2020/09/05 のログ
持流 童男 > 「・・・某の名前は、持流童男。
今はヒーローではない自分を模索してる
最中の風紀委員のドウオでござる」

あまり覚えてないからの言葉を聞いたときに、フードの少年に言われたときに、
なぜか哀しい感情が出てくるそれを、我慢しつつも。
改めて自己紹介をする。

「”友人”に、お主に似た友人に、たくさんの物を貰った、教えてもらった、ただのドウオでござる。」

そう言ってからフードの少年に、
後ろからしっかりという。

黒髪の少年 > 「…持流、……童男……
 童男……、ドウオ………」

その名前を、反芻する。
反芻しつつあるうちに、少しずつ、少しずつ…思い出してくるものがあった。
……ああ、苛立つ理由は、それか。
納得するように頷いた。

彼の方へと、向き直る。
訂正しなければならない。

「……一ついいかな。
 僕は、君を知り合いと思ったことこそあったけど……友だちと思ったことはないよ。」

まあ、人がどう思うのかは自由だけど。と、付け加えて。

「僕はそういうことを、口に出さなかったんだろうけど。」

持流 童男 > 「あぁ、そうでござるな。彼は、まったく口に出してないでござるしな。
某が勝手に思ってるだけでござろうな、
だが某は友達と思ってたでござる。ここは譲れないでござる」

そうしっかりという。
ここだけは譲れない。

「って、僕ってことは、レナード殿ってことでいいんでござるか?お主は。
もしも、お主がレナード殿ならば、言えた義理じゃないでござるけど、今度こそ、遊びたいでござる。」

