2022/01/04 のログ
ご案内:「常世公園」に暁 名無さんが現れました。
暁 名無 > 「休み終わっちゃったかあ……。」

夜の公園。缶コーヒー片手にベンチに腰掛けて、夜空を眺めて独り言ちる。
三箇日も終わって今日から本格的に仕事初め。
とはいえ授業があるわけじゃないので資料作りと、バイト用の論文まとめが主な業務。
それらを片手間でこなしつつ、実験室に備え付けた小さな台所で初売りで買い貯めた材料を使い料理なんかもしていた。
未来に帰っていた間の10年間で料理スキルはそこそこ上達した自信はあるが、如何せん食うのは俺だけなので確信は無い。
……今度誰かに食わせてみようか。

「あー、でも思ったほど美味くないって言われたらショックかもしれん。」

まあ、自分で食う分には満足できる出来だし、それで十分では思うんだけども。
とりあえず腕は磨いておいて損は無いから、紅茶を淹れるのと併せて時々練習しておこう。

暁 名無 > 「そういや料理と言えば……あのシュトーレン、市販品じゃねえんじゃねえか。」

年末にふらりと寄った百貨店でセール品になって無いかと探してみたものの、見つけられず。
怪訝に思いながらも店員に確認してみれば、洋酒を使ったものは置いてないという話だった。
まあ島民の大半が学生なわけだから、当然と言えば当然だ。
……まったく、そうならそうと言えばいいのに。と、思い出して笑みが零れてしまう。

「そしたら今度何か作って返してみるのもアリかな。」

何が良いだろうか、とそんな事を考えながら星を眺める。
最近はすっかり暇を持て余すようになったから、こうして夜空を眺める事も増えた。
学生の頃も、こうして特に意味もなく夜空を眺めてたりしたっけなあ。

暁 名無 > 「直接聞いてみるのも……いや、帰ったら決めよう。」

どうせなら驚かせたい気もするので秘密裏に進めることにしよう。
まあいつ渡せたものか分かったもんじゃないってのだけが難点と言えば難点か。
そう何度も呼び出すわけにもいかないだろうし……。

「呼び出すと言えば……やっぱ呼び出されたよなあ、アレ。」

新年二日目の丑寅干支争奪異種格闘戦。
寅の着ぐるみをまとった教員がミノタウロス相手に善戦したというネット配信が、案の定他の職員の目にも触れていた。
その件で今日は朝から呼び出され、こんこんとお説教を食らったのである。
……正月明け早々に『生徒じゃないんですから』って怒られるの、この歳になるとだいぶキツイものがあるよな。

暁 名無 > 「ミノ山さんも満足してくれてた様だし、大目に見てくれてもなあ……」

案の定翌日は全身が悲鳴を上げて布団から一歩も出られなかったけども。
あれは運動不足とかそういうレベルじゃなかった。
普段デスクワークしてる人間が突然バーリトゥードに放り込まれたらどうなるか、を如実に体験した。
一日で納まった辺り、俺の身体も大概だなとは思ったけど。

嘘。まだ膝とか腰とかガタガタです。

「今年はもう少し落ち着いた行動を取ろう……そうしよう……」

だからこそ料理スキルを上げるとか、そういうのが向いてるかもしれない。
運動不足を適宜解消するのは前提として、だけど。

暁 名無 > 「さて、そろそろ帰るとするか。」

よっこいせ、とベンチから腰を上げる。
膝が小さな悲鳴を上げた。ついでに腰も軋んだ。
ううん、やっぱり自分よりデカい相手にバックドロップは無理があったか……?
いやいや、まだいける。まだ行けるぞ俺の身体……!
気持ちはまだ20代!

「って自分を鼓舞するのも限界があるよな。」

やれやれだ。
缶コーヒーを一気に飲み干し、ゴミ箱へ放り込むと俺は帰路についたのだった。
さて、家にある食材で何が作れるか……

ご案内:「常世公園」から暁 名無さんが去りました。