2021/08/08 のログ
ご案内:「常世公園」に金剛 経太郎さんが現れました。
■金剛 経太郎 >
「あっつ~……」
炎天下の常世公園。その一角で金剛経太郎はプラカードを掲げていた。
その姿はオンラインゲームに登場するマスコットキャラクターの着ぐるみを身にまとっている。
今日も今日とて何でも屋のお仕事、ゲームや漫画、アニメといったサブカルチャーのイベントの誘導係だ。
手にしたプラカードにはイベントのタイトルと、会場の方向を大まかに示す矢印が書かれている。
「何で真夏にこんな格好……」
プラカードを持って早くも1時間が経過しようかといった頃合い。
既に太陽は頭上に輝き、容赦なく日差しを浴びせてきている。
暑苦しいにも程があるが、これが本日の仕事なのだから仕方ない。
ご案内:「常世公園」に柏木凛さんが現れました。
■柏木凛 > 「確かこの辺りだったよな……って、あれだな」
炎天下の公園の中、行き交う人の間を縫う様にして人探し。
確かこの辺りと聞いていたのでと探して歩き、視線お先にプラカードが見えればそちらに向かい。
「よし、いたな。差し入れ持ってきたけど大丈夫か?」
プラカードに近づけばそれを掲げる着ぐるみを目に知れば迷わずに真っ直ぐに。
そして傍にたどり着けば軽く着ぐるみの頭を叩き手にした袋、差し入れを見せ。
「悪いな、本当なら私が着るはずだったんだけどな」
サイズが合わなかったと肩を落としては申し訳ないと軽く頭を下げ。
周囲を見回して人目がなければ着ぐるみの中にペットボトルを押し込んでいく。
■金剛 経太郎 >
「え……ああ、凜お姉ちゃん。」
いつまで続くんだっけ、この仕事。と、ぼーっとする意識の中で考えていたら不意に声を掛けられた。
顔を上げれば、経太郎が働く何でも屋の所長の姿。思わずへにゃりと笑みを浮かべる。
「ありがとー、まあしょうがないよね。
適材適所、ゲームや漫画については僕の方が詳しいってのもあるし。」
着ぐるみの中にペットボトルを押し込まれながらゆるやかに首を振る。
謝られる筋合いなどない、今回の仕事は凜よりも経太郎の方が適していたというだけの話なのだから。
それに普段は事務作業を行っていても、たまにはこうして実働をしなければ身体も鈍ってしまうし、と経太郎は思うのだった。
■柏木凛 > 「私だぞ、経太郎」
着ぐるみで表情は見えないがおそらくは笑っているのだろうと思うと自然と笑みが浮かび。
労働基準法なるものが怖くはあるが何でも屋の貴重な従業員である少年がまだ大丈夫そうな姿を見つめて。
「プラカードを持つだけなら私でも出来るんだけどな。
ただゲームとかはさっぱりだからな……この時期はこんな仕事が増えるから今度教えてくれよ?」
儲けはよく、着ぐるみも自分では苦にならないがゲームや漫画の知識はほぼなく。
仕方がなく少年に任せてしまい、適材適所と言われてもやはり罪悪感は残り。
「辛くなったら私が変わるから休憩取るんだぞ?
経太郎は時々無理するからな」
事務作用だけでも助かるのにこうして実働までしてくれては感謝しかなく。
無理だけはしないでくれと言葉をかけて、ゲームなどの話題にはついていけないが案内程度は出来、声を掛けられれば会場の位置を説明をして。
■金剛 経太郎 >
「そうだね、今度何か漫画とか持って来るね……」
教えるような事でもない様な気もするが、とりあえず現物を見てもらうのが一番だろう。
凜でも取っつき易そうな漫画は何があったろうか、と考えつつプラカードを一度脇に置く。
「大丈夫、無理はしないよ。
それにしても暑いね……日焼けしなさそうなのは、良いけど。」
着ぐるみの中で差し込まれた飲料で喉を潤す。
一気に飲みたいところだが、飲み過ぎはトイレが近くなるので宜しくない。
今経太郎が居る場所から一番近いトイレは今日のイベントの為に増改築が突貫で行われ、コスプレイヤーたちの更衣室となっているらしい。
制服姿で駆けこんだ生徒が、全くの別人となって出てくる姿を何度か目撃している。
「まあ、それなりに楽しんでるから、僕は大丈夫。
時々声を掛けてくれたり一緒に写真撮ったりする人とか居るし。」
露出度の高いコスプレをした女性たちから可愛がられる体験も出来るため、暑さの代価は報酬以上の物を得ていると京太郎は思う。
思うだけで口にはしないし、顔にも出さないが。
■柏木凛 > 「頼むよ。私はああいうのは何がいいか分かんないからな…ほんと」
覚えようと本屋に足を何度か運んだことはあったが数の多さに購入を断念したことを思い出し。
自分では良いと思う物を見つけられなくても少年のお勧めなら楽しめると考えて。
「経太郎が言うんだから信じてるからな。
私は焼けないか心配だよ。……その中って蒸し暑いんだよな。
………また誰か間違えたな」
着ぐるみなら日の光は当たらないがやはり蒸れるのかと気になり問いかけ。
他にも食べ物などもあるが今は水分が欲しいだろうとそれらは渡さず。
ふと聞こえる悲鳴と怒声に本来はトイレだった建物の方角に視線を向けて、そこで起きていると思われる惨劇に合掌し。
「そうか、楽しんでるならよかったよ。
今日のお給料は奮発するから楽しみにしてていいからな。
で……何かいいことはあったりしたか?」
いくら適材適所だと言っても炎天下ではつらいはずなのだがそんな様子はなく。
もしかしていい事でもあったのかと疑うような目を向けて。
■金剛 経太郎 >
「え?良い事?
