合中学生、
兄が好きすぎて監禁してしまう妹の近親相姦など、
罪づくりな禁書がそこかしこに並ぶお店に立ち寄って。
ぺらぺらめくっては楽しげに立ち読み。

ご案内:「古書店街「瀛洲」」にレナードさんが現れました。
レナード > 古い臭いと仄かなキケン、あるかもしれない宝物。
そんな通りをふらりと彷徨って、気の向くままに宝さがしに興じようかなと考えていた。
…そうしてある店を通り過ぎようとしたところで、足が止まる。

「…どっかで聞いた声がすると思ったらー。」

店の中を、ぐいと覗く。
その視界に居るのは、あの海であった女の子。着ている服も変わってないから、すぐに分かった。
あのときは制服だったけど、今日の自分は私服。とはいえ、覚えていないとは思っていない。
意外なところに意外な人物が、と物珍しさの余りにずいずいと店内にやってきた。

「よー、ジャムじゃん。
 こんなとこに居るなんて意外だし。なんか探し物なわけ?」

彼女が何を見ていたかなんて、この時は知らなかった。

ジャム > この描写こそ、デフォルメ効いたアニメ顔のオフセ本こそがこの世界の文化であり、真髄である。
むむむ……。と唸ったり。おー!と口を開けたりして味わう。
ぐいぐい、開いた薄い本に鼻面を突き合わせていると聞き覚えのある声。
そのほっそりとしたシルエットの相手はこの前海で友達(熱き炎と永遠のライバル、と読む)になった人物に気づくとケモミミをパタパタ嬉しそうに揺すって。

「あー!レナード!
うんー!せっかくの夏休みだし、この島の色んな場所に行ってみたくって。面白いものを探してるんだー。
今は本屋で異文化の勉強中だよ。
ほら、こんなのー!」

笑顔弾ませながら手招き。
そのまま、どばん!と大開きで今読んでた薄い本を至近距離で露出させる。
そこには巨大なタコの魔物に捕らわれ、ベトベトの触手まみれで喘いでいる冒険者の女の子の姿。
ちなみに衣服の胸のさきっぽだけが溶かされている。卑猥。

レナード > 「ほー……おめーに勉強したいなんて意識があったのが意外だし。
 ともかく宝探しは楽しいもんだけどー…ほんとに一体何見てるわけ?」

先日、燃え上がるような一戦を繰り広げた仲になったわけだから、既にそれなりに距離感は近いものだった。
どちらかといえば悪友というか、彼女の体躯がスリムなために変な意識をせずにすむというか、
ともかく、ライバル兼気安い友人として接するまでになっていた。

「どーれどれ……―――ぶふっ!!!」

そして、噴いた。余りにも、そう余りにも前衛的なそれに。
いや物自体はかなり古めかしい書物なのだけれども、発想が恐らく当時の人間の数世紀先を行ってさえいそうな。
とはいえ、女の子を喘がせている相手はともかくこの構図は、
思春期の少年には頗るよろしくないものではあった。

「や、や…まっ、お、おめーなんてものをっっ……!!」

思わず手で顔を覆う。
覆う、が、その指の隙間からは確かに瞳が覗いている。
いけないものを見ているようで、いやいけないものではあるのだが、
実際に目にしてしまうとどうしても、興味が自制の先を行ってしまう。

ジャム > 「ねー!すごいでしょう?
僕が元居た世界じゃこんなヒワイな発想なかったものー!
この女の子とっても苦しそうー!
おっぱいもお股もぎゅうぎゅうされてさー。
でもちょっとだけ嬉しそうっていうのがえっちだよー。あはは!」

