2020/08/12 のログ
■阿須賀 冬織 > 「……はぁ。ったく疲れてるのはマジみたいだな。普段ならこんなの引っ掛かんねーだろ。
……前とは多分違う、だろ? ったくマシになったと思ったらまた抱え込みやがって。
これでも友達のつもりなんだけどさ、そんなに頼りがいないか……?
それとも、そう思ってるの俺だけだったりする?
もし俺がさ、お前の横に立っててもいいなら。聞かせてくれないか……?」
ったくこりゃ相当参ってるなと彼の様子を見て思う。
何を思い悩んでいるのか……。この前とは恐らく違う。追い詰められて切羽詰まった様子ではないし、生気もある。
こうやってすぐに頼ってもらえないような自分が嫌になる。
■レナード > 「…………。
友達、だから。
心配させたくないって、思うじゃん。」
しょうがいないなあ、と、彼に話を合わせる。
背負いこんでいるのは事実だ。
だが、詳細までは言わない…とても、言えない。
少しやつれたような表情で、話し始めた。
「これでも、初めてできた友達だから。
大事にしたいって、思いたいじゃん。
……あんなのに巻き込むなんて、絶対にしたくないじゃん。」
■阿須賀 冬織 > 彼から初めて、友達という言葉と共にその思いを伝えられる。
これでこれからは友達と公言してもいいのかな……。
「レナードにとって俺が初めての友達なら、俺にとってレナードは特別な友達だな。
俺にとっても大事にしたかったし、だからこそ知って力になりたいと思った。
でも……これ以上は俺の我儘だよな。
……わかった、そこまで言われちゃ無理に聞き出せねえ。
ただ、そうだな。またあん時みたいになりそうなら、その時は教えて欲しい。
もうあんな追い詰められて、生きる希望を失ったような顔を見たくねえ。
友達のあんな顔見るくらいなら……! いや、なんでもない。
兎に角その、話せる内容ならいつでも話してくれいいから。迷惑なんて思わねえから。
だから、もっと頼って欲しいなって。それだけ知って欲しい……。」
■レナード > 「………生きる希望を、失ってた。か。」
まあ、その通りだ。
…それを、彼は見抜いていた。
自分は自分をよく見ていなかったのに、彼は自分を良く見てるなあ…なんて、そう思った。
それに気づくと、自嘲気味に小さく笑う。
「……まあ、話せるときが来たら、話すし。」
今は、それだけ伝えておこう。
さて、湿っぽい空気になってしまった。
流石にこのままでは居た堪れない。何か、何か話題はないだろうか。
…そう思った時に、ふと彼と前に会った時に話したことを思い出す。
「……ああ、阿須賀。
おめー、彼女候補がいるって言ってたっけ?
詳しく教えろし。」
ぶっきらぼう、でも、知りたいのはそういうこと。
だから、まずはその糸口をつかむために、切り出した。
■阿須賀 冬織 > 「ん、わかった。」
そういってくれただけでも進歩だろうか。
……一応本当にどうしようもなさそうなときに一つ方法を思いついてはいるが
これが解決になるかといわれると微妙だし使わないことを祈るばかりだ。
「へ……? 候補って言うかまあその……うん、一応いるにはいるけど。
……えっと、小柄な女の子なんだけど……。
まあその、すっごく楽しい子で可愛くて。
誘ったときはこっちから手をつなぐようにしてたんだけど、この前向こうから差し出してくれてさ……。」
深夜テンション、なんか先ほど高ぶった気持ちが収まらないからか、それともこのしけた雰囲気を何とかしたかったからか、
個人を特定できるような情報こそ努めて出さないように気を付けているが
出てくるのは甘い甘い惚気話。多分止めなければ優に30分は越える。
ところで君、それレナードの彼女情報と交換だった気がするけどいいのかね。
■レナード > 「…………。」
詳しく教えろ、と言ったら途端に語り始めたものだから。
バーターなんて知ったことか、向こうが条件を確認せずに勝手に話し始めたんだ。
自分も情報をくれてやるなんて今この場では話していないのだから。
こいつ、いま、悪い顔をしている。
「…へぇー…………
かなり進展してるわけ、甘酸っぱいし。
…ていうかリア充!?リア充だし!!爆発しろし!!!」
そして、お約束のこの言葉。
30分の中に適宜突っ込んでいくのでよろしく。
「あれからどこ行ったわけ? 夏祭りとか言ってたような気はするけど。
あれからまたどっかデート行ったりしたんだろうし?
