2020/11/30 のログ
ご案内:「常世公園」に火光雷鳥さんが現れました。
■火光雷鳥 > 「あ~…うん、俺は元気だって!母さんはちょいと心配性だって。んで、親父は?あー出張中なんか。」
バイト帰りにちょっと公園へと寄り道。携帯片手に通話するのは本土で暮らす母親だ。
別に、自分は生まれは普通だし、両親も同じくだ。異能や魔術なんて殆ど無縁に近い生活。
―だから、1年前に突然異能に目覚めて『倒れた』時は両親は慌てたらしい。あのクソ親父ですら。
(――まぁ、1年も入院する羽目になるとは思わなかったけどなぁ…。)
電話の向こうから聞こえてくる、ちょっと心配性なくらいにこちらの生活のあれこれを聞いてくる母親に、努めて明るく元気だとアピールしながら。
まぁ、最近はやたらと物騒な場所に迷い込んだり、どうも俺の『脳』の中が普通じゃない、などと色々あったりするけど。
「あ、そうそう。最近友達から仔猫を譲り受けてさ。…うん、茶トラのメスでヒメって名前。
え?世話?ちゃんとやってるって!そういや小太郎は?相変わらずグータラしてんの?」
と、まだ健在である実家の飼い猫の事を口にすれば、暫くして向こうからにゃー…と、暢気な鳴き声が。
それについつい笑ってしまう。「ああ、相変わらずみたいだなぁ。」と呟くように。
「――ま、そんな訳で俺は何とかやってるよ。少しだけど友達も出来たしさ。
正直、異能とか魔術とか俺には未だにこう、ピンとこない部分もあるけど…。
だーいじょうぶだって!前みたいに入院みたいな事にはなってねーからさ。うん…うん、了解。じゃあそろそろ切るな?
今の季節、風邪惹き易いから気をつけろよ。あと、一応親父にもよろしくな。そんじゃ!」
そう締めくくって通話を切れば一息。何だかんだ親の声を聞くと安心するものだ。
■火光雷鳥 > お?仕舞いこもうとした携帯が振動する。メールが来たようだ。
差出人は……親父か。出張先からみたいだがまさかサボってんじゃないだろうな、あの父親は…。
「まぁ、何かやらかしてたら母さんに言いつけておいてやろう。…で、えーと。」
その内容に目を通すそこには――…
■親父より > 『よぅ紅蓮の支配王!!そろそろ彼女の一人でも出来たか?
…あ、無理か、お前俺と違って奥手のチキンだもんなぁ。
それと、万が一の時の為にコンドームはしっかり常備しろよ?
――ナイスミドルな親父より―― 』
ご案内:「常世公園」に火光雷鳥さんが現れました。
■火光雷鳥 > 「…ああ、喧嘩売ってんだな?…上等だ、今度帰省したらぶちのめしてやるからなテメェ!!首洗って待ってろよクソ親父めが!!!」
■火光雷鳥 > これは、帰省したら父子の新年殴り合い合戦をするしかあるまい。ちなみに今の所は俺が全部負けている。
「…あのクソ親父、無駄に喧嘩慣れしてんのが腹立つんだよな…母さんには負けてるけど。」
ちなみに、うちの母親は何故かプロレス技とか関節技がやたらと凄い。
一度、親父が浮気したという誤解が発生した時には凄かった…よく骨折れなかったなぁ、アレ…。
「と、いうかアンタのせいで俺の異能名が大仰になってる上に変更できねーんだよチクショウ。」
ただの発火能力なんですけども。はぁ、と溜息を零しながら返信は…面倒だからいいや。今度こそ携帯を懐へと戻す。
ご案内:「常世公園」にリタ・ラルケさんが現れました。
■リタ・ラルケ >
最近ご無沙汰だった放浪――うん、放浪。の末、何度足を運んだかわからない、この公園にやってきた。
人こそ疎らでそう賑やかではないものの――いや、だからこそここには静謐と、そして日々で変化するここならではの景色がある。故にこうして幾度となく足を運んでしまうのも、また仕方のないことであろう。と、自分は自分にそう言い訳している。
して今日はといえば、
「――っ」
公園に足を踏み入れた途端、どこかから聞こえる叫び声。
……既視感があるぞ、これ。というか聞いたことがあるなあ、この声。
してそちらの方に足を向ければ、案の定というかなんというか。見覚えのある赤い髪が、初めて会った時と同じように絶叫していた。
落ち着いたところで、声をかけてみる。
「……ふふっ、元気そうだね。久しぶりに見るけど、変わってなさそうで何より」
面白いなあ、といったように笑いながら。
■火光雷鳥 > 「……へ?」
こちらも聞き覚えのある声に、ぽかーん、と一瞬だけ呆けつつもそちらへと振り返る。
…お、おおぅ。島に来て最初に雑談をしてくれた少女がそこに。むしろ相手の様子からして今の叫び聞かれてた!?
