2020/07/14 のログ
エコー > 「うーんとー、うーんとー。
 ……嗚呼!じゃあ私と同じようなものなんだね! 私もここの常世ネットワークにぶわーってなって、がーってやってきたの!
 君は異邦人、つまり私と同じヒトってことね!
 うんうん、同士よ。いきなり知らない世界に放り出されて心細かったよね~」
 
 などと勝手に自己完結して、勝手に推論を終えて、勝手に幕引きをする。機械は案外自分勝手だった。

「っていうことは~キミも年相応の人じゃあないのかも! なんかここの場所にいっぱいいるニンゲンとは違う感じ? バイブス? そんな気がするし!
 こういう電球マークを知らないってことは~よっぽどここと解離した世界にいたってことなのかもだし、人間社会とはズレた価値観の持ち主なのかも!」
 
 遠回りながら当たらずも遠からずの回答にたどり着いたエコーは、PCのデスクトップのような背景を出現させ、ポップアップした電球を引っ掴んで遠くの方にあるゴミ箱のアイコンにブン投げた。

「私は電子生命体エコー。この程度の金券の発券機能だって私の承認があれば思うが儘なんだよ! 限度はあるけど!
 ううんううん、いいからとっといてよーツリはいらないぜ、ってね!
 あは~この台詞一度で良いから言ってみたかったの!
 ――まあそれはともかく私を助けてくれた恩人なんだから、私がその価値に見合う分だけ差し出すのは通りなんだから。
 キミは学園に入りたいじゃなくて図書館を指定したでしょ? キミはきっとこの土地の文化や歴史、在り方とか情勢が知りたいんでしょう? なら私はなるべく応援するのが教師の役目なんだから!」

スピネル > 「常世ネットワークとやらがよくわからんが、お主も外の世界からやってきたのか。
ここは随分と異邦人が多い様だが、一点誤りを訂正しておこう。
我は高貴なヴァンパイア、いきなり知らない世界に放り出された所で心細いなどはないぞ。」

ドローンを手に持ち、機械部分を覗きこんだりしながら凄んでいる少年。
普段の高笑いも影を潜め、いつも以上にヴァンパイアらしさが感じられない。

「バイブス? よく分からんが我は悠久の時を生きる存在だぞ。
おお、今度はゴミ箱が出てきたぞ。 この辺りはこちらの街と同じようだな。」

リアルのゴミ箱を模したデザインだと言うこともよく分からないまま、電球をゴミ箱に入れる姿に親しみをもってみたり。
ちなみにエコーのセリフは半分も理解できていなかった。
スピネルの産まれた世界はこちらで言う近世くらいの文明レベルの世界なので、まだまだ理解できない範囲が多い。

「ほほう、やはり学園の教師ともなれば色々と融通が利くようだな。
折角だし貰った金券で色々とこの世界の事を学ぶとしよう。

学園に入ることはやぶさかでもないのだが、今はもうスラム街で一勢力を率いる立場なのでな。
流石にそんな状態の我を受け入れたらお主らに迷惑がかかるだろう?」

動きも活発で、明るいエコーとの会話は非常に面白く。
こんな先生が相手ならさぞかし授業とやらも楽しいのだろうなと思う反面。
やはり部下たちを見捨てることもできず。
どうしたら良いかとエコーに相談してしまうのであった。

エコー > 「わおわお、ストイック~。
 キミは強い子だねぇ。私もその意志ってやつは見習わないとだね!」
 
 対して、己の機体を掴んでにらみを利かせる彼とは対照的に、口元を抑えながら軽口めいた陽気な声を発する。
 機械生命体は圧も何も感じない。ただ何となくの感情を読み取ることは出来るが、それが嘘偽りではないことだけは理解した。

「ヴァンパイアって言ってたもんね~やっぱりこの世に生まれて何十年とかそういう系? 私はまだ十八年しか稼働していないんだけど~、そうだったらめっちゃ年上だね、スピネルは!」