吹き出した相手の様子にうむうむ、と深く顎を縦に振って満足感を得る。その満足感を補強するために細かな描写が如何に欲をそそるかを朗々と語り。

「えー?これってなんてものってやつ?
いけないやつだった?
それじゃあー……レナードにはこっち!これとかどう!?」

吹き出した時点でそれなりの気をひけたと考えるも、
顔を手で覆うと小首を傾げる。
ジャンルが違うのだろうか、と真剣な顔つきで棚に並ぶ冊子を選ぶと、これだ!とばかりに再度広げてみた。
会社員のおじさん上司と若手社員が絡み合う男性同士の本。
若手社員が裸ネクタイで縛られており、その顎を自分へと指で向けて微笑む上司。という構図が見開きで描かれており。

レナード > 「お、おめーは羞恥心とかそーいうのがねーわけ!?
 軽いあたましてんなとは思ってたけどその辺のがさっぱりなわけー?!」

あはははと笑っている彼女と対照的に、こっちは僅か顔を赤くしながら諫めようとさえしている。
ただ、実力行使に出たりはせず、その興味を刺激されてさえいる辺りどうにもこの雰囲気を止められない。
すると、次に彼女が見せてきたものは…

「……いや余計にいけねーやつというか、こっちは僕も扱いに困る奴だし!?
 つーか随分と時代が飛んでる気がするし、まったくここにはどんな時代の本だって置いてるし…」

別の吼え方になった。
男と男の絡み合いというやつには、流石に興味がないのか顔を覆っていた手すら降ろして。

「僕はまだ、ふつーに男と女がしてる方が……ん゙ん゙っ!じゃなくて!!
 そーいうおめーは、こーいうの見ても平気なわけ…!?」

ジャム > 「しゅうちしん?って何だっけ。
あのー、……建物の屋根についてる、雷を避けるための尖ったやつ?」

難しい熟語が出てきた、とばかりにおでこに指を当てて考える。知能指数は獣どころか爬虫類レベルであった。

「ほうほう、ほほほう。
レナードはノーマルなLOVEがお好みなんだ。ふむふむふむ。
へいき!平気というかわくわくしちゃうな。
えっちなのが嫌いな人って居るの?
――ねえねえ!レナードが好きなジャンルとか属性教えてよー。どういうのが好きなの?」

どうやらNLが好きらしいということを知ると、わざとらしくじろじろ彼を見ながら彼の周囲をぐるぐる回ってみたり。
――ふと思いついて、彼の性癖はどんなのだろう、という非常におせっかいな興味が湧く。
おねしょた系かな、ハードなSMかな、それとも制服系?
みたいな顔つきで一緒に店内軽く歩き、相手がどんな本にそそるのかを観察。

レナード > 「おめーはそういうとこでアホだったのをよく思い出したし。」

ため息を吐く。
諦めに近いものだけれども、基本的にしたいことをする好奇心の怪物であることをよくよく理解した。

「……そ、そりゃー……たしかに、いないかもしれないけど…さー…っ……」

えっちなのが嫌いな人はいません!なんて、彼も興味がないわけじゃとてもない。
ただそれを日常に食い込ませてしまうことがどうしても恥じらってしまうだけだった。

「えっ!?
 ジャ、ジャンル…属性って言われても、うーん……」

ただ、聞かれて答えられないのはなんか悔しい。
なので、それは真面目に考えてしまって……

「……同級生とか、学園モノとか……割と自分に置き換えて考えることが多い気はするしー……
 僕が学生ってのはおめーも知っての通りだろうし?この前は制服着てたし。」

本屋の中で二人歩きながら、一人は興味深そうに、一人は真剣そうに、
二人の話題は他人に聞かせるに憚れる内容という異色の光景ができあがってしまった。

ジャム > 「ほらほらー、恥ずかしがらずに答えるのだ。
大丈夫!僕、レナードがどんな絡みが好きだからって聞いても引いたりしないし!
ありのままのレナードを受け止めるし!」

