2022/01/25 のログ
■フィール > 「あぁ、気にしないでください。私、悪食なんで」
忠告を無視し、スプーンで一気にかき込む…かと思いきや、つるんと一口で中身を口の中に収めてしまった。
大した咀嚼もせずに、飲み込んでいく。
「………ご飯も無理じゃないですかね、これ」
もう一つも開けて、口の中へ放り込む。全部混ぜてしまえば茶碗蒸しみたいに…………とはいかず。
バニラの香りとプリンとしての甘ったるさが、アンバランスさを際立たせている…ような気がする。いや、落第街での食事に比べれば屁でもないのだが。
少なくとも、ご飯に合うとはフィールは思えなかった。
■暁 名無 > 「いや、そういうことじゃ、あ、あー……」
目の前で食されて、思わずあの何とも言えない味が口の中に蘇る。
思わず水筒を開けて中の紅茶を呷った。流しちゃえ流しちゃえ。
ほぅ、と僅かに香りの残る吐息を漏らしてからベンチから腰を上げて。
「そうかい?
ま、まあそこは人それぞれってとこなんじゃないかな……?」
塩気のあるものはご飯が何とかしてくれる説、俺は信奉していきたい。
まあ、それはそれとして。貴重なスイーツタイムも終わってしまったし、俺はそろそろ帰らないとだ。
「……でもやっぱりここで食う必要はなかったんじゃ……」
そこは思う。やっぱり。
■フィール > 「私一人なら良かったんですけど。親しい人とゲテモノを食べるのは…あんまり良くないかな、と思いまして。」
少しだけ曖昧に答えて。人としての判断基準がまだ育っていないので、衝動的に行動したものに後で理由を付けただけ。
「まぁ、そんなゲテモノに興味がない、と言う訳ではないですから。
こういうのがゲテモノだ、って知れるのはいい経験ですし」
こういったものでも糧にはなる。役に立つかどうかはわからないが。
■暁 名無 > 「ああ、まあ……そういう事なら。」
分からなくもない様な、いや、それでもこの場で食う理由にはならない様な……。
これは深く考えたら負けだろう。然程理由も無いように見受けられるし。
「興味持たんでも良いと思うぞ、多分。きっと。
そしてそういう経験が今後何らかの役に立つことも無いと思うぞ、多分。絶対。
……まあ、いいか。如何なる知識も経験に劣るっていうし、知っとく事自体は悪ってわけじゃねえし。」
美味くないと知ってた上で人に食わせる、とかは悪だよ。
「それじゃ、俺はそろそろ行くわ。
お前さんも帰るなら早めにな?さっきの口ぶりだと、家で待ってる人も居るんだろ?」
■フィール > 「そうですね、買い物の帰りですし…そうすることにします」
出来上がった空のカップをゴミ箱へ捨てて。一つの知見を得た。
安かろう悪かろう、という知見だ。安くて良いものは滅多に無い。
そうした学びも、フィールにとっては新鮮なのだ。
「そちらも、お気をつけて」
頭を下げて、自分も帰路へ。
■暁 名無 > 「今の時期なら生ものが痛むって事もないだろうけど、早めに帰るに越した事は無いわな。」
買い物帰りに寄り道、なんてのも子供の内の特権だとは思うけれど。
まあ、それはそれ。これはこれ。
同じく空の容器をゴミ箱へと捨てて、水筒をコートのポケットに突っ込む。もっと他に良い持ち運び方法ねえかなあ。
「ありがとさん、それじゃーな。」
ひらり、頭を下げた少女へと手を振って俺は公園を後にするのだった。
それにしても、別人だとは思うけどよく似てたな……姉妹とか、かな?
ご案内:「常世公園」から暁 名無さんが去りました。
ご案内:「常世公園」からフィールさんが去りました。