2019/05/02 のログ
■アイノ > 「同級生。まあ、私からしたら先輩か。 ………なるほどねぇ、そういう人がいる、と。」
そっと手を握られながら歩けば、ゆっくりとした足取りになる。
ボードだけは、小脇に抱え。
「実はこう見えて天才で鳴らした私だけどさ、確かにそういう時があってさ?」
その上で、唐突に口を開いて。
「絶対大丈夫なのに、何かが怖い、みたいな。
そういう時は、いっつもこうやって手を握ってさ。
………その人と私の間に、こう、橋を架けるようなイメージをするわけ。
んで、怖がってる自分のこわーいなんか黒いものを、相手側に半分くらい、歩いて行かせるようにさ。
相手は何にも怖いって思ってないんだから、そういう気持ちを持ってってもらって。
………ずーっと昔よ、ずーっと。」
最後に恥ずかしくなったのかそっぽを向きながら、少しだけ握る手を強くする。
直接的には何にも言わない。自分の恥ずかしい過去をただ口にしただけで。
元気づける言葉を口にはしないまま、つーん、とそっぽ。 ただただ、ゆっくりと歩いて車へと向かいながら。
■アガサ > 手を繋いで緩やかに真直ぐに歩く。まるで目には見えないけれど、細く頼りない橋を渡るかのように。
その最中に傍らのアイノ君が、まるで画架にかかったキャンバスを、真新しい物にするか如くに話題を変える。
私はただ、静かに彼女の言葉が終わるのを待った。
「……えぇー初対面のアイノ君に半分押し付けてしまっていいのかい? 君、それは随分と御人好しじゃないか」
なんて優しい子なのだろうと思った。
けれど、言葉の後の彼女の様子は、そういった言葉を望んでいないようにも思えて、私はきっと笑ってからかうようにした。
「んふー……ありがとね」
きっときっと、素敵な後輩が出来たのだ。
だったら私はきちんと笑って、彼女の手を引いて、クレープのメニューについても先達として一つや二つ、講釈してやらねばならない。
「そうそう、クレープを御馳走になったら美味しいお店を教えるんだったね。私のオススメはフタバコーヒーという所でね。
時節ごとにメニューに並ぶ色々な物が美味しいんだけど、これがまた難解なメニューで──」
あと、オススメのお店についても。
■アイノ > 「ばっか。天才って言ったろ。
今は怖いものなんか何にもねーんだよ。」
そっぽを向きながらふん、と鼻を鳴らしてそう答える。
最後の最後まで相手を直接慮る言葉はかけないまま、それでも握った手は離さない。
力を抜いていても、きゅ、っと握ってくる。それだけ。
「……ふーん、じゃあ次はそこかー。ありがとーございまーす! ごちそうさまでーす!!」
ケケケ、とすぐに悪い顔でご馳走になろうとしてくるすっごい悪い顔をしてくるのだけれど。
きっと食べ始めてから、また手を繋いでくるのだろう。
ご案内:「常世公園」からアガサさんが去りました。
ご案内:「常世公園」からアイノさんが去りました。