2022/08/02 のログ
ご案内:「浜辺」にレナードさんが現れました。
レナード > 「あぢーし………」

あおーい空、ひろーい海、ならば浸るはいい気分…な雰囲気になく。
波打ち際をお散歩中の少年は、照り付ける陽光にすっかり精気を奪われつつあった。

夏本番の常世島。
寒さに弱めなわりに、暑さに強いわけでもなく、そこそこ我儘な少年は、
年中空調の効いているだろう図書館辺りで大人しく籠っていればいいものを、
よせばいいのに季節柄の避暑を求めて潮風かおる海岸にやってきてしまったのだ。

「ここまで来たんだから、せめて雰囲気だけでもと思ったのが間違いだったし……」

泳ぐでもなく、釣りするでもなく、ただ涼しそうな雰囲気を感じるためにやってきたものだから、
ここで海に飛び込めれば多少強引に涼感を得られそうなものを、
そんな用意の一つもない少年は、ただ空しく波打ち際をざりざりと散歩するだけだった。

レナード > 「………」

茹だるような暑さは、時に人の理性を削るもの。
今すぐにこの酷暑から避難したいという欲求、もといある種の命の危機は、少年のお隣に視線を釘付けしてみせた。

「………泳ぐ準備、してないけど……
 いいんじゃないかな、我慢するより……」

ふら、ふら…
一歩、二歩、三歩、とても泳ぐに適しているといえない出で立ちのまま、少年は海に向かって歩いていく。
暑さも極まり、体力もがっつり搾られてのその後ろ姿は、入水自殺でもする直前の儚ささえ伺えようか。
尤も、本人は生きながらえるためになりふり構わず大自然の涼しさを求めただけなのだが。

「………ぁー、つめたいしー……」

足先から、膝の上まで、ざぶざぶと。

ご案内:「浜辺」に鳳 悠樹さんが現れました。
鳳 悠樹 >  
「あっつぃ無理……」

夏!ええ、この時期がやってきました。
学生らしく波打ち際でキャッキャうふふして追いかけつつつかまえてごらんなさーい!!
……と羽目を外しがちな生徒を死んだ魚の目で指導するお仕事の当番が回ってくる季節が!
そうじゃなくても綺麗どころが多いこの島で、その中でも美男美女率が高いのにもかかわらず
リア充率はおそらく島内の公認組織の中で最も低いであろう風紀委員が!
リア充を!!注意しに!制服で!なんて日だ!!!
アツアツなのは服装だけねって?喧しいわ!!!

「いぅてやる側ももう半分やっかみだとおもうんすよねぇ……」

とはいえね、お仕事ですよ。立派な。なので立派にお役目を果たしつつこの辺りまでやってきたわけです私は。
それはともかく海に視察に行くといえば面白がった先輩方から何故かうきわとサングラスとレイを賜ったのはいったいどういう事なのかと思うわけですよ。

「アッツ……浮き輪がかえって暑いもうこれ浮かんでていいっすか。良いっすよね。海がアタシを呼んでるっす」

丁度もう少し進めば人気も少ない地域。そうと決まれば全力疾走。
頭の中の天使と悪魔がそろってやっちまえよ白波に向かって全力Goだヒャッハー!と唆す声に気が付かないふりも限界って……

「……おんやぁ?」

何やら目的地周辺に人影がって……

「ちょ、ちょっとぉ!?」

なんか世をはかなんだ感じで入水していくその人影に向かってガンダを決心。
足元にまとわりつく波もなんのその。ほぼフルスロットルの大型二輪車並みの速度でその人物に向かって走り込み

「命大事に!!!!!!!」

何故かドロップキックを放った。

レナード > 大自然、サイコー。
ひざ下から広がる心地よさに、少年は浸っていた。

クソ暑い波打ち際なんて知ったことか。振り向くつもりもない。
自分の衣類が後日大変なことになるのを約束されようと、差し迫った命の危機に比べれば些末なもの。
するともっともっとと欲が出るもので、更に一歩、二歩。
幸いここはそれほど急に深くなることもないだろう。すっかり油断しきっていたところに…