 体全体を使ってゴミ箱をスライドして消す。背景の画面はスマートフォンの画面のように、あるいは中世の演劇で幕を引いた後の背景のようにくるくると変わる。

「スラム~スラムかぁ。私あっちにはあまり近づかないんだけどねぇ。
 良識があるんだか無いんだかちょっ~と分からないけど、キミの根っこは悪い人じゃあなさそうだねぇ。私達を案じてくれるってことは、そういうことなんだろうし。
 え~もうYou入っちゃえYO.スラム活動しながらでもイケる気がするのにな~。
 っていうと他のセンセに怒られるからオフレコね、秘密秘密」

 両立も出来ないものか、あわよくばこちら側に引き込めないか。不良を指導するのも己ら教師の本懐であれば。電子妖精はきゃらきゃらと嗤い立てる。

「そうだねぇ、めーわくといえば本音はそうだけど。いっそのことみんなでこっちに来ればいいのに」

スピネル > 「フハハハハ! 
我は人間達よりも遥かに崇高な存在だからな。」

漸く機械眺めを中断し、いつもの高笑いを始めるスピネル。
ちょっと子ども扱いされている感は拭えないが、この辺りは少し慣れてきた所もあるので気にしない。

「我か…はっきりと覚えてはおらんが産まれてから100年は経過しているだろう。
ただ、半分近くが棺で寝たままだからな。
それに今の我は起き抜けでまだまだ本調子ではない。
ふむ、その景色はいいな。」

映像の景色が多少馴染みのある風景に切り替わっていくと、
少しずつ映像の世界の楽しみ方を理解していく。

「お主のような高額な機械は近づかん方が良いだろうな。
部品をばらして売り出す輩が出てくるだろう。

下々の者を案じてやるのは気高き存在として当たり前のことなのだぞ。
そもそも我はお主らの言う善悪とは価値観が違うだろう。

大丈夫か? 既に我は2グループを傘下に加えておるからな。
現状で20名以上は部下がいるぞ。
奴らも機会があればスラムなど抜け出したいと思っているだろうし、迎えてくれるのなら
喜んで入ってくるとは思うが。」

エコーのやる気に背を押され、スピネルは転入に対し前向きになってきている。
部下のチンピラ連中は大した異能も持っておらず、スラムに長い事居ても上がり目が無いことはよく分かっていた。
今日の一件で負傷した部下も居ることだし、学園の設備で治して貰えるのなら直してやりたい。

エコー > 「私も計算とかは人より強いから~、きっと私もスーコーな存在ってやつなんだ!
 人は大切だけど、長所はぐんと胸を張っているべきだもんね! 人より崇高、つまり偉い!
 キミは自分のコトを誇りをもっているんだね~。」
 
 この先生はほめて伸ばすタイプであった。これが正しいかは先生当人には分からぬ。

「え~本当(マジ)で~? 私ならあと三回は世代交代しなきゃやってられない~。
 私の稼働年数は30年しか保証されてないから~良いな~私あと半分も生きてられないのに~」
 
 ずっこいずっこい! やんややんやと腕を伸ばしながら文句を垂れる。ぷーたれた頬は栗鼠のように頬袋を作る。

「あ、やっぱり売る人いるのね。テンバイヤーとかカイタイヤーって奴ら! 私たちの敵! ヨージンしておかないと!
 あ~知ってる知ってる。のぶれすおぶりーじゅってやつ! へぇ~本当にそういう人いるんだ、感動~」
 
 御伽噺の住民を生で見た!そんな目の輝きを彼に向ける。

「あ、んっん~~20名か~、一学級に収めて特別クラスに宛がえばまあ行けるかな」

ぼそぼそ

「……んっとね~、まずワルいことをしないって約束してくれるなら全然良いんだけどね! 私達にもチツジョとか、ヘーオンとか、そういうのを守らなきゃいけない立場だから!
 すぐに入学ってわけにもいかないしぃ、セーイを見せる為にボランティアとかそういうのから初めて見る、とか?」

