2019/02/02 のログ
ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」に織機雪兎さんが現れました。
織機雪兎 > (試験期間中のファミリーレストランは学生がひしめきあっている。
 いやいつも割と学生がひしめき合ってはいるのだが、試験期間中は特にひしめき合っている。
 ひしひしめきめき合っていると言ったような――)

――いやそれは違うか。

(頭の中に浮かんだどうでもいいことをとりあえずぽいと脳内に追い出した。
 そんなことを考えている場合ではない。
 今考えなければならないのは、目の前の数学の問題の答えだ。)

僕は勉強なんてのはあまり得意じゃないんだけどなぁ。

(その言葉の通り、さっきからちいとも進んでいない。
 一応ペンを持ってはいるものの、ノートはさっぱりくっきり真っ白のまま。
 まずどこから手を付けていいのかわからない。
 春に入学してから授業はそれなりに聞いていたはずなのに、どうしてこうなったのか。)

――あぁ思い出した。
前期試験のときもそうだったな。
あっはっは、これは参った。

(ちなみに教えてくれるはずだった友人は彼氏と勉強するとかどうとか言ってドタキャンしていった。
 ファ〇キン。)

織機雪兎 >  
さて、どうしたものかな、これは。

(つまるところ、入学して約一年間ろくに勉強らしい勉強をしていない。
 となれば当然数学の問題が解けないのは当たり前だし、なんなら数学だけじゃなくて英語とか歴史とか国語とかその他諸々の必修科目も同じ有様だろう。
 本当にどうしたものか。)

こういう時、勉強を教えてくれる可愛い女の子の一人や二人いればありがたいのだけれどなぁ。

(周りを見渡してみても、都合よく一人黙々スラスラ問題を解いているような生徒は見当たらない。
 皆自分と同じようにうんうん唸っているか、友達とああでもないこうでもないと知恵を寄せ合っているかのどちらかだ。
 女の子は好きだが、数人纏まっているところに突撃出来るほどの胆力は持ち合わせていない。)

――うん、しかたない。

(しばらく考えてみて頷く。
 こういう時は――)

やあ、注文良いかな?

(近くを通りかかった女性店員に声をかける。
 腹が減っては何とやら、何か食べよう。
 ドリンクバーだけで居座っても店に迷惑だし、何よりわからない勉強を続けることほどの苦痛はないのだから。)

ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」に史乃上咬八さんが現れました。
史乃上咬八 > ――――店内に、やや慄きながら案内されてくる、一人の男子。
ギロリと目付きの悪い赤い眼が店内を見渡しているのに対し、おずおずと話しかけられた店員に。

「……適当な場所でいっスから」

……極めて努めただろう柔めの声。それでも見た目の威圧感に引き攣った笑顔で席を指してもらうと、
片袖を揺らしながら、席へと向かった。

肩掛けの鞄を席に降ろして座ったのは、ちょうど先客のいる席のすぐ傍の席。ほぼ背中合わせの場所に座ると、

「……カルボナーラ一つ、それからドリンクバーで」

注文を軽く済ませれば、ため息をつきながら、鞄から出したノートや筆記用具を広げていく。
彼もまた、この期間に勉強に悩む生徒の一人の雰囲気がある。ただし、幾らか焦りというより、義務的に行っているような、焦りなどの感じられない様子で、だ。

織機雪兎 >  
(注文した料理を待っていると新たに現れる客の姿。
 なんとはなしにそちらを見て、ぴゃいと固まる。
 不良さんだ。
 しかも隻腕。
 あんまりじろじろ見るのは失礼だろうと思いつつも、やはり目で追ってしまう。
 彼は座ったのは近い席だが、幸いにも背中合わせ、お互い視界に入ることはないだろうと安心していたら、)

――はえ?

