2020/07/02 のログ
■武楽夢 十架 > 「あー、そう言えば治安が悪いっていうのに大通りで暴れた馬鹿が……なんて話もしてたか」
でも、そういう手合は風紀の仕事で片付くんじゃないかな。
詳しい顛末は知らないが、続く話のようであればその辺の店の人に聞いて見るのも悪くない。
ふぅ、と一息ついて小洒落た椅子の背もたれに身を少し委ねた。
「……」
気がつけば、コーヒーも飲み終えてる。
外は雨が強くなっている。
たまには、雨の中を歩いて帰るのも悪くないかも知れない。
幼い頃はワザとびしょ濡れになって家に帰った事もあったような気もする。
ご案内:「カフェテラス「橘」」から武楽夢 十架さんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」にセレネさんが現れました。
■セレネ > 「梅雨明けかぁ…。」
カフェの店内、そのテーブルの一画。
学園側からの融資を受け、早速購入したスマホを弄りながら
異国の言葉で呟く。
一応熱中症予防の護符ももらったから、普段よりかはマシにはなっているのだろうけれども。
日に焼けるのは勘弁だ。
他の学生達にとっては楽しい夏になるのかもしれないが、
己にとっては憂鬱な時期である。
■セレネ > 試験については編入時期もあり、免除されているから
もう暫くはゆっくり出来そうだ。
とはいえ勉強する事は好きだから試験についても問題はないと思うけれど。
グラスに注がれたアイスレモンティー。
ストローに口をつけ喉を潤す。
…何食べようかな。
ご案内:「カフェテラス「橘」」にアンジェさんが現れました。
■アンジェ > 昼時ということもあり、席が埋まりつつある店内。
テーブルの対面に、乱れなく学生服を着た女性が近づいてくる。
「すまない、他の席が空いていなくて…相席でもいいだろうか?」
そう申し訳なさそうに告げる彼女の手には、サンドイッチのセットがプレートに置かれている。
カウンター席は既に埋まり、他のテーブル席は友人同士で固まっている以上、ここに来るしかなかったようだ。
■セレネ > 「…んぇ?」
己に声をかけてきた人物に、気の抜けた声を上げては其方を見る。
…この時期に真面目に制服を着こなした、長身の女性。
数度目を瞬かせると
「あぁ、えぇ勿論。
お昼時ですからね。」
俄に忙しくなる店内を見回しては、納得した表情。
初対面の相手に緊張するも、努めて平静を装い相手へ微笑みかけると己の目の前の席に座るよう促そうか。
「貴女も、学生さんなので?試験勉強とかお忙しいでしょう。」
気まずい雰囲気にならないよう、学生達目下の課題である試験について話しかけてみた。
■アンジェ > 「ありがとう、ここは静かな場所だと思っていたんだが…
昼は賑やかなようだ、学生街だからかな」
プレートをテーブルに置いて、疲れたように大きく息を吐く。
対面で佇む少女に話しかけながら、サンドイッチを一口、二口であっという間に平らげていく。
元の世界での経験からか、食事はできるだけ素早く、というのが彼女の癖になっていた。
「よく誤解されるが…君は見抜いてくれたな。私は学生だ。それも一番下の一年生。
やたらと教師や警備員と思われてしまって困っていたんだ。」
そう言うと、どこからか取り出した学園支給の携帯端末を少女に見せて。
一般的なスマートフォンと性能に変わりはないが、少々サイズが大きいのが特徴だ。
「試験勉強はもちろん大変だが…この世界の常識を知るのが一番の苦労だ。
特にこの板。デンシャとかいう乗り物もそうだが、使い方がいまいち飲み込めない…」
■セレネ > 「食事時だと仕方がないですよ。
それ以外だったら、比較的静かな場所だと思うのですけど。」
言いながら席につき、サンドイッチを味わう事なくそそくさと胃に入れていく様子に
「そんなに急いで食事を摂らなくても…。もしかして、急いでいるのですか?」
まさかそれが相手の癖だとは思わず尋ねてしまった。
「――あら。
では私と同輩ですね。
…もし宜しければ、貴女のお名前をお聞きしても宜しいですか。
私はセレネ。貴女と同じく一年です。」
スラスラと答えてくれる相手に迷いは見られない。
長身な上、体躯もしっかりとしている。
ならば確かに学生というより教える立場か治安を維持する側だと思われても不思議ではないかもしれない。
「ふむ?
