2020/08/26 のログ
ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」にサクヤさんが現れました。
■サクヤ > 今日の午前の仕事を終えて、お昼時の休憩時間。
夏の日差しにやられたので涼むために学生街のファミレスへ。
雰囲気はいつもいいし、一人でも気楽に入れるのがいいところ。
そんなわけで今ボックス席に腰掛けたサクヤの目の前には
何故か白桃のパフェが用意されていた。
「はぁあああああ……、これがこの間学生さんの間で噂だったスイーツ……」
白桃をまるごと使ったパフェにびっくりして、思わず端末で写真を撮った。
きれいに彩られたパフェグラスには色々な味わいが楽しめる層が作られている。
サクヤはパフェ初体験なので、どんな味がするか想像でしかわからないが
いざ細長いスプーンを使っててっぺんの桃から食べていく。
「……あ、あまいっ……!」
これは産業区でとれた桃を使っているのだろうか。とても甘く美味しい。
自然と笑顔になる。
ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」にキッドさんが現れました。
■キッド >
ファミレス「ニルヤカナヤ」
学生身分でも適当な学食で済ますよりも個人的にはファミレス派。
午前の授業を終えて、丁度昼休憩。
白い煙を吐きだしながら、さて何処の席へ行くかと思った矢先
目に入ったのは知り合いの姿。
丁度向こうはスイーツタイム、と言った所か。
ふ、と笑みを浮かべれば軽い足取りで近づいていく。
「よぉ、隣良いかい?相棒」
■サクヤ > ちょうど大口でパクパクと桃を頬張っているタイミングでキッドの姿に気づく。
あまりにはしたないので真っ赤になって口元を押さえた。
「んっ……!!!! ど、どうぞ……」
桃を飲み込んで、ようやくそれを伝えるとごまかすように笑う。
「こんにちは、キッドさん。……キッドさんもお昼休憩でしたか?」
ちょっと食べるスピードを落として、あまりはしたなくないように気をつけて食べる。
食べることはやめないらしい…。
■キッド >
「どうも」
キャップのツバに指を添え、ピッと空を切ってみせた。
所謂、"カッコつけ"という奴だ。
一応の会釈をすれば、隣の席へと腰を下ろし、サクヤの食べているそれを一瞥する。
「よっぽどうまかったみたいだな。ついてるぜ、ココ」
トントン、と自身の頬を軽く叩いてみせた。
大口開けて美味しそうに食べていたせいか
頬に桃の欠片がついている。
「ああ、こんにちは。昼休憩って奴だ。学生ってのも退屈でね
とりあえず、今日の授業が終わらないかって思ってる所さ」
■サクヤ > ピッとツバを直す仕草も様になっているので、おもわずかっこいいな、なんて思う。
が、桃のかけらが頬にくっついてることを指摘されれば
ハッとして慌てて頬を押さえた。
「?! っし、失礼しました……!」
めちゃくちゃ恥ずかしいので耳まで真っ赤にしながら、ナプキンで拭き取った。
よし、完璧。
改めて向き直ったキッドが学生らしい言葉を零すのを微笑んで聞く。
「まぁ、キッドさんは授業は退屈ですか?
知識と出会うのも一期一会ですから、せっかくの機会を大切にしませんと。
と、言ってもサクヤは学業の大変さをしらないので……
本当に退屈だったらどうしましょうね……? そういえば、キッドさん、お年はいくつですか?」
■キッド >
「いや、いいんじゃないか?可愛らしい、愛嬌ってくらいでね」
それだけ夢中になれるほどおいしいものという事もある。
恥ずかしそうに頬を紅潮させるサクヤを一瞥し、白い煙を吐きだした。
煙草を口から離し、テーブルに備え付けられた灰皿に灰を落とした。
「よほど、甘いものが好きみたいだな。……ん、ああ……」
煙草を咥えて、思い切り背もたれにもたれた。
「ふ、退屈だね。まぁ、知識自体は嫌いじゃないが
俺の"趣味"じゃねぇ。学ぶのが好きなら、いいんじゃないか?」
少なくとも"キッド"のキャラに授業は合わない。
それでも授業に出るには、一重に根っこの真面目さがうかがえる。
「16だよ。ああ、煙草<コイツ>かい?ちゃんと、許可をもらった特別性さ」
■サクヤ > 「い、いや?! いやいやいや、これは……粗相と言うかお見苦しいと言うか……
サクヤはかわいくはないですっ?!」
思わず否定。食事のマナーがよろしくないのは一般的にはずべきところだと学んでいるらしい。
こほん、と一呼吸落ち着けてから
「ええと……はい、パフェを食べたのは初めてでしたが
こんなに甘く、いろいろな感触や味わいが一つのお皿に盛られているのは初めて食べました」
なんて幸せそうに笑って答える。
一方で、背もたれにもたれかかるキッドの言葉には苦笑した。
「ふふ、まだ成人をされていないなら学ぶべきことはたくさんあるはずです。
もちろん知識も大切ですが、それ以上に常世学園があなたの学び舎になることに意味がありますから。
えーと、キッドさんは”おサボり”はされないんですか……?
