2020/06/22 のログ
神代理央 > 「…どうせコイツの顔は事あるごとに変化する。誰のものか分からない体のコイツを、かわいらしい等とは思えんな」

と、未だに不満げな表情ではあるものの。周囲の生徒に危害が出ない話題である事は流石に察した。つまり被害者は自分だけ。
孤立無援とはこのことか、と嘆きつつ砂糖を大量に注ぎ込んだココアで喉を潤した。

「…その程度の甘味で私を篭絡出来るものか。そのパフェごと全部寄越せ。というか、貴様らよもや結託していないだろうな?」

差し出されたスプーンの先に乗ったパフェ。
それを何の躊躇も無く、ぱく、と咥えて飲み込みながら、相も変わらずむすっとした様な表情で二人に視線を向ける。
或る意味では結託している二人ではあるのだが、その結託の意味に気付かぬのは男子故か。或いは、微妙に鈍感な本人の性か。

エインヘリヤル > この対応のからくりは、神代に直接説明しないところに面白さがある。
勝手に理解したり折れてくれるぶんには構わないが、答えを教えてしまったら解散する可能性がある。
というより単純に面白くない。折る分には面白い。

故に、何かあったところで後から説明するしか無い。

だいたい、この場で彼女より自制が利くのは神代というのが自明の理。
風紀である彼は、彼女が動かない限りどうにもしない保証付き。

「あら、それならもっと可愛くなってもらえば良いんじゃないかしら?
神代さん……女の子はね、ちょっとやんちゃでも、大事にされると変わってしまうものよ?」
などと、せっかくだから彼女に優しくしてあげろとけしかけてみる

そうこうしているうちにやっとストロベリーミルフィーユパンケーキスペシャルが来た。
でかい(でかい

「じゃあ、ほら……せっかくだから、お近づきの印に。
 わたしからもあーん」

とても爽やかな笑みだった。

アーヴァリティ > 「そう?どの私も可愛いようにしてると思うんだけどなあ
ヤンチャされたらもっと可愛くなるかもよ?
あ、今の神代君の方が可愛いかも!」

基本的に僕は女の子の格好しか使わない。
やっぱり可愛い方がいいと思うんだよ僕。
にしても、このエインヘリヤルさん。面白いことを振ってくれる人だ。
どこの誰かは知らないけど。

「えーそれは嫌かなー
くださいって言ってくれたらあげるよ?」

甘いもの好きすぎるでしょ、なんて思いながらパフェを救って一口、「美味しい〜」なんて見せつけて。

神代理央 > さて。そんな異能調査委員会の俊英の思惑なぞ露知らず。
味方を呼んだ筈が敵が増えていた常世少女(男)は途方に暮れていた。
一般生徒に被害が出ないのはまだ良い。現時点で最良の選択肢が取れている……筈だ。
にも関わらず、達成感も緊張感も無いのは何故だろうか。というかこんな事になるのならもっとちゃんと女装してくれば良かった。
制服着ただけだし。顔知ってる人が見たら普通にバレそうだし。
一人でパフェ食べてる時より知り合いに見られたくない。何故だろうか。

「……やんちゃ?次は異能だけでなく魔術でもぶつけてやれば良いのか」

何言ってるんだ、と言いたげな視線。同じ様な事をアーバリティも言うものだから、一瞬素の表情と共に、頭の上に疑問符が浮かぶだろう。
もっと派手に殺し合えという事だろうか。此方は援護ありきの遠距離アタッカーなのだが。タイマンとか嫌なんだが。

「……どうして貴様らは私に食べさせたがるんだ?勿体無いから自分で食えば良い物を。まあ、貰うが……ん」

何してんだこいつら、と怪訝な表情を浮かべながらも、ストロベリーミルフィーユパンケーキスペシャルの誘惑には勝てない。
素直に差し出されたスプーンを口に咥えた後、実に不思議そうな表情を浮かべているだろうか。

「誰が言うものか。貴様が首を垂れて献上すれば考えてやらんことも無いがな」

フン、と漸く何時もの調子を取り戻したかの様な高慢な口調で、アーバリティに不敵な笑みを浮かべる。
しかし、その視線は先程自分も食べたばかりのパフェを"いいなあ"と言いたげな視線で追い掛けていたのだろう。
自覚があったのか、直ぐにその視線はそらされる事になるのだが。

