2021/12/11 のログ
■セレネ > 「そうなのです?長生きする為にも身体は大切にして下さいね。」
これはどちらかというと医者としての言葉。
まぁ、彼の身体は細身に見えて筋肉質だし、問題ないだろうなと思いはするけれど。
「見えない努力を沢山しているのですよ、女性は。
綺麗だと思ってくれないと困りますので。」
相手には伝えていないが、月の女神であるので。
美には特に気を遣っている。
幻想的だと思ってくれているなら、それはとても嬉しいものだ。
「……まぁ先輩方の言葉はご尤もではありますけれど。
ふぅん?なら、今後も気兼ねなく怒っても宜しいのですね?」
そう、怒らないのが、怒られない方が良いに決まっているけれど。
可愛いと言われると、悪くないと思ってしまう。
「あぁー。貴方が居ない間に新しい先生が配属されたりしましたしね。」
今までは確か彼一人だけだったか。それが二人に増えたのだ。
彼の負担も多少は減るのだろう。
良かったではないかと言ってしまうのは、己が一生徒であるからか。
■暁 名無 > 「はいよ、肝に銘じておくよ。」
折角のお医者様からの忠言、蔑ろにするわけにもいかない。
それがよく知った相手であれば尚の事。
此処は素直に少しだけ微笑んで頷いておこう。
「偉いよなあホント。別に俺だって見た目に気を使わないーってわけじゃないけどさ。
セレネ達みたいには出来ねえもの。恐れ入るよ。」
精々朝は寝癖を直して歯磨き洗顔を毎日欠かさないくらいが限度です。
そんなに努力をしてるんだから、そこを汲んで賞賛しないのは男が廃るだろう。
幻想的が過ぎて、時折凄く遠くに居る様に感じることは……まあ、伏せとくか。
「アッハイ。そこはあっちの味方ですかセレネは。正論だけど。
……今更気兼ねされる方が何だか据わりが悪いや。おう、じゃんじゃん怒ってくれ。
あいや、愛想尽かされない程度には怒られないよう俺もがんばるけど……も…。」
少なくとも同じことで何度も怒られない様にはしたい。
とはいえこの歳で怒られ案件を多種多様に用意できるとも思えないので、必然的に怒られる頻度は減る……だろうか?かな?
「ああうん、そうなんだけど、そうじゃないんだ。
あの人は何て言うか……俺の後任、なんだよ。居なくなった俺の代わりに幻生学を担当する事になった。
それで俺はというと、非常勤の先生見習いからやり直しだ。」
ううん、やっぱ説明がややこしいよな、と自分でも思う。
思わず苦笑しつつも、正直に自分の置かれてる状況を口にする。
■セレネ > 頷いた相手には、己もそれ以上言葉は重ねず。
「男性でも美容に気を遣う人はおりますけれど、比較的少数派でしょうね。
メンズメイクが流行り出したのも最近ですし…。」
己の周りでは残念ながら、身嗜みを特に気をつけている人は少数だ。
どうすれば興味を持ってくれるのかと苦心するのも多々あれど。
「勿論、先輩方の味方です。教師としては貴方のやり方はあまり宜しくないのですし。
…あまりに怒ると何方が教師か分からなくなりそうですね。まぁ、今更でしょうか。」
生徒一人に愛想を尽かされたとして、それが何か問題あるのだろうかと思いはしたけれど。
そも生徒との頻繁な関わり合いはそこまでないのだったか。
なら寂しさもあるのだろうかと口に出すのはやめておいた。
「…ふむ?成程。
今一度初心に帰るというのも悪くないかもしれませんね、この機会に。
頑張って下さいな、暁先生?」
相手の説明を受け、揶揄うように笑いつつ。
■暁 名無 > 「美容、美容なー。俺も気を使った方が良いんだろうか。
流石にメイクまでは懐事情的な意味でも手は出しづらいんだが……」
とはいえ、肌は荒れ知らずだし髪はほっといてもサラツヤしてるし、
髭は生えてこないしで眉毛か睫毛くらいしか弄れるとこ無いんだよな。これは自慢。
となると服装……になるわけですか。懐事情ェ……。
「だからまあ、今後はその辺も落ち着かざるを得ないんだわ。
先生と生徒なんてそんなもんだって。特に此処じゃ、生徒の方が知識の幅が広いって事もざらだろ?