スピネル > 「崇高か。 お主ら電子の存在とやらが何なのかまだよく分かっておらんがそうなのだろう。」

途端に口数が少なくなってしまうスピネル。
素直に褒められることが最近無かったため、頬が熱くなっていた。
普段ならここで応答とばかりに高笑いの一つでも飛び出すのだが、最早相槌を打つ程度しか思考が回らない。

「稼働年数と言うのは、用を果たせなくなると言うことか?
それならその時は我が引き取ってやろう。
なに、動力源さえ確保すれば大丈夫なのだろう。」

元居た世界での魔導装置的な存在を思い浮かべ、膨れ面のエコーの頬を指先で増える様な仕草を見せる。

「むしろスラムの連中はそれをする以外に生きる術を持たない連中が多くてな。
我は昔からずっとこうしてきたぞ。今もこの生き方を変えるつもりはない。」

ノブレスオブリージュなどと言われ、またまた自尊心を擽られる。
エコーの前ではすっかり気分が良くなることを学習してしまった。

「なんとかなるのか?」

ドローンを両手で掴み、食い気味に画面をのぞき込む。

「それはあいつらにも約束させよう。
今日異能使いとやりあって思ったが、あいつらではスラムを生き抜くことは難しいだろうからな。
そちらの条件を飲むその代わりとして学生・教職員居住区の隅に居住スペースを設ける許可と
数名負傷した部下たちをそちらの設備で治療してやってくれんか。」

これで学園の監視下になるのかと少し残念な気持ちもあるが、面倒を見ることが難しい日中での安全が確保できると一安心だ。
あとはエコーが受け入れてくれるかどうかだが。

エコー > 「そうなのだよそうなのだよ!」

 特に意味はないが増長するところは生命と同じらしい。
 己が肯定し続けたからか、ここまで肯定されることが無かったからか。
 相手の顔がほんのりと熱を帯びる様子を、サーモグラフィーを携帯したドローン越しに訝し気に見ていた。
 ――何となく恥ずかしがっているような気がするが、いじくるのは良くない。
 
「そうそう、動けなくなるの。ご臨終、機能停止、ぶっ壊れてばっらばら!
 ん~そう簡単な問題でもなくてねぇ~。私この機械が本体じゃあなくて、これはただの端末っていうか~。私はその中の内部情報っていうか~。
 ガワ……そう、この外殻だけ直すのは~ゾンビとかキョンシーとか、そういうやつみたいなものになる? 自意識はとっちらけになっちゃうの!
 私だけど私じゃない~って伝わるかなあ」
 
 己は装置そのものでもなければツールの一つですらない。それらを超越したAI、近未来の世界の漂流物である。この世界のこの地だけでは技術を再現するのに数世紀は足りない。

「ふ~ん? やっぱりキミは偉い子だねぇ。ならその在り方をどーんと胸に刻んで励みたまえ!
 私はその気持ちを宿している限り応援するし! めいっぱい力になるよ!

 とと」

ぐい、と覗き込まれる。脱出しようにも下手にプロペラを動かせば怪我をさせてしまう。ぐっとこらえる。

「喧嘩したんだぁ。まあうちの学校そういうのよくあるからそこはスルーするけど。
 でもでも、そんな人たちを助けてあげるのが教師の務め! これは生徒じゃあできないし、即時対応も出来ないもんね。

