2020/07/07 のログ
ご案内:「カフェテラス「橘」」にエインヘリヤルさんが現れました。
■エインヘリヤル > 作業には甘味が必要だ。
タブレットを手に作業を進めていく。
すっかり、スイーツ部周りの案件が増えた。
発注していたロゴのほうが上がってきたので、早速送る。
趣味なので仕方がないのだが。
趣味なので仕方がないのだが。
それでも、とりあえず作業が終わるまでは、ご褒美はお預けでもある。
軽い気分転換に外を眺めたりなどしつつ。
半ば適当に仕事を投げてしまって甘味を優先してしまおうかなどとも思う。
■エインヘリヤル > だいたい先日は猫の先生を散々堪能したのだが。
それと気付かれないように猫成分を補給するのは骨が折れた。
あの様子では、半ば役得もあって手の甲に口づけしたなどとはつゆほどにも思っていないだろう。
猫は尊い。
ご案内:「カフェテラス「橘」」にスピネルさんが現れました。
■エインヘリヤル > まあ、作業をするぶんにはこうしたテラス席のほうが気分は良い。
少々、風が面倒なときもあるが、幸いにして今日は心地の良いそよ風程度で暑くも寒くもない。
冷めきった紅茶を口にしつつ、風紀周りに頼まれていた分の書類をこなしていく。
前から思っているのだけれど、風紀という組織はアナログにすぎる。
もちろんそれが良い部分もあるのだろうけれども、大体は個人主義の人海戦術。
故に、書類仕事までその手の風習が受け継がれている、
特に書類系の異能使いがいると余計にそうなりやすい。
そして風紀はそういう場所で。
つまり、とても書類周りが非効率極まりない。
それを超人的な手腕で処理できてしまう連中が多いからだ。
回ってしまえば看過される。
二級学生問題と同時に処理したい問題の一つだ。
「…………ふう」
きりはもいないせいで、世間話をする相手もいない。
スイーツ部の店舗にはあれが必要だったかもしれないが、手元にいると何かと便利なのを再確認するはめになる。
あれだけ御高説を垂れておきながら自らが再確認するはめになるとは世話がない。
■スピネル > 「ほう、こっちの店はクーラーとやらの効きが抜群ではないか。」
<そうっすね、スピネル君。>
<今日はマジで奢ってくれるんですか?>
静かな店舗が賑やかになる。
スピネルが新生護衛団のメンバー数名を引き連れてカフェにやってきたからだ。
誰一人として学生の格好をしておらず、街のチンピラが場違いの店にやってきた感が半端ない。
<で、今日はどこに座るんすか。 スピネル君。>
「うむ、やはり外を見渡せるあそこにしようではないか。」
<マジっすか。 中の方が涼しいっすよ。>
カウンターで数名のチンピラ達とやいのやいのと騒ぎながら、各々がコーヒーだのカフェラテだのパフェだのを頼む。
それらが載ったトレイをチンピラの一人に持たせると、ゾロゾロとテラス席へ。
「お主ら、先客がいる。静かにするんだぞ。」
<ウッス。>
テラス席の一画にあるテーブル席を数名で座り、各々が飲食を始める。
スピネルもアイスレモンティーを飲みながら学生通りの建物や学生の雰囲気を観察している。
そのうち、先客の一人である赤髪の少女の姿が目に付く。
(この学園はレベルの高いのが多いと聞いていたが、その通りの様だな。)
■エインヘリヤル > 「……む」
見るからに似つかわしくない群れを一瞥する。
TPOはさておいて、別に誰にも自由を謳歌する権利はあるのだが、見た目には端的に言ってストレスではある。
まあ、店内に入れないだけの気は回るようで。
……もっとも、それは私にとって運が悪いのだけれど。
それでも、直接に気分を害さないなら問題はない。
さて。
とりあえずはスルーだ。
■スピネル > <どしたんスカ、スピネル君。>
チンピラの一人がスピネルの変化に目敏く気付く。
少年がアイスティーを飲みながらも一点をじっと見つめているからだ。
<あの子気になったッスカ。>
<あ、じゃあ俺が声掛けてくるッス。>
チンピラの一人が立ち上がり、無謀にも赤髪の女性の元へと声を掛ける。
ダボダボのズボンをぶら下げて穿いており、髪は金色である。
<彼女、ちょっといいッスカ。うちのスピネル君が用があるんでコッチいっすか。>
スピネルは突然の部下たちの同行に面食らってしまう。
「おい、お主ら止めんか。」
スピネルがスラムに蔓延る1グループを制圧したのはほんの数時間ほど前の事。
残念ながら、皆が皆スピネルのことを理解したわけではない。
先客の女性にとっては正しく、直接気分を害す由由しき事態となってしまった。
■エインヘリヤル > 「……ふふ」
くだらない。
まあ、話し相手も欲しいところではあったので、挑発を受けてもいい。
ただし、礼儀はわきまえるべきで。
「レディを誘うなら、本人が来るべきだし、エスコートするべきでしょう?
