2019/09/28 のログ
雪城 氷架 >  
「いつもあんなもんだよ。食べるのは…まぁ人よりは早いと思うけど」

大体数人前はあった肉まんをぺろりである
そして人よりは早い、というのもこの言い方では人類より速いととってしまう者もいるかもしれない
取り出したポーチから色つきリップを手に、手鏡を覗きながらお色直ししつつそう返事を返していた

「ていうかどーせ撮るなら二人で撮ろうよ。一人だけ撮ったって面白くないだろ?」

手際よく化粧を直せば、そんな提案
まぁ折角だし出会った日の記念というやつだ

春寺谷 れもな >  
「早食いで有名なメン・クイとか大口乃武より全然すごいよ??」

もしかしたら、ラーメンとかもこの調子でちゅるるっといっちゃうのでは。
今度どこか食事に誘ってみようかなあとワクワクしていたところ、氷架の申し出にはまた別のワクワクが生じるもので。
夕焼け色の瞳を星のようにぺかぺかさせて、やったーー撮るーー!とピースサイン&連続ジャンプだ。

れもなは自分のコンパクトミラーをちらっと覗き、肉まんを食べた事がバレないか確認した。
よしよし、だいじょーぶ。100%れもなである。

氷架のお色直しが終われば、いそいそと近づいて斜め上からチェキるつもりだ。

雪城 氷架 >  
「うーん、でもまぁ別に自慢するようなものでもないし…」

大食い、早食い
女の子としての魅力としてはいまいち価値を感じないモノらしい

「(元気だなぁこいつ)」

自分だったら翌日学校を休みそうなぐらい体力を使いそうなテンションだ
ちょっとだけそれが羨ましくもありつつ、いそいそと近づいて来るれもなに氷架もそっと華奢なその身体と顔を寄せて

「ほら、もうちょっと顔も寄せて」

髪が絡んだりしないようにちょっとだけ気を使いながら、頬が振れるくらい顔が近づけばほんのり柑橘系の香り
肉まんの匂い?こっそり異能でマイナスイオンを分解、まったくしませんとも

春寺谷 れもな >  
女の子って良い匂いするよね。なんでだろ。
自分も女の子ではあるのだけども、れもなは一瞬だけしみじみとそう思った。
一方こちらは甘い香りはせず、どちらかというとハーブを香らせる。
ローズマリーやセージだの、ああいったボタニカルなものだ。

なお、便利な異能ではない、
つまり…肉まんの匂いはほんのりと免れない。残念でした。

「はい、チーズ☆ハンバーガー!」

にっと笑える掛け声ではなかった。
氷架の背後に腕を回し、白い彼女の顔横にピースサインが来る。
本人は、根明底抜けな笑顔でペカパカーっと撮影モードであった。無事に撮れたかな?

雪城 氷架 >  
「なんだよその掛け声ー」

思わず気の抜けた顔になりそうになった
とはいえちょっとだけ上目がちのお澄まし顔
この氷架という少女、自分が一番カワイく映る角度を知っている
ピースサインまではしなかったものの、勝手にされてた

ちゃんと撮れたかな?と少女れもなのタブレットを覗き込んで

春寺谷 れもな >  
「がーーって言うとビッグスマイルな感じになるから!」

アホ面笑顔とも表現できる。
ウキウキで保存、からのSNS投稿の最中であった。
[氷架ちゃんヤバプに可愛にゃす♡]という文章と共に、あとはポチるだけだ。

雪城 氷架 >  
「はは…私あんまり口おっきくないからなー」

不思議である(早食い的な意味で)

「ん、アップすんの?…まぁいいけど」

この程度、別に誰でもやってることだろうし
炎の巨人事件ももう過去のこと、きっとこのれもなという少女だって何も知らない

「にしてもこれだけ落ち葉集まってると焼き芋とかしたくなるな。
 …そのホーキとかドコに売ってんの…?」

視線を、少女が集めていた落ち葉に向けてみる

春寺谷 れもな >  
止められなかった。というわけでポチリ。
新たな投稿が電子世界に生まれたのである。

もちろん、れもなは何も知らない。

「焼き芋かあ!今日はお芋買ってきてなかったなぁ、そういえば…。
 ん?これ?コレねー、私の異能でこうなってるだけ~~」

かあいいでしょ!とピンクでピコピコな長箒を片手でヒョイと持ち上げる。
長箒の軌道を追うように、小さな光や花がシュララ~ンと散った。後には何も残らない。
氷架の目の前で、長箒に生えた翼がゆっくりと羽ばたいている…。