ほら言っちゃえよ、ほらーっ!」
ご案内:「常世公園」にレナードさんが現れました。
ご案内:「常世公園」にレナードさんが現れました。
ご案内:「常世公園」にレナードさんが現れました。
■阿須賀 冬織 > 「あっそうだ、これレナードの彼女の話と交換で……。まあいっかいつかお前のも友達として聞かせてもらうから。
んでまあ、確かにまあ買い物には行ったぞ。(以下省略)」
途中で思い出すがまあ、あとで友達として聞こうと思ってスルーする。
そう簡単に教えてくれるかどうかは怪しいがまあ、関係が続いていればきっと他の話せるエピソードも出てくるだろうし問題ない。
待ち合わせ場所で半分抱きしめるような形で背中をさすったことや、買い物をして彼女の水着を選んだこと、
恥ずかしい発言で顔が赤くなり周囲からの視線を浴びたこと、一緒にご飯を食べたこと。
およそ半日の時間だが、かけがえのないその時間の思い出を語っていく。
「まあ、進展したっちゃ進展したのかもしれないけど……結局関係性は友達以上恋人未満のままかな……。
相手の子がさ、ちょっと特別でそういった感情なくて。
まあ、思いで作ってそういった感情持ってもらおうと画策してるわけ。」
出来ればその感情が自分に向くように……。なんだかこれだけ聞くとやばいな。いや実際やばいけど。
■レナード > 「………へっへぇ~……?
ほらほらその先はどうなったんだし、ほら……―――」
話せば話す程に、赤裸々な思い出が彼の口からぽんぽん出てくるものだから。
ついついにやけ気味に、話に聞き入ってしまう。
ところどころで、彼の充実っぷりを妬む言葉を放り投げながら、
その実、彼の恋路が順調なのを、祝福しないでいられなかった。
そして、その長い種まきも、いよいよ実をつける寸前までいくところだと彼は言う。
…きっと、今はそこまで進んだのだろう。
彼は自分にないものを持ってるな、なんて、思った。
「………よかったし。」
ぽそり、呟く。
「おめーは、僕にないものを持ってるんだな。
正直、羨ましい。」
だから、端的にエールを送ろう。
「……がんばれ、阿須賀。」
きっと、今日一番の穏やかな表情で、そう呟いた。
こんなありふれた話で、非日常にいた自分を引き戻してくれた彼に、感謝の意を込めて。
■阿須賀 冬織 > 多少恥ずかしい話でも、そんなに熱心に聞かれるとつい話してしまう訳で。
気が付けば一から十まで語っていた。
「レナードもいいやつなんだから”もてる”と思うんだけどなあ。
……てか、夏祭り行った子とかどうなんだよ。」
羨ましいなんて言われたけど、正直レナードなら問題ないと思うんだけどな……。
「おう、ありがと。……お前も何悩んでるか結局わかんなかったけど、解決するよう祈っとくから。
……ああそうだ、これ俺が悪いんだけどさ。よく考えたら下の名前伝えるの忘れてたんだよな。
冬織っていうんだ。まあ、どっちで呼ぶかは任せるけど、友達が下の名前知らないってのも変かなって。」
■レナード > 「……くふふん。
さーあね。」
笑ってごまかした。
卑怯なやつだ。
「……そーだな。お互い、悩みは尽きねえもんだし。
………へー?
