2019/04/15 のログ
ご案内:「カフェテラス「橘」」に烏丸秀さんが現れました。
■烏丸秀 > 常連の和装の青年は、ウキウキとした様子で入ってきた。
見た目にもテンションが高い。
何やら荷物を抱え、すぐに注文をする様子もなく、二人で、と言って席へ座る。
そう、デート、デートなのである。
ごゆっくり、と店員が呆れたように言って去っていく。
ご案内:「カフェテラス「橘」」に伊都波 悠薇さんが現れました。
■伊都波 悠薇 > テンションがとても高い烏丸に対して
そこまででもない少女が共に入店
苦笑しながら、後ろをついていって――
「ごきげんですね、烏丸さん」
■烏丸秀 > 悠薇の為に椅子を引き、席に座るように促し。
そしてそれを見てから自分も座る。
「そりゃ、悠薇ちゃんとデートだからねー」
メニューを彼女に渡しながら、ニコニコと楽しそうに笑う。
なにせ、烏丸は彼女が好きなのだ。愛していると言っても良い。Likeではなく、LOVE。
もっとも、お友達からという事なので、今は自重しているのだが、それでもうれしい事には変わりない。
「うん、悠薇ちゃんから誘ってくれるとは思わなかったなぁ」
■伊都波 悠薇 >
「――私より、烏丸さんのほうが見聞が深いですから」
いつだってそう。
友だちになってから、彼の言葉、知識、経験は
自分にはない、角度からで。
こうして話をすることで、いろいろためになるから
「お友達ですから」
何を頼もうかと、うーんっと悩みつつ
■烏丸秀 > 「……うん、お友達ね」
少しテンションが落ち着く。
店員がクスクス笑ってるのが見えるが、気にしない。一度や二度フられたくらいでへこたれている暇などないのだ。
「――と、いう事は、何か相談かな?」
何を頼んでもいいよ、と声をかけつつ。
自分は季節のケーキセットに決める。今の季節だと、チェリーパイのようだ。
■伊都波 悠薇 >
「――相談と、いいますか」
とりあえず。ホットケーキにすることにした。
甘すぎないものが、今は食べたい
「烏丸さん、お姉ちゃんと、最近、どうですか?」
なんて――
■烏丸秀 > チェリーパイのセットとホットケーキを頼みつつ。
彼女の言葉を聞く。
「――凛霞ちゃん?」
ふむ、と少し考える。
この前話した時は、いつも通りだった、かな。
「うん、いつも通り、色々ざっかけなく話したよ。ボクが弄られたり、凛霞を弄ったりとか、まぁ進展は無かったなぁ」
肩を竦めながら、悪びれなく言う。
愛が多いのは、間違いなくこの男の悪癖である。
■伊都波 悠薇 >
「あはは……」
苦笑。この人が姉の彼氏? だったのを知っているから――
そして目の前で振っていたのもみていたから
「なにか、気にしてました?」
お冷を口に運びつつ
■烏丸秀 > 彼氏、一応彼氏だった。
凛霞にとって都合がよく、ボクにとっても都合のよかった関係。
だが、失ってみて初めて、その関係がボクにとって、大切なモノだったと分かる。
「――うん。悠薇ちゃんの事以外で、何か悩んで、躊躇してる。って言ってた」
はて、あれは何だったのか。
彼女らしくもなかったが。
■伊都波 悠薇 >
「――……」
あぁ、そうか。
なら――なら”仮説”が、より濃厚になる
「そう、ですか」
なぜが、つながり、答えになりつつある。
姉は家では、それこそ”何時も通り”
いや、”何時も通り”過ぎた
だから、そう。眼の前の彼と付き合っていたときと同じように
――きっと
「――やっぱ、嫌いだなぁ」
呟きは、静かに。
それと同時、注文の品が、届いたから
ホットケーキを受け取りながら
■烏丸秀 > 「――――」
悠薇は、変わった。
あの事件以来、彼の愛した、何がなんでも手に入れたかった悠薇ではなくなった。
が――それでも、愛している事には変わりない。
かつての悠薇の名残、残骸。それすらも、彼は愛しているのだから。
「今度は悠薇ちゃんじゃなく、凛霞に何かあったのかい?」
