2020/10/18 のログ
ご案内:「常世公園」にユラさんが現れました。
ユラ > 夜も更け、人気のなさそうな常世公園。
そこに本を抱えて現れるユラ。

「いいじゃん、暗くて」

持っている本は星座図鑑。
中の印刷ミスによるシワがやたら多い以外は、案外まともなものだった。

ユラ > 「……やっぱあっちとは星の配置が違うんだよな」

さらっと流し読みした本の中身を思い出す。
世界が変われば星も変わる。
家を出る前に母から教わった話だ。
ついでに買った、首から下げるはずのヒモが最初やたら短かった以外は普通だった双眼鏡を片手に空を見上げる。

「えーと……この時期、この時間はあの二等星を基準に……
あ、これが……ふんふん……」

目を輝かせながら、星と本を見比べる。
あれやこれやと、本に書かれた星の配置と星座図を検証している。

ユラ > 「こっちの人はいろいろ考えたもんだよ……
星の配置に規則つけるのはともかく、なんかストーリー考えるんだもんな」

『神話』がよくわからないものの、昔の人が考えたらしい物語であることはなんとなく理解していた。
ロマンチストが多かったんだな、などと考えつつ、次から次へと星を見ていく。

けれど楽しい思いとは裏腹に、少しずつ望郷の念が強まる。
もっと幼い頃、母に教わって姉と共に星を見ていたことを思い出す。
あの頃はまだ兄も居た。

「……なんか帰りたくなってきた……」

急なホームシックに襲われる少年。
とはいえ今帰るのは、家を出ることを了承して、この学園のことまで調べてくれた親に申し訳ない気持ちもある。
はー、と大きめのため息をついて、いったん本を閉じた。