そういえば確かに、そっちで呼んだ覚えないし。
僕がテスラって呼ばれないのと同じか。」
言われてみれば、こちらは苗字で彼を呼び、彼は名前でこちらを呼ぶ。
対等に考えるなら、お互い名前で呼ぶのがいいかなとも、思った。だから…
「じゃあ、冬織。
…………。
なんか照れ臭いんだけど……」
呼んでみたはいいが、ちょっと気恥ずかしい気がした。
■阿須賀 冬織 > 「くっそ、絶対いつか聞き出すからな!」
なんておどけて笑う。
名前で呼ばれれば今までと違う呼び方にこちらも少し照れ臭く……。
「んじゃまあ、結構長話しちゃったしそろそろ帰るわ。
レナードもあんまり冷えて風邪ひかないようにな。
あ、結局疲れてるのにはかわりなさそうだから、これ適当に使ってもらっていいよ。」
話すことも話したし、そろそろ帰るかと立ち上がる。
そう言って充電されたバッテリーを置く。
そのまま立ち上がって、ひらひらと手を振って帰っていくだろう。
■レナード > 「ん。」
彼が置いていったバッテリーを、手に取る。
親指と人差し指で、両の電極を触れれば、しっかり溜められた電力の一旦が僅かに流れてきた。
…これは、後で"食べる"ことにしよう。
「……ありがと。
僕ももうじき、ここから帰るし。」
ひらひら、返すように手を振って。
帰っていく彼を見送った―――
ご案内:「常世公園」から阿須賀 冬織さんが去りました。
ご案内:「常世公園」からレナードさんが去りました。
ご案内:「常世公園」に真乃 真さんが現れました。
■真乃 真 > 未だに暑さのおさまらない夕方の公園に男が一人。
この学生街の層とは少し浮いた男、スーツ姿の男である。
「いやあ!参ったね!本当に参った!」
ブランコを全力で漕ぎながら一人つぶやく。
…つぶやくというほど小さな声量でもないがつぶやいている。
■真乃 真 > 「まさか、学生証の期限が切れてて使えなくなってる上にスマホの充電もなくなって更に財布も落としてしまうだなんてね!!」
自分が置かれている危機的な状況を口に出して再度確認しながらブランコは勢いを増していく。
「しかも、入居する予定のアパートの大家さんがお盆開けるまで本土の方にいるから住む場所もないだなんて!」
見知らぬ土地でそんな状況に陥ったら平静を保つことは難しいだろう。
だが!真にとってここは勝手知ったる己の庭のような島!
こんな時に一時的に住居を借りられる制度も知っているし、屋根があって冷房が利いていて夜を越せる場所も知っている。
つまり、どうしようもある状態である!!
ご案内:「常世公園」に阿須賀 冬織さんが現れました。
■阿須賀 冬織 > すぐにやらないといけないこともなく、ぶらぶらと街中を散歩する。
そうして公園の中を歩いていると、ブランコをこぐ男性が独り言を……。
「何か困っていることでも…………って、なんでそんなに平然とした感じで結構やばそうな状況を呟いてんだよ!?」
どうやら困っているらしく、何か力にでも……と思ったら。そのまま聞いてもいないのに状況を語りだした。
いやまあ俺に向かって言ってるわけじゃないんだろうけど。
しかもなんかそこまで困っているように聞こえないが内容は悲惨の一言である。運悪っ。ってか、入居予定日をなぜそんな日に設定してしまったのか……。
あまりの様子に思わず突っ込みを入れる。
■真乃 真 > 「……とりあえず!財布がないのと、学生証が使えなくなっているのそして、スマホの充電はちょっと早急に何とかしないと駄目だな、うん!!」
財布は風紀委員に届けを出している。学生証は……生活委員、既に学生以外として働く用の届けは出してあるので受け取ってくる。
スマホは…スマホは……お金が手に入ったら何とか…モバイルバッテリーを買うなどで……。
既に一回転しそうなぐらいに漕いだブランコからきりもみ加えた一回転でナイス着地。そして。無駄にかっこいいポーズをとる。
「おっと!恥ずかしい事を聞かせてしまったね!!
まあ、これくらいなら割と何とかなるよ!門をくぐってこっちに来た異邦人の人たちと比べれば、困ってるうちにも入らないぜ!」
何も分からない状態で知らない場所に投げ出されているのだから本当に異邦人の人たちは大変だろう。
それに比べてこちらは精々ご飯が食べれてないぐらい!
「ところで僕を気にしてくれた優しい君!スマホのモバイルバッテリーのようなものを持っていないかい?
スマホさえ使えれば全然生きていけるんだ!もちろんお礼はする!!」
ずいずいと、距離を詰めていきスマホの充電器を借してくれるように頼む。
初対面の相手に!厚かましい!!!
■阿須賀 冬織 > 「……かっけえ。」
目の前の人物がブランコから飛び降りた。もしかして体操選手だったりするのだろうか?