ああ、もし声を荒げるのであれば、ココでは似つかわしくないので、外で」
さも当然といったように、優雅にその話を受けつつ、微笑んで。
金十字の瞳が、獲物を見る目で妖しく嗤う。
■スピネル > 「おい、早く引っ込め。」
<わかったっすよ。>
金色の髪の少年は苛立ちを露にし、先走った部下にぶつける。
<なんか、本人が来いって言ってるっすよ。>
「ええい、さっきから聞こえておったわ。」
プルプルと、拳を握りしめているスピネル。
これはいかんと、大げさに咳ばらいをしてからゆっくりと立ち上がる。
「お主ら、静かにしておるのだぞ。」
部下に一声掛けてからカツカツと、靴音を踏み鳴らしては女性の元へと歩みより。
その場で床に片膝をつくと、左手を差し出す。
「我はスピネル、先ほどは部下がとんだ失礼をしたな。
宜しければ、我にお詫びとしてご馳走させて頂けぬか。」
■エインヘリヤル > 「あら、思っていたより話せるのね。
問題さえ起こさないのであれば構わないわ?」
その手を取り、大仰な跪礼の詫びを受け取る。
「ふふ……騒がしい部下を持つと大変ね?」
からかうでもなく、ご苦労さんとでも言うように。
むこうにしてみても、主人の願いが叶うのであればそれで構わないのだろうし。
■スピネル > 「当然だ。こう見えて我はまともだぞ。」
褒められると直ぐに調子に乗ってしまう。
片膝をつき、顔を傾けた状態でもドヤ顔が想像できる程の声色が飛び出してしまう。
「耳が痛いな。」
さてさて、無事に声を掛けることには成功したがこの後がスピネルにとって難問である。
人の一生を優に超える程に長く寝ていた彼には若い人間へのアプローチに困ってしまう。
「とりあえず、あっちは騒がしいのでこちらの席に座らせてもらっても良いか?」
あっちとは自分の部下たちが座っている場所のことである。
スピネルの命を受けたために多少は静かになったが、代わりに自分たちで盛り上がっている。
とてもレディを案内できるような状態ではない。
少年は女性が座っている対面の椅子に視線を向ける。
■エインヘリヤル > 「構わないわよ?
それとも……必要であれば河岸を変える?」
どうぞというように、指で促して。
礼の取り方やはしゃいでる様子を見る限り、見た目通りではないのかもしれないとも思いつつ。
この辺では別に珍しい話でもない。
その辺を考えると、場合によってはこの店そのものに迷惑がかかる可能性がないとは言えない。
そういう意味ではバッサリ場所を変えてしまうのも手だ。
まあ……慣れてなさそうな様子で右往左往するのを見るのも面白いのではあるけれども。
どちらでも構わない。
連れの連中の割に妙に遠慮がちな青年には、一人前扱いの程度を傾けるだけでも面白そうなのだから。
■スピネル > 「いや、お主が迷惑でなければここにさせてもらおう。」
許可を得た少年は女性の向かいの席に腰掛ける。
部下の一人が気を利かせて飲みかけのアイスティーをそっとテーブルに置いてまた離れる。
少年としては女性との会話も大事だが、見える範囲で学園の姿を目に焼き付けておきたかった。
「先に詫びの方をしよう。お主の好きなメニューを頼むが良い。」
少年は女性の方に向けて開いた状態のメニュー表を向ける。
「所で、その見た目からしてお主は学園の生徒か?」
まだどことなく動きが堅い少年だが、まずは相手のことから聞いていくことにした。
ちなみに部下のチンピラたちはスピネルに叱られることを恐れて小声で会話をしている。
主にこの辺りの店についての感想などを言っているようだ。
■エインヘリヤル > 「では改めて。
特殊異能調査機構、特別顧問、エインヘリヤル。
……よろしく」
まずは、席につくのを見て、お座なりになってしまった挨拶から。
名刺を差し出し、名乗る。
添えられた細い指先は白くしなやかで。
ある種の人たちであれば、それだけでそそられるかもしれないような。
などと思っていると、店員に告げられるメニュ。
「では遠慮なく。
ミックスベリーのフレンチトースト、デラックスの方で」
そして1800円(税抜
つまり1980円だった
■スピネル > 「これは、名刺と言うものか。」
差し出された小さく平たい紙を物珍しそうに眺める。
両手で恭しく受け取ると、目元に近づけてみたり。
受け取る際に僅かに手が触れ合い、雪のように白い指に多少色香を感じた。
表情にも仕草にも変化は生じなかったであろうが。
「ああ、存分に頼むが良い。」
こっちのエリアでもまだ良心的な値段の店で良かったなと内心ドキドキするスピネル。
差し出された名刺はテーブルの隅に置いた。
「さてエインヘリヤルよ。お主、特殊異能調査機構、特別顧問と言ったが。
その特殊異能調査機構とやらは何をする所なのだ?