そうしっかりと向きなおった少年に言った

黒髪の少年 > 「やだ。」

遊びたい、そう聞くと、
はっきりとそう言葉にして返した。
…自分が"彼"なのか、そのことについては、直接言及は避けつつも。

「僕はね、本来もうここにはいないものだからね。
 誰かと不用意にかかわりたくないわけ。」

とはいえ、彼に詳しい事情を説明する必要もないだろう。
結論は端的に伝えるに限る。

「僕、またしばらくしたら……この世界から居なくなるから。」

きっと、その心を抉るかもしれない言葉を、敢えて口にしながら。

持流 童男 > 「世界からいなくなる・・・?それは・・・どういうことでござる・・?・・・お主、まさか門を通ったでござるか・・!?」

思わず辛そうに、哀しくも動揺する
まさかあり得ない・・だって彼はここにいる。

「・・・でも本来ここにいないものっていうのはどういうことでござるか・・。お主はここにいるじゃないかでござる・・!」

そう思わず言っていた

「お主に‥何があったんでござるか・・!レナード殿・・!」
そう真剣な表情で少年に思わず問いかけていた

黒髪の少年 > 「……そこまで言ってあげる義理、ないじゃん?
 おめー、ほんとに僕に何をしてきたのか理解してないんだ。」

ま、いいけどさ。なんて、小さく言葉尻に据えながら。

「そうだし? また、門を通っていなくなるつもりなわけ。
 もう、この世界で僕がすべきことはないんだから。」

これくらいなら、開示してもいいだろう。
そんな情報を並行して選定しながら、引き続き彼を煽る。

「……まあ、ここにいる理由は簡単だし。
 やり残したことを済ませに来た、ただそれだけ。
 …それが終わったら、居るべき場所に戻る。当たり前のことだし……?」

フードを目深に被ったまま、首を傾げる。
まるで、それが当然だと言わんばかりと、態度でも示そうと。

持流 童男 > 思わず片膝をつく。
ショックで眩暈がする。
レナード殿に、確か、知ろうとするのは深入りするのはだめだといわれたことを思い出しそれ以上は聞かない

「・・・やり残したことというのは、何でござるか。」

そう途切れ途切れに少年になんとか問いかける。
動機が激しい、だけど、目は、そらさない
それが最大限にできることだから

「・・・・その世界は、お主にとって良い世界になるんでござるか?」

そしてその身を案じる。

黒髪の少年 > 「言いたくないし。」

言わなくてもいいことを、更に。

「…だって、言ったらおめーはどうする?
 余計なことにしかならない。今までの"記憶"から僕はそう思う。
 だから、言わない。」

彼の慟哭、彼の激情。そんなものは、知ったことか。
不安をあおった者のおよそ持つべき感想ではないが。
…ただ、それを敢えて口にする。

「さあね。僕は今まで色んな世界を旅してきたから。
 おめーみたいに誰かを救ってきたりはしなかったけど。
 ここも、今までと変わらない…経過点でしかないわけ。」

持流 童男 > 「・・・それならば聞かないでござるよ。多分、言ったら動いてしまう。」

そう言ってから拳を思いきり握りしめる
動いてやりたい。だけど動かない。
それは彼が望んでいないことだ。
だから無理強いはしない

「・・・たとえ経過点でもお主が、
ここで何かをして何かがあったのはかわりないでござろう。
・・・某が言えたことではないでござるが。だが、それでも願ってしまうでござる。お主の幸せを見つけられるようなそんな世界を。」

しっかりと願うように黒髪の少年に言い放つ。

黒髪の少年 > 「…………陳腐だなあ……」

再び、肩を竦める。

「まるで幸せを探すのが僕の旅の目標、みたいに言わないでほしいんだけど。
 ……おめーからそう言われるとなんか腹立ってしゃーないし。」

あの時の自分が鮮明に思い出される。
路地裏に打ち捨てられた自分に対して、彼が何をしたか。
…あの場所に行く必要は、もうなさそうな気さえした。

「言えたことじゃないと思うなら黙ってろし…
 言わない方が余程マシってこともあるって、おめー知らないわけ……?」

持流 童男 > 「・・・済まぬでござるな。陳腐なことくらいしか言えないでござる」

そう少しだけ苦笑しつつも
路地裏に、いた彼を、某は擦り切れた状態で何もできなかった
そして彼を追い詰めていた。悔いつつも
しっかりと少年の目を見る。

「・・・あぁ、済まなかった。お主の旅の目標はお主自信しかしらないでござるな。知った風なことを言って悪かった。」

そう、不器用に、真っすぐに言った。

黒髪の少年 > 「ま、いいよ。もう全部許すから。」

ひらひら。
ローブの袖に隠れて見えにくい掌で、うざったそうに宙を掃う。

「だから、僕のことはきれいさっぱり忘れてくれると嬉しいわけ。
 いなくなる相手の事を、覚えていたって重荷になるだけだし?」

持流 童男 > 「それはできないでござる」
持流 童男 > 「例え重荷になろうが、それを背負って某は、行くでござる。」

その眼はしっかりと黒髪の少年、レナードさんに対して言う
きれいさっぱりと忘れるなどできるわけがない

「例え辛くても苦しくても、お主との思い出を
忘れるなんてできるわけがないでござるよ」

そうしっかりと、黒髪の少年にそう言いつつも

「どれだけ重荷になろうが、それが某の行った結果で、苦しくてもつらくてもそれも悲しくても、某にとっての大切な思い出で、記憶でござるから」
少年の目を見ていった

黒髪の少年 > 「……………。」

目深に被ったフード越しに、彼に視線が注がれる。

「そう。
 僕はそれを望んでないのに、おめーはそうありたいと言うわけ。
 おめーのやったことのせいで苦しんだ僕は、永遠におめーの中に残るってわけ?
 まったく、随分身勝手なことだし。僕に尊厳はないわけ?」

わざわざ問わなきゃいけないことを、さも面倒くさそうな声色で。
聞くだけ聞くことにしようか。

「人を傷つけた結果も大切な思い出とか、やられた側はただただふざけんなって思うけど。
 ……おめーはそういうの、感じないわけ?」

持流 童男 > 「確かに、やられた側はやった側の記憶から消えて忘れてほしいでござろうな。」

そう苦しい顔をしつつもしっかりといいつつ
それが尊厳をなくすことも
やった側がやられた側に対して、
その記憶の中からそのことを消してほしいのは本当だろうだけど。それでも