くるりと華麗なひねりを加えた一回転で着地。ポーズも素晴らしく、思わず称賛の声をこぼす。
「あっまあ確かにそうかもしれねーけど……。結局アンタが大変なことに変わりはねーだろ……。」
いやまあ言われたら確かに異邦人の方が大変である。
が、大変さはどちらかといえば絶対的な尺度より相対的な尺度で測られるものである。
少なくとも自分にとっては目の前の男の状況は充分に大変であった。
「ん、充電器は持ってねーけど……。一応聞くけどモバイルバッテリーってことはそのスマホ特別な使用ねーよな。
だったらまあ貸してくれた充電はできるけど。」
動力が魔力だとかの方面だとまあお手上げだが、モバイルバッテリーと聞いてきたので電気で間違いないだろう。
一応確認とともに貸してと言ってみる。充電程度なら大した負担にもならないので特に断る理由もない。
■真乃 真 > かっけえと言われれば。
不敵にニヤリと笑う。すごい練習を重ねてきたニヤリ笑いだ…。
「大変かどうかで言えば確かに凄く大変だね!ここまで大変だったことはそうそうない!
けど、ちょっと工夫すれば何とかはなると思う!!!」
ちょっとの工夫と助かり方を知ってること。
それだけで全然何とかなる!
「えっ!!本当かい!?魔術か異能かな!?助かるよ!!」
そう言って。スマホを手渡す、少し古いモデルだが頑丈さがウリの機種。
学生時代からずっとこれだ!
■阿須賀 冬織 > 「ん、まあ異能の方っすね。……ああ、別に大して疲れもしないからお礼はなくて全然。」
スマホを受け取ると、充電口を確認する。知っている型だ、問題ない。
古い型でもあるのでバッテリーの状態も考慮していつもよりゆっくりと、握った手から電気を流す。
普段から自分や知り合いの端末相手にやってることなので慣れたものだ。
「よし、大体終わったかな。こんな感じで大丈夫か?」
普段なら家に帰るまでをしのぐ為に最低限しかしないが、その家すらないようなのでフル充電。
返したスマホを付けようと思えばきちんとつくだろう。
「それで、工夫できるってことはここの住民なんだろうけど……なんでまたこんな事態に?」
■真乃 真 > 「地獄に仏とはまさにこのことだよ!まさか、偶然話しかけてきてくれた君が!!
こんなにちょうどホント助かる異能を持っているだなんて!!
僕の命の恩人!!いや……それは言いすぎだな…スマホの恩人さ!!」
命とスマホあまりにも差が激しい…だが、現代人にとってみればスマホがないのは命取り…
まあ、命の恩人と等しい…すごい、ありがたい存在だ!!!
「大丈夫!大丈夫!ちゃんと着く!
すごい、めっちゃ不在着信入ってる!!3桁初めて見たな!!」
スマホを試しにつけると、見事についた。
そして大量についてる不在着信。うん!!やばい!!
「…話せば長くなるんだけど元々この学園の学生だったんだよ僕は!
で、本土の方の会社に入って……仕事の都合でこっちに戻ってくることになったわけだ!!
で、久しぶりのこの島に浮かれて急いでやってきたら全然準備出来なかったという事さ!……全然、長くならなかったな!」
3行。3行で説明できる。
「あっこれが一応僕の名刺だね!」
有限会社 ゲートコネクト 常世学園支部 真乃真
かなり小さい会社、異邦人街に詳しくなければ恐らく聞いたこともないだろう。
■阿須賀 冬織 > 「あはは、スマホの恩人でも十分過大かな。…まあ、役に立てたならよかったっす。
……って、三桁ってまさかこれ初日じゃないの!?」
恩人と言われるほどのことはしてないと思う。なんて言っていたら続く通知三桁に驚愕。
もしかしてこの人数日間スマホなし住むとこなしでやってきたのか……!?
「ああ、先輩だったんっすね。……いや、いくらなんでもちょっと準備なさすぎでしょ。流石に入居日のすり合わせくらいきちんとしましょうよ……。」
どうやら先輩だったらしく、かなり急いできたらしい。……にしてもちょっと急ぎすぎな気がするが。
説明は短かったもののこの人なら端折られた大量のエピソードがありそうだなと思う。
「ああ、ありがとうございます。俺の名前は阿須賀 冬織っていいます。
……ゲート、コネクト。……うーん、聞いた事ないな……。何やっている会社で?」
名刺を渡されたのでこちらも軽く自己紹介をしておく。
そうして渡されたものを眺めてみるが、聞いたことのない会社だったので訊ねてみる。
■真乃 真 > 「2日目だね!知り合いには伝えてあったから皆とか……あと、会社……から…。」
流石に顔が少し青くなる。
これは……良くない……良くないなあ。
「うん!……返す言葉もないね!」
…調子に乗って早く来すぎたのは真だ。
大家さんも『早くてもお盆開けてからになりますが…』って言ってた。
自己責任100%。
「阿須賀君!阿須君だね!!よろしく!!