 いいよ、約束してくれるなら私がみんな引き取ってあげる! キミの提示する許可の申請と、設備での治療を急務に。私が責任をもって預からせて貰うよ!」

スピネル > 「おお、そうなのか。」

電子的存在についてまだそれほど理解していない状態で凄まれると、流されるように受け入れてしまう。
ぼんやりとだが押しが強いのかな、と言った印象を抱いていく。

「全くよく分からんが我が適合する機械を保持しておけばいいわけでもないのか。
人間も儚いと思っていたが、更に儚いのが居るのだな。」

言葉は知らずとも、スタンドアローン的な運用で延命できないかと思っていたがそう単純なわけではないようだ。
眉の間に皺を刻み、分からないなりに理解していく。

「ああ、すまん。」

顔を近づけ過ぎたかと、相手の反応で気づくと両手を離した。
プロペラが損傷無ければ自力でホバリングすることも可能だろう。

「喧嘩と言うが、向こうからいきなり仕掛けてきたんだぞ。
相手は有名な人斬りのようだがな。腕利きだったからそのうち我が従えるつもりだ。
フハハハハ!」

両手を広げ、得意げに笑みを浮かべている。
この時のスピネルも本音であり、この瞬間だけは多少はヴァンパイアらしい表情を浮かべていたかもしれない。

「それは何よりだな。 早速部下たちに引っ越しの準備をするように伝えよう。
それはそうと、エコーは委員会には関わっておらんのか?
我の今後を考えると風紀委員とやらになるのが良いような気がするのだが。」

エコー > 「私達は人に作られた生命体でねぇ~人よりも頭は良いんだけど、人より長生きできないんだぁ。
 色々あって寿命が設定されたんだけどちょっと長くなるからおいといて――」

 箱を召喚し、右から左へとスライドするライン工めいたモーションをするSDエコーがアニメーション的動きでわちゃわちゃ動き回る。

「ううん、ちょっとびっくりしただけだから気にしないで!」

 そうしてようやっと手を離されると、ドローンは自律的に操縦を初めて、彼と目線を対等に合わせながら浮かび上がる。

「それじゃあ正当防衛! 怪我人が数名出たのはやりすぎな気もするけど!
 学園ではあんまりやんちゃはしすぎないように! 怖いお兄さんがやってくるんだから}

 とはいえこの機械に情況の口頭説明だけでああだこうだと言える立場でも無かった。
 故に厳重注意だけとする。びしっと白い指先が彼を指す。

「怪我してる人を優先的にね。すぐに治療室に運ぶからっ。
 文化祭とか文芸系の関係で式典委員会に臨時で顔を出すくらいだけど、そっちはそこまで明るくないんだぁ。
 でも風紀委員になりたいっていうなら私が紹介状を書いて上げる! それっぽく理由を書いて、私が判子を印字して、手続きを踏めばキミも晴れて風紀委員!
 なりたいことややりたいことがあるってすっごく素敵だと思うの! 私はそういう人を肯定してあげるからね!」

エコー > 「――ついでに、どうして風紀委員になりたいとか、なった方がいっかなーって思ったか聞かせて聞かせて!」
スピネル > 「ああ、なるほどな…。
我が居た所のゴーレムやホムンクルスに近い存在と言う事か。」

つまりは人間達が便利に暮らすために作られた存在なのだろうと理解する。
それなら逆にわざわざ寿命を設定する理由がわからない。
画面の中で動き回る姿を見ながら、首を傾げた。

「なんだ、学園の中では駄目なのか。
だが、スラムや落第街の中では良いのだろう?」

頬杖めいた仕草をしながらふむと頷き。
学園の外なら良いのだろうと逆読みしてみせる。

「すまんな、スラムではあまりちゃんとした治療を受けられんだろうからな。
人間の世界での式典は流石に我はよく分からんからな。

風紀になった方が良い理由か。
もともと我はこの島であぶれている連中を拾い上げてやろうと思っていてな。
となると、風紀に入るのが一番都合がいいだろう。
それに我には力があるからな。他の委員会に入るよりはしっくりくるのではないか?」