チェリーパイと紅茶を受け取りながら、尋ねる。
■伊都波 悠薇 >
「いえ、恐らく、お姉ちゃん自体には何も」
姉が怪我したとか、そういうことではない。
けれど――かつての自分と同じように”枷”ができた可能性は非常に高い。そう自分は考えているから――
「――烏丸さんにとって、好きな異性ってどんなものです?」
ホットケーキを切りながら。
そう、自分は変わった。
何が何でも、為そうとしていた自分は”持っていかれた”
だけど。姉が大事であることは変わらないから
■烏丸秀 > 「んー、好きな女の子、ねぇ」
ふむ、と考える。
好きな異性――普段なら、悠薇ちゃん、と答える所だろうが。
彼女の求める答えは、おそらく違う。
「何をしても手に入れたいモノ、自分のすべてを与えたいモノ――失うのが、恐ろしいモノ」
一つ一つあげていく。
愛しているとは、難しいものだ。
相手のすべてが欲しくなるし、自分のすべてを捧げたくなるし――他の全てを犠牲にしてでも、守りたくなる。
■伊都波 悠薇 >
「そう、ですか」
じゃあ、つまり――
今、そう考えているとしたら。
だとしたら――きっと。
アレのところに行って、アレのところで。一緒に入れるか
アレとともに――そう考えているのだろう。
なにせ――
”自分は逆方向に考えているのだから”
「――難しいですね、恋愛って」
■烏丸秀 > 「難しいねぇ」
――はて。何を考えているのだろう。
何時もとは違い――少し、悪い顔に見える。
しかし、好きな異性、好きな異性――
まさか。
「……え、なに、まさか凛霞に好きな子でもできたの?」
そうだとしたら、かなりショックなんだけど、と呆然と呟き
■伊都波 悠薇 >
「――いえ、正しくはずっと好きな人ですよ」
ぱくり、ホットケーキを食べながら。
甘くなくてちょうどいい。もちもちした食感も――好みだ
■烏丸秀 > 「はい?」
え、ずっと好きな人?
え、え???
「はいぃぃぃ!?」
思わず大声を上げ、周りが一斉にこちらを見る。
そして、それに気づき、思わず声を潜めながら……
うん、落ち着こう。
LoveじゃなくてLikeとか、そういうのかもしれないし。
「――え、凛霞に好きな人なんて居たの!?」
思わずヒソヒソ声になりながら、ホットケーキをぱくつく少女に尋ねる。
■伊都波 悠薇 >
「いましたよ? 忘れてましたけど」
もぐもぐと、ひたすら食べる。
もぐもぐもぐ――
「幼馴染です。傍から見たら恋人にしか見えない二人でしたし」
至って、いつもと変わらずに。
「――そんなに意外ですか?」
■烏丸秀 > 「意外だよ!?」
てか、そんな男の影は無かった。
あったらあの事件の時に、出てこないはずがない。幼馴染の、凛霞みたいな子があんな目にあっていたら、何をしてでも出てくる筈だ。
それが出て来ない、という事は
「――あれ。もしかしてその男、遠くに居るか、病気で動けないか、もしくは死んでない?」
それが一番、納得できる。
一切活動できず、凛霞のピンチに駆けつけられなかった。
そうでもなければ、説明ができないし。
第一、凛霞だってまずはそいつに助けを求めるだろう――多分。
■伊都波 悠薇 >
「はい。そうです」
だから、忘れてたと言ったのだと
最後の一切れを食して――
「つい最近、おかしなほど、偶然に。思い出した、故人、です」
笑っちゃいますよね、という、妹の顔は――
ひどく――”貼り付けたような笑み”だった
■烏丸秀 > 背筋がゾクリとする。
まったく、悠薇ちゃんも罪な女だ。
彼女の奥底にある、ドロドロとした部分。それをちらりとでも見せられれば、こちらはお手上げだ。のぼせ上って、彼女の言いなりになってしまうだろう。
それが、烏丸が悠薇に一目ぼれした理由なのだから。
「――おかしなほど偶然に、故人を思い出して。おかしなほど偶然に、凛霞が悩みはじめ。おかしなほど偶然に、凛霞に不自然な行動が目立ちはじめた」
そんなところかな?
