2022/08/03 のログ
鳳 悠樹 >  
「あ、ちなみに生活安全課っす。名刺はないっす。忘れた」

とりあえず無事お腹辺りに座り込んで犯人確保し一息付けそうなのでちゃんと自己紹介(未遂)。
なんか予定してたんと違うくらい綺麗にすっぽり嵌ったのと足元砂なので思ってたより顔の位置が低くなってしまったせいで
腹筋状態を強いるみたいになりましたがけれど命が助かるなら安い安い。
先輩に押し付けられた星型サングラスをグイッともちあげながらそのまま勢いに任せて言葉を連ねる。

「ってめっちゃ元気じゃないっすか。
 その元気があるなら別にそんな世間を儚むような事しなくて、も……。」

おんやぁ?今この人滅茶苦茶重要な事言いませんでしたっけ?
そう、思い出してみよう、記憶を巻き戻し巻き戻し。
……ちょっと海で気持ち良くなってた?

「oh……。」

前のめりにかけていた体重を思わずのけ反る様にしながら口元を覆う。
あらやだぁあたくしもしかして勘違いだったのではなくって?と脳内お嬢様が高笑いしながら通り過ぎていきました。
こういう場面はえーっと、

「どしたん、話きこか?」

どうしたんは私だよ。なんか怪しい勧誘みたいな言葉出てきた。

レナード > 「……………」

なんだろう、この妙な空気は。
自分何か言っちゃいました?とばかり、普段少年は自分の言葉を振り返ったりしないのにこの時ばかりは軽い口を反省した。
多分、勢いに任せて何か言っちゃったんだろう。この流れはそんな雰囲気だ。

「えー………っと…………」

未だ自分のおなかの上に座り込まれ、気を抜いて頭を下げたら水死待ったなしな状況なのはいったん置いておき、
この妙なすれ違いをまずは正していくことから始めよう。

「きょう、あつい。かいがん、さんぽ。
 みずぎ、ない。そのまま、すいえい。」

センテンスを作ると余計な誤解を招きそうだ。
だからか単語だけで表現しようと試みた。島外から来た人かな?
カタコトじゃなかったのが幸いだが、それだけに捉え方によっては相手に対する侮辱である。

鳳 悠樹 >  
「おーけーおーけ。みずぎ、近く、売ってる、アルネ!
 ってさっきまでめっちゃ喋ってたじゃないっすかぁ君ぃ!?!?」

とりあえずノリはします。しますとも。
でもさっき怒れるチワワもかくやの勢いでしゃべってたんだわ!?
まぁ全身びしょぬれで頭はちょっとだけ冷えた。
なので少し状況を整理しよう。
とりあえず青年Aは腹筋が虐められている。
お互いに全身びしょぬれ。制服張り付いてちょい気持ち悪い。
なんならもう乾きつつあるし日に当たってる肌の部分がヒリヒリすらする気がする。
つまり何が言いたいかというとあかん、このままここに居たら死ぬ。

「死ぬつもりはなかったと。
 OKOK,理解しましたとも。
 それはともかくちょっと続きは落ち着く場所で聞かせてもおうかなって」

この暴力的な日差しを何とかするのが目下の急務。
とりあえず任意同行(日陰に避難)せねば。

レナード > 「……それには同意するんだけど、さ。
 えーっと………」

さて、ようやく周囲の状況が見えてきたところだ。
浮き輪で両手を封じられ、仰向けに倒されてはそのおなかの上に女の子の構図。
周囲の目線があろうものならそれはそれはスキャンダラスなわけで。
それも風紀委員の腕章をつけた女子が主導と思われる状況、これはまあよろしくないと。
さっきまでキャンキャン吠えてた小動物でも、一介の雄として感じるものがないわけではないが、
ここはひとつ、恥を忍んで示すしかない。僕の上からどいてほしいと。

「えーっと、……ん-っと、その………あー……」

言いたくても言えない。
年頃の男の子にはハードルの高い要求である。
お互い、落ち着く場所で話をという共通の目標は持ててるはずなのに、今の状況を理解するというその最初の一歩が踏めない。
なんと言葉を選べば、より穏便に、より安全に、その目標に踏み込めようかと考えて…