「お、おおーーう…ひ、久しぶりリタさん。…つーか、もしかして聞かれてた?出来たら忘れてくれると俺としては助かるんだけど…。」
と、いうかおかしいな?初対面の時もこんな感じに近いノリだった気がするぞぉ?
まさかの時間を置いての天丼ネタ状態に少年は冷や汗頻りである。ともあれ、気を取り直しつつ。
まぁ、多少なり色々あったが、その空気やノリ、見た目は相変わらずかもしれない。
例え非日常に慣れようとも日常らしさを忘れない。少年のほぼ唯一のポリシーである。
■リタ・ラルケ >
「うん、聞いてた。忘れて……っていっても、ねえ。なんだか君ってそういうところが特徴みたいなとこあるし」
根っからのツッコミ体質なんだろうか、どうしてかこの少年には叫ぶ姿が似合っている……というのは、前回も今回もそういう邂逅をしたからだろうか。
「久しぶりだけど、この島には慣れた? ……まあ、良くも悪くも個性的な人たちばっかりだから、慣れてくれないと困るけど」
初邂逅から、2、3ヵ月程経ってはいるが、ついぞあれから会うことはなかった。だから割と心配していたけれど。
とはいえさっきの様子からすれば、この島の空気が肌に合わなさ過ぎてナーバスになっている、というわけもないだろうか。
■火光雷鳥 > 「…あのーー…それ、俺が芸人のツッコミ側タイプみたいな認識になってね?
別に叫びたくて叫んでる訳じゃないんだけどなぁ…。」
彼女からの言葉に、どんな特徴だよ!?と、思いつつもそう聞かずにはいられない。
確かに、初対面の時も今回も、同じような状況で同じように叫んでいたけれど。
悪いのはまぁ、うちの親父のふざけたノリなんだけど…やっぱりあの親父、帰省したら殴りあいするしかねぇ。
「あーー…うん、多少は。まぁ何だかんだここに来て3ヶ月近くになるし。
ただ…こう、最近やばい場所に迷い込みまくってるというか…先日なんて転移荒野に飛ばされる羽目になったし。」
ついでに人生初のドラゴンと遭遇しましたよ、と申しておく。俺の運気はどうなってんだろうか?