貴女は別の世界から来た方なのですね。
成程…それなら余計、馴染むのも一苦労でしょう。」
己に見せてくれた学園の端末。
己も持ってはいるが、相手程苦労する事はなかった。
「私で良ければ扱い方をお教えしましょうか?
歳下に教えられるのは複雑かもしれませんが。」
少しでも相手が早く馴染んでもらえるよう、
そして同じ異邦人なのであれば猶更何か力になってあげたくて。
■アンジェ > 相手に食事の速さを指摘されて、つい手を止めてしまう。
周りを見回してみれば、確かに自分ほど食事の早い者は見ない。
「あ、いやこれは…元の世界からの癖なんだ。
私は犯罪者の取り締まりをやっていたから、いつでも対応できるようにと…」
相手がまさか、元の世界では取り締まりの対象であった魔法・魔術の使い手であるとは思わず、
恥ずかしそうに語っていく。
そうして名前を聞かれれば、やはりしっかりとした口調に戻って。
「私の名前はアンジェ。年齢は…26だ。今のところは女子寮に住んでいる。
元の世界では騎士をやっていたんだが…どうにもここは平和すぎて、落ち着かない時がある。」
右腕に纏っている鋼の籠手は、騎士であった証。
それを手持ち無沙汰に窓に照らせば、鋼の輝きが曇りなく見えるかもしれない。
会話がしばらく弾んだところで、少女が端末の使い方を教えてくれることとなった。
年齢と見た目からか友人があまりできなかった彼女にとって、それは大きな喜びだろう。
「本当なのか!いや構わない、初めて剣を握った時を思い出す!
教わる相手もおらず、相談所も人が多くてな!」
彼女は思わず椅子から立ち上がって身を乗り出し、弾んだ声でそれを喜ぶ。
端末一つ扱えないことを悩んでいた彼女にとって、きっとこれは何よりの救いだろう。
■セレネ > 「――そうだったのですね。
確かに犯罪者を捕まえるのは時間との勝負ですから、そうなるお気持ちも分かります。
対応に遅れて甚大な被害が出てしまった…となれば、責められるのは貴女方でもありましょうし。」
理由を聞いて納得した。
それならば仕方のない事だと思うも、出来るなら少しずつ
美味しい食事を味わう楽しさも知ってほしいと思い。
己は基本、秘匿主義故。相手が魔法や魔術を取り締まる者だと分かれば、猶更伝える事はしないだろう。
「アンジェさんですね。
私も女子寮に住んでおりますから、もしかしたらまた会うかもしれませんね?
――平和なのはその分、規律や治安維持がしっかりなされているという事。
必要な時があればその時は貴女の騎士としての力を振るえば宜しいでしょう。
…確かそういう組織が学園内にあったと思います。
風紀委員会だったかな…?」
取り締まる職に就いていたなら、その腕を振るえる組織に就くのも一つの手段だと思う。
相手の籠手に己も視線を向ければ、輝く光に眩し気に目を細め。
「…おぉ、そうだったのですね。
ふふ、私は今の所時間は沢山あるので、他にも分からない所があれば教えられますよ。
ただ、私もまだこの島に来たばかりなので…学園については、他の方にお聞きした方が確実だと思います。」
身を乗り出して言う相手が何だか可愛らしくて。
小さく笑みを洩らしてはそう伝えた。
■アンジェ > 風紀委員会、という言葉に彼女はぴくりと反応する。
彼女の活発さが消え失せて、少しだけ落ち込んだように。
「風紀委員会、か。確かに立派だとは思うのだが…その上にある、常世財団だったか?