「それでも、某はおぬしのことを覚えてるでござる。
例え間違っていたとしても、
自分勝手だとしても、お主のことをきっちり覚えてるでござる。
それが某のエゴでござる」

そうしっかりと黒髪の少年に言った。

黒髪の少年 > 「………ほんっと、目の前でそれ言われると腹立つ以外の感情を持てないんだけど。」

彼の意志に反して、こちらはただただ忘れてほしいだけ。
それさえも届かないというのなら、溜息しか出ない。

「そう言うんだったら、そうしなよ。
 僕も相応の態度でおめーに接するほか、ないし。」

こちらに彼の言動を縛る権利は、ない。
ならば、こちらの行動で示すしかないのだから。

持流 童男 > 「そうするでござる。」

そう言ってから、黒髪の少年にしっかりといいつつ
そして空を見つつも、黒髪の少年に何かを言おうとしてたが
言えないこれは某がいうことではない

そう思いつつも、空を見つつ、星がきれいだ。
無言で少年を見つつも、たぶんこれ以上何も言うことはないと思いつつも

「・・・某、そろそろ帰るでござるよ。・・・お主と話せて、会えてよかったでござる。これ以上はいうことがないでござるから。レナード殿、幸運を」

そう思いつつも後ろを向いて帰ろうとする

黒髪の少年 > 「………。
 まあ、おめーが何を考えているかなんて、おめーにしか分かんない事だろうけどさ。」

とはいえ、彼に直接会えたことで、自分の中に掛けていた封印が一つ、剥がれる。
…彼との邂逅は、まったくの無駄ではなかった。

「あー……はいはい。そちらこそ、どうぞお達者で。」

最後まで、他人行儀を貫こうとする。
…そうでもしなければ、また彼に感情をぶつけてしまいそうになったから。
もう、同じ轍は踏むまい。
ひらひらと鬱陶しそうに手を振って、神社の傍から去ろうとする彼に別れを告げようと。

ご案内:「常世神社【夏祭り期間】」から持流 童男さんが去りました。
黒髪の少年 > 「………まったく。
 予定が大きく狂っちゃったじゃん。」

まだ、参道にさえ足を踏み入れてない。
ここからじっくり思い出そうとした矢先に、彼が来たものだから。
……さて、どうしようか。その場で少し考えこんでみる。

「……………。
 どうしようかな………」

彼と話す合間に、他人に対する警戒心が今は大きく剥がされてしまっていたが、それに気づく由はない。
暫くその場に立ち尽くす、ローブを着た謎の人物がいることだろう。

黒髪の少年 > ふと、参道に足を踏み入れようとして、逡巡。
…先のやり取りで気を削がれたわけではない、ないはずだ。
とはいえ、このまま向かったところで十全に取り戻せるとも限らない。

「……今日は帰ろうかな。」

自分がやって来た方へと、振り向く。
出直しだ。
まあ、こういうこともある。だから、時間に余裕は持たせている。
…猶予はそれほど多く残っているわけではないが、それでも。
記憶を全て取り戻してから去りたい、そう決めていたから。

「ここは後回し、だし。
 次に行くとしたら………公園、かな。」

次に出没する場所をぼんやりと想起しながら、ローブの少年は去っていった―――

ご案内:「常世神社【夏祭り期間】」から黒髪の少年さんが去りました。
ご案内:「常世神社【夏祭り期間】」に月神 詠さんが現れました。
ご案内:「常世神社【夏祭り期間】」に彩紀 心湊さんが現れました。
月神 詠 >  
これは夏休みが明けるほんの少し前の日のこと───
連日連夜この常世神社で開催されている夏祭りのスタッフとして奔走していた祭祀局であったが、
神社側が局員達にも祭りを楽しんでもらいたいと暇を設けてくれた。
詠ひとりであれば気持ちだけありがたく受け取っていたところだが、他の局員もいる。
数名ずつ交代で休暇を取ることとなり、詠と心湊は同じ日に休むこととなった。
そこでどちらともなく相手を夏祭りに誘い今に至る。