ナーバスにはなっていないが、相変わらずこの島のぶっ飛び具合に翻弄はされているようで。
「んで、そっちこそ最近どうなのさ?そっちも相変わらずみたいだけど。」
初対面の時以来だから、2ヶ月くらいは経過しているだろうか。ともあれ、彼女も元気そうなのは何よりだが。
■リタ・ラルケ >
「え、違うの?」
あの輝くツッコミは芸人としてもなかなかのものではないか――というのは冗談だとして。一割くらい。
して返された言葉はといえば、それはそれでなかなかなもので。
「何、転移荒野行ったの? しかもドラゴン……ドラゴンは私こっちじゃ見たことないな。よく生きてたねえ」
運がよかったか、あるいは曲がりなりにも異能を持つ者として生きて帰ってこられるくらいの実力は付けているのか。
まあ人の手が加わっていない自然を求めてたびたび転移荒野に足を運んでいる自分が転移荒野に行ったことを意外に思うのもアレだけど。
「私? 私はまあ、なんだかんだよくやってるよ。友達もできたし」
そう、少し前の自分と比べると、驚くくらいに自分は変わった。
相変わらずではあるが、確かに大きく変わっていっているのである。それも、良い方向に。
ご案内:「常世公園」に火光雷鳥さんが現れました。
■火光雷鳥 > 「ちげーーよ!!確かにボケとツッコミだとツッコミ側かもしれんけど!芸人体質でも叫びリアクション芸が持ち味でもねーからな!?」
と、びしぃっ!と、ツッコミを入れるのが何となく様になっている、かもしれない。
まぁ、基本的にこうやって周囲に突っ込み入れつつも翻弄されるのがこの少年のスタイルである。
言い換えれば、多分弄られ易いタイプだとも言える。
「いや、日雇いのバイトで異邦人街の魔術師?さんの転送魔術のテストに付き合ってさ。
俺以外にも5人くらい受けてて、全員目標ポイントに到着したのに、俺だけ転送事故?か何かで転移荒野に放り出されたんだよ…。
あ、そのドラゴンさん、人の姿になれたし意思疎通普通に出来たから、最後には街中まで送って貰ったりしたのが不幸中の幸いかな、」
実力?そんなものはない!少なくとも彼自身は自分が強いなどとは欠片も思ってすらいないのだ。
ちなみに、それ以前にも偶然と成り行きで『禁書庫』や『落第街』、あと『裏常世渋谷』にも迷い込んだ事をお知らせしておこう。
どれも、知人の先輩や友人が偶然居合わせた事で無事に脱出出来たのだけど。
「お、それはいいなぁ。俺は明確に友達って言えるのは……あーー…二人、くらい?」
言ってて悲しくなってきたな…いや、リタさん含めて知り合った人はもっと多いんだが。
「――けど、まぁ友達居るのってやっぱいいよな。
こう、いざという時に頼れる、話せる誰かが居るのってさ?
当たり前のようだけど、とても大事な事だと俺は思うぞ。」
自分が変わったという自覚も実感も無い。少なくともノリはそのままだ。
けれど、人というのは周囲との付き合いや環境次第で幾らでも変われる。それを少し実感している所だ。
■リタ・ラルケ >
「……君なんで生きてるの?」
彼の口から出てくるのはどれも一般人からすれば危険地帯と表現していい場所――と、自分は認識している。それらに悉く迷い込んで、そして生き延びている。
「……実は鬼のように強いとか、そういうオチ? それとも、鬼のように運がいいか」
冗談でもなんでもなく、命を落とすか心を壊すかしてもおかしくないような場所である。そうでもなければ納得できない。少なくとも自分には。
正直、彼の異能に興味が出てきた。どんなものか見てみたいと思うのは、職業病に近いだろうか。
「ん、そうだね。友達……友達、か。そうだね。頼れる誰かがいるのは、幸せなんだね」
少ししんみりした様子で、そう笑う。元の世界では本当の意味で誰かに頼ることもなかったから。
だから本当に、今が幸せだったりする。
■火光雷鳥 > 「それは俺が聞きたいんだけど…いや、まぁ偶然知人の先輩とか友達が通り掛かったり近くに現れたから助かった、というか。
俺一人だけじゃぶっちゃけ死んでてもおかしくなかったと思うわほんと…。」
思い出してやや遠い目になる。最近、お祓いに行こうかと割と本気で思っている少年である。