エインヘリヤル > 「女の子は、どんな姿でもいつも可愛くきれいに見られたいって思ってるものよ?」

わかってないなあ、と。

「その格好だって恥ずかしいと思いつつ……見た目が悪いよりかは良いって思われたいでしょう?」

悪い微笑を浮かべた。

そうなのよね。
怪異だろうとなんだろうと、女性は結構見た目を気にするし、それは大事なことなので。

そしてどうして食べさせるのかと問われれば。

「どうしてって、それはもちろん……せっかく【女三人】ですもの。
 ねえ?」

とてもイイ笑顔で、2人に同意を求める。
要求されたとおりですよ、と。

なお、初めて頼むが、パンケーキの上にいちごが乗っかって、それが三段重ねになった上にアイスと生クリームいちごのデコレーションという(1980円)
素敵豪華なパンケーキだった。

神代理央 > 「……理屈は分からんでもないが、それが怪異相手に通用するものなのか?」

流石に、女子の美容願望等々まで無碍にする程の朴念仁では無い。
では無いのだが、それは怪異であるアーバリティにも言える事なのだろうかと首を傾げかけて――その答えは、直ぐに与えられた。

「……む、まあ、そうだな。醜悪な装いになるよりは、多少見てくれが良い方が任務も捗るだろう。
成程、であれば何となくではあるが納得出来る。醜さを威圧感として利用するのでなければ、容姿に優れた見た目でありたいとは万物共通の願いやも知れぬしな」

若干頓珍漢な方向に進んではいるが、エインヘリヤルの言葉に一人で勝手に納得したらしい。
うんうん、と頷きながら、二人に向ける態度は少しだけ軟化するだろう。本当に、ほんの僅かにではあるのだが。

「…確かに。"女三人"であれば、スイーツの食べさせ合いくらいはするかも知れんな。まあ、私は見てくれがアレやも知れないが」

と、小さく肩を竦めて苦笑い。
先程食べさせてもらったストロベリー(以下略)パンケーキを眺めながら「生クリームが意外と甘過ぎずちょうどいいくらいだったぞ」などと感想を告げていたり。

アーヴァリティ > 「じゃあ私も次はいっぱい撃ち込んであげるね!」

鉛玉を。
そんなことしたら流石に死んでしまいそうだからしないと思うけど。
なお、こいつは適当に合わせているだけで特に何も考えてなかったりする。

「そうだね、でも私はそろそろお暇しようかな...
さて、ごちそうさま。パフェも美味しかったし、神代君もいじれたから満足かな!」

なんて、彼からすればたまったものではないのだろうけど。
あの鉄火の支配者をいじれただけでも結構満足だ。
とか思いつつ、パフェを美味しそうに平らげて。

「それじゃあまたね!神代くん!」

次はまた、二人の戦場で。
この怪異特有の狂った笑みを一瞬だけ少年に向けて去っていった。
...しれっと支払わずに。

ご案内:「カフェテラス「橘」」からアーヴァリティさんが去りました。
エインヘリヤル > 「それじゃ、また今度」
と見送りつつ。

なんだかんだで、レナ/アーヴァリティがパフェを美味そうに食べているのを見れば、食に対する欲求はあるしその分別があるのだと思う。
それがあるのなら基本的には問題ない。
あとは別の欲求をどう満たすかだけれど……パフェと比べてどうなのかは気になる。

