2019/09/27 のログ
ご案内:「常世神社」に春寺谷 れもなさんが現れました。
春寺谷 れもな >  
しゃっ、しゃっ、と石畳を履く音が響く。
人気のない境内にいるのは小柄の女子生徒だ。
その手に握られている長箒は、柄から筆の先までキラキラのピンクだ。
しかもこの箒、小さくて丸っこい白翼が生えていて、女子生徒の動きに合わせてぴこぴこ動く。

「きょーうもー元気だーよー、空気がーじーんじゃー」

気持ちよく歌っている。
気持ちよくお掃除をしている。頼まれてもいないのに、だ。

ご案内:「常世神社」に雪城 氷架さんが現れました。
雪城 氷架 >  
学園からの帰り、
適当に買い食いでもして帰ろーっと適当にコンビニで肉まんを買い込んでぶらぶら、肉まんを齧りながら寄り道
ちょうど居住区を横断する形で帰ろうと

「…ん?」

何やら歌声と、神社の石畳をさっさか掃くような音に視線を境内へ向けると、
ドコに売ってるんだというようなピンクの箒を持った小柄な女子の姿…

「何してんの?ボランティア?」

にしては微妙に似合わないような…と思いつつ気軽に声をかけた

春寺谷 れもな >  
今どきの季節は、風も冷たい。落ち葉も増えて来た。
少しずつ秋へと染まる木々山々、その色づいた落ち葉を眺めていたら神社が恋しくなり、
神社が恋しくなったので、こうして勝手にお掃除をしに来たのだ。

どの程度ここで地面を履いているかは分からない。
が、地面が綺麗になっているのは一定範囲のみである。

おそらく、歌いながら箒を使う事が気持ちよくなってしまったのだろう。
鼻歌交じりの歌詞で、しゃっしゃっと音を立て続けていた。

春寺谷 れもな >  
「………んっ?!ボラの塩焼き?」

女子生徒の眼がカッと開いて、氷架を見た。
むしろ肉まんを見ている。

雪城 氷架 >  
「いや、誰も言ってないけどそんなこと。耳悪い?」

割とずけずけとした言い方というか冷えた反応をしつつ、少女の視線の先が肉まんに向いていることに気づく
なんだろう掃除していたらお腹でも減ったのかなと

「……何、お腹へってるとか?
 たくさんあるからいいよ、一個くらい」

言いつつ逆の手にもったコンビニの手提げ袋を掲げる
結構膨らんでいる、中は全部肉まんのようだ

春寺谷 れもな >  
「だってボラ…なんだっけ、なんかゆってたから…。
 えっ!くれるの?わあーい食べ…ものすごい量だね?えっとぉ…肉まんちゃん先輩?」

ピンクの長箒を動かす手を止め、喜んで肉まんを貰う。
この女子生徒の感覚からすれば「何か分かんないけどもらえた!!」である事を報告しよう。
いただきまーすと言うのが早いか、白くふかふかした肉まんにかぶりつく。

「肉まんちゃん先輩は、どーして神社来たの?なんだっけ、ボラ…ボラカイだっけ?」

夕焼け色の瞳は白い少女を上から下まで見た。
背はあんまり変わんなそう?ていうかめっちゃ可愛くない?

雪城 氷架 >  
「ボ・ラ・ン・ティ・ア」

丁寧に言い直した

「境内の掃除してるからさ、ボランティアでもやってんのかって。はい」

袋からホカホラの肉まんを1つ取って、差し出せばぱっとそれを取って食べはじめる相手の少女
よほどお腹が減っていたのかと思いながら……

「ちょっと寄り道して散歩。どのみち居住区に向かって帰るし。
 …っていうか肉まんちゃん先輩って何だよ。雪城、雪城氷架。変な名前で呼ぶな」

直接的なネーミングにちょっと怪訝なカオ
こちらを見る少女を見返せば、このへんではあまり見ない髪と眼の色だななんてことを思う
14、5歳?ぐらいかな?なんて雑に考えて

「で、お前は?」

タメ口である
まぁ大体の相手にはタメ口なのだけれど

春寺谷 れもな >  
「ボランティアか!残念だけどボランティアじゃないよー。
 春寺谷れもなは何となくでこの辺を履いてますのよ!氷架ちゃん先輩!」

肉まんを頬張りながら喋っているので、自己紹介もくぐもっている。
中心の餡を舌で転がし、ご機嫌で食べすすめながら、

「ちなみに高等の1年だよ~。氷架ちゃん先輩は?」

顔の横でぶいぶいと指を振っていた。
ちなみにピースサインではなくスリーサインだ。
その指先は銀の指環やチェーンがじゃらじゃらとついていて、れもなが指を振るたびに小さく音が鳴る。