先生――教師なんてのはあくまで一点に特化してるだけなんだからさ。」
実際生徒たちから教わることはごまんとある。
目の前のセレネからだって、本人は自覚は無くとも色々と教わってるしな。
……一度、ちゃんと何か教えを乞うてみるのもアリかもしれない。これまでよりは時間に余裕、あるし。
「まあ暫くは新しい先生の為の資料作りとか、補佐する感じのが多いだろうなあ。
とはいえ俺自身の研究の方も並行して進めたいし、お前さんにもまた力を貸して貰うかもしれない。
……そん時はよろしくな、セレネ?」
ふふん、とこちらも笑いながらウインクなんぞしてみる。
■セレネ > 「メイクやファッションは少しずつで良いと思いますよ。
一度に買うとなると生活費圧迫しますし。」
美容やファッションは特にお金がかかるので。
一度に全てやれるのは金持ちくらいのものだろう。
「私、此処に来た当初は生徒か教師になるか悩んだくらいですしね。
来年は三年になりますし、そろそろ将来の事も考えないとですけれど。」
己の場合、元やっていた職もあって決まっているようなものだけど。
此方の世界でも資格を得ないといけないと考えると、
やや億劫ではあるけれど…仕方あるまい。人の命を預かる職だから。
「その場合のお給料はきちんと払って頂けるのでしょうか?
学生の身分ですからね、お金は大事ですので…なーんて。」
宜しくだなんてウィンクされればニヤリと笑って見せた。
■暁 名無 > 「だよなあ……お金、掛かるよなあ。
このコートも結構したもの。」
今着ているコートを見下ろしてしみじみと呟く。
チェスターコート、というらしい。名前も違うのだと初めて知ったわ。コートは全部コートだと思ってた。
「ほぉん、そっか。もうセレネも三年生か……
折り返しに来たんだな、早いもんだ。言われてみりゃ、1年の頃に比べてだいぶ大人っぽくなったもんな。」
時が経つのは早いものだ、とまたしてもしみじみと思ってしまう。
何だか感慨深い。……そっか、もう半分か……。
「もちろん、高待遇で頼むさ。まあそれは追々な。
これまでのバイトの方も合わせて、よろしく頼むよ。
頼りになるからなー、お前さんは。」
ニヤリと笑うセレネに笑い返しながら、ついついその頭を撫でようと手を延ばしてしまう。
■セレネ > 「…あぁ、チェスターコートですか。
貴方のような細身なら、トレンチコートも似合うと思いますけれど。」
女性ならノーカラーが今はトレンドだ。
アウターだけじゃなくインナー、ボトムも様々な名称がある。
ブランドやデザイナーも豊富だ。だからこそ、お金がかかる代物なのだ。
「えぇ、まさか先輩と呼ばれる立場になるとは。
今後ももっとそういう機会が増えていくのでしょうね。」
大人っぽく、というのは主にどこの事を指しているのか。
…全体的にそう見えているという事にしておこう。
「友人も増えて、彼らに贈るプレゼントもあったりしますから
お金はいくらあっても足りないくらいです。
…何かしら力になれているのなら良かった。」
伸ばされた手は己の頭に。
撫でられるくらいなら、と大人しくその手に収まるだろう。
寒い中でも暖かな手だ。細める蒼は心地好さげ。
「…さて、そろそろ私は帰りますね?
良ければこれ貰って下さい。封は開けてないので安心して下さいな。」
言っては、持っていたミルクティーのミニペットボトルを相手に差し出してみる。
保温の魔術を掛けているので、まだまだ暖かな温もりを持っているだろう。
■暁 名無 > 「トレンチコート……それも確かに勧められたんだけどな。
まあセレネがそう言うんなら、次の機会にでも買ってみるかなあ」
流石に一度に二種類買う余裕は無かったけども。
商売トーク抜きに似合うと言ってくれる人が居るなら、試してみるのも手だな、とは思う。
今の時期アウターは数あるに越した事は無いし……。
「はは、セレネ先輩か。そうだな、確かに呼ばれるようになるよな。
……しかし、ちゃんと学生生活を楽しめてるようで安心したよ。」
少しだけ目を細めてセレネを見る。本当に、安心した。
それと同時に、一抹の寂しさも覚えなくもない。
「プレゼント……ああ、そうだな。
クリスマス、だもんな。去年は忙しかったけど、今年は少しは便乗出来そうだ。
……力になって貰ってるさ、ずっとな。」
ぽんぽん、とセレネの頭を撫でてからそっと手を離す。
酷く懐かしい気がして、というか、実際懐かしいんだけども、名残を惜しみながら。
「おう、あんまり長居させて風邪ひかせるのも友達たちから怒られそうだ。
……ん、ミルクティー……良いのか?飲もうと思って買ったんだろ?」
差し出されたペットボトルを反射的に受け取って、首を傾げる。
くれると言うなら貰うが、譲られる覚えは特に無いんだけどな……?