彼自身は特に何もしていない。少なくとも何かをしている自覚は皆無だ。
単純に運が悪いといえばそれまでだが、悉く帰還しているので同時に運がいいのかもしれない。
「あと、俺は凡人だぞ。多少喧嘩経験はあるくらい。あと、そもそも俺は魔術使えないし。
異能は一応持ってるけど、初歩的な発火能力だからそんな大した事は出来ないしなぁ。」
彼女の興味を削ぐ様で申し訳ないが、実際学園に登録されている少年の異能データは発火能力である。
レベルは高くないし…異能名だけは何故か大袈裟だが、それも彼の意思ではない。
魔術に至っては、魔力測定を受けたら脅威の『Z』判定を受けたくらいだ。
どういう事かというと、「ここまで魔力が無くて素質が無いの逆にレアじゃね?」という感じである。
少なくとも、この少年の語りからはやばい場所を独力で生き延びられる要素は殆ど無いだろう。
「んーー……。」
少ししんみりした様子の彼女を眺める。そこから読み取れる何かがある訳ではない。
少年は別に勘が鋭い訳でもなければ、察しが良いともお世辞にも言い辛い。
けれど、友達の大切さを実感する何かがあったんだろうなぁだ、とは思うのだ。
「…じゃ、俺とリタさんも友達なれるかね?」
彼女には初対面の時にアドバイスとか色々お世話になったし。
まぁ、友達は作るものではなく自然となっているもの、だとかうちの親父は言っていた気がするけれど。
■リタ・ラルケ >
「じゃあ、冗談みたいに運が……」
いや。違うか。
確かに運がいいというのも多少なりとあるだろうが、行く先々で知人や友達と会う、というのは。
それはそれだけ、彼がそうあるだけの人脈を広げていった結果ではないか。
「……やっぱ、なんだかんだで強いんだろうね。君」
単純な力とか能力とか、そういうものでは測れない強さ、ではないだろうか。
ぜひとも彼には、そのままの彼でいてほしい。そう願う。
「……」
彼の言葉に、少し驚いた様子。
「……なんだかんだで私、結構めんどくさい奴だよ」
彼の前では見せてはいないが――自分、性格が変わるし。
つい最近、友人にはそれもまた魅力と言われたけれど――やはり過去にそのせいで多少なりとも疎外されていたからか、まだ少しだけ自信は持ててない。
■火光雷鳥 > 「運は悪いんじゃねぇかな。立て続けにここ1ヶ月くらいでやばい場所に迷い込んでるし…。
あ、でもその先々で見知った相手に遭遇して助けて貰ってるから、一概に悪い訳じゃない…のか?」
うーーん…分からん!ただ、こう運気のアップダウンが凄まじい気がしないでもない。
人脈、というほどの交友の広さは無いが――けれど、その縁に助けられたのは紛れもない事実で。
彼女の言葉に赤い目を丸くしてきょとんとした様子。驚き、というか意外な評価だ。
悪運はもしかしたら強いのかもしれないが、少なくとも見た目ではっきり示せる強さというものはないのだし。
「うーん、そりゃリタさん俺を過大評価し過ぎじゃね?俺、そこまで強くねーから。むしろ自分を凡人だと思ってるよ。」
非日常が日常のこの島でも、凡人である事を少年は望んでいる。卑下ではなく、そうありたいのだ。
実際はもう凡人では無いとしても、その心の在り方だけはせめて貫きたい。
――それが、彼女が評した己の『強さ』なのかどうかは分からないけれど。
「え?そこまで驚く事言ったか俺?…と、いうか面倒臭い云々なんてそれも個性だろ?
それに、友達ってのはそういうのも承知で付き合うもんだと俺は思うし。
――と、いうかさ。俺はまだリタさんの事はよく知らないけど、面倒臭い人が初対面の右も左も分からん奴に助言とかしないと思うんだ。
――まぁ、そんな訳で。リタさんが…いんや、リタが嫌じゃければ俺と友達になって欲しい。」
彼女の事は殆ど知らないとはいえ。それはこれから知っていけばいいんじゃないかなぁ、と思う訳で。
驚きはするし、混乱もするし、ツッコミもするだろうが…この島は色々な人が居る。
それを身に染みて実感できるようになってきたから。だから、面倒臭い云々は構わない。
それを承知で、友達になってほしい、と真っ直ぐに少女の目を見て申し出るのだ。