2022/10/19 のログ
角鹿建悟 > 「…”心を殺し信を持て。罪を憎み歳を重ねよ”…だったか。」

遠い昔のようにも感じる、あの”クソったれ”な実家の誰かのありがたいお言葉だ。
――その言葉に思う事は無いし、あの一族から離れて間違いではなかったと、今でも思っている。

「……駄目だな、疲労が溜まると余計な事まで思考が巡る気がする…。」

それでは何も改善しないし、何も得られない。それくらいは分かっている。
悩むのは悪い事では決して無い。が、答えが直ぐに出るものでもないだろう。
缶コーヒーの残りを飲み干せば、ゆっくりと大きく吐息を零した。気が付けばもう秋だ。

「……俺はまだ”何も出来て居ない”んだろうな…。」

漠然と、焦燥か、不安か、諦念か、自分でもよく分からないがそう思う。
何かを直し、試行錯誤を重ね、道具を駆使し、異能を磨き、得られたものは少なくない。
…それでも、人として当たり前のモノを多く取りこぼしてしまっていないだろうか?

(…俺は自分の人生というものをきちんと生きているんだろうか?)

なんて、そんな事もつい考えに浮かんでしまう程度には少々煮詰まっているようだ。
これは駄目な傾向だな…と、頭を緩く振って、近くのゴミ箱に空き缶を放り捨てた。

角鹿建悟 > こうやって悩むようになっただけで、幾らかは前よりかはマシになっているのだろう。
それを、彼自身がきちんと自覚しているかどうかは分からないが。
やがて、ゆっくりとベンチから立ち上がれば一息。最近は夜も少し肌寒くなってきたか…いや、まだ早いか。

「……一先ず、帰って寝るか…。」

最早、寝る為くらいにしか利用していないような気もするが、それはそれ。
そのまま、やや億劫そうながらも歩き出せば寮の方へと歩き出す。

ご案内:「常世公園」から角鹿建悟さんが去りました。