弊社は異邦人街で作られた食べ物とか小物とかを本土に輸出する会社だね!異邦人街独特の製品は皆欲しいからね!それが主な業務だ!
後は、島外で異邦人の人が住みやすくするためのお手伝いをする会社だよ!」
分かりやすく言えばそんな感じ!
■阿須賀 冬織 > 「……えっと、その。頑張ってください……。」
心なしか顔を青くした彼にはそう声をかける事しかできなかった。
「……参考までに昨日、特に住居についてはどうしていたんで……?」
二日目……。まあ一日くらいならなんとかなるとは思うが。昨日は一体どうしたのだろうか。
ってか、大家さん本土に行ってるって下手したらしばらくこの状態続くじゃん。どうすんのよ……。
「こちらこそよろしくお願いします、真乃さん。
……ああ、確かにこの街、見たこともないようなもの売ってることありますしね。
……へえ、そんなこともやってるんすか。ああ、だからゲートコネクト。成程……。」
街を歩けば、特に歓楽街や異邦人街ではそういったものをよく目にする。確かにその需要は大きいのだろう。
どうやら異邦人への支援のようなこともしているらしい。成程、確かに会社の名前の通りだ。
■真乃 真 > 「頑張る!!頑張るよ!!!」
あー会社はあんまり電話かけてきてないな……セーフだなあ…
知り合いに説明していかないとなあ……。
「夏はね……外で寝てても死にはしないからね!屋根がある場所もいっぱい知ってる!
あとこのスーツがいいやつだから!!冷却魔術が常にかかってて意外と涼しい!」
慣れてる。何故かこの男、野宿に慣れている。
……野宿している学園の入学前の異邦人の人たちの面倒を見ていた経験が生きてる。
「そう!!そうなんだよ!シンプルな名前!!
今、常世学園の物が熱いからね!
最近できたデパート本土の方でもちょっとしたニュースになってたんだぜ!!」
無駄に大仰な動きを取りながら説明をする。
■阿須賀 冬織 > 「……。いや、いくら何でもそれはないでしょ! 暑くないからって外はダメでしょ外は!
そりゃ屋根あったら雨はしのげるかもしれないけどさ……。
……空いてる部屋あるんで、よければ使います……? その、流石にずっと野宿じゃきつくないっすか?」
どうやら野宿をしていたらしい。……いやいくらなんでもそれは、問題がありすぎるのではないだろうか。
確かにまあ最低限の雨風はしのげるだろうが、自分には正気の沙汰とは思えなかった。
悪い人ではないだろうと思い、そうやって提案してみる。
「本土の方はそんな感じになってたんっすか。俺、が住んでたのは田舎だったんであんまりそういったことわからなくて。
……ああ、あのデパート。確かにまあやってること考えたらニュースにはなっても不思議じゃない、か。」
確かにあのデパートも聞いているだけでわからなくなるような科学と魔術を組み合わせた産物らしい。特に温泉。
まだ半年程度だが自分もこっちの常識に慣れてきたんだなあとしみじみ。
■真乃 真 > 「ありがとう!でも、心配には及ばないよ!!このスマホにはしっかりとこの常世島でも使える電子マネーがずっしりと入っているからね!!
これさえあればネカフェでもカプセルホテルでも好きに借りたい放題さ!友達とも連絡できるし無敵だ!」
そう、スマホは現代人にとって命綱!
これさえあれば本当に何でもできる!
やはり強いなあ…!!
「本土の人達にしてみれば常世学園は非日常の象徴!
何があっても気になってしょうがないのさ!」
そう、非日常の象徴。魔術や異能、異邦人といった異常の巣窟。
興味と恐怖、どちらに振れても人は目を離せない。
「いやあ、それにしても本当に助かったよ!!