「……お、おさきに、どうぞ?」

おめーが退いてくれなきゃ退けねーんだし。と、言いたいところが結局このザマに落ち着いた。
合わせて自分のおなかの辺りに必死に目線を配り、先に退いてくれなきゃ自分が立ち上がれないことを示唆しようとしている。

鳳 悠樹 >  
「いや、一応いっとくっすけどね?
 水着以外で海に入るのは良くないっすよ?
 色々ずれたり迷子になったりして大変な目にあう確率上がるんすから。
 気持ちは超わかるっすけど運動も含めでしっかり準備をしてっすね?」

数秒前の自分は棚上げしながら一応伝えておく。
紛らわしくなくても実際そういった生徒の保護とかもお仕事の内なのです。
この前だってそれで大変だったんだとそのままの姿勢で抗議する。

「この前保護した学生も、制服で海にダイブしちゃってそりゃーもう破廉恥な事になって
 帰るの大変そうだったんすから。まーじで張り付いたり透けたりして色々大変って……」

あれ?今まさに肌面積多めやないかい私ぃ。
おーまいが……

「アッお先、お先……
 ッスー……ア、ハイ、ドモ……」

努めて穏便にゆっくりと何も気が付いてませんよーと装いつつ退ける。
大丈夫アタシは演技は女優。風紀の湧きあがる威厳っぷりといえばハリ○ッド総なめですよ。

レナード > 「……………」

いたたまれない。
いやまあ、そうなることを覚悟はしていたわけだが。
お口をもにょもにょさせているが、ひとまずこの体勢から脱却することが先決だ。
ようやっと水死一歩手前から解放される。明日は首の筋肉痛待ったなしだろう。

「…え、えーっとぉ……まあ、その、暑くて、つい……
 そ、そっちもそっちで…苦労してたんだ……?」

水着以外で海に入るとかいう緊急手段に出たのも、すべては暑さが悪いのだ。
お陰で物理的には半ば強引にひえひえになったけれど、色んな危険が危なくてそちらに視線を合わせられない。
一般男子学生の制服の透け具合などたかが知れてるかもしれないが、こと女子の制服、
それもアレンジを入れてようものなら察するに余りある。

「……と、とりあえず………
 心配してくれたことは、感謝して、やる、し……」

二本の足で立ち上がり、浮き輪を脱ぐ。ようやく腕が自由になった。
着てた制服は色んな意味で目も当てられないが、当然の結果ともいえよう。

「それで、ここでたむろはよくない、んだっけ……?」

それはそれとして、話をするにもここでは紫外線をモロに浴び続けてよろしくない。
あなたのいう落ち着く場所への移動を促そう。

鳳 悠樹 >  
「…そ、そーっすね。あー……。とりあえず木陰に避難っすね!
 防風林くらいまで行けばなんか乾かしたりできるかもしんないっすし。」

欲を言えば真水が出る水道か水系能力者でもいないかな。
最悪海の家でホースを借りようそうしよう。
帰りの電車に乗れるかが分水嶺になる……はず。
この青年Aは家近いんすかね……そうじゃなかったらちょっと億劫。
まぁ近くの詰め所まで連れていけばいいんすけどね。
改めて相手の格好を観察する。

「それにしても何でそんな防御力マイナスな格好してこんなとこ来ちゃったんすか……
 厚手の生地じゃないすか制服って」

普通の制服(男子の制服ってこの時期暑くないんすかね?)でゴーグルをしているだけ。
危険物とか密漁しそうなものも持ってない。
対してこっちはパリピセットに若干暑いので短めにカスタムした制服なわけで。裾なんか括っちゃったり。
何なら腕章してなかったらこっちの方が補導対象まである。

「ゴーグルをしてるのは良いっすね、うん。
 練炭とかあったらなお良しかもしんないっす。」
 
とれたてぴちぴち海産物パーティーなら何とか言い逃れできそうな格好。
潮干狩り的な。濡れない範囲で。良識の範疇で。じゅるり。

レナード > 木陰。
無難なところだ、実にいい。
反論するなんてとんでもない、こくこくと首を縦に振っておく。
いよいよ言葉も放棄した気がした。ボディランゲージは共通言語です。
さて、ここで自分に対してファッションチェックが入った。