まあ、最近のゲームが何が人気かー、とか知れたし。
色んなコスプレの人見れたりした……くらいかな。」
嘘はついていない。が、本当の事も言ってない。
本当の事を正直に話したところで凜が気分を悪くするとかは経太郎も思ってはいないが、それでもバツが悪いので秘匿するつもりである。
「そ、それよりお姉ちゃんの方は、お仕事大丈夫なの?」
更衣室の方から聞こえる悲鳴や怒号は聞きなれたもの。
華麗にスルーしつつ、凜の方の仕事の進捗を訪ねる。
人手が必要になったところで、今日は経太郎はこの仕事に掛かりきりになってしまうので助けに向かえないのだが。
■柏木凛 > 「経太郎にはゲームが知れたりそう言うのを見るのってやっぱりいいのか」
その言葉を普通に信じコスプレをした人を見ると、自分が以前は毎日してた服装に似ているようなものが目につき。
もしかしてコスプレに思われていた可能性に気が付くと一瞬固まり。
そのせいもあり露出度の高い恰好はスルーしてしまう。
「私の方がアレだ……普通ならアレを摑まえるはずなんだけどな」
少年の言葉にもう一度視線を更衣室の方へと向け。
本当なら更衣室に出るであろう覗きを捕まる筈であったが、覗きも間違えて入った人も使用者に駆除されてる状況。
つまり仕事がないのだと肩を竦めてしまう。
■金剛 経太郎 >
「うん、まあね。やっぱり好きだしさ、ゲームとか。」
ゲームも漫画もアニメも、コスプレ女子も。
時折男子も経太郎が感心するほどの精度のコスプレをする人も居て、やっぱり楽しいと思う経太郎である。
凛も普段からコスプレめいた格好をしていたが、どちらかといえば“マジ”な雰囲気を醸していたように思うが。
「ああ、まあアレはしょうがないよね……。
自衛が逞し過ぎるもの。やっぱイベントにかける熱意ってすごいんだなあって思うよ。」
まあわざわざ更衣室に覗きになんか行かなくとも、会場に行けば水着同然な参加者も居たりするわけだが。
凛の仕事が無いと聞けば、流石に乾いた笑いしか出てこないのであった。
■柏木凛 > 「こっちじゃそういう娯楽が普通だしな。
私の事務所にも何か置いてみるか。
それで経太郎はどういうのが好きなんだ?」
歓楽街で普段過ごしていてもゲームや漫画に熱中している生徒はよく見る。
大人びて見える事の多い少年もそう言うのが好きなのだと聞くと微笑ましく見てしまい。
そう言えばと気になった事をさらりと訪ねて。
「しょうがないのは判るんだけどな…おかげで仕事がないんだよな。
自衛が逞しいじゃなくて過激すぎると思うぞ?ほら……また担架が言ったな」
担架をもって更衣室の方へと向かう二人組を見送り、やりすぎたんだと察すれば呆れてしまい。
仕事がないのは楽でいいがそれはそれで暇になっていると困り顔を見せて。
■金剛 経太郎 >
「今度、いくつか僕んとこにあるやつ持って来るね。
特にこれが好き、ってのは無いと思うけど……うーん、改めて言われると考えたこともなかったな。」
プラカードを持ち直して、見やすくなるよう掲げながら凜の問いに答える経太郎。
好きなジャンルと言われると、わずかに首を傾げて考える。
基本的には雑食だし、面白いと思ったものを思い返してみてもやっぱり規則性は無い。
コスプレならやっぱり出るとこ出て露出高めが良い、とは思うがそんな話はしていないだろうし、と口を開かず。
「一応過剰にならないよう止めるのもお姉ちゃんの仕事じゃない?