「ふだん着ているものとあまり変わらないとはいえ……
 自分がこの姿で神社(ここ)に立っているというのは、些か不思議な心持ちでございますね」

待ち合わせ場所に選んだ社務所の前で心湊を待つ浴衣姿の詠。
髪と首には以前 百貨店で購入した(してもらった)髪飾りとネックレスを身に着けている。
いつもと違う装いということもあり、どこか落ち着かない様子だ……
なお、ここに着いたのは集合時間の一時間前である。

彩紀 心湊 > ジリジリとした日差しもない、夏の終わりをほんの少しだけ感じさせてくれる風を肌で感じながら道をゆく。
こうしてのんびりと過ごせるのは一ヶ月ぶりだろうかと、思いに耽けながら神社の前へとやってきた。
早め早めとして30分前にはと足を運んだのだが…

「…あ、詠…早かったのね……?」

待ち合わせ相手の少女は既にそこにいて、いつもとはまた変わった装いを驚きながらもじっと見つめる。
先日、選んだアクセサリーもきちんと身につけているのを見れば、自然と照れくさい笑みがこぼれ落ちる。

月神 詠 >  
「……あっ、心湊さん。こんにちは。
 私(わたくし)も、つい先刻ここへ着いたばかりでございます」

単純に「待たせた」という気にさせないための文言。
それがデートにおける待ち合わせの定型句ということを詠は知らない。
視線を感じ、微笑むのを見れば改めて自分の服装へと視線を落とし───

「ど、どうでしょうか? やはり巫女装束でないのは違和感が……?」

上目遣い気味にそんなことを訊ねた。

彩紀 心湊 > 「ほ、ほんと…?我ながら早すぎるくらいと思ったんだけど…。」

おそらく、早め早めにと来てくれたのだろう。
そんな気遣いに、僅かに苦笑交じりで返しつつもそれだけ楽しみにしてくれたのだなと内心で心が弾む。

「いえ、とても似合ってるわ。部屋着の浴衣とはまた違った雰囲気で……なにより、アクセサリー付けてきてくれてるのが嬉しくてね?」

くすりと、笑う素振りと共にわずかに目をそらす。
そういう視線は、ずるいと思うのだ。

月神 詠 >  
似合っていると言われれば、こちらは安心したように頬を綻ばせた。
と同時に部屋着の話でそういえば見せたことがあると思い出し、少し気恥ずかしくなる。

「ありがとうございます。これらならば浴衣にも合うと思いまして……
 浴衣を着て人前に出るなど滅多に無いので、不思議な心境でございます」

髪飾りとネックレスにそっと手を触れて、はにかむ。
上目に関しては無意識だったので、目を逸らされたことにも気付かなかった。

彩紀 心湊 > 久しぶりに気を楽にして彼女と話したが、こういうところがとてもいじらしいなぁとしみじみと思う。

「ああ、大体お仕事とか…お家のこととかで、かしら?
今年は楽しむ側に回れたのならなによりだわ。私も…こうして参加するのは初めてかもだけど。

それじゃ、行きましょうか。
せっかくだし、屋台でなにか食べましょう?詠はなにか気になるものとかある?」

そんなことを言いながら、軽く先導するように手を差し伸べた。

月神 詠 >  
「はい、例年は裏方に従事しておりましたので……こうして参加するのは初めてでございます。
 神社の皆様のご厚意に感謝しなくてはなりませんね」

誰かと一緒に回る以前に、純粋な客としての参加も初めてなのである。
いつもはスタッフとして見ていた祭りの雰囲気や立ち並ぶ屋台が、今はとても新鮮に映る。
はぐれてしまわないよう、差し伸べられた手をしっかりと握った。