あの学園がただの学び舎でないことは知っておるが。」
■エインヘリヤル > 相手の不慣れな様子を楽しみつつ。
ああ、これは金貨で払うと言い出しても驚かない。そういうやつだ。
「異能を調査して、集めて、報告するところよ。
平和のためにね?」
聞かれれば。
コロコロと笑いながら、一般的でわかりやすく、至極もっともな話をする。
嘘はいっていない。
そういう機関なのだから。
ただし。
この組織には唯一にして重大な問題点がある。
「方法は一切問われていないけれど」
つまり平和のためなら、戦争を起こしても構わない。
金十字の瞳はそう語っている。
■スピネル > こっちの世界のおおまかな状況はスラムの住人や引き連れている部下たちから聞いていた。
それでもこうして実際に名刺を受け取れば扱いに苦慮したり、そもそも知識面でも欠損がちらほら出てしまう。
「ほう、平和のためにか。」
笑みを湛える赤髪の少女を見やったまま、ふむふむと頷く少年。
こっちの世界は異変の後から荒れていると聞いていたことを思い出す。
「その口ぶりだと暴力的な手段も用いるようだが。
お主もそういった戦闘術の類を持ち合わせているわけか。」
金色の瞳を覗きつつ、首を傾ける少年。
早い段階で部下を下がらせた判断は正しかったことを再認識。
「こっちの世界でも結局のところ、力がモノを言うわけだな。面白い。」
■エインヘリヤル > 「そう、平和のために。
いいわよね平和、正義のお題目として、これ以上ない装置だわ」
あえて何とは言わない。
平和は良い、うっとりと、そう言っただけだ。
スラムや異界の住人であれば、意味は十二分にわかるだろうけれども。
「それに、こっちもなにも」
社会ではいつだってそう。
もっと言うのであればグループ生活上の必然。
「世界で力がモノを言わなかった時期があって?」
あとスイーツ。
いつだって、飴と鞭が両輪なのだから。
■スピネル > 「平和か……確かに大義名分としては申し分ないであろう。」
恍惚めいた表情を見せる割に、随分と剣呑なことだと少年は思った。
元居た世界でも平和は求められてきただけにわからないでもないが。
「となるとお主も行く行くは力でもって平和を築くつもりか。
差し当たってはこの島の中からと言うことかな?」
思っていたよりも物騒な空気が漂う中、店員が注文していたフレンチトーストを持ってくる。
少年は食べるように促しつつ、不敵な笑みを浮かべ。
「これが学園の生徒か。なかなかに勇ましいではないか。」
■エインヘリヤル > 「ふふ……ありがたくいただくわ?」
ストロベリー、ブルーベリー、ラズベリーが散りばめられ、生クリームの飾り付けられたフレンチトーストはまさに圧巻
そんな、大判プレートのフルサイズを目の前に、年頃の女の子のような顔を見せたりもする。
苛烈なところがあるかと思えば所々でこれ。
つまりは彼女にとって、こんなのは日常であるかとでも言うようだ。
「いえいえ、たしかにココからですが力でなんて。
可能な限り、穏便にご納得いただきたいだけですよ」
力は一つの手段に過ぎない。
むしろ粛清の力が必要だと言うのはあるが。
まあ、それでも可能な限りご納得頂きたく。
人はこうやって暴力的なスイーツには逆らえないのだから
■スピネル > 「美味そうだな。今度空腹の時に頼むとしよう。」
数種類のベリーや生クリームの載ったもはやケーキと遜色ない豪華なフレンチトーストは実に美味しそうで。
食べている相手の表情からも思わず生唾を飲みそうになってしまう。
「穏便にとは言うが、具体的にどう穏便に済ますつもりだ?
