2020/10/19 のログ
ご案内:「常世公園」にイヴさんが現れました。
■イヴ > 小さな狐の少年、学園での生活にも慣れたものでぽてぽて歩いていると、公園に人影を見つけました
少年が一人、本を手に浮かない表情をしています
「?」
小さく小首をかしげ、近寄って
「どうしたのお兄ちゃん。お腹でも痛い?」
もふもふ尻尾を少し心配そうに揺らしながら、覗き込むようにして問いかけた
■ユラ > 意気消沈して、ちょっと意識が外に向いていた矢先に声がかかり、びくっと体をはねさせた。
「うわ、びっくりし……あれ?」
顔を見てもう一度驚いた……が、落ち着いて頭を横に振った。
知り合いに似てる気がしたけど、まあ違うでしょう。
その知り合いはもっと年上だし、と。
「あー、いや……そういうわけじゃないから大丈夫。
ちょっと家に帰りたいなーって考え事をしてただけ」
ほんのり笑顔で答えた。
■イヴ >
「そうなの?」
お腹が痛いわけではないらしい
自分の顔を見て一瞬変な反応を見せた、
家に帰りたい、と零す少年に不思議そうに、ぴこぴこ三角耳を揺らして
「もう夜だよ?ボクもお家に帰らないと怒られちゃう。
暗いから一人だと怖いんだー、一緒に帰らない?」
笑顔を見せてくれる少年にこちらも笑い返す
きっとそろそろ帰宅しなきゃ、とかそういう話ではないのだ
そうでないことをわかりつつ、そう切り出したのはなんとなく、その笑顔から不安げな様子を感じとったから
お話でもしながら歩いたら紛れるかな?なんて思いつつ
「ね、いいでしょ?」
小さな狐はあくまでも人懐こく、笑顔を浮かべている
■ユラ > 「え、あー……ん、そうだなぁ」
このまま星を眺めていたい気持ちもある。
けれど今の気分のまま星を見ていたら、もっと帰りたくなるかもしれない。
「よし、じゃあ帰ろうか。どこに住んでる?
オレが送ってくから教えてくれる?」
何より、小さい子を一人で帰らせるわけにもいかない。
多分学校のことで帰りが遅くなったんだろうとか考えながら、ひとまず一緒に帰ることにした。
■イヴ >
「えへへ、ありがとー。
ボク、イヴ!よろしくねえ、お兄ちゃんは?」
快く?引き受けてくれればにっこりとさらに明るい笑顔を見せる狐
「えっとねえ、学園近くに古い洋館があって、そこにママと住んでるんだー」
学園の保険医、ビシュク先生の住まう洋館である
もしかしたら知っているかもしれないし、知らないかもしれない
「ねえねえ、それ何の本ー?」
先立って歩きはじめた小さな狐が問いかける
ユラの持っている本に興味津々のようだった
■ユラ > 「あ、イヴ君……イヴ君?
そうか、オレの知り合いのお兄さんにも同じ名前の子がいるなぁ……
あ、オレはユラ。ユラ・リィヤね」
同じ名前の人も居るとこには居るもんだな、と不思議な気持ちになった。
「え、学園近く?
またちょっと不思議な場所に住んでるな……」
かろうじてあの苦手な先生の住む場所は知らないので、平和なものだ。
というわけで安心して進みだす。
「これは星の本だね。
星の配置とか星座とか、星座の神話とかが書いてある。
これを見ながら、さっきは空を見てたんだ」
■イヴ >
「そうなんだ?奇遇だねえ~」
にこー、と笑みを絶やさない狐の少年はあくまでも明るく、ぽてぽて先立って歩いていく
「そうなのかな?へへー」
不思議な場所、と言われればそうなのかー、と
まだあまりこの学園のことには詳しくないらしい
少年もまさか自分の母狐とこの少年の間に浅からぬ関係があるとは知らず…
「ふえー…すごいなー、星ってそんなに重要なものなんだねえ」
配置や星座に意味があることは知っていたけど、神話まで
てくてくと歩きながら、興味深げに頷きつつ
「ユラお兄ちゃんは星が好き?それとも本が好きなのかな」
■ユラ > 「髪の色とかもそっくりなんだよね。
イヴ君が成長したらそのまんまの格好になるかも」
けらけら笑いながら後をついていく。
元気な子供はいいものだ。
「オレは星が好きなんだ。星占いとかも好きでね。
それでこうやって、本に載ってる星座と実際の空を見比べて楽しんでるんだ」
本を片手に、持っている双眼鏡を構えて見せた。
使ってみる?と双眼鏡も差し出してみせる。
■イヴ >
「へえ~、カッコイイ感じになれたらいいなー!」
似てると言われれば愉しげ、尻尾をぱたぱたと振って喜びを表現している
「わ、見る見るー!」
双眼鏡を差し出されると一端足を止めて、それを受け取って上を見ながら覗き込んでみようとする
夜空に散りばめた星々が少しだけ近い
キラキラを光るそれらが形を作るように見える、それが星座である
星座に冠する知識はそんなにないまでも、本と見比べたり、あれは何?なんて聞いたりしながら
あれがそうーこれがあれー、とやや興奮気味な小さな狐
そのうちにはっとなって、時間が遅くなることに気づくまでしばらく立ち止まってしまった
■ユラ > 「いやイヴ君はマジでイケメンになりそう」
何せ素材が良すぎる。
いずれ女を惑わす男になるだろう……などとは当然言わないが。
「うん、じゃあこれで……」
自分の好きな話題となれば、一気に話も進む。
しっかり見た星の配置は覚えたので、お互いに確認したり、本を見たりしながら楽しんでいる。
「……夜にしか星は見えないけど、夜遅くになるとこうなっちゃうんだよね……」
さらに夜が深まったところで、時間の経過に気付いた。
少年を送るつもりが大変な時間になっていた。
■イヴ >
今はまだ少女と見間違うような顔立ち
しかし将来への有望視、素直に小さな狐も嬉しげに笑う
「えへへ、すっかり遅くなっちゃった」
星について語らう時間は楽しくて、一瞬だった
慌てて歩きはじめれば、程なくして少し古ぼけた洋館の門へと辿り着く
「送ってくれてありがとうね、ユラお兄ちゃん
もっともっと色んなお話聞きたいし、今度遊びに来てもいいよー…?」
別れるのを名残惜しそうにぎゅーっと抱きつく小さな狐
■ユラ > 楽しい時間は光の如く過ぎ去るものだ。
しかし安全に送り届けられてよかった、と安心もする。
「オレのほうこそイヴ君と話せて楽しかったよ。
じゃあ今度は……イヴ君の家で星空観賞しようか。
そうすれば帰る時間も気にしないでいいしね」
ぽふぽふと頭を撫でてあげながらそう告げた。
夜の趣味を持つと、なかなか自由にならないものだ。
「じゃあまた。早く寝るんだよ」
イヴから離れ、ひらひらと手を振った。
■イヴ >
「やったー!ママもお友達なら歓迎してくれると思うよ!」
楽しみにしてるね!と笑って手を振り返して、小さな狐は門の奥へと消えていく
帰りが遅くなってママに叱られるかと思えば、
お友達と一緒だったと言えばそれだけで優しい笑顔で許されて
次はもっともっと沢山お話を聞こうー、なんて
自分の母と少年の関係を知らない子狐は期待に胸を膨らませるのでした──
ご案内:「常世公園」からイヴさんが去りました。
ご案内:「常世公園」からユラさんが去りました。