神代の問に関しては、
「だって、それが嫌だったらこんな格好にならないでしょう?」
と、当たり前でしょうと言った様子で答えて。

姿が変えられるのに、わざわざきれいな姿を取る主な理由は2つ。
有利だからか、好きだから。

見た感じ愉快犯みたいなところを見ると、おそらく好み+コミュニケーション的にも便利で不満が少ないからでしょうし。

「で、取り敢えず要望通り、うまくやり過ごすことには協力したつもりだけど。
 できればなにか面白い話でも聞ければなんて思ってたけど、割と天然みたいだったわね?」

などと種明かしをしながら、見た目より重くないのがいいわよね、なんてパンケーキの感想を言い合ったりして。

神代理央 > 「…フン、上等だ。ならば此方は砲弾の雨を。鉄火の雷鳴を聞かせてやるとも」

彼女の言葉に返すのは売り言葉に買い言葉。
とはいえ、その言葉を発する表情はそれほど敵意に満ちたものではない。
他の生徒がいる場所である事。そして結局は、ある程度の糖分に満足し、砕けた雰囲気の中で語り合ったから、なのだろうか。

「…いじるとか言うな、馬鹿者。次の再会も、平和な場所である事を祈っているがね」

パフェを食べ終え、立ち上がる彼女を見上げる。
先ずは他の生徒に被害が出なくて何よりだ、と安堵の吐息を零しかけたのも束の間――

「……上等だ。結局は、殺し、殺し合うしかあるまいて」

彼女が浮かべた笑みに、ゆるりと唇を歪めて見送るのだろう。
置いていかれた伝票には、小さく溜息を吐き出して。

神代理央 > 「…協力、と言うには随分と楽し気な様子だったがな。異能調査委員会とやらが、此処迄愉快な人員を抱えているとは思わなかったよ」

と、アーバリティを見送った後。
此方に声をかけるエインヘリヤルに視線を返して、深々と溜息を吐き出した。

「天然、というか…本当に己の欲望に忠実なのやも知れんな。だからこそ、行動が読みやすくもあり、また同時に読みにくい。風紀委員会として相手取るには、中々厄介な相手だろうよ」

小さく肩を竦め、残り僅かなココアに口をつける。
さて、気の張る時間は過ぎ去った。常世少女(男)は、漸くカフェテリアらしい話題に水を向ける。

「ん、そうだな。個人的にはもう少しフルーツがあった方が良いとは思うが…。ああ、何なら、学生街に店を構えたスイーツ部に行ってみると良い。あそこは良いぞ。美味い甘味を作る。私が保証しよう」

などと。嫋やかな世間話に花を咲かせるのだろう。

エインヘリヤル > 「……なかなかに物騒な間柄ね」
アーヴァリティとの関係について。
関係性は、過ごした時間の長さと情報度が大きく左右する。
そして距離が近いほど、深まる傾向にあるが……さて。

おそらくは遊びとして考えているだろう向こうの発散場所をうまく考えねばなならないかしら。
当面は、明確な遊び相手がいるだろうことである程度のいうことは聞くだろうけども。

「協力は必要ならどことでも
 異能調査委員会はね、よければなんでもいいのよ。怪異だろうとなんだろうと。
 いいものは尊重するの」

……クズども以外はね。
とは言わなかった。

「……甘味は、好きよ。心を休ませてくれるもの
 さっきの彼女だってそうでしょう?

 そのためにおとなしくするだけの考えがあるなら、まだ代わる余地はあると思うけど」

さっきまでのからかっている口調とは違い、ゆっくりと紅茶を口にしつつ。
真面目な微笑で言った。

「今度バトルデートに誘ってみればいいんじゃないかしら」

神代理央 > 「物騒も何も、会うのは今日が二回目だ。初対面はいきなり襲われて殺されかけたからな」

その場面を思い出すかの様に、含み笑いと苦笑いを混ぜ込んだ様な何とも言い難い笑みを浮かべる。
己にとっては苦い記憶だが、戦闘経験としては十分なものであったのだし。

「節操の無い事だ。"風紀委員会"の邪魔にならぬのであれば、とやかく言うつもりは無いがね」

それはつまり、協力体制化の公安委員会。その他他の委員会に対しての行動は口出ししないという事。少なくとも、自分は。
そう言い放つ己の顔は、愉快そうな笑みを浮かべていたのだろうか。

「……私も過分に甘味や糖分を愛好する方ではあるがね。それでアイツが大人しくなるのかどうか、こればかりは何とも言えん」

あのバトルジャンキーの様な少女が、甘味で大人しくなるのだろうかと、思考を巡らせて少し笑ってしまった。
しかし、冗談を含まない笑みで此方に言葉を投げかける彼女には怪訝そうな表情で答える事になる。