「…まあ、ここで一番着慣れてるというか。
 肌を出したくないってのはあったけど…
 ていうか、ゴーグルと練炭の組み合わせってなんなわけ。
 海の幸を獲ってバーベキューとかその類じゃん。」

海、ゴーグル、練炭。
連想される構図が雑な割に解像度高いのは共通認識なのだろうか。
お腹でもすいてるのかな、とか思いながらも。

「このゴーグルは好きでつけてんじゃないし。ごついし。
 ついでに水泳用でもねーし。」

らしい。
普通の制服に対して浮いたゴーグルをつける理由はお洒落目的でも、
海へ浸かることに対してのせめてもの抵抗というわけでもないとのこと。
肌面積多めにチューンナップした、それこそ元気溌剌活発娘ないでたちの彼女のセンスと比べると月とスッポンである。

「僕の異能…というか、それに近いのを封じてるんだし。」

異能、とは言い切らない。体質とか、その類のもの。
目的を問われてもいいように、自分から話すことにしたようだった。

鳳 悠樹 >  
「海辺の木陰って虫も多いんすけどね……。
 ま、行くっす。生徒手帳とか無事っすか?落としてない?」

なんて言いながらスカートとシャツの裾を申し訳程度絞り木陰に向かって歩き出す。
流石に乙女の柔肌にこれ以上の日光はやばい。一部効かない人が多いから無頓着になりがちだけどやばい。
変な形の日焼け跡が付いたらまたあだ名が増える。

「バーベキュー最高じゃないっすかぁ
 海といえば!肉!野菜!海の幸!っすよ!」

やたら解像度の高い認識共有が初めて成った気がする。
やっぱり言語って大事すねー。うん。
なんかお腹空いてきた……。

「あー、そういう事っすね。
 だいじょぶっすよ。そういうのは全然問題ないっす。
 むしろ対策してる分偉いんじゃないっすか?」

それにしても男子の制服生地厚くないっすか……とは思う。
黒いし。私だったら秒で蒸す。蒸すのは魚介だけでお願いします。

「夏っすから大体セーフ!」

謎の確信をしつつサムズアップしてみたり。

レナード > 「そこは心配いらねーし。
 信用できる場所に置いてきてるし。」

家とか寮とかそういう言葉じゃない場所が出てきた。
個人情報はそこそこ強固に保護してきたりしたのだろう。

「バーベキューかあ。たまには景気よくおなか一杯になりたいもんだし。
 あんまりそういうのとは縁がなかったからなあ。
 普段から個人プレーが多いわけだし…」

個人プレーが多いと言い換えたが、要するに独りであることが多いのである。
賑やかなところが苦手なわけでもなさそうだが、単純にお腹がすいて羨んでいるだけかもしれない。
さて木陰に移るその道中、自分はともかく肌面積の広い彼女に直射日光は大敵だろう。
乾いていく湿り気がなんとなく恋しいが、今はこちらの縁の方が大切だ。人とのつながりはあって損はないのだから。

「なにが大体セーフなんだし。
 僕がこれをちょっと外してそっちを見るだけで、おめーの姿なんて丸裸に映るんだからアウトもアウト、
 おまけにもひとつアウトで一発チェンジだし。」

そう。封じているという彼の体質とは、透視能力である。
衣服の下どころか筋肉骨格内臓とかさっき食べたものとかそれが消化される様とかも見えちゃうZ指定モノのそれである。
軽口叩く調子でそんな自分の秘密をぽろっと喋っちゃう辺り、色々と疲れているのだろう。
さっきまでのやり取りの密度が濃かったのかもしれない。

「…………や、やらねーし?
 というか、今うっかり喋っちゃったけど、言わない方がよかった気がするし。」

念のため、念のために進言しておく。
よく考えたら相手は風紀委員。そんな相手に堂々と覗きなんて度胸があるどころか無謀のそれだ。
そんなマヌケな真似はしない、と。

鳳 悠樹 >  
「ならよかったっす。
 生徒手帳は本気で無くすと手続き面倒っすからねー。
 無くしたらすぐ生活安全課に駆け込んで欲しいっすよ。
 最悪それあったら数回はお腹いっぱいになれるっすからねー」