ティーカップを持ち上げながら、悠薇の方をうっとりと見つめる。
■伊都波 悠薇 >
「――はい」
だから、さっきの質問だったのだと
告げて――フォークとナイフをそっと皿の上に置いて
「――偶然が重なると、必然に変わるということを私は、私達は、身をもって知っていますから」
だから――
「きっとお姉ちゃんは今、彼のことでいっぱいなんだと、そう思います」
■烏丸秀 > 「――そう」
なるほど、凛霞のあの態度はそれだったのか。
恋する乙女――とは、少し違う様子だったが。幼馴染であり、かつて恋した男が再び現れ、心が乱れていた、という事か。
「それは――」
烏丸は、ゆっくり目を細める。
それは、笑っているようであったが――
「――不愉快、だな」
凛霞が誰を愛しても構わない。
烏丸の事を都合良く使おうと、愛しなどしなくても良い。
ただ――自分の目の前で、自分と会話しながら、別の男の事を考えていたというのは。流石に、少しカチンと来る。
「――あれ、でも故人なんだよね?」
死んだ幼馴染が、生き返った?
この常世島の異能といえど、死者を蘇らせるというのはよっぽどの事である。
■伊都波 悠薇 >
「生き返ったかはわかりません」
あくまで推測、推論で――
故人が生き返ったのか、それとも――”死んでいなかった”のかは分からない。
でも、予感がするのだ。この都合よく思い出したことと。あの場所で、視たもの――
「――でも。思い出したからには。なにか関係があるんじゃないかと」
そう思ってしまったら――想像は、止まらない
「――思い過ごしなら、いいですけどね」
■烏丸秀 > 生き返ったのか、死んでいなかったのか――
いずれにしろ、悠薇は確信しているようだ。
双子の姉妹なのだ、何か感じる所があるのだろう。
「――どんな奴なのかな」
あの、完璧超人と言われた凛霞の愛した男。隣に立つ、幼馴染。
――考えたら、腹が立つくらい完璧な美男子が出来た。
「――それで、悠薇ちゃんは、どうしたいのかな?」
■伊都波 悠薇 >
「どうもしないです」
くぴっと水を飲んだあと――
「あの人のために何かなんて、するつもりはないので」
珍しい言い草だった――
「――私がするとしたら、お姉ちゃんのためですし」
まるで言い聞かせるような、そんな言葉で
「ありがとうございました、烏丸さん。少し、スッキリしました」
■烏丸秀 > ――なるほど。
その男の事を、悠薇ちゃんは――
「お役に立てたなら幸いだよ」
まぁ、デートなのか愚痴に付き合ったのかは分からないけど。
だけど、収穫はあった。確実に。
チェリーパイをもう一口、頬張る……少し、酸っぱい気がする。
■伊都波 悠薇 >
「食べ終わったら帰りましょうか」
友だちと話すって、やっぱりいいなと思いながら。
食べ進める烏丸のことを見つめて――
■烏丸秀 > 「そうだねぇ――」
酸っぱく感じるのは、舌のせいか、雰囲気のせいか。
いずれにしろ、まぁデートという雰囲気ではなくなってしまったし――
「そういえば、これ、プレゼント」
輸入品に交じっていた、ガラス製の小さな馬の置物。
見た時、悠薇ちゃんを思い出したので取っておいたのだ。
そっと彼女の前に箱ごと差し出し
■伊都波 悠薇 >
「わ、お馬さん!」
プレゼントを見れば、ぱぁっと明るくなって
「え、えっ、いいんですかっ」
かわいい……っとつぶやきながら。
今までの雰囲気はどこへやら、すごく嬉しそうにはしゃいだ
■烏丸秀 > あぁ、いつもの悠薇ちゃんに戻った。
嬉しくもあり、寂しくもあり。
「うん、悠薇ちゃんが好きだと思って取っておいたんだ。良かったらどうぞ」
うんうんと頷きながら、店員を呼び、会計を済ませようと
■伊都波 悠薇 >
「ありがとうございますっ」
元気にお礼を言ったあと――はっと、口元を抑え――
「ぁりがとうございます、ほんとうに」
しゅうっと縮こまりながら、もう一度告げた
■烏丸秀 > 「――うん」
自分も、悠薇も、変わる。
生きていれば、変わらざるを得ない。
そんな事を考えながら、会計を済ませ、カフェを後にして
■伊都波 悠薇 >
「えへへ……」
ガラスの馬を見つめ。
ほにゃりと笑みを崩したあと
大事そうに箱を抱きしめながら、そっと後ろを付いていくように
出ていくのであった
ご案内:「カフェテラス「橘」」から伊都波 悠薇さんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」から烏丸秀さんが去りました。