「…何だそのけったいな名前の任務は。そもそも、此方から誘うにしても連絡が取れぬし、何故私が好き好んで奴と戦わねばならんのだ。私は個人戦は苦手な部類なんだがね」

小さく肩を竦め、首を振って見せる。

エインヘリヤル > 「風紀に特に口出しする気もないけれど。
 とりあえず、あの様子なら喜んでついてくるわよ
 とだけ言っておくわ」

連絡方法まではこっちの仕事ではない。

重要なのは神代が彼女に応えてあげること、とだけ伝えておく。

「平和のためなら、好きこのんでで戦うのが私たちみたいなのでしょう?」

と、半ば自嘲するように

神代理央 > 「……ふむ」

平和の為なら、と告げられれば少し考え込む様な素振りを見せる。
確かに、彼女の言葉は間違えてはいない。己が彼女と戦う事によって彼女が満足し、他の風紀委員や生徒への被害が抑えられるというのなら――

「――面倒ではあるが、それも仕事の内、か。まあ、こうして女物の服を着せられるよりは、風紀委員として箔が付く仕事だろうよ」

自嘲する様な彼女には、小さな苦笑で応える。
お互い同じ様なものだ、と言わんばかりの微かに零れ落ちる様な、苦笑。

エインヘリヤル > 「そういうこと。私も良いスイーツ女子友を作れたし?」

なんでそんな格好をしているのか結局よくわからないけれど。
まあ、たぶん一部の人は喜ぶんじゃないかしら。
などと思いつつ。

「もしかすると、彼女も【友だち】を作りたいだけかもしれないわよ」
と、すこしいい話をした、みたいな表情で。
おそらくはあまり想像していなかった話を持ち出して。

「あの様子じゃ誰だって壊れちゃうんでしょ、たぶん。迷惑な話だけど。
 ……誰かがそれに気づかせてあげないと」

そして意地悪な笑み。
きっと本性はこっちだ、このエインヘリヤルという女は。

神代理央 > 「……スイーツ女子友」

似合わない言葉を似合わない奴が言っている、と言わんばかりの表情でまじまじと彼女を見つめた後、其処に追及するのは精神衛生上宜しく無いか、と己の中で締め括る。

「友達、ねえ。そんな可愛げがアイツにあるとも――」

そう言いかけた言葉は、次いで投げかけられた言葉に中断される。
静かに彼女を見つめ、その言葉を反芻し、クスクスと。まるで本物の少女の様に笑みを零す。

「それが本性か。それが本心か。良い性格をしているな、お前は。
だが、その方が話しやすい。猫を被っていられても、互いに気疲れするだけだろう?」

すっかり氷の融けてしまったお冷で喉を潤し、柔らかな。しかし愉し気な笑みで彼女に答えるだろう。

エインヘリヤル > 「あら、こっち側? 奇遇ね、案外いい女子友かもしれないわ?」
お互い、似た笑顔で嗤う。
定時連絡にスイーツ会でもいいかもしれない。

「そういう事なら遠慮なく、甘い話でもしましょうか」

こっちで話していなら気にすることもない。
お互い楽で面倒が少ない。

「まだ来たばかりなのだけど。落第街、どう思う? いる?」

容赦のない本音を投げてみた。
言葉としては単なる疑問だが意味としては、半分くらいなくてもいいんじゃない?の意味だ。

アレに風紀と公安のリソースをどれだけ割いているんだか。

神代理央 > 「女子である事だけは否定させて貰いたいものだがな。だがまあ、御互いに良いカモフラージュだろう?
甘味目当てに集まったと言えば、大して疑われる事もない」

