2019/02/14 のログ
ご案内:「常世公園」に朱莉さんが現れました。
■朱莉 > 「せいやっ!」
体重を僅かに右に左にと移動させ、手前に持ったボールを右から左、左から右へとわずかにスイングする。
目の前のディフェンス相手に、軽いシュートフェイクをかけてからの突進!
地面をだんっ、とボールが跳ねて。
横を抜くと見せかけての、ストップしてからのジャンプシュート。
「よっ……」
高い弾道でひゅるるる、っと空中を舞ったボールは、ぱすん、っと中央を射貫く。
「っし。いい感じぃー♪」
にひひ、と笑う少女はトレードマークの赤く小さなツインテールを揺らして、ぱたぱたと公園を走る。
■朱莉 > 「イケるかな。イケないかな……。」
ゴール下で跳ねるボールを抱えれば、ふと何かを思いついたように上を見上げる。
どりゃ、っとばかりに思い切りジャンプをして……がっつん、っとリングに手を叩きつける。
吸血鬼のパワーがあるからこその身体能力オンリージャンプ。
「っしゃー! へへー、良い眺めー。」
ぷらん、ぷらんとリングに捕まって体を揺らす。
身体が小さく軽いからか、揺らしても一切揺れもしないのが悲しいところだが。
「………おー、落書き?」
名前が地面に残っていることを高いところから見つければ、目をパチパチとさせて。
よー、っと、自分の体をブランコでも乗っているかのようにスイングさせれば、ちょいな、っと手を離してリングからジャンプ。
くるり、と空中宙返りをして。
後頭部から落ちた。
「ぐぇっ!?」
■朱莉 > 「ほうほう………。名前をばっちり残すって、結構目立ちたがりなのかな。」
北条さんの名前をじーっと見つめて、首を傾げ。
実際のところとは全く違う感想を持ってしまう。
「……北条さんかぁ。ガッコの人なのかな。」
なんて、少しだけ考えながら。
………後頭部を押さえて立ち去るのだ。
ぁー、痛い。
ご案内:「常世公園」から朱莉さんが去りました。
ご案内:「常世公園」に白鈴秋さんが現れました。
■白鈴秋 > 大きめの袋を二つ、本来なら両腕で持つはずの物を左腕だけで持っている為に中々に重そうではある。
仕事の帰り、魔法の道具を直した帰りに買い物に行ったのだが……
「ったく、予想以上に傷が深かったな」
思わず顔をしかめる。今は服の下で包帯も巻いてあるために表向きには見えないが、右腕は結構深い傷が残っている。
今日の実技の試験では痛覚を麻酔毒で薄くしてなんとか突破した。本来の成績と比べるとかなり低かったことだろう。
そんなこんなで公園を歩いている……のだが、やけに周りにカップルが多い。そんな中に一人薄汚れたツナギで大きな買い物袋を二つぶら下げた姿は目立つかもしれない。
だが本人気にも留めず少し首を捻り……納得する。
「そういえばバレンタインか今日」
自分にはまったく影響しない日な為完全に忘れていたがそんな日だった。
まぁだからといって何だという話だが。やはり重いのか左腕の荷物と持ち直す。
■白鈴秋 > 「ふぅ、もう良い」
ガサッと袋をベンチに置き自分もそこに座る。なんとなく空気的に空いているベンチを男が荷物と座るなど色々と嫌だったが、左腕もそろそろ限界だったのだ。
強化の魔術を使えば話は別だがそうでない限り彼の身体能力はあくまで人並であり、片手で大きな袋を二つもぶら下げて長い距離を歩いて回れるほどではない。
「やっと少しは楽になれたか」
相当に重かったか、おろすと左腕を軽く回し、自分で揉む。
周りはカップルだったり子供だったりとしている中一人完全に会社帰りである。やはりどう変わっても目立つことに変わりは無かった。
「チョコでも買っておけばよかったな。今日ならかなり安かっただろうし」
まったく意識していなかった為見落としていた。甘味が安値で手に入るのは色々と便利なタイミングだったのだが。
仕事の内容としてバレンタインが近いとは理解していたがそれが今日とは見落としていた。色々と爪の甘い話である。
ご案内:「常世公園」から白鈴秋さんが去りました。
ご案内:「常世公園」に白鈴秋さんが現れました。
ご案内:「常世公園」から白鈴秋さんが去りました。
ご案内:「常世公園」に白鈴秋さんが現れました。
■白鈴秋 > 「バレンタインか」
ふと思い出してしまう。そういう行事を意識したことなど何時以来だろうか。中学1年のあの時、自分が運命が完全に狂ったあの日ぶりだろう。
もしかしたらあれが無ければ今頃友人とチョコをいくつ貰っただのそんな下らない話題で盛り上がっているのだろうか。
そんな有りもしないIFを考え少し苦笑いを浮かべる。
「だいぶ疲れてるなまた」
あの日、夕日を見てなぜか涙を流した日みたいに色々と無理が溜まっているようだ。
ベンチに深く腰を下ろし少し休む。今日は情報も無い、このまましばらくゆっくりできるだろうか。
まぁ、明日にはまた何時もの日常がやってくる。週末は尚更事件がおきやすいのだから。
左腕をもう一度回す。まだ疲れは取れていない。
「時間が経つのを待つしかねぇか。ったく」
揉みながら悪態をつく、仕方が無いとはいえ、時間の無駄である。