2020/06/20 のログ
ご案内:「浜辺」に暁 名無さんが現れました。
暁 名無 > 潮風と鴎の声が大変に心地良い──
所用で常世神社まで出向く用事があったので、そのまま海でも見に行くかと思い立った俺である。

「これで水着の可愛い子でも居りゃあ言う事なしなんだけどなぁ。」

生憎今はまだ海開き前。
遊泳不可という訳ではないが、まだまだ望み薄といったところだろう。
だから、まあ、今日のところは本当の本当に──邪念無しの“海が見たかった”である。うん。

暁 名無 > 「ホントもうねー、海とか何カ月ぶりに見たのかねえ。
 あいや、何度か校舎から見てるか。こんな間近で見たのは半年以上ぶりだけど。」

水平線を眺めながらひとりごちる。
海ってこんなデカかったんだなあ、とか頭の悪い感想しか出てこない。
まあ、それほど頭使わないでいる時間を無意識に求めてたって事なんだろうけど。

「……今度はもっと晴れて暑い日に来るか。」

果たして本当に来れるのか。そんな暇が出来るのか。
いつも通りに煙草を咥えながら、意味の無い自問自答を始める俺である。
結局頭使っちまうんだな。

暁 名無 > 「……とまあ、ぼんやり歩いて来た訳だけども。」

海原を眺めているうちにだんだんと何もかもがどうでもよくなって来ていた。
波の音に思考がさらわれる様な、不思議で、でもそこまで不快じゃない感覚。

「懐かしいな。
 昔はこうやって頭からっぽにして走ったもんだ」

随分と昔の様に思えるが、ほんの10数年前、『この島』ではほんの数年前のことだ。
あの頃と比べて、俺は少しは大人になれたんだろうかねえ。

暁 名無 > 「随分と遠くまで、来た気はするんだけどな。」

巡り巡って結局この島に戻って来ちまったけども。
俺と、今この時代を生きてる俺は、どれだけ違って来ただろう。
そんな事を考えながら、海沿いの道をぶらぶら歩く。散歩なんていつ以来だろうか。

「……お、バス停。
 流石にこの調子で歩くのは帰れなくなるな、乗って帰るか。」

幸いバスはすぐに来て、乗り込んだ俺は駅まで惰眠を貪った。
こうして気紛れ海沿い散歩は幕を下ろしたのだった。

ご案内:「浜辺」から暁 名無さんが去りました。