小さく肩を竦め、嗤う彼女に応える。
甘い話、と紡がれれば椅子の背もたれに身を預けて耳を傾け――

「そうさな。いるよ、アレは。寧ろ、無くては困る」

あっさりと。淡々と。彼女の言葉の真意に否定の意を示すだろう。
風紀委員としての己を知る者が見ても驚く程簡単に。落第街は必要だと彼女に告げた。

エインヘリヤル > 「あら面白い。まあやるべきことやるにはそうなんでしょうけれど」

別に自分がやりたいことに落第外の有無は関係ない。
クズがいなくなればそれでいいだけであって。

で、必要があればそれはクズじゃなくなる可能性がある。

「できれは色々お話伺いたいのだけども、どうかしら?」

笑顔でレシートを手元に寄せて。
払いは持つ、という話だ。

神代理央 > 「というよりも。市民に対する明確な脅威と。屑共を纏める塵箱としての機能があの街にはある」

ギシリ、と身を預けた椅子が軋む。

「落第街が無くなり、学園が平和になりました。めでたしめでたし。
では、風紀公安の存在意義は?落第街の様な環境でこそ生まれる特殊な異能や魔術、超能力者の苗床は?落第街無き後、あぶれた犯罪者共が集う場所は?」

つらつらと、淡々と。鈴を転がす様な声色で言葉を羅列していく。

「ソレをもう一度育てるのは面倒だ。あの街があるから、風紀も公安も暴力装置としての存在が生徒に許される。
あの街があるから、犯罪者共の巣が散らばる事は無い。
貴様とて、異能を調査する立場の者なのだろう?であれば、あの街は滅ぼすべきではない。剪定するに留めるべきだと思うがね」

彼女が手元に寄せたレシートに視線を落とすと、その手に己の掌を重ねる。

「すまないが、借りは作らぬ主義でな。それに、悪いが金に困っている訳でも無い。些細な小銭等払わずとも、話くらいはしてやるさ」

浮かべた笑みは、傍から見れば純粋な少女――或いは少年――のもの。しかし、真正面から。間近から見る彼女には見えるだろう。
底知れぬ空虚さが薪となって燻っている様な、仄暗い焔の様な感情が。

エインヘリヤル > 「まあ単純に言っちゃうわ。綺麗好きだから、ゴミ箱をどうにかしたいのよね」

スラムなりのバランスなのはわかる。
わかるが、ゴミはゴミだ。ゴミでしか無い。

「ほっとくと、どんどん溜まって匂いを撒き散らすし、カラスが荒らすし、誰かが掃除しないといけないでしょう?
 回収車は回っているけれど、どうしたって汚れは増える一方でしょう?」

軽く手振りを交えながら、肩をすくめて見せ。
もちろん、後ろ暗い話だ。

だってココは袋小路。
放っておけば人口は勝手に増える一方で。
死ぬ速度より増える速度のが早い以上、どうしたって貯まる一方なのだ。

「パンパンになったそれを、たまにはどうするかなって、考えてるだけよ」

楽しそうに、爽やかに。
どす黒く微笑んだ。

レシートはそれなら、とおまかせした。
「なるほど、レディファーストだものね」

神代理央 > 「塵箱をどうにかしたところで、また塵は溜まる。その時塵箱が無ければ、集まった塵は部屋中に撒き散らされるばかりだぞ?」

と言うものの、彼女の言葉を明確に否定する事はしない。
己とて、落第街がどうしても必要か。維持しなければならないのかと問われれば――そうでもない、というのが本音だ。

「ならば、塵箱を残して中身を空にすれば良いだけの話だ。或いは、少なくすれば良いだけの事だ。それだけの力が…まあ、今あるかどうかはさておき。ある程度の塵を焼却するくらいなら、今の風紀公安でも。――そして、貴様にも出来るのだろう?」

考える、ということは実行に移すだけの力が。或いは、大なり小なりその目的に類似する計画を為す力が、彼女にはあるという事。
彼女の事を深く知る訳では無い。しかし、そんな確信を得た笑みで、首を傾げてみせた後――