「いざ巡るとなると目移りしてしまいますね……どれも美味しそうで」

焼きそば、たこ焼き、お好み焼きにじゃがバター。
わた飴やりんご飴といった菓子類も気になるようだ。

彩紀 心湊 > 「本当に。
こうして一緒に遊ぶって誘わないとずっと仕事してそうで心配だわ?」

彼女なりの生き甲斐でもあるだろうから、それを邪魔するわけにはいかないけれど。
それはそれとして、そんな手をしっかりと握り返しながら賑やかな屋台の道をゆく。

「ふふ、今日はなにも気にせず好きなものを選んだらどうかしら?
一日くらいは栄養とかは考えずともよいでしょう。

でもまあ…こういうときにしか食べないといえば…綿あめとかりんご飴かしら…。」

でもデザートだしなぁとは思いつつ、最終的な判断は委ねるように視線を向けた。

月神 詠 >  
「流石にそこまでは………………ないですよ?」

たっぷり謎の間を空けて苦笑いで答える。
自分から誘う性格でもなく、周囲は誘うのを躊躇いがちなため本気でそうなりかねない。
そう考えると心湊のような友人は本当に貴重で、詠にとってもありがたかった。

「甘いものは後に回すとして……
 こういった場で食べるものは何でも特別に感じる気がいたします」

焼きそば一つ取っても、家庭ではあのように鉄板で大量に焼いたりはしない。
普段が和食に偏りがちなこともあり、まさに祭りでしか味わえないものと言えよう。
そういうわけで詠は焼きそばが食べたさそうに屋台を見つめている。

彩紀 心湊 > 「……まったく。
仕事しすぎて倒れたとか、哀しいわよー?」

なんて、冗談めかしたように。
自分くらいは振り回してくれれば良いのだけどなぁと、そんな事を思いながら。

「ん、そういうことなら…その釘付けになってるのでも頂きましょうか。
確かに、あまり屋台での作り方でのものとかは食べなさそうだものね。」

目は口ほどに物を言うとはこのことかと、ささっと手を引いて焼きそばを二人分頼む。
待っている間も、ソースの香ばしい匂いが漂ってくれば、知っている匂いであっても自然とお腹が減ってくるものだ…。

月神 詠 >  
「自分を追いつめるのは得意で……いえ、そうですね。気を付けます……」

ここは素直に頷いた。友人に心配をかけることは本意ではない。
この場合は休むのが不得手というべきだろう。

「へっ……わ、私そこまで見つめておりましたでしょうか?」

自覚がなかったらしく、赤面しながら手を引かれていった。
並んで待つ間もじゅうじゅうと小気味良い音や香ばしい香りが期待を煽る。
やがて二人の順番となり、できたてアツアツの焼きそばを二つ購入するだろう。

彩紀 心湊 > 「…うん、ちょっとそういうとこある…わよね。うん。
いえ、私としては…悪くないと言うか……。」

この友人がそういう性癖なのはなんとなーく理解してきたところではあるが、流石に仕事の疲労までソレが適用されてしまうのはよろしくはない。
それはそれとして、後半はボソボソと呟いたがこういう姿がまた別にそそられるところもあるというわけで…。

「ん、てっきりそうだと思ったけど…違ったかしら?

さ、頂いたし適当な場所で食べましょ。
外で一緒に食べるのはそういえば初めてかしら。」

悪戯っぽく笑いながら、適当な段差を見つけてはそこに腰掛ける。
こういったところで雑に食事をするのはお嬢様的にはどうなのだろうかと思わなくもないのだが、こういうのもまた楽しみの一つだろうとポンポンと促すように隣を叩いた。

月神 詠 >  
「うぅ、お恥ずかしい……
 言われてみれば、外で食事を共にするのは初めてでございます」

周囲を見れば、同様に段差や車止めなどに腰掛けている人々が散見できる。
郷に入りては郷に従えという言葉の通り、ここで体裁を気にする必要はないだろう。
さしたる抵抗もなく、あなたの隣に腰を落ち着けた。
なおボソボソ呟いていた部分は聴こえていなかったようだ。

「良い香り……美味しそうですね」

透明なパックの下にハンカチを敷いて顔の前に持ち、ソースの香りを楽しむ。
それを膝の上に置いて、付属の割り箸を……手に持ったまま動きが止まった。

「このお箸、上がくっついてしまっておりますが……取り替えた方がよろしいのでしょうか?」