エコー > 「そうそれ! すっごくファンタジックな生き物! キミにとっての人工生物!」

それがいたんだったなあと、クイズ番組で回答を言えず悶えるようなリアクションを取っていた。
この機械生命体、ファンタジーに疎い。

「ダメダメ! 喧嘩はご法度! 本当は外でもやってほしくないけれども……」

 画面上では夕焼けの河原をバックにシャドウボクシングをしているエコーの姿が映し出される。

「堂々とこっそりなら喧嘩やってもいいだろう宣言をかますなんていい度胸!
 ……せめて先生の見えないところで、ね!」
 
口調とは裏腹に然程怒ってはいないし不機嫌な様相もなかった。
監督不行き届きで色々響きそうな気はする。するが自由意志は止められない。強制はどうにも憚られる。

「それ第二……じゃなくて、落ちた子とか、キミみたいな人だよね」

公的には存在しない侵入者、落第者、その他アウトローな存在。彼らを裁くではなく拾い上げると彼は言う。
さて、はてどうしたものか。それは肯定して良いのか。

「んぅぅ……結果的に更生する機会に繋がるし、良い、かなぁ」

妥協点を見つけるとしたらそんなところだった。エコーは教師なりに納得できる部分を結論として打ち立てたのだった。

「じゃあそういうコトで理詰めてそれっぽく申請してみるね! あとは君の編入手続きに、君の『お友達』への諸々の手当!
 学園の庇護下に入ったからにはちゃんと学校に来ること! 先生との約束だからね、スピネル君!」

スピネル > 「我の居た世界ではこちらではファンタジーになるのか。」

口にしたところで目の前の相手も異邦人だったことを思い出す。
そうか、そういう存在が居ない所から来たのだろうかと納得し。

「お主はどうか知らんが、外でもやらないのは無理だろう。
風紀の活動を聞けばどうみてもぶつかる機会が一度や二度は訪れるだろうし、
訓練室まで設けているのだろう。」

ボクシング中のエコーの動きをほうほうと眼に入れる。
スピネルの居た世界ではあまり見ることのない格闘技だけに少し興味があった。
しかし、何でも飛び出すんだなとレパートリーの豊富さに感心する。

咎めるでもなく、見えない所でと言われれば苦笑いを浮かべた。

「それこそが持つ者の役目だと思わんか?
裁いた所で奴らはすぐに元に戻るぞ。」

この問いにエコーがどう応えようと、スピネルはただ頷くだけだろう。
この辺の認識は学園に入ってからじっくり考える必要がある。

「色々と手を回して貰ってすまんな。
いづれこの分の礼はさせてもらうとしよう。
ではな。」

話しがまとまった所でスケルトンナイトに馬を走らせるように指示を出す。
後日、学生・教職員居住区の一画にスピネル一行が住む小屋が作られたとか。

ご案内:「浜辺」からスピネルさんが去りました。
エコー > 「キミから見たら私の技術は意味不明でしょ。それとおんなじやつ」

 住む世界が違えば技術体形も何もかもが異なる。
 彼の言うヴァンパイアも何となく理解はしているが、実在するものを目にするのは初めてなのだ。
 現実味がないその人と変わらぬ姿に、ついつい綻びそうになる。相手の価値観は人のそれとは異なるということに解離を抱くにしても、ほんのわずかな違和感でしかない。

「違くてぇ……とにかく私闘……あんまりよくない暴力は駄目だからね! 先生困るから!」

 己は元々暴力が得意ではないし、何よりこうして装置の中にいる生命だ。
 無縁というほうが正しかろう。こうしてなぜかボクシングの型を修める程度には知識として存在するわけだが。

「……何度だって説いてれば、いずれ分かってくれる筈だもん」

 己を作った人間は、己が悲嘆する程悪い筈ではないのだ。
 ほんのり渋い顔を見せたのもつかの間、彼女は目一杯の笑顔で手を振る。

「うん、また学校でね、スピネルくん!」

そうして彼女は学園の方面へと飛び去って行くのだった。
――そういえばあの馬車骸骨だったよね、という驚きのリアクションを取るのは、彼の編入手続きの事務仕事をしている最中の事であった。

ご案内:「浜辺」からエコーさんが去りました。