例えばこの島だが、交通機関とやらもまともに使えない連中がいるのだぞ。
そんな連中をお主の求める方向に向けさせようと思えば色々と金も手間もかかるのではないのか?」
スラムの中で住み始めたことで、島内に格差があることを理解してきた少年。
相手の言う穏便にとはどんな方法だろうか。
興味を持ったのでより掘り下げて聞くことに。
その間、腕を組んだりと普段の調子が段々と表に出てくる。
■エインヘリヤル > 「あら……興味がお有りです?」
フレンチトーストを切り分けつつ。
見た目の量の割に、スルッと入ってきてしまうのがフレンチトーストの特徴だ。
その辺、パンケーキよりも油断がならないとも言えるが。
幸いエインヘリヤルは体質的に太るタイプでもない。
そんな彼女が、生クリームやベリーとともにトーストを口に運ぶ様はなんとも言えないものがあるだろうか。
「ふふ……此処から先は、同じ皿のものを食べることになりますよ?」
つまり、聞きたいなら問答無用で協力しろ、ということだ。
フォークに刺した生クリームが乗ったストロベリーを差し出して。
聞きたいなら、あ~んしろ、と。
■スピネル > 「なにせこっちの世界では見る者全てが珍しいからな。」
顎に手をやり、尤もらしく言って見せるが。
実の所、うまそう~~っと心の中で涎を垂らしている少年がいた。
高貴なヴァンパイアである少年もいくら高カロリーな食べ物を食べた所で太るようなことは無い。
そもそも主食は血液なのだから。
そして、可愛い女性は何をしていても絵になる。そんなことを少年が思っていると…。
「なんだと!? 我にも食えと言うのか。」
一瞬たじろいでいるが、だからと言って拒むことは無い。
隣の席の部下たちの視線が気になりつつ、口を大きく開ける。
「あ~~~ん。」
白い歯が並ぶ中に大きい犬歯が二本並ぶ。
人によってはこれで少年が吸血鬼だと察しが付くかもしれない。
■エインヘリヤル > 「ええ、それはもちろん……これ以上かかわるなら、行儀悪くシェアするような悪友になっていただかないと」
半ば興味を見透かすようにからかうように。
そもそもココはカフェなのだ。
えぐい話をするなら、甘いほうがいい。
「ああ、食べてしまいましたね。これで同罪ですから話さないわけにも行きません」
満足そうに食べる様子を愉しそうに見守って。
「くすくす……それはそれは丁重に頼み込むに決まってるじゃないですk。
ええ、強制はしませんよ。自由意志ですから。
ただただ、誠意を尽くしてお願いするだけです」
にこやかな笑顔。
つまり、脅迫その他、手段は選ばないということだ。
それを本人が折れるまでやっても構わないと。
ひどい誠意もあったものだ
■スピネル > 「我を共犯者にしようと言うか。飛んだ恐ろしいレディだ。」
初めて遭遇する学生らしい学生は食わせ物と言うか、腹に二物くらい持っていそうな個性的な学生。
少年は目の前に3つの餌がちらつく。フレンチトーストと、正面に居る相手と、彼女が口にする話の中身である。
どれも捨てがたく、ガッツリと食らい込んでしまった。
「これはまた随分と美味ではないか。」
恐らく一人ではなく、可愛い女性と食べていることも美味しく感じる理由の一つであろうか。
少年は頬を動かしながら双眸を細め、甘い味をたっぷりと堪能していた。
「お願いをするのは良いと思うが、見返りはくれてやらんのか。
それこそお主が今我にしたように飴の一つも渡さんと誰も言うことを聞かんぞ。」
整った顔立ちの女性が見せる笑顔は可愛いが、言っていることは毒そのもの。
少年はさもあらんと納得したようだが。
<スピネル君! そろそろじかんっすよ!>
部下の一人が時計を指さす。 少年はこの場に予想以上に長居していたことに気付き。
「今日は楽しかったぞレディ。 また会う機会があればこの島の事をもっと教えてくれ。」
ナプキンで口元を拭ってから、恭しく会釈を。
少年は部下たちを引き連れ、ここでの支払いを終えてからスラム街へと戻っていった。
■エインヘリヤル > 「まあ、誠意ですからね。
誠意の形には色々あるだけですよ」
手段は問わない。
そのキレイで可愛らしい口からは、見た目以上にえげつない話があたりまえのように飛び出してくる。
使えるものは何でもやりそうなことくらいは見て取れる。
「それに首輪をくれてやるでしょう?
飼われる方にとっては、あれって結構ご褒美なんですよ?
だって、考えなくても餌をもらえるんですよ?」
人を人とも思っていない話だ。
いや思っているのかもしれないが、相当に相手を選んでいるか、心底どうでもいいと思っている、そういう感じで。
「言うことは、聞かせるのであって。
聞いてもらうものではないですから」
フレンチトーストに舌鼓を打つ姿とは思えないほど、物騒な話で。
それは日常で、ナチュラルで、ふつうのコトらしかった。
……そんな蜜の味は当然、スピネルの方にも分けられる。
「ええ、楽しかったですわ?
必要があれば是非連絡をお待ちしております」
にこやかに。
そして優雅で可憐で上品に別れを告げた。
ご案内:「カフェテラス「橘」」からスピネルさんが去りました。
ご案内:「カフェテラス「橘」」からエインヘリヤルさんが去りました。