妙に自分に寛容さとかをひけらかして薄い胸を自分でとーん、と叩いてお姉さんぶる。年変わらないけど。

「そっかそっかーなるほど。
学生同士っていうの好きなんだねー。
うーん……。場所的にはー、
誰も居ない屋上とか、裏庭とか。体育倉庫とかかな!」

それっぽいコーナーのところで立ち止まって、パラパラめくれば定番の場所をいくつか浮かべ。

「……あれ。よくよく考えたらー、同級生ものが良いなら、もしかして僕にもワンチャンあり?
ねえねえレナード。こういうの興奮する?どきどきする?」

はたと思いついたのは、そういえば自分も制服着てると思い至ったからだ。
何の前触れもなしに彼の前に立つと、スカートの裾を両手で摘んで。そのまま太腿を覗かせる表面積を、ギリギリまで増やしていって遊びながら相手の顔を覗き込み。

レナード > 「どっちかっておめーのそのあっけからんとしすぎなところがすげーし!?」

そんな質問を平然として見せる彼女の方が、確かに凄い。
それは自分じゃマネできないと、認めざるを得なかった。
そこは叩いても揺れなかったので、直視していられた。

「………っ……
 な、ないとは言ってないし……」

どきり。
確かに、彼女はこの前と変わらず制服を着こんでいる。
ただそれだけに触発されるというわけではないものの、話題が話題なものだから、ドキドキの一つもするもので。
ごくり、生唾を一つ呑む。
顔を覗き込まれながら、そのスカートの内に秘めた部分が露になっていく様に
つい視点がそこに留まり……

「…って、ていうか!!
 あんまりからかってるとっ!僕だってどーにかしちゃうし!?」

たまらず、ふかーっ、と吼える。
いつの間にか顔が真っ赤になってしまっていた。

ジャム > 「ってことはー、可能性かすかに有り!?
えへー。じゃあ僕がんばるもんねー。
レナードの気を引くように一生懸命になっちゃうもんねー!」

胸の前にぎゅっと両手の拳をつくって勢いづくも、その表情はいたずらっぽく笑っている。
そのまま腰に片手を当てながら短い黒髪かきあげ、グラビアポーズの真似事までしてみせて。

「ふふ……。からかって、ないよ……?
レナードとなら……僕、良いよ……。
どうにかしちゃうって、僕をどうしちゃうの……?
教えてほしいな……、ねえ、レナード……」

視線操作に成功すると、先までの様相は潜まって妖しげな微笑みにうつろう。
ショーツの先端が見えそうになる位置までプリーツスカートを持ち上げ。ふり、ふり……。腰を揺すって艶っぽく囁き。

レナード > 「……っ………」

古い書店、その入り組んだ書架のどこかの一角。
人目はなく、明かりすらぼんやりと二人だけを照らす様はどこか"そういう"雰囲気さえ醸し出すもので。

今は誰にも見られていない。

そう思ってしまうことが、一歩、また一歩、身体を彼女に迫らせる。

「へ……へぇ………っ…
 いいんだ? ジャムは………
 教え……ちゃっても……っ……」

いつの間にか、すっかり彼女の掌の上で踊らさせられている。
妖艶な腰遣いに、ほんのわずか上までまくり上げれば見えてしまいそうなその内側に、どうしても興奮させられてしまう。
そんな心地にさせられた中で伸びた両手は、つい、揺れる彼女の腰を掴もうしてしまいそうに……

ジャム > 「うん……。僕、レナードとなら楽しく過ごせそうだもの。
……へへ。レナードと楽しんでみたいな。そういうコト、も……。」

いつもの元気さが潜まり、そっと頬を染めながらの上目遣いになる。お店の外から聞こえてくる往来の足音も、街路樹のセミの音も遠くなっていく感覚。
彼との距離が近づくのも厭わず、逆に嬉しそうに笑みかけ。

「んっ……。レナード……。
僕と、いっぱい……。”仲良く”しよ……?」

伸ばされる両手が自分の腰に触れさせ。小さく甘い息を散らし。そのまま誘うように、甘い声音を投げかける。
意味深で物欲しげなその声と目つき。

ジャム > 古書店でのひとときは過ぎていき――
ご案内:「古書店街「瀛洲」」からジャムさんが去りました。
ご案内:「古書店街「瀛洲」」からレナードさんが去りました。