2020/08/31 のログ
ご案内:「織機雪兎の私室」に織機 雪兎さんが現れました。
■織機 雪兎 >
夏休み最終日。
織機雪兎は自室にて机に向かって座っていた。
目の前に広げられているのは夏休みの課題。
それも一つや二つではない。
数えるのも馬鹿らしいほどに――夏休みに出された課題の全てが手つかずの状態でそこにあった。
「さって、まずは――」
やる気満々と言った様子でそれに向かう。
ちなみに時刻は23時を回ったところ。
普通ならば終わるわけがない時間なのだが、なにか秘策があるのかスマホを取り出す。
■織機 雪兎 >
まずカメラを立ち上げ写真をパシャリ。
SNSアプリを立ち上げ、ぽちぽちと文章を打つ。
数分後、SNSのタイムライン上にはその写真と共にこのような投稿がされていただろう。
『おわんな だれか たすけ』
「あああああああああああおわりだああああああああああああああ」
登校を終えた瞬間叫びながら机に突っ伏す。
あと数時間でこの量の課題を終わらせることなど出来るわけがない。
秘策など何もなかった。
夏休み中ひたすら遊び惚けていた過去の自分を恨む。
自業自得である。
■織機 雪兎 >
ぴこん、とリプライの通知が届く。
スマホのSNSアプリの通知欄を開いてみる。
そこには、
『SNS閉じろ』
「わかってんだよおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
再び叫び突っ伏す。
そんなことしている間に時間は無常に過ぎていく。
しかしどう考えても無理無駄無謀なチャレンジに突入する気力は沸かない。
当たり前だ、どう考えたって終わりっこない量なのだから。
重ねて言うが自業自得である。
■織機 雪兎 >
そもそも風紀委員である自身はある程度の単位は保証されているはずだ。
特に夏休みは人員が少なくなるため、夏休みに島に残った風紀委員は課題を免除されている者が多い。
自身も特に帰ることなく割と真面目に風紀の仕事をこなしていたと言うのに、何故こんなことになっているのか。
「ああああ終わりだあああもう終わりだあああ」
泣きべそ掻きながらぐりぐりと頭を机にこすりつける。
その理由はただ一つ。
余りにやらかしが多いからである。
書いた始末書は恐らく風紀委員でトップクラス。
壊した備品、無くした装備も数知れず。
落第街の警邏に出れば不良に絡まれ、書類を書けば二回に一回はミスをする。
付いたあだ名が『風雲児』『風紀の最終手段』『無法少女』。
そんな輩にまともな単位が与えられるわけもなく、こうして多くの風紀委員が免除される夏休みの課題を溜めに溜め込んだ結果今に至ると言うわけだ。
何度でも言おう、自業自得である。
■織機 雪兎 >
「うぐぐぐ、とりあえず数学だけは何としても終わらせなきゃ……」
だって自身の担当の数学教師はとても怖い。
いつも眉間に皺を寄せているし、口調も乱暴で目つきも怖い。
そんなコワイ先生に課題出来てません!なんて言おうものなら絶対海に沈められる。
とりあえず数学の課題を手元に引き寄せ、手を付けるも。
「――わっかんねぇー――」
五分後、見事に撃沈。
そもそも普段からまともに勉強をしていないのだ。
授業を聞いてちゃんと勉強をしていれば解ける内容なのだが、逆に言えばそうしていないと屈指の難易度の問題ばかり。
教科書を広げてなんとか解法を求めるも、その程度で解ける甘いモノではない。
とにかくウンウン唸りながらどうにかこうにかやるだけやりましたと言える程度の状態に仕上げられたのが日付が変わった午前1時を回ったころ。
SNSに数学が終わったの旨の投稿をして、残る課題が英語と現代文と感想文と化学と物理と歴史と現代社会。
織機雪兎の明日はどっちだ。
ご案内:「織機雪兎の私室」から織機 雪兎さんが去りました。
ご案内:「常世寮/女子寮 ロビー」にリタ・ラルケさんが現れました。
■リタ・ラルケ > 暇である。
夏休みの課題は、夕方までになんとか終わらせた。
趣味の散歩――散歩というよりは放浪といった方が近いが――を終え、入浴も済ませ、パジャマにも着替えた。
つまり後は寝るだけなのだが――夏休み最終日の夜というシチュエーションがそうさせるのか、なんとなく寝る気分にはなれなかった。
とはいえ自分の部屋に戻るのもなんだか億劫で、ロビーのソファに体を埋めて。
誰もいないロビーの静寂に、一人耳を傾けていた。
つまり、暇なのである。
■リタ・ラルケ > 「ひーまー……」
と呟いたところで、状況が変わるわけでもなし。強いて言うなら静かなロビーに自分の声が反響するくらい。
ふよふよと視界の端にちらつく"精霊"たちの姿も、暇潰しにすらなりはしない。
「……ほんと、ひまだぁー……」
自分で言うのもなんだが――まあまあ人を寄せ付け難い性質であることは自負してはいるが。
それでも胸中に、一抹の不安と寂しさを覚えずにはいられない。
畢竟自分は、異能だとか体質だとかそういうものを差し引けば、単なる一人の少女に過ぎないのだから。