2022/10/02 のログ
北上 芹香 >  
「よく言われます………」

いやよく言われちゃダメでしょ。
でも緊張してたらこんな言葉ばっかり出て来る!!

「すいません、普段はあんまりこんなノリじゃないんですが」
「男女関係なくきれいな人を前にすると緊張する悪癖が」

やば、褒められた。
努力が報われてないことにイジケた感情を抱えてたけど。
今、報われました。

幻でもいい、この瞬間よ続け百万年。

「いつかてっぺん取るんで、バンド名を覚えてて損はないですよ」

ああ、テンション高め。

セレネ > 「あら、そうなのですね。
…まぁ私も不思議な人って言われる事もあるので似た者同士なのかもしれませんね。」

不思議のベクトルや度合いは違うかもしれないが、
こう言っておいた方が彼女も安心してくれるかもしれないし。
相手の言葉を否定せず、同調すれば少しは安心してくれるだろうか。

「そうなのですね?
可愛らしい貴女から綺麗な人だと見られているのはとても嬉しいです。
有難う御座います。」

目の前の彼女はバンドをやっている事もあるから、比較的派手ではあるものの。
己から見れば、とても可愛らしく魅力的に見える。
褒める事で伸びるのならばいくらでも褒められるくらい、きっと彼女には魅力が沢山あるのだろう。

「自分の知っているアーティストが一番になると嬉しいですものね。
では、しっかりと覚えておきましょう。その時を楽しみにしております。」

本当に天辺を取れるかどうかは今後の彼女達の努力次第だが、
少なくとも応援はしよう。
夢や目標に向かって突き進む人の子はいつの時代も、どの世界でも素敵なものだ。
それを己は、よく知っている。

北上 芹香 >  
「……セレネさんが不思議…」
「透徹な雰囲気は感じるので、不思議っちゃ不思議ですが…」

ウムム。
私がよく言われる不思議は、イカレポンチという意味を多分に含むので困ったものだ。

「いえいえ、真実なんで……トゥルースなんで…」
「でも夜の独り歩きは危ないっすよ」

言ってからブーメランが刺さった。
私も夜中に一人でアパートに向かって歩いてた。
しかも異能非覚醒者。

「はい、何年か……何年かしたら、きっと…」

ここで言い切れないのは若干、アーティストとしてどうなのかと思わなくもない。
でも、これも私だ。

「それじゃ、私は帰ってる途中なんでこれで」
「身の危険を感じたら逃げてくださいよ、最近物騒なんで」

と要らないアドバイスをして去っていった。

セレネ > 会ったばかりの彼女ですら、己を不思議と思うようだ。
やはり一柱であるからか完全に溶け込む、という事は難しいらしい。
とはいえ、不思議程度で済む辺りならまだマシなのだろうけれど。

「そうですねぇ。
常世渋谷や歓楽街辺りと比べると治安は良いとはいえ
危険なのはその通りです、が。
それはお互い様ではないでしょうか。」

己は少なくとも自衛の術は心得ている。
だが、彼女はどうかは分からない。
だからこそ、危険なのは彼女も変わらないではないか、と。

「ふふ、急いでも良い事はありませんし、ゆっくりとその時を待っておりますね。」

何年でも、何十年でも、待とうではないか。
夢が花開くその時を。

「はい、北上さんもお気をつけて。
またお話しましょうね。」

空いている手で軽く手を振って彼女の背を見送っては、
己はもう暫く花摘みを。
柔らかく香る花の香りは、変わらずそこにあるものと。

ご案内:「常世公園」から北上 芹香さんが去りました。
ご案内:「常世公園」からセレネさんが去りました。