私はどうにも信用できないのだ…私が魔術や魔法を嫌っているせいもあるのだろう。
それを含めても、隠していることが多いように感じてな」
それに、と付け加えて、彼女は言葉を続ける。
食べ終えたプレートをまとめて、背もたれに身体を預けて。
「助言はありがたい。魔術を扱う者が、君のような人間ばかりならと思うよ。
私のいた世界では、私利私欲のために使う者が大半だった。」
そこで一旦言葉を区切り、再び携帯端末を見せる。
今度はよほど重要なことなのか、正面から少女を見据えてゆっくりと話しかけた。
「……では、最後なのだが。この『えすえぬえす』というものと『めーるあどれす』について…」
日差しが窓から差し込む中、彼女はしばらく少女からの説明を熱心に聞いていた。
ご案内:「カフェテラス「橘」」からアンジェさんが去りました。
■セレネ > 己の言葉に反応し、どこか落ち込んでいるようにも見える相手。
不思議そうに首を傾げると
「…ふむ。成程。
――私が貴女の立場であったのなら。
信用出来ないからこそ懐に入り込んで何かしらの情報を得られるよう動こうと考えますね。
勿論、危険な橋になるので慎重に行動すべきでしょうが。」
そしてサラリと伝えられた、相手が”魔術を扱う者を嫌っている”との言葉。
――これは、己の能力は悟られては不味いなと内心。
「力は振るう人物によって如何様にも変化しますからね。
善い事に使えば善い結果を、悪い事に使えば悪い結果しか齎しません。
逆に言えば、使用法さえ間違わなければ負の結果しか出さない魔術や魔法は恐らく、ないものだと思いますよ。」
己の考え、持論を相手へと告げる。
それが果たして上手く伝わるかは分からないけれど。
少しでも魔法や魔術の認識を変えられたら嬉しい。
「――あぁ、はい。
ではまずは…。」
熱心に聞く相手の姿勢は生徒然としたもので。
途中、店員に軽食を頼み食事をしながら
懇切丁寧に相手へと説明をしようか。
ご案内:「カフェテラス「橘」」からセレネさんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」にフィフティーンさんが現れました。
■フィフティーン > カラン、とグラスと氷が擦れる音。
窓際の席で長くはない金髪と紅い瞳を持つ少女が座る。
机にはコーヒーが一杯と横には何冊かの魔導書、
少女の紅い瞳は開けた魔導書の一ページをまっすぐ見つめていた。
「この書籍という情報媒体は貴重な情報が載っていることがあるのですが...」
図書館から借りてきた幾つかの書物とにらめっこ。
今まで特に魔術とは全く関わりが無かった少女、
まさに未開の地ともいえる魔術という領域に足を踏み込もうとしたが
「何が何やら。」
魔術に関して基本的なものを選出したつもりだったが
それは正に未知の概念の玉手箱。
声を鳴らし肘をついた手で頭を抱えながら
何とか理解しようと試みる。
■フィフティーン > 「んー。」
ダメだこりゃといった様子で本をぱたんと閉じる。
同時にグラスを掴んでそこから延びるストローを
唇で挟み込みコーヒーを喉へと通す。
このカフェテラスという施設では
あらゆる人間がこのように飲料を頼みそれを楽しむ。
飲料の販売所という側面から少女もそれは理解できていたが
「そういえば。人間の中にはこのコーヒーという飲料の中に
牛乳や砂糖といったものを混入させる人が居るみたいですね。」
好みの味というもの持たない少女には
そういった人間の行動はとても不思議に映った。
自分の飲料を一端眺めた後、
店内の人間たちのコーヒーブレイクを見渡しながら
シュガーもミルクも入っていないブラックコーヒーを飲む。
■フィフティーン > 「魔術に関してはまず直接目にした方がいいかもしれません。」
魔術書を再び開いて読んでみるも図解があっても理解は出来ず、
実際に行使している者から分析した方が取っ掛かりが早いと
ついには完全に本を閉じてしまった。
その様子は参考書を前に勉強を諦めてしまった学生の如し。
注文してやってきたパフェのスプーンを握り
生クリームの山を削り取ってから口へと運んであむと一口。
「糖分が含まれていますね。
なるほど、これが甘いというものですか。」
舌の上で溶けてなくなる生クリーム。
砂糖の甘さがセンサーを通じてニューロンへと、
糖分が人間の脳を活性化させるという話には一定の説得力がある。
■フィフティーン > 「そろそろ戻りましょうか。」
手を止める事無くあっという間に空にしてしまったパフェグラスが
机に鎮座する。
その後にブラックコーヒーを飲み終えると
積んでいた魔術書を持って席から立ちあがる。
そのまま書物を脇を抱えてカウンターの方へと少女は歩いて行った。
ご案内:「カフェテラス「橘」」からフィフティーンさんが去りました。