雪城 氷架 >  
「なんとなく…? …ああ、綺麗好きとか…?」

なんかそんな人もいるのかもしれない。あんまりそんなタイプにも見えないけれど
なぜだか、ここにつっこむと泥沼な気配を感じたのでそれ以上はつっこまないでおいた

「れもな、ね」

聞いたことはない名前だったが、学生なのは間違いないらしい
高等や中等というのは常世の学園にはない、ので…ようするに高校一年生相当ということだろう
となれば信じられないが同じ歳である
…まぁ、自分も中学生によく間違えられるのであまり人のことは言えないが

「私も一年、先輩じゃないね。タメじゃん」

なんだか可愛らしい仕草をしている少女を尻目に、こちらも肉まんをもぐもぐと頬張って
気がつけば膨らんでいたコンビニの袋はいつの間にか結構萎んでいた

春寺谷 れもな >  
綺麗好きかと尋ねられると、答えはNOだ。
しゅりと長く美しいツインテールの氷架とは対照的な、ぽわふわしたツインテールが横振りの首に合わせて揺れる。
なんとなくだ。何となくで掃き掃除をやっているのだ。
それを言う事は無く、むしろ氷架が同年だと聞けばパッと笑って。

「あ、そーなの?じゃあひょーかちゃんだね!よろしくね、ひょーかちゃん!
 それから肉まんごちそうさま~。肌寒い風が吹きやすくなったよねー。こういうのおいしーよねー」

氷架ちゃんも肉まん頬張ってる~可愛い~と言いながら携帯タブレットを取り出した。
パシャっと行くつもりである。いや、もう撮影の音が響いていた。
肉まんをかじる氷架を写真に収めてしまった。…そして、そこで気づいた。

あれ?袋すごくしぼんでない?ドライアイスでも入ってたのだろか。

雪城 氷架 >  
どうやら綺麗好きということもないらしい
ちょっとした天然ちゃんというやつだろうか
…そういうことにしておいた

「まぁ、呼びやすいように呼んだらいいよ。
 だよなー。夏場はあんまりコンビニもたくさん蒸さないから待ってないといけないし」

肌寒い季節、ホットメニューの定番が増える季節ともいう
美味しさを倍感じられる気がするのだ
うんうん、と理解を示す

───瞬間、タブレットを取り出す少女を薄蒼の眼が捉える
即座に響く電子シャッター音、肉まんを頬張り隙だらけの1シーンが撮影された…筈だったが、
なぜか映っていたのは肉まんを食べ終え、口元に指をあてているだけの氷架であった

「ちょっと、撮るなら撮るって言えよな。リップ塗り直すのに…」

ぶつぶつと文句を垂れつつ、コンビニの袋から次の肉まんを取り出す
同時に袋に注がれた視線にも気づいて

「あ、もっと欲しかった?れもながゆっくり食べてるから、もう残ってないぞ」

春寺谷 れもな >  
「えー?だってほら肉まん頬張ってるひょーかちゃん…………」

タブレットの画面を凝視する。
あれ?確かに頬張ってる瞬間にボタン押したよね?と氷架を見る。

なんでカワイイ・ポーズしてるんだろう。

れ?れれれ??

「………もっかーい?」

リップでお色直しという乙女心もなんのその。
れもなはまたもや、パシャっとシャッター音を鳴らした。
今度こそ肉まんをかじる氷架が撮れている、はず――

雪城 氷架 >  
「──だから、ちょっと化粧くらい直させろってー」

再びパシャリしてきた少女れもなに苦言を呈する氷架
…やっぱり肉まんを頬張っている姿は撮れていない
ちょっとジト目がちに口元近くに手をやっているポーズが撮れているだけである

そして現実に少女れもなが視界に捉える少女の姿のどこにも肉まんはない

「まったく、最後の一つくらいゆっくり食べたかったのに…」

やっぱりぶつぶつ言いながら、ガサガサと空になったコンビニの袋を丸めていた

春寺谷 れもな >  
肉まんを頬張る氷架が…とれて…ない!
見間違いでもシャッターが遅かったでも何でもない。
あのふかふか肉まんを一瞬で葬り食べ去ったとでもいうのだろうか。
れもなも思わず餌を欲しがる雛のような口をお披露目である。口ぱっかーん。

口をアホらしく開いたまま、ほあーーーと声をあげた。

「ひょーかちゃん、あの量もう食べ…化粧直し?ごめんごめん。
 いやでも待って待って、食べるの早くない?ヤバプなんですけど!」

驚いている割にはキャアキャアニコニコしている。
若干ぴょこぴょこ跳ねもしている。何しろその速さといったら、TVや動画で見る大食い・早食い選手よりよっぽどだ。