資料によると過去、不良学生が校舎の屋上で時間を潰したりということもあるそうですが……」
それから、彼が灰皿に落とした灰をちらりと眺めて
「んん……サクヤは煙草の有害性についてみっちり教え込まれましたが
それは違うのですか? えーと……煙草に似せたお菓子?とか?」
■キッド >
「どうせ三ツ星レストランってワケじゃねェんだ。可愛げで済ませれる事だよ
その真面目さは嫌いじゃないがね、そう言う所が『可愛げ』っていうのさ」
真面目な所が愛嬌と可愛さ。マナーの悪さは確かにいただけないが
この程度可愛げで流す位が出来るものだ。お堅すぎるぜ、なんて付け加えて帽子を目深にかぶった。
「初めて、ね。アンタ、結構不自由だったりすんのかい?
それとも、まぁ……なんだ。いや、答えづらいならそれでいい」
初めて遭遇したとき、流れとは言え彼女の秘密(?)めいたものを聞いてしまった。
それを考慮すると、この辺りはおいそれと聞いてヘンに地雷を踏みかねないという躊躇い。
だから、適当の手をヒラヒラと振って文字通り"適当に"と示しておいた。
「よく言われるが、だからこそちゃんと授業にも出てるさ。
……まぁ、"学ぶ"事はここ最近多いがね。」
随分と多くの人間から学ぶことが多かった。
教師とよりは同じ学生からが多かったが
それも学び舎と言う意味では間違いではない。
そう語るキッドは何処となく、楽しそうだ。
「生憎、授業に関しては"真面目"なんだよ。
サボる理由もそこまでねェし、風紀で単位稼いでも
それで授業でなきゃ、学生やってる意味ねェだろ?」
言動とは裏腹に、真面目さが滲み出ている。
ふぅ、と静かに煙を吐きだせばふ、と鼻を鳴らした。
「薬。病気でね、コイツが無いとやってけないのさ」
■サクヤ > 「そ、それはそうですけど……。
うーん、キッドさんはどなたにもそんなことを言われるのですか?
可愛い、とうかつに言うのはお付き合いしている方だけにしたほうがいいと思われますっ」
皮肉げな態度で返すキッドに、なんとか反撃したい一心でそう言ってみる。
「いえ、不自由ではありませんが……
サクヤはここ数年で実社会に投入された個体なので、
何分こういった甘味の経験を味わったことがないのです。
もちろん所長や主治医から止められているわけではないので、
サクヤの不勉強、と言えばそうなのですが……」
ちょっと恥ずかしそうに、うつむいて告げる。
授業に関しては真面目な様子のキッドに安堵のため息を吐いてにっこり笑う。
「よかった、キッドさんは学生さんなのですから大いに学び、遊んでください。
キッドさんはどこか大人びて見えますから、ちょっと心配で……。
でもまだまだ”学ぶ”ことが多いと仰ってもらえれば学園としても役割をこなせているようで
きっと嬉しいと思います」
自分が歯車の一つとなっている常世学園のシステムに
キッドが順調に乗っているように見えたのなら頷いて笑う。
が、煙草の話に触れてしまったら、
相手のプライベートかつセンシティブな内容にあわわ、と慌ててしまって
「ご、ごめんなさい。そうだったんですね……。
ご病気だったとは知らず、申し訳ないです……。
あの、治療は常世島の技術でも、難しいのでしょうか……?」
■キッド >
「さぁね。少なくとも、俺にとっては何時だって言葉ってのは"特別"だよ。
ま、アンタが可愛らしいという事実を口にしただけさ。それとも、俺に酔ったかい?」
くつくつと喉を笑って言ってのけた。
サクヤの反撃を一蹴し、気取った一言が全てを返す。
ろくでなしのキッドとは、そう言うものだ。
気取ったアウトローヒーロー。悪びれたそぶりも見えない。
「"個体"ねぇ。成る程な、不勉強ってワケでもねェだろ?