(店員から掛けられる「ただいま混雑しておりまして、お隣の方との相席でよろしいですか」の声。
 えっ、もう満席なの?
 なんならお隣さんと自分とがそれぞれ別の客との相席にして出来ればこっちにはかわいこちゃんを――あっ四名様ですかそうですか。)

あっ、えっ、う、うん、ぼぼぼ僕は一向に構わないよ。
来るものは拒まず猿も木から落ちるさ。

(混乱のあまり変なことを言ってしまった。
 店員さんが後ろの席の不良さんに同じようなことを言っているのを背中越しにチラッチラ見る。)

史乃上咬八 > 「…………」

――先客が案内を受けている頃、恐らくこの店でも一番屈強そうな男性の店員が案内をしていた。
勇敢にもやや威圧的に案内をしているようだが、涼しい顔で睨み上げる青年にちょっとずつ気圧されてきていたようだが。

「……構いやしねッスけど」
軽めに努めたらしい声で返す様子に、恐らく内心で一気に息を着いたような様子で男性店員は去っていく。

……相席の相手らしいのは後方の人かと、その赤い眼が一瞥する。睨むようにも見えるだろうが、本人にきっとその気は欠片もないのだろう。

「……」

こっちだろうな。と、小さく手を上げた。

織機雪兎 >  
(目が合った。
 これは目を逸らしたら殺される。
 がくがくぶるぶるしながら必死に目を逸らせたい気持ちを押さえつけ、必死に視線を合わせ続けていたら、彼の片手がひょいとあがった。)

ひゃい!

(来い、と言うことだろうか。
 いやでもこっちはドリンクバーのグラスとか机一杯に広げていた勉強道具とか散らかしたおしぼりやらなんやらの残骸とかはい行きますこんな怖い人にお前がこっちにこいなんて言う勇気はありません。
 ちゃかちゃか手早く勉強道具を纏め、ついでにゴミもテーブルの端にまとめておいて、グラスとノート類筆記用具その他諸々鞄やらなんやらを持って後ろのテーブルへ。)

うえへ、おひゃ、おじゃましゅるよ……。

(噛みっ噛みである。
 腕章こそ付けていないものの、これでも一応風紀委員。
 不良にビビる風紀委員である。
 一応周りの女子生徒の目があるので、いつものクール目で胡散臭くキザったらしい笑みだけは辛うじて崩してはいないのだが。)

史乃上咬八 > 「……」

その怯えている様子に、わずかに眉間に皺が寄ったような気がした。
……随分と恐縮されている様子は割と分かりやすく認知したようで、席へとやってきた相手がくると。

テーブルの上に広げていた道具の一部を片腕で片付け、スペースを設ける。
ついでに、テーブル備え付けのお冷を、そちらが持ってきていたグラスに……

「……あァ、ドリンクバーッスか?」
注ぐか注ぐまいかの確認を取るように小さく首を傾ぐ。

「……あンまし、警戒しないでくれると助かるンスけど。端から見りゃ、脅しちまってるように見られるスから」

そう告げて周囲に遣った眼。視線から逃れるように、幾つかのテーブルから集中していた視線が、さぁっと逸れていった。
威圧感のある見た目に注目していた生徒は多いらしく、更には店員からも見られているようで。

「……もうちょい堂々としてたって、いっスよ」

織機雪兎 >  
んへぇ、あひ、そう、ドリンクバー、大丈夫。

(なんかカタコトの外国人みたいな受け答えになってしまった。
 ともあれ右手を上げて水は大丈夫と告げる。)

いっひ。
――んん、警戒、と言うか、うん。
なんだ、その。

(変な笑いみたいな声が出た。
 しかし彼の言う通りあまりビビり過ぎるのも失礼だろう。
 見た目は怖いけれど、そんなに怖い人でもないようだし。)

堂々?
僕はいつも堂々としているよ。
怖いと思えば堂々とビビるし、怖くないとわかれば堂々と落ち着く。
いや別にね、君のことを怖いと思ったわけではないよ。
僕はこれでも結構人見知りが激しくてね、緊張、そう緊張していただけなんだ。

(あんまり怖くないとわかればいつもの調子が出てくる。
 芝居がかったポーズとセリフ回しでべらべらまくしたてながらノートなどを広げる。
 テーブルの端にやり過ぎた教科書がばっさーとテーブルから落ちた。)

史乃上咬八 > 水はいらないッスか。と手を引いた。
……さっきから変な声が出ている様子に、難しい顔をした。

「……人見知り、スか」

――まぁ、仕方ない。という様子で、短い間を空け。

「……そういう事にしときやす」
肩を竦めながら、了解としたらしい。

そして、結構ド派手にテーブルの下に散らした教科書を見て、椅子から屈んで拾い上げていこうとする。
……右の袖の中は空。かがんだ時の服の皺でそれは伺える。

「……緊張してンなら、仕方ないッスね」
呆れたような声を、テーブルの下から響かせた。

織機雪兎 >  
あー。
拾ってくれるのは嬉しいのだけれどね、――名前を聞いていなかったな。

(拾おうとしたら先にテーブルの下に潜られた。
 その心遣いは素晴らしいものだと思うし、さっき心の中で不良さんと呼んでしまったことを心の中で謝罪しつつ。
 ついでに名前も知らなかったと今気付いた。)

正面にスカートを穿いた女の子が座っている状況で、ノータイムでテーブルの下にもぐるのは如何なものかと僕は思うよ?
――ああ店員さんご心配なく、彼は僕が落とした教科書を拾ってくれているだけで、決してそれを理由にどさくさ紛れで僕のスカートを覗こうとしているわけではないから。
それによって不幸な事故が起こってしまう可能性は低くはないけれど、彼はそんな姑息な真似をしてまで僕のスカートの中を覗こうなんてこれっぽっちも考えてはいないさ。
会ったばかりの関係だけれど、彼がそんないやらしい人間ではないことはちゃんとわかっているとも。

(落ちたのがテーブルの端の方とは言え、少し顔をこちらへ向ければスカートから延びている黒いタイツに包まれた自身の太ももが見えるだろう。
 位置的にパンツまでは見えていない、と思う。
 料理を運んできた店員さんがその光景を見て若干フリーズしているので、彼はそんなやましいことをしようと思ってしているわけではないよと言うことを誤解無きようちゃんと伝えておいた。)

史乃上咬八 > ―――テーブルの下から、突き上げるような衝撃音。テーブルの上のものが揺れて、その後。

「…………」

……拾い上げた教科書を無言でテーブルの上に置いてから、店員さんへと小さく会釈。
限りなく困惑と罪悪感と僅かな羞恥の伺える、威圧感が最大の顰めっ面で、気を紛らわすように空いた手がお冷を掴んで一気飲みした。

「……失礼、しやした」
テーブルに頭をぶつけんばかりの角度まで頭を下げてから、顔を上げる。


「……高等部三年、史乃上、ッス」

織機雪兎 >  
おっと。

(衝撃と音。
 グラス類が倒れないように咄嗟に押さえる。
 押さえられなかった。
 むしろ伸ばした手が触れて倒れた。
 水の入ったグラスが。
 倒れたグラスから零れた水は、無情にも彼のノート類だけを濡らしていく。)

――別にそういうつもりはなかったんだろう?

(見なかったことにした。
 特に気にしていないよ、と言うような表情で首を傾げて見せるが、そうこうしている間にも彼のノートはどんどこ濡れていくだろう。)

じゃあ君は先輩だね。
僕は織機雪兎、一年生だ。

(とりあえず自己紹介。
 さりげなく自分のノートを水から遠ざける。)

――おや、シノガミ――史乃上?
へぇ、君が。

史乃上咬八 > 「……無い、スけど、未遂では、ありやすから」

……ああ、ノートが台無しになった。動揺らしい動揺はさっきの方が上らしく、濡れていったノート類を持ち上げて、極めて冷静に備え付けの手拭きで水を拭っていく。
恐らくもうノートは乾かしても使えないだろうと、そちらも表面だけを拭うとどかしていった。
……大分悲惨なことが立て続けに起きている。眉間のシワが深くなっていた。


「……織機さン、スか」

……史乃上、という名前を繰り返す相手の様子に、首を反対に傾ぐ。

「…………何か」

織機雪兎 >  
気にしない気にしない、若いうちはそういうこともあるもんさ。
と言うか君の方が先輩だろう、敬語じゃなくてもいいんじゃないかな?

(テーブルの上にはノート類と教科書類――濡れているのといないのと――、あとグラスと筆記用具と料理がいくつか。
 ハンバーグとマルゲリータとカルボナーラ。
 その中からカルボナーラに手を伸ばし、取り皿に取ってこれでもかと粉チーズを振る。)

雪兎で良いよ。
ゆっきーでもいい。
むしろゆっきーの方が親しみを感じて僕は嬉しいかな。

(取り皿の上のカルボナーラが白くなった。
 それを頬張りつつピザを切り分ける。
 食べなよ、とそれを彼の方へ少し押しやって。)

いや、史乃上――えー、なんだっけな。
史乃上なんたら咬八くん、だったっけ。
色々聞いてるからさ、かみやんの事。