あとはせめて間違って入る人が出ないように誘導する、とか。」
普段のコスプレめいた服装ではなくても、凜は十分目立つ方だろうし、と経太郎は提案する。
差し入れは有難かったが、流石にいつまでも持ち場を離れてるのも良くないのでは、と。
■柏木凛 > 「本当か?よろしく頼むな、私だと多分…勧められたの全部買いそうだし。
そうなのか?じゃ、あれか、珍しいから見てる感じなのか?」
少年の言葉を聞くとジャンルや恰好ではなく珍しいから見ているのかと取り。
元の世界ではそれなりに見慣れたような恰好が多く思うが、あれはこちらではコスプレになるのだと今更に感じ。
ジャンルではなくコスプレを聞いたのだが言葉足らずにきちんと伝わっていなかったことに気が付かないまま。
「最初は止めてたんだぞ?でもなー…仲間扱い一回されてから止めにくいんだよ。
誘導は…無理だと思うぞ。だってな、あそこって元々がトイレだったからその先入観がどうしてもあるからな。
やっぱり戻った方がいいか?」
困ったもんだと胸の下で腕を組んでは本来いるべき場所に視線を向け。
今は運よく間違った生徒が止められているが次はどうなるか分からず。
戻ると戻るである意味退屈になってしまうので少し嫌そうにしてしまう。
■金剛 経太郎 >
「うん、お姉ちゃんでもわかりやすい奴ね。
珍しいからというか……ううん、そう。そんな感じ。」
題材は珍しくは無い、慣れ親しみ切ったゲームや漫画だ。
ただ、それらに登場するコスチュームを現実にするとどうなるか、というのはだいぶ珍しく思う。
ゲームの中で、なら経太郎は嫌というほど見てきたが、こうしてリアルで見るとまた違った趣があることが分かる時がある。
「ちゃんとスタッフっぽい格好しないから……
あとは入り口前で止めるとか、したら良いんじゃないかな……。
まあ退屈なのも分かるけど、それも込みでの仕事だからね……?」
そもそも今回の仕事は経太郎一人で案内係をしていれば良かったはずだ。
それを心配だから、と半ば強引に警備スタッフとしてねじ込んできたのが凜である。
まったくもう、と流石に呆れるしか出来ない経太郎である。
■柏木凛 > 「難しいのは駄目だぞ。読んでる最中に寝ちまうからな…。
やっぱああいうのは珍しいだな。道理で私も前はよく見られてた訳だ」
暗に難しいものは苦手だと先に伝えておき、少年なら自分にもわかりやすいものを用意してくれると信じて。
少年からコスプレをしている一人に視線を向けてなるほどと頷き。
確かああいうのを扱っている店があったなと思い出して。
「サイズが合わなかったんだから仕方ないだろ?
最初はやってたんだぞ?やってたんだけどな……。
分ったよ……ちゃんとやることをやってくる」
一人で良いと言われ少年だけが行うはずだった仕事。
そこに強引に参加したことを告げられると痛い所を突かれたという顔になり。
自分は兎も角、これで少年の勤務態度が悪いなどにされてしまうと問題しかなく。
残念そうに分かったと頷くと差し入れの残りの入った袋を押し付けて。
■金剛 経太郎 >
「まあ、そこまで難しい漫画は持ってかないから……
うんうん、異邦人街でならそこまで目立たなかったとは思うけどね。」
それでなくてもお姉ちゃんスタイルも良いし、と苦笑するも着ぐるみの上からでは窺えないだろう。
一応の納得を得られたし、最近ではこちらの世界の服装もする様になってくれたのは大きな進歩だと思う経太郎だった。
「腕章とか借りればよかったんじゃ……?
最初から最後までちゃんと徹して遂行するのが仕事でしょ。
はーい、がんばってね!僕もがんばるから。」
仕事を終えて事務所に戻ったらゆっくり涼もうね、と押し付けられた袋を受け取って。
同時に、帰ったら少し甘やかして機嫌を取らないと、と思う経太郎であった。
■柏木凛 > 「経太郎はなんか持ってそうなんだよな。
あそこはそれこそ色々な恰好がいるからな。でも歓楽街じゃ目立ってたろ?」
もしかして住むなら歓楽街でなく異邦人街の方が良かったかもしれないと思い出した最近。
それはさておきようやくこの世界での生活に馴染みだして一見すると違和感はあまりなく。
「その手があったな、うっかりしてたよ。
判ってるんだけどついな……よし、姉ちゃんの真面目な仕事ぶりを見せてやるぞ。
仕事が終わったら何か冷たいのを食べにいこうな」
事務所に戻って涼む前に美味しいものを食べに行こうと笑い。
頑張ってくると少年に告げると、本来の持ち場へと戻って行って。
ご案内:「常世公園」から柏木凛さんが去りました。
ご案内:「常世公園」から金剛 経太郎さんが去りました。