2019/05/30 のログ
ご案内:「常世公園」に星見 智さんが現れました。
■星見 智 > 学園に入学して2か月、自分以外に異能力を持っているということが新鮮で面白く、暇を感じることなく比較的大人しく生活していた。
しかし、非日常も毎日起これば日常になるわけで。
「こうも毎日同じような授業だと飽きが来るな…。何か暇を潰せるものでもあればいいんだが」
退屈は人をダメにする。素晴らしい人間になるためには人生を楽しまなければならない。
遊べるものはないかと周りを見ればただの公園で、あるのは自販機が一つだけ。
「ほーう。自販機ねぇ……?」
少し考え込むように顔を伏せたかと思うと、ニヤリと笑い立ち上がる。
そのまま新しい玩具の元へ歩みを進める。
■星見 智 > 自販機の前で立ち止まると、おもむろに自販機の観察を始める。
前から横から上から、舐るように見ていき…。
「ここをこの位の力でか。よし」
両手をズボンのポケットに入れた状態で一蹴り。
金属がひしゃげる音が響いたのち、ジュースが滝の如く排出される。
自販機が全てのジュースを出し終わったら、缶を片付けて自販機に張り紙を一つ。
【ご自由にお持ちください。】
さて、近くのベンチに座り傍観者になるとしよう。誰がどんな反応を示すのか楽しみだ。
■星見 智 > ふむ。しかし自販機に持っていけと書かれていても自販機を本当に持っていこうとするバカなんているのだろうか。
無論、自分なら躊躇いなく持ち帰るが。
「もう少し考えた方がいいか?どうすれば面白い光景を見れるか…」
とりあえず持って行く側に利益があればいいのではないだろうか。
ということで。
【持ち帰ったら10000円】
この言葉を付け加えれば、誰か何かするのではないだろうか。
■星見 智 > 「チッ、どいつもこいつも張り紙を見て見ぬふりをしやがる。
異能だの魔術だのある学園だから変人ばっかだと踏んだんだが、意外と常識人が多いのか。」
自販機から抜いたジュースでお手玉しながら自販機を見張る。
1本2本と増えていき、10に20を突破して計48本。
つまらなそうにあくびをしながらサーカス団も真っ青の曲芸を続ける。
「よ、ほ、は…。おい、ちげぇよ。こっちじゃなくて自販機を見ろって」
公園には人だかりができ、まるでピエロの気分だ。
だがまあ、他人に恐怖以外の感情を向けられるのも悪くない。
自販機のことは頭から追い出し、技の難度を上げていく。
片手で、投げ入れられたモノで、観客を玉にして。
■星見 智 > 「あ?なんだガキんちょ。お前も乗りたいのか?」
しょうがねえなと少年を投げ、衝撃が伝わらないようにキャッチする。
それを見た子供が僕も私もと言い初め、最終的には小学校一クラス分の集団を投げては取り、投げては取りの異様な光景が出来上がった。
「俺はお守りするためにここに居るんじゃねぇんだがな…」
口ではそう言いつつも、口角を上げ楽しそうに。
まだまだこんなものじゃないと言いたげに。
「おい!周りに集って来た奴ら!もっとヤバいもの投げてこい!」
■星見 智 > 大根に人参などの食材から刀や銃、爆弾まで。
投げられれば当然のようにキャッチし投げる。
優に100を超えるモノでお手玉をしながらバック宙、ブレイクダンス、分身と常軌を逸した技を繰り出す。
というか最後に関しては人間業じゃない。
「ハハハハハハハハ!!見せ物になるのも楽しいもんじゃねぇか!」
少なくとも自分の世界では出来なかった。
この異常な力を認めてくれたのは爺さんだけだった。
だが、ここでは誰も自分を恐怖せず、面白おかしく見てくれる。
これに笑わずなんとするか。
「ハハハハハハハハハハハハハ!!!」
■星見 智 > 一通りの技を見せ終わり、拍手喝采の中で礼。
そのまま顔を上げると悪戯を思い付いた表情で聞こえるように一言。
「んじゃ、お前ら100円な?」
呟くやいなや高速で走り出し、観客から100円を回収していく。
差し出してくれる人もいれば、差し出さないため掏られたひともいて。
大騒ぎを引き起こし、子供以外から100円を奪い取った男は、笑い声をあげながら公園を後にするのであった。
ご案内:「常世公園」から星見 智さんが去りました。