歩くついでに肌についた砂も払う。口の中もじゃりじゃりする。ぺっぺ。
食べるのは美味しいものだけにしたい。砂っぽい模様のお魚とか。
それこそ大勢で焼きそばとか食べたいなぁ。

「……うん、うん、判るっすよ?
 青少年はだれしもそんな夢を見るっす。
 透明眼鏡とかね?そんな感じで。
 それ自体は責めないっすよ、うん」

そう、溢れ出る情熱は止まらない止められない。夏だし余計にね?
その事を私は良ーく理解しているのです。
それに見られたところで減るもんじゃなし。別に先輩方みたいにモデルみたいな体型してるわけでもねーですし?
だからそんな事に動じることもなく包容力と許容に満ちた発言をですね?

「実際にしたら両目にフナムシ突っ込むすっからね」

今世紀最大の断固とした宣言が出来た気がする。
風紀委員とかそれ以前に、女の子として。

レナード > 「公的な身分証みたいなもんだって聞いてるから、
 必要なときくらいに持ち出すくらいの構えでいるし。
 …今聞いたところでほんっとめんどくさそうだから」

生徒手帳。常世島での実質身分証めいたもの。
これのあるなしを巡って場所によっては刃傷沙汰も起こるシロモノだ。
基本的人権を保障されるようなもので、そう迂闊に見せびらかして出歩くようなものでもない。
こんなのなくした日にはムラハチ同然の扱いもやむなしなので、その取扱いは本当に注意したいところだろう。
少年はちょっとげんなり。なくした覚えはないが、そういう人々を見たことがあるので。

「……今の発言はマジのマジって感じの気迫めいたものを感じたし」

両目にフナムシ。
節足動物特有のシャカシャカ走りで悪いおめめはズタズタな構図だろう。
どことなくそんなイメージを催してしまって、ぶるりと震えた。風邪ひいたわけでもないのに悪寒がするとは。
海に入って身体が予想以上に冷えたからとかではないはずだ。たぶん。

「さ、流石に僕だって女の子の身体を覗き見るようなカスに堕ちる気はねーし!
 もっとこう、もっと…有用な使い方をするし!今はちょっと、制御が効かないからこうせざるを得ないけど……」

なんと、気になる異性の身体を覗き見るよりも有用な使い方をするという。
聞きようによってはドリルで墓穴を掘ってる構図だが、さてはて。

鳳 悠樹 >  
「一週間くらいまともに島内で生活できないと思えば大事にするっすよね。
 ……言うて一番多いインシデントっすよ紛失。事務の姐さん達しょっちゅうそれで殺気立ってるから
 それに無くしましたって言いに行くのもほんっと……。」

なお私は既に四回紛失済みです。いい子はまねしちゃだめだぞ。ラヴィ!
実際にそれするかといわれると実はフナムシ苦手なので出来ませんけどね。
あいつ衛生害虫みたいで見た目が無理。ってそんなこと考えてると頭の中でうぞうぞしてきました。まじむり
そんな事よりこの後を考えましょうそうしましょう。
生徒認証用の端末は……良かった流れてない。びしょぬれですけど防水し様!すばら!

「っと端末はあるっすね。良かった。
 涼しいとこ付いたらいちおう確認させてくださいねー。
 すみませんねぇ、おしごとなんでへっへっへ。」

などと!いいながら!木陰に辿り着いたというのに!!!

「あー、あつーぃ。
 日陰なのに暑い―!おかしいっすよこんなの!
 風紀委員だって遊びたい―!やだやだやだー
 鉄板焼きそばパーティとかしーたーぃー!」

思わず突っ伏して地面に抗議の床どんですよええ。
恥を知る人たちなら恥ずかしさのあまりセプクしそうになるかもしれないですが暑すぎるのが全部悪い。
暑いと蜂だって狂暴になるんすから人間だってとち狂いますよ。

「つまり無差別で裸鑑賞会じゃないですかやだー!
 ……なんならその能力で不純異性交遊してる学生見つけてくんないっすか。
 もう全員指導してやりたい。全員。しっかりと。島中の」

憎い……私怨と言われようが今キャッキャうふふしているすべてが憎い……!

