2020/08/08 のログ
レナード > 「………すー……、…かー…………」

そして、そのまま微睡の中へ。
少年の苦悩は始まったばかりだ。

ご案内:「常世公園」からレナードさんが去りました。
ご案内:「常世公園」に藤巳陽菜さんが現れました。
藤巳陽菜 > 「うん、そう…まだ…お盆も無理。
 うん、大丈夫だよ。優しい人ばっかりだし。」

藤巳陽菜は両親と特に仲が悪いわけではない。
心配と迷惑ばかりかけているが今のように定期的に連絡は取っている。

「じゃあまたね。また電話するから。はーい。お父さんにもよろしくね。」

笑顔で通話を切ると、携帯端末をポケットにしまい小さくため息をつく。

「帰省…帰省ねえ…。」

…本土の実家は陽菜のこの身体にとっては狭すぎる。
短い間しかこの身体で過ごしていなかったが基本的に人間が住む家は他の種族が住むようにできていない。
風呂、トイレ、ベット、階段、その他もろもろあまりにも不便。

「いつになったら戻れるんだろう…。」

戻るための努力、過去の異能についての文献を調べたり。
自分の異能の状況についての記録をつけたり、定期的に検査を受けてみたり…。
出来る範囲の事はやっている…それでも解決のその糸口すら見つけられない。

藤巳陽菜 > 綺麗な翼をもったあの先輩はその自身の異能を受け入れていた。
外見を変質させる、過去ならば呪いと表現される他にない異能。
その呪いに飲まれないような力を努力で手に入れていた。

だが、陽菜は未だに受けれられない。

朝、起きたら人の身体に戻っていないか?眠る前に心のどこかで願っていて
起きる度、ウロコに覆われたこの身体を嫌悪する。
…そして、しっかり嫌だと思える事に─未だ自分が諦めていない事に少し安心する。

「…また、探してみないとね。」

異能に関する情報、ラミアに関する情報、肉体を変質させる魔術に関する情報。
人の形を取り戻すための情報。

藤巳陽菜 > 人に戻ろうとするのをあきらめてしまったら何かが終わってしまう。
…人間ではなくなってしまう。

「…今から見に行こうかしら。」

そうして、陽菜は暑さにすっかり負けている蛇の身体を引きずるように…公園の中から去っていく。
恐らくまた図書館で色々な事を調べるのだろう。

人間に戻るために。

─まだ、人間でいるために。

ご案内:「常世公園」から藤巳陽菜さんが去りました。