ジュースでもいる?何かコーヒーがいい?コーラ?」
■阿須賀 冬織 > 「ああ、だからスマホの充電を何とかしないとって言ってたんっすね。
……それ、切らさないように気を付けてくださいよ、ほんと。」
成程、確かにそれなら今後は野宿する必要もないだろう。
一度見知った相手が何かあって朝のニュースにでもなったら……なんて思っていたが余計な心配だったようだ。
……いい人なんだろうけど、さっきの話を聞いているとどこか抜けているような気がして一応一言付け加えておく。
「ん、礼はいらないっていったけどまあ……。
そういうなら、言葉に甘えてコーラいいっすか?」
これで断るのも失礼かなと近くの自販機をちらっとみて、コーラをと頼む。
■真乃 真 > 「大丈夫!僕は同じ失敗を年に1回くらいまでしない男さ!!」
年1回クラスでもこの失敗はヤバい。
二度としないほうがいい…。
「良し!任せろ!一番甘いコーラを買ってあげよう!!」
…なんとなく不吉な事を言うと自販機の方に近づいていき…「まだ、売ってたのか…!!」と嬉しそうに呟いて同じ飲み物を二本買って戻ってくる。
おしるこコーラと書かれた飲み物。夏はコールドでドロドロが増している…。
炭酸のシュワシュワ感と小豆のつぶつぶが合わさった玄人向けの飲み物だ!!!
「はい!!おススメだぜ!」
ただしの喉が渇いていないときに限る…
■阿須賀 冬織 > いや、毎年してるのかよ、と突っ込もうとしたが、そんな考えは次の言葉でかき消された。
「はっ? えっ。ちょちょちょ、俺頼んだの普通のコーラなんですけど!?」
なんだろう、とてつもなく嫌な予感がする。……まだ売っていた!? それってつまり発売中止になってもおかしくないってことなのでは!?
「え、あっはい。……ありがとう、ござい…ます……。」
おすすめだと渡されたそれの名前を見る。おしるこコーラ……。すごく不穏になるネーミングだ。
こういう二つを組み合わせたものは合うあわないがはっきりと分かれる。……できればあって欲しいけどなあ……。
善意で買ってもらった以上飲まないなんて選択肢はない。
意を決してゴクリとその液体を口に運ぶ。
……
……あれ? おいしい……?
「……! すげえ! これ、思ってたより美味い!!」
特にのどが渇いていなかったことも幸いしたのだろう。
飲み物かといわれると微妙な気がしなくもないが、つぶつぶとシュワシュワが意外なほどに合っていた。
■真乃 真 > 「甘いものは良い!心が洗われる…!」
炭酸の小気味いい音がする。
それを一気に飲む。
「あー!これだよ!これ!甘っま!!」
学生時代に何度も飲んだ味、これだこの味!!
「おっ!君もいけるクチだな!!良いことだな!!」
これはいける人といけない人に真っ二つに分かれる。
今まで進めてきた人もほぼ半分くらい綺麗に割れている。
うん!素晴らしいことだなあ!!
■阿須賀 冬織 > 「ほんと甘いですねこれ。
はい! もともと甘いものは好きだったので……。
ありがとうございます! おかげでいいものをしれました。」
どうやらこの飲み物は自分に合ったらしい。
思わぬところで新しくいいものを知ることが出来た。
「あ、すみません。そろそろ用事とかあるんで帰りますね。
おしるコーラありがとうございました!」
気付けば時間が経っており、そろそろかなと切り出す。
■真乃 真 > 「ああ!!こっちこそありがとうね!!
本当に助かった!何か阿須賀君が困った事があったら僕に頼ってくれ!!全力で力になるから!」
そう、助けられたのはこちら、お礼を言うのもこちらだ。
今回助けられたのだから次はこちらが助ける番、助け合い大事!
「おっと、そうだね…もう結構な時間だ…。」
充電されたスマホで時間を確認すれば確かにもう結構な時間。
時間が見えるって素晴らしいな…文明の利器。
「それじゃあ!またね!!」
最後に無駄にかっこいいポーズを決めてスマホの恩人を送り出した。
■阿須賀 冬織 > 「ありがとうございます。もしその時があれば連絡させてもらいますね。」
素直にそう返す。まだまだ子供だ。自分だけじゃ解決できないことが出てくる可能性だって十分にある。
それにいい人だというのは話していてわかった。だから、その時は安心してたよることにしよう。
「こちらこそありがとうございました!」
そう言って最後までかっこよかった彼に見送られて公園を後にした。
ご案内:「常世公園」から阿須賀 冬織さんが去りました。
■真乃 真 > 恩人の背中を見送ればスマホと向き合わなければならない…。
「…さてどうしようかな!!まあ、しっかり説明すればなんとかなるだろう!」
今からは始まる説明ラッシュ。
さあ、いまだに充電は100%!!!まだまだ全然戦える!!!
ご案内:「常世公園」から真乃 真さんが去りました。