■セレネ > 「えぇ、機会があれば。
ただ、やはり衣服もお金がかかるのでそこそこに留めて下さいね。
年によって形も少しずつ変わるので。」
安く抑えるのなら、新品より中古の方が良いけれど。
形もその分古いものになるし、何より好みが分かれるから強く勧めはしない。
「一週間だけ空いただけなのに、随分と懐かしそうな顔をするのですね?」
この寒い時期だからだろうか。
彼の表情が何とも言えず、やや困惑するように首を傾げて。
「去年よりマシになったのも非常勤になったお陰でしょうか。
…ずっと?そんなに長く力になれた覚えはないのですけれど…。」
相手にとっては、己もただの生徒の筈で。
だからこそ、何故そんなに懐かしげなのか不思議なのだ。
離れる手に、疑問は消えず。
「私は兎も角、貴方もまだ色々忙しいでしょうし。
ゆっくり出来る時に身体を労わって下さい。
いえ、そもそも暖を取る為に買ったので。お気になさらず飲んで下さいな。」
そんなに寂しそうな顔をするのだもの。
これくらいさせて欲しいとは、口に出さず。
ベンチから立ち上がり、相手へ軽く礼をして。
「では、失礼します。
貴方もお体ご自愛下さい。」
一言そう言うと、月色の少女は公園から去り寮への道を歩むのだった。
■暁 名無 > 「生徒にそこまでお金の心配をされるのも複雑な気分だな……
心配しなさんな、お前さんのバイト代には響かないよう十分気を付けるからさ。」
買ったばかりのコートを質に入れる、とかそういう事態にならない様には気を付けたい。
まあ世間は年末に向かって慌ただしい時期だし、本業の合間に日雇いで小銭稼ぎくらいは出来るだろうし。
「うん?俺、そんな顔してたか。
はは、まあ話すと長くなることだから、今度時間があるときにでも、な。」
隠し立てするような事でも無い、ただこの場で話すほどの事でも無い。
今度セレネがバイトに来た時にでも世間話程度に話すくらいが丁度良いだろう。
「そういう事。本来なら期末試験とか来年の準備とか色々山積みになる時期だからな。
うん、割とずっと。その話もまた今度、な。」
寒空の下で話すには些か長くなってしまうし、それはお互いに良くは無いだろう。
ていうかそんなに顔に出てた?……わー、歳かなあ……。
ポーカーフェイスには自信があったんだけどもなあ……。
「ん、そうか……なら有難く受け取っておこうか。
ありがとさん、セレネ。今度何かお返ししよう。」
ベンチから立ち、此方に一礼するセレネに笑って手を振る。
「ああ、それじゃあな。足元気をつけろよー。」
そしてそのまま公園を去っていくセレネの後ろ姿を見送ったのだった。
ご案内:「常世公園」からセレネさんが去りました。
■暁 名無 > 「さてさてと。それじゃ俺も行こうかね。
飯の材料、何にするかな……野菜安かったら鍋かなあ。」
よっこいせー、と足元の荷物を手に取ってベンチから腰を上げる。
久々に話が出来たのは僥倖だ。少し活力が回復した気がする。
1週間と10年の差は俺が思っていたよりも感傷的にさせてくるのも分かったし。
「他の生徒だともっと上手く隠せたかねえ……?」
貰ったミルクティーの蓋を開けながら、ぽつりと呟く声は誰の耳にも届かない。
やだやだ、歳は取りたくないもんだ。
ミルクティーの甘さに溜息を吐きながら、俺も公園を後にしたのだった。
ご案内:「常世公園」から暁 名無さんが去りました。