雪城 氷架 >  
「異能? そっか、れもなも」

考えてみればそれはそうだ
そういった人間の集まるような学園なのだから

「随分キレーというか、ファンシーな異能なんだな…」

まるでアニメかゲームの世界でも見ているようだった
…箒に翼が生えてるというビジュアルはこの際置いておいて

「…見た目が変わるだけ?」

と、首を傾げて

春寺谷 れもな >  
「うん!会得…取得?なんていうんだろーね?異能者には変わりな~し。
 綺麗でしょ~。私はかあいいと嬉しいんだけど……これね、基本は見た目が変わるだけ!」

タブレットをしまいこみ、両手で長箒を持つ。
ぽんぽんと柄を叩いて撫でた後に、くっと握った。

「口上言わないと武器にはならないんだー、この異能。
 この箒はどんな能力がつくかなぁ。大抵は箒っていうと浮遊かビームなんだけど」

ここだけの話、異能で能力付与をすると5割はビームだ。

雪城 氷架 >  
「ふーん…武器が作れたり、ビーム?が撃てたりするなら、異能者としてはかなり強いほうだよな」

物珍しげにれもなの持つ箒を眺めていた
戦闘向けでない異能や、特に役に立たない異能と比べれば、おそらく戦力はもの凄い
そういった異能の持ち主は得手して風紀委員などに入ったりもするが…少女はそういうタイプとは程遠そうだ

…という勝手な印象を持ちながら

「ていうか、どんな能力がつくかわかんないのか?
 …なぁんか、危なさそうだなぁ……」

春寺谷 れもな >  
「だね~!戦闘向きではある、とは言われたよ。
 でもねえでもねえ、姿を変えた武器によって口上はいちいち変えなきゃだし、私自身は別に強化されないんだよね~…」

思うよりは便利じゃないよ!とのたまう。
この異能の発動率の半数以上を焼き芋などに使用しているが、そんな統計はれもなの口から飛び出る事が無い。

「ひょーかちゃんは?異能とか魔術とかあるー?出来るー?」

もしかして、さっきの大食い早食いが異能だったりしないだろうか。
れもなは心の中で訝しんだ。

雪城 氷架 >  
「ふーん…言葉を条件にする異能っていうのも珍しいな…」

自己認識を深めるであるとか、
そういったことで口上を使うことは多いかもしれないが直接紐付けされているのは珍しい
…父が知ったらさぞ興味を持つのだろうな、と浮かんだ考えを振り払う

「私は──…単純だよ、見せたほうがはやいかな」

言うとすっと片手を水平に保って掌を上に向ける
そのまま少し集中するように眼を細めて……

ぼうっ…と、大きな炎がその掌の上に揺らめいた

春寺谷 れもな >  
熱が生まれた。白く細い氷架から、炎が生まれた。
煌々と宙を舐めるその炎に、わあーーーと声が上がる。

「え、すごーい!炎の異能なんだ?!
 ひょーかちゃん、髪も肌も白いのにねぇ…ちょっと意外かも。ギャップってやつ?」

どこまで炎を大きく出来るの?それ熱い?熱いよね!等、矢継ぎ早に質問がぴーちくぱーちくと飛ぶ。

「発動範囲は、割と自由効いちゃうカンジー?水で消えたりするー?」

とてもうるさい。

雪城 氷架 >  
「え、ええと…一気に質問するなよ、順番に答えるから…」

困ったように眉を潜める
浮かべた炎はふわっと消えてゆく

「とりあえず、見ての通りだよ」

本当は、分子運動を操作することが出来る異能
待機中の分子の運動速度を高めて衝突させれば、発火する
なので表向きには炎の異能である…と、通している
本人は嘘をつくのが苦手ゆえか、あえて多くを口にしないだけにとどまっているが───