「ほんときもちいーし……
 もう少し先にいってみようかnぁあぶああああああ!!!?」

お見事!正中線にクリーンヒットでございます。
まさかこんなところで爆走二輪車の如く突っ込んできた誰かに背中を蹴り飛ばされるなんて、誰が想像できようか。
まずは胸元から着水、勢いで両手が少し遅れる形で海面にたたきつけられる。
そのドロップキックの威力たるや、凄まじいまでの水しぶきが物語ってくれるだろう。

「……んがあああああ!!!
 なに!?なんなわけ!?僕を殺す気なわけ!!?」

少年、ざばっと海面から起き上がり、ぐるんと振り返って猛抗議。
傍から見れば自害まっしぐらだったなんて自覚もナシ。
命大事にしてないのはどちらか?議論の余地はあるだろう。

鳳 悠樹 >  
「なにしてんすか!なにしてんすか!
 あ、こちら風紀ですぅ!ちょっとお話伺ってもいいっすかねぇ!?」

反動そのまま華麗にムーンサルトを決めて着地。十点。
そのまま何となく腰にはめていた浮き輪を輪投げの横領でシュート。
いぇぃヒューマン輪投げ。貴方の未練繋ぎとめちゃうぞ☆彡
駄目だ、本格的に暑さに頭をやられているかもしれません姉様。
ってここそんな深くないっすね。凄い水しぶき立ったので一瞬深いかもって思いましたけど!
こちらに向かって何やら抗議しようと向き直った青年のお腹に向かって再度ダイブ。とりあえず跨る様に乗っかって犯人確保っす。

「良いっすか!?確かにそろそろお盆っすけどまかり間違ってもそっちに行く時期じゃないっすよ!?
 むしろご先祖様をお迎えしてあげる季節にそんな海に帰ろうなんてご先祖さんが可哀そうだとおもわないんすかー!
 残念だったな俺が末代だったよ!って笑い話限定っすよ!?」

そして何より大事なことが一つ。
そう、言ってやらねばならまい。命を粗末にするやつにはこうだ!

「あついんすよ!パトロールするのだって!!!!(生きてるだけで偉いんすからとりあえず思いとどまって!)」

……おっと。

レナード > 「なにしてんすかはこっちのセリフで……
 って、な、な、なあああああ!?」

せっかくいい気持に浸っていたところに文字通り水を差された少年、
ぶーたれていたところを輪投げの要領で投げられた浮き輪でばっちり両手を封じられる。
振返ってからの見事なその手腕に、少年はまったく反応できない。
海に生えたただの案山子か木偶の坊のそれである。

「おめー、おめーっ!!なにして―――ゎぷぁあああ!?
 おぼ、おぼれ、っ!!」

今度は捕縛されたことにされたことに文句をつけようとしたら、お腹に向かってダイブされ、逃げられようわけもなく。
こちらはそのまま仰向けに、その状態で跨られると、顔の位置が海抜0mを下回りそうに。
流石に命の危機を直近に感じてわたわたと、何とか頭を上げて溺死のオチは免れよう。

「…お、おめー!!!ほんっとなんなわけ!?
 僕はこのクソ暑さで死ぬかと思ったから海に来ただけだし!!
 ついつい我慢できなくなって海に入ってきもちよくなってたらこれだし!!!
 ちょっと間違ったら僕が死んでたしー!!!」

ふかーっとよく吠える少年である。きゃんきゃんよく鳴く小型犬のそれだろう。
尤も自分がお盆に乗じてそちらに行こうとしてたように見えてたわけなので、その認識に誤りはないだろう。
ただ本人にその自覚がないので質が悪い。

「………ていうかおめー、今本音っぽいことを言った気がしたし。」

納得いかないものの説得されてたこと自体はちゃんと聞き届けていたけれど、すると同じ悩みをぶちまけたものだから。
思わずよく吠えてたお口もクールダウン。体も海に程よく浸かってひえひえな状態だ。

「……で、ちらって言ってたけど、風紀委員なわけ……?
 ほんと、こんなクソ暑い日にごくろーなこったし……」