レナード > 「……こっわ……」

ただでさえなくすとヤバイシロモノなのは理解してるのに、
そんなのが日常茶飯事なインシデントだなんて、身近過ぎて意識が回らないのだろうか。
なお傍の彼女が紛失常習者であることを知る由はない。
ついでに両目にフナムシも。割と少年にはよく効くハッタリにはなったろうけれども。

「ん。まあ、それはしょうがねーし。
 世話になったんだからここはすんなり応えてやるし。
 なんなら後日も可。ぼくうそつかないし」

信頼できる場所にあると言えど、そのまま連れ込む構図は大変によろしくない。普段から持ち歩けと言う話でもあるが。
それに今日は暑いから、できれば涼しいところで確認してほしいところでもある。たぶんこっちが本音。
さて、目的の涼しい木陰についたわけだが…

「風が生ぬるいしー……
 熱気がむわっとするしー……
 こんなのぜったいおかしいしー……」

隣で愚痴を吐き続ける機械、その2。
全ては暑さが悪いのだ。暑さのせいにしてしまえばすべてが解決する。
傍の彼女のように激情を態度で表したりしないが、こっちは色んなものを諦めたような儚ささえ覚える程のだらけ具合だ。

「あーあーそーだし。
 今だと誰それ構わず見えちゃうからこれでガードなんだし。これそういう特別性だし。
 ていうか、物陰に隠れてる相手とかも当然見えるから、そーいうのはばっちりわかるし。
 いいなーそれ、こんなあついのにいちゃついてる連中を片っ端からしょっぴいて貰えるとか。
 はー、リア充爆発しろしー………」

にくにくしい。こんな茹だる暑さの日にもきゃっきゃうふふしてるすべてがにくにくしい。

鳳 悠樹 >  
「おかしーよー。
 そろそろもうやばい暑さの時間っすよ?
 惑星温暖化を生み出した人類に災い在れぇ……
 もしくは巡回する生徒に氷系能力者か魔術師の動向を義務づけて……」

生徒が熱中症になるのを防ぐ前に私が死ぬわ!
暑さで死ぬわ!ついでに憎しみで怨霊になるわ!!
どうにか、どうにかこの境遇をクリアする方法はない物でしょうか!!!
教えてくれ風紀委員、灼熱に蒸された脳髄は何も答えてくれな……。

「閃いたっす。
 そして決めたっす。」

頽れていた体を起こし、ぐっと両手を握ると同時に青年の方をぎゅんッと見る。
そう、こんなに暑くて夏を謳歌できないなら
暑くないところで夏を謳歌すればいいのではないでしょうか。
以上、Q.E.D

「焼肉に!!!行くっす!!!
 ちょうど行きつけのお店が近くにあるんすよ。
 そこで夏を謳歌するっす!!!」

そうと決まればこんな殺人的な暑さの所になんかいられるか!
私は焼き肉屋に帰るぞ!!!

「涼しいお店の中で!!!肉食べて!!!
 アイスも食べて!!!夏を謳歌っす!!!!」

有無を言わさず手を掴んで小走りで走り出す。

レナード > 「酷暑とかいうレベルじゃねーし。
 ほんと巡回してる風紀委員には頭が下がるし。
 僕は涼しいところでのんびりと、その頑張りによる平穏を享受するし…」

こんな酷暑もびっくりの気候でもパトロールに出てるのだから恐れ入る。
そう零す少年は、汗水たらして維持した治安を涼しいところでのんべんだらりと享受するとほざくのだから質が悪い。
できればそんな平穏を味わっていたいなとぼんやり考えていたら…

「………ん?」

なんか猛烈な速度でこっちを見られた。
嫌な予感…というより、これはどちらかといえば平穏な日常に対するスパイス的な味わいというか、
トラブルメイカーが余計なことを考えたときのそれに近い、虫の知らせめいたものを感じたが。