「範囲は、見えるところなら大体…遠いと正確に出来なくなるかな
 大きさ、範囲は…多分際限なく…やりすぎると身体に負担かかって倒れちゃうけど。
 水は、温度が下がるだけだから消えるときもあれば…って質問多いな!」

春寺谷 れもな >  
「えへへ。普段水の異能ばっかり見てるから、ちょっと興奮しちゃった…」

でもちゃんと答えてもらえた。それだけでご機嫌である。
質問に返してもらった分は、ふんふんと頷いて聞いていた。

「ほえー…見える範囲で際限なくって、手の届く範囲広いねぇ。
 自分の異能をよく理解してるというヤツなのかな~。私は異能に気づいたの、ここ数年だからな…。
 冬は温かそうだけど、やっぱり重宝するー?」

雪城 氷架 >  
「水の異能?れもなの異能、じゃないよな」

普段から見ている、ということは親しい人間のものなのだろうか

「際限ないって言ってもちゃんと距離感が合わないといけないけどな。
 昔はそうでもなかったよ、事故も起こしちゃったりしたから、ちゃんと学園で勉強して、
 自分の異能がコントロールできるようにトレーニングもやったりした。
 はは、冬?とーぜん、カイロいらずだ」

ちょっとした事情を語りつつも、最後はほんのり笑ってそう言葉を返す

「数年かー…私も似たようなもんだったかな」

言いつつ、空を見上げると…秋の夜長はつるべ落とし。陽はそこそこに傾いていた

春寺谷 れもな >  
自分のではない、とばかりに首をぶんぶん横に振る。

「ねがちぶで美人でねがちぶな人がいてねぇ、その人の異能が水の異能なんだよねー。
 ラクするのにしか見たこと無いけど~。1つ上の学年の人だよ。水鏡浬晶ってゆーの。先輩が能力発動に失敗してるの見たこと無いな、そういえば…」

失敗するように誘導できるか試そうかな、と胸の下で腕を組む。

「炎で事故って、大変そー…。め~っちゃくちゃ頑張ったんだね。
 いいなー、私も自分の事もっと知りたいなぁ。勉強はヤだけど、他の人の能力や魔術ももっと見たいしー。
 ……へえっくち!」

色気のないくしゃみがとんだ。
緑も多い神社の周りを考えれば、夕暮れと共に空気は静かに冷えて来ている。

春寺谷 れもな >  
「んー、そろそろカラスが鳴くからごーとぅほーむ?」

ハンカチで鼻を撫でながら、空を見上げた。

雪城 氷架 >  
なるほど、先輩の話だったらしい
改めて色んな異能の持ち主がいるなと思わされる

「んー、冷え込んできたもんな。
 私は大丈夫だけど、れもなは風邪引かないように気をつけろよな」

粗暴な言い回しだが一応気遣っていつような言葉を向けて

「学年一緒ならそのうち学校でも会うかもな。こんど一緒に昼でも食うかー
 んじゃ、私はそろそろ行くし」

くるん、と踵を返して、秋風にツインテールを揺らしながら

「またなー、れもな」

名前を呼んで、別れを告げる
呼び止められなければ、そのまま背を向けて歩き出すだろう

春寺谷 れもな >  
「うん、気を付け……やったぁお昼一緒!楽しみにし~―――
 っていうか連絡先交換したほうがはやくなーいー?!ねえーー!!!」

枯れ葉の山はそのまま、ピンクの長箒を片手に氷架の背をバタバタと追いかける。

雪城 氷架 >  
追いかけるれもなにそれもそれかーなどと言葉を交わしたり
スマホを取り出すのにポケットを漁って、ペットの蛇がいないことに気づいたりだとか…
わちゃわちゃとしたやりとりのすえ、お互い連絡先を交換して、今度こそ別れたのだろう

きっと、何事もなく
何事もなく──?

ご案内:「常世神社」から春寺谷 れもなさんが去りました。
ご案内:「常世神社」から雪城 氷架さんが去りました。