「……一言余計だ。私は男なんだがね」

フン、と高慢な笑みと共に己の手元にレシートを引き寄せるだろう。

エインヘリヤル > 「まあ、スイーツ仲間が増えたっていうのはわかったわ。
 今は、お互いそれで十分そうね」

ゴミは邪魔で、どうにかしたい。ただ、それをするにも面倒がある。
それはお互い共通のようだ。

「美味しい場所で美味しいものを美味しく食べられればそれが一番よ」

つまりそれは環境から作るという話なのだけども。
お互い、そこにゴミの話は入っていないだけだ。
おかげで話が弾む。

「せっかくなら両方できるようになっておけばいいじゃない。
 女受けも、それでよくなる相手だっていて、便利よ?」

と、男だと言われれば、そんなの手段でしょ、とふふふと笑って。

「望むかどうかとは別に、ね?」
潜入捜査とは別の観点で意味を提示しておいた。
だって、誰かを操れる手段の一つだから。

神代理央 > 「そうさな。此処で深く掘り下げる話でも無い。今は唯、良き友人を得られた事を喜ぶに留め置こう」

彼女と同じく。愉快そうに嗤いながら同胞との出会いを悦ぶ。
考え方に差異はあれど、根本的な思想は類似していて、互いに公的な立場を持つ者。話しやすく、動きやすい。

しかして、再び容姿の話題に立ち戻れば不可解そうな――不愉快では無い――表情で首を傾げる。

「言わんとするところは分からんでも無いがな。"そういうこと"は内面に女子らしさとやらを持つ者がすべきだと思うがね。
私は御覧の有様だからな。見た目とて、チンドン屋の類だろうさ」

着慣れぬ女子の制服でぱたぱたと軽く手を振り、足を組み替えてスカートの裾を軽く持ち上げる。
こんなもので騙される男もいまい、と笑ってみせた。

エインヘリヤル > 笑ってみせる様子に、含み笑いを浮かべ、猫の目で楽しげに呼応する。

「あら、勘違いしていらっしゃる? 女受けが良くなる相手もいるって、そういったのだけれど
 ……それに、その立ち居振る舞い、悪くないわよ?」

それに男装女子のフリも似合うはずだ。
その手の格好にときめく女子も多かろう。

女装はなにも、男性を崩すためだけじゃない。

「で。
 男性なら、次回はエスコートしてくださる?」

と、次回の出会いをほのめかして。
そのとき、話があるなら深く突っ込んでもいい。

神代理央 > 「…うん?ふむ…そういうもの、なのか?女の好みというのは良く分からんな」

こればかりは彼女に軍配が上がるのだろう。
やれやれと言わんばかりに肩を竦めるが、悪くない、と言われればちょっと微妙な表情を浮かべていたり。

「勿論。見目麗しい女性のエスコートとなれば、謹んで引き受けさせて貰うとも」

軽薄な言葉も、挨拶代わりの様な気楽さ。
レシートを手に立ち上がると、椅子に腰掛ける彼女に近付いて――

「……お互い、より良く利用し合おうじゃないか。情で絆される様な関係よりも、利害で結びついていた方が余程やりやすい。
風紀と公安には目を付けられぬ様にな。現場に私が居合わせれば兎も角、情報操作まではしてやれぬぞ」

と、低く囁く様に彼女に告げると、友人と別れる女子生徒の様な笑みと立ち振る舞いで、歩き去っていくのだろう。
レシートのあった場所には、一枚の紙幣。車代か。もう少し寛いでいけとの好意か。或いは、名刺代わりの金銭か。

利害で結びつく、と言う言葉を具現化した様な高額紙幣は、僅かに揺れていた。

ご案内:「カフェテラス「橘」」から神代理央さんが去りました。
エインヘリヤル > 「ええ、利用は大事。この社会は、利用しあって出来てるんだから」

そもそも、企業も政府も教育も。
全ては人をうまく利用するためのシステムだ。

システムがなくても動ける人間は少ないのだから当然の話。

そのほうが便利だから、そうする。
それを説明するのが面倒だから義務という言葉に直して信じ込ませる。
金という信用で労働の代わりにする。
全部そう。

人間はそのほうが都合がいいと選択した。

「ふふ、これでも少しは顔が利くから。
 それじゃ今後ともよろしく」

公安周りと取り敢えずの人材には便利なコマがある。
風紀もこれで多少の話はついた。

後はどういう図面を書いていくか。自分次第。

そんな事を考えつつ、ひらひらと手を振って別れを見送った。

ご案内:「カフェテラス「橘」」からエインヘリヤルさんが去りました。