「へ?えっ?あの……?」

疑問符をぽこぽこ浮かべている合間に、話がどんどん進んでいく。
いや、疲れからかお腹は適度にすいているから、それ自体は拒むつもりはないのだが、
如何せん唐突なもので、茹だった理性だと理解が追い付くに多少ラグが入ってしまっていた。

「や、焼き肉?今から?まじで?!
 や、い、いいけど……ええ!?」

もうおててを握られたら逃げられません。
共に不純異性交遊しているものへの私怨を抱く者同士とはいえ、これくらい強引な方が親睦を深めるに十分なだったりするかもしれない。

「……ああもう、わかった!わかったし!!
 こーなりゃヤケだし。今日は焼き肉だし!!」

小走りな彼女にちょっと遅れて、少年も走り出した。

鳳 悠樹 >  
「週一で回ってくるんすよこれぇ……」

人員不足部署の悲しい現実。
生活安全課、人気ないんすよ……。
島中に分散して見回りなのでしんどいことこの上ないですね!!!

「お肉を食べて幸福ホルモンを補給するっす。
 ちなみにお米と鶏肉の組み合わせが最強らしいっすよ?
 つまり親子丼が最強……。」

でも親子丼っていう名前はどうかと思いますけどね!考えた人サイコパスかな?
一瞬冷静になるも熱さでやられた脳はそんな事では止まってくれません。アイス食べたい。
焼肉屋暑くね?という文句も受け付けておりません。

「そもそもおかしいんすよ。別に試験に落ちたわけでもないのに
 なんで私達こんな湯でエビフィーバーな事になってるっすか!
 わたしは!ゆでられるより!ゆでたのを食べたい!」

熱弁しつつ青年Aの手を引きます。名前は店で聞く!
先輩今日は見逃してください。別にぃ!経費で落としてとは言いませんからぁ!
ちゃんと私のお小遣いから二人分出しますから!!!
という訳で善は急げです。

「という訳でキャッキャうふふ人民軍は好きにやってればいいのです。
 あっちも平和。こっちも平和ですみわけしましょ?」

目の前でしたら埋める。

「お腹いっぱい食べるっすよー!
 食べ放題ー!」

……結局連行した先の焼肉屋さんにカップルが溢れていて
しばらく無言になったのはまた別のお話。

レナード > 「まー、平和なとことはいえこの時期の巡回は酷だし…
 週一とはいえおつかれさんだし」

治安悪いとこでドンパチやりあう部署もあれば、
地道に庶民の暮らしを守る部署もあるわけで、
花形と違って目立たないけど、こういう草の根活動はたいせつなのです。
風紀委員にはあんまりいい印象を持ってないけど、それはそれとして感謝はします。

「親子丼って響きがアレだけど、まあうまいからしかたねーし。」

ある程度のうまいは正義なのです。
ただ名は体を表すにしろ、鶏さんサイドからすればこれ以上の尊厳凌辱もないでしょうに。
ただ今日の気分は後付けとはいえ焼き肉なので、コスパのよろしい鶏さんはまた別の機会に。

「しょーじきでよろしい。
 僕はこんなクソ暑い日に暑いのを食うのもいいけど、
 ひんやりお刺身スタイルでいただくのもいいかなって……」

こういう時の食の話題はお腹の空き容量を増やしてくれるものでして。お店に着くまでの間も時間を無駄にしない。
いつしか手をつないで歩く間柄のくせに互いの名前も知らない不思議な関係のふたりだけど。
おさいふはそこそこ大丈夫なはず。……常識的な範囲でいえば、きっと。

「まー、そうだし。僕らは花より団子だし。
 きゃっきゃうふふで腹はふくれねーんだし。すみわけは大事だし」

ただし向こうからやってきた場合は知らない。

「ああもう!晩飯不要なレベルで食い散らかしたるし!!!」

こうして店に意気揚々と突入するも、すみわけ失敗により入店早々出鼻をくじかれるのはまた別の話。

ご案内:「浜辺」から鳳 悠樹さんが去りました。
ご案内:「浜辺」からレナードさんが去りました。