2020/04/11 のログ
ご案内:「カフェテラス「橘」」に伊都波 悠薇さんが現れました。
伊都波 悠薇 > 新学期――その始まる少し前。
報告――というわけでもないけれど、とあるヒトと待ち合わせ。

子供っぽい、オレンジジュースを頼んで。
少し口に含みながら。

その人を、待った

ご案内:「カフェテラス「橘」」に烏丸秀さんが現れました。
烏丸秀 > ゆっくりとカフェテラスへと入ってきて。
目当ての人物を見つけると、にっこりとほほ笑み。
彼女の前の席へと座る。

「やぁ、また待たせちゃったかな?」

グリーンティを頼みながら、気楽に声をかける。

伊都波 悠薇 > 「いえ、今来たところです」

お決まりの言葉を告げながら。

「すみません、突然、呼んでしまったりしてしまって」

少女の顔は、いつか見たときよりも。
少し、スッキリ、というよりも。
何かが抜け落ちた、ような顔をしていた。

「烏丸さんは、元気でしたか?」

一応、それとなく進境などを連絡をしていたが。
こうして会うのは久々だった

烏丸秀 > 「もちろん、悠薇ちゃんに誘ってもらえるのは大歓迎だよ」

デートだから色々出かけたいなーとは思いつつ。
多分、悪だくみの方だから何時もここになるのだけれど。

「うん、元気元気。悠薇ちゃんは……うん、大丈夫そうかな?」

前に会った時よりも、幾分か晴れやかな顔をしている

伊都波 悠薇 > 「――はい。それなりに。やっぱりって感じ、です」

力なく笑う。力ないのは、悪い意味ではなくて――
自然体、元の彼女の笑顔といったところだろう。

「――お父さんは、結局、折れてくれませんでした。色々してくれたのに、ゴメンナサイ」

賭け、は失敗したのだと口にする。
まぁ、貴方と、悠薇にとっては”やっぱり”、なのだけれど。

「全部、失敗です。姉さんを追い出すのも、出来なかった」

そう、出来なかった――”悠薇の願いは叶わなかった”。

「だから、これでいいのかなって、そんな感じです」

これでいい、その言葉は、きっと貴方にもわかるかもしれない。
彼女にあった、”天秤”を知っているから

烏丸秀 > 「……ふぅん」

なるほどね、と軽く頷く。
それは、まぁ、そうだろう。
流石に何も問題の無い娘を追い出す父は居ないだろうから。

「それは残念――そうでもないね」

悠薇の願いが叶わなかった。
なら――天秤のバランスで言えば。そう、姉の願いは。

「失敗だったけど、負けはしなかった、って所かな?」

伊都波 悠薇 > 「――そうですね」

そう、頷く。
もとより、これは負けるはずもない”賭け”だった――と言えれば、とてもかっこいいのだけれど。

「お姉ちゃんがすごかったんですよ。それを妹の私が喜ばない、わけないじゃないですか」

花が咲いたように笑った。

そう――これは全部”偶然”だ。そも妹に天秤は残っていないし――残っているのであれば、すがりついて、起こした、本当に本当に――無謀な勝負だったのだ。

「やっぱ、お姉ちゃんは誰にも負けないんですね」

でも。それを、負けないにしてくれたのは。
姉と――

「ありがとうございます、烏丸さん」

大事な、友人のおかげだったのだ

烏丸秀 > 「ボクは何もしてないけどね」

これは本当だ。
彼女が考え、彼女が手を回し、彼女がやり遂げた。
純粋な、彼女の「悪事」。

「しかし――ふーん」

凄かった、というのはどんな事だったのだろう。
誰にも負けないと言うのは――

――ひょっとして

「凛霞なら……鬼にも負けないだろうね」

鬼。
青垣山に残る伝承。
あの廃寺の……

伊都波 悠薇 > 「はい、負けるはず有りません」

ふんっと、断言した。
鬼、と聞けばちょっとにじみ出る、”憤”。
でも、すぐそれは解けて――

「鬼だろうとなんだろうと、姉さんが敷いちゃいますよ」

慈しむように目を細めた。
あぁ、よかったと安心する。
本当に、本当に――

「――でも、少し疲れますね、これ。結構身体を削ったっていうんですかね? えへへ」

笑いながら――

「やっぱ勝ちたかったなぁって思っちゃう辺り、姉不孝者です」

烏丸秀 > 「うん、勝ちたかった。うん。その気持ちは大事だね」

悪人は満足しない。
より完璧な勝利を。より良い結末を。
貪欲に求める――たとえ、何を犠牲にしてこそ。
故に、悪。

「悠薇ちゃん、根が善人だからねー。慣れない事をすると疲れるよ」

でも。
悪の味を知ったなら。

「――次は完全勝利を目指そうね」

軽くウィンクしてみせる

伊都波 悠薇 > 「出来ますかね?」

ふぅっと息を吐く。それをするとなると――
やはり姉が立ちふさがるとは、思うのだけれど。

「――もう少し、いろいろ勉強してから次に行こうと思います」

目の前の彼にとって児戯にも等しい、悪事。
でも少し、味を占めてしまった。

まぁでも――

「お姉ちゃんが、許してくれたらですけれど」

オレンジジュースを嬉しそうに飲みながら口にして。

「烏丸さん、このあと、今日は時間ありますか?」

烏丸秀 > 「出来るとも」

少なくとも。
「次」を考えられるなら。
「今度こそ」と立ち上がれるなら。
――立派な、「悪人」だ。

「ふふふ、凛霞が相手だと大変そうだけど」

グリーンティーを軽く傾けながら。
予想外のお誘いに、ちょっと心躍らせて

「うん、もちろん。今日は一日空けてあるよ」

伊都波 悠薇 > 「ではお出かけ、しましょう」

姉が、誰かを見つけて。
そして、頑張っているというのなら。

自分も負けないようにしないと。

「馬さんに、久しぶりに会いたくて」

だから、そろそろ――姉離れに挑戦して見るべく。
お友達をもっと増やすべく――

いろいろなことに手を出してみようと思った

烏丸秀 > つまり、なんだ。
今回の悪党の報酬は、デート一回。

……なんと、十分じゃないか!
ウッキウキの心を隠そうともせず、立ち上がる。

馬。うん、牧場あたりまで行くのも良いな。
流石に手を出すわけにはいかないけど、楽しい時間になるだろう。

「うんうん、行こういこう」

彼女の分まで無理矢理会計を支払いつつ。
悪行の後の気分転換へと出かけたのだった。

ご案内:「カフェテラス「橘」」から伊都波 悠薇さんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」から烏丸秀さんが去りました。