人間で数年なら、それこそまだまだこれから。俺に言ったように
アンタも学びたい事学んでけばいいさ。ここは元々、そう言う場所だろう?」
キッドにとってはやや引っかかる物言いだが
クローンならそう言うものなだろうか。
些か納得はしがたいが、一旦それは置いといて
此処は常世学園。そう言う意味では、彼女も同じだ。
生徒ではないと言え、学園に受けいられている以上そこは変わりはしないだろう。
「大人びて見えるなら、俺的にはありがたい話だな。
だが、ちゃんと自分の身分は弁えてるよ、心配すんな」
少し前ならまだしも、今はちゃんと己の本分を弁えている。
咥えた煙草から、煙をゆったり吸い出した。
「……"精神病"。他愛ない、ダサい病にかかってんのが俺だ。
煙草<コイツ>で"夢"を見ておかねェと、ろくに動けねェんだ。
笑える話だろう?"大人びて見える"のは全部、煙草<コイツ>のおかげってワケさ」
■サクヤ > 「……ぐ、ぬぬぬ。言葉だけではどうやらキッドさんには勝てません!
ならばここは戦略的撤退ですっ、……えーーーーい!」
パフェの桃の一切れを無理くりキッドの口元前にフォークで持っていって押し込みたい。
つまり、『こっ恥ずかしいことを言う悪い子の口はこうだ』作戦である。
キッドが桃を咀嚼せずとも、一旦塞ぐことには成功したと思いたい。
「は、はい。幸いなことにサクヤが実社会の経験を詰んで
学習することは祭祀局としても喜ばしいこととされていますし
サクヤを運用する上で大事なこととされています。
ですから、サクヤもたくさん学んで行きたいのですが…何分情報が多くて……」
たはは、と自分の手の回らなさに頬をかいてみせる。
サクヤの勉強はまだまだこれから、というところなのだろう。
それから、キッドが病の正体を教えてくれれば神妙な顔つきでそれを聞く。
煙草は彼を”キッド”たらしめる大事な薬らしい。
「……、ダ、ダサくなんか、ないですっ!!」
急に大きな声で否定するようにそう言い放つ。
「キッドさんは、一生懸命病と戦って、そしてそれとお付き合いできるまでに成長していらっしゃいます。
きっと一朝一夕には解決できない病だと思いますが、でも
その病と向き合って、動こうと努力されているのは、全然っ、ダサくなんかないです!
……ぼくが見たキッドさんの大人びた姿は、きっと煙草のせいだけじゃ、ないですよ」
そう真正面から伝えると、端末から休憩時間の終わりを告げるアラームが鳴り響いた。
一旦それを止めて、残りのパフェを半分キッドの口に押し込むようにしてあげると
「大事なお話を聞かせてくださって、ありがとうございます。
キッドさんは、かっこいい、素敵な人ですよ! でも可愛いって言うのは恋人さんだけにしてくださいね。
お先に、失礼します。また、会いましょう」
そう言って彼が注文する分の余分な代金を支払って、名残惜しそうに振り向いて
手を振ってから店を出た。
■キッド >
そう、キッドが"キッド"たらしめる一つのアイテムがこの煙草。
夢を見ている。白い煙が見せてくれる夢だ。
此処でサクヤと一緒にいるのも夢なんだ。
煙を吸ってみる夢の中では、明日の不安さえもなくなる。
"少年"が夢見る、一時の現実<ユメ>なんだ。
今でこそ現実に目を向けようと努力はしようとも
未だ、夢から覚めることはない。
それが覚める時が、一筋の光が差す時だけだ。
「そう言うもんだ。この現実はめまぐるしいもングゥ!?」
煙草を口から離した途端ねじ込まれた桃。
うん、甘くてジューシー、良い桃を使っている。
だが、そう言う事じゃない。此れ明らかに誤魔化しでねじ込まれなかったか。
とりあえずもぐもぐと丁寧に桃をかみ砕いて呑み込んだ。美味い。
「…………」
"ダサくなんかない"。
確かに精一杯、向き合ってる。
だが、キッドの姿は人に褒められたものじゃないと、わかってる。
無慈悲な執行者。今でこそ、その引き金は重くなったが
"少年"が偽るには余りにも大きな……
けど、"そう言ってくれる"人がいるだけで、少しだけ心が軽くなった気がした。
「……まだまだ、捨てたもんじゃないな」
変わろうとしている最中、変わり始めているのが人の目にもそう見える。
一歩一歩、倒れないように進む。己の罪に押しつぶされない様に
人殺しの、犯罪者が日常を歩くには、そうするしかない。
……許されたわけではない。当然だ。それでも、確かに"意味"は出来ているらしい。
「悪いな、サクヤ。アンタに慰められングゥ!?」
また礼を言う前にねじ込められた。
丁寧に咀嚼しながら、去っていくサクヤを見送る事になるが、名残惜しそうに振り向いたとき
ニヤリ、と口元を笑みを浮かべて、ピッとキャップのツバを弾いてみせたのだった。
さて、自分は暫く食事を楽しんで、授業に戻るとしよう……。
ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」からサクヤさんが去りました。
ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」からキッドさんが去りました。