2019/08/17 のログ
■日下 葵 > 「だからと言って、変に意識して表情を作ったりするつもりは毛頭ないけどね。
ふむ、好感、か。表情が乏しくて不気味と言われることはあれど、
表情があって好感があるというのはあまり言われ慣れないね?」
ちょっと意外だというふうに反応して見せるが、その反応こそ"わざとらしくて"滑稽である。
これも一意に彼のことをからかっているだけなのだが。
「まぁ、苦しいことに趣があるかは置いておいて、
この時期にしか味わえない環境ととらえれば趣はあるかもしれないね。
昔からこの国の人間は季節感を楽しんでいたようだし」
半ば願望のような形で言葉をこぼす彼の様子は悪魔にしてはずいぶんと人間的だ。
「悪魔だと言うのに夜に外出するのは嫌いかな?
何なら空を飛ぶのは苦手かい?」
どうしてだろう。人間の私よりも彼の方がよほど人間らしいと感じるのは。
「別に、夜にしか外出しないわけじゃないよ?
正しく言うなら『この時期は暑いから、太陽の出ている日中は外に出たくない』かな。
昼間に講義があれば講義に出るし、見回りのシフトがあれば昼間だろうが寄るだろうが見回る」
残ったアイスコーヒーを飲み干して、汗をかいたコップをテーブルに置く。
「確かに、『目の前にいる男が実はインキュバスでした』
なんて言われれば、大抵の人は驚くかも知れないね。
もっとも、今の君を見ただけではそんな雰囲気は全然ないから私も安心しきっている部分はあるけれど」>
■鳩森 速都子 > うん、場合にもよるけど普段はそこまで無理に表情は作らなくていいと思う。
自然体で居る事が一番いいとボクは思うんだけど…普通そういう事は言わないよね、たまたまこういう話題になったから言ってるけど…直接相手に言う事ではなかったかなって今思ってる。
(少し意外そうに返す彼女の表情を見た時、男の方はと言えば改めて考えれば確かにそういう事は直接言わないよな、なんて思い返しながらも少し困ったように眉を下げただろう。
少しわざとらしく彼女が表情を出したのを見た時にはあくまで自然体で居て欲しいなんて言葉を返して。)
そうだね、本にはそう書いてあったからどうなんだろうって思ってたけど…何度迎えても慣れないからそういう意味で人間は強い種族なんだなって思うよ。
ボクが弱いだけかもしれないけど…
(季節感を楽しむという事に関しては男はこれまで成功した試しは無かった。否、楽しめているかもしれないが苦しみのほうが勝っていると言ったほうが正しいかもしれない。故に少し苦味を含んだ笑みをまた浮かべただろう。)
ううん、ボク自身は夜出歩くのは勿論平気だよ。空を飛ぶのは…長い間飛んでないけど。
人間は普通昼活動して夜は眠る種族でしょ?だから逆だとしんどくないのかなって思って。
(今思えば翼を広げて長らく飛んでない。ちゃんと飛べるのだろうかと背中の方を気にかけるように一度顔を向けるのだが、またすぐに一度彼女の方へと向き直った。カップの紅茶をまた口へ運ぶとゆっくりと飲み干して、テーブルへと置いた。
長い間人間と接してきたからかもしれないし、夢魔は人の好まれるような姿をしているという話の延長線上なのかもしれない。いずれにしても見た目も、そして性格も男は人間"らしい"と思われる存在ではあるのだろうと思う。)
そっか、それなら良かった。
見回りのシフト…って事は風紀委員って事?なのかな。だったら個人的には夜出歩く機会が多いという事もわかる気がする。
(見回りのシフト、という言葉に対しては妙に合点がいったような気がする。別にそれでなくとも夜にしか活動しない訳じゃない、という事に対しては安心したような表情を浮かべたりしていたのだが、そういう事も相まって夜に活動する事が多いのだろうと思うと自分の中では勝手にだがしっくりきたような気がした。)
そうなんだよね、やっぱりあんまり種族全体の印象が良くないのかな…って悩む事は無い訳じゃないし。
ボクが言うべきじゃないんだろうけど人は見かけによらないなんて言葉もあるし……ってボクは安心して欲しいのか心配して欲しいのか自分でもよくわからなくなってきた。
(自分で話しておきながらも自分から困惑するように首を傾げて悩むような声を漏らすだろう。)
(そんな会話を重ねて、からかってる事を言われたりした時には少し恥ずかしがったりもしたかもしれない。
いずれにしても男は暫くの会話の後立ち上がると"じゃあ、またお会いした時は宜しくお願いします。"なんて言葉を置くと精算を済ませ、灼熱の外へとまた歩いていく筈で。
暑い所に出た男はまた速攻で滝のように汗をかき、変わらない暑さに悪態の一つでも付きながらも無事帰路へ付くだろう。)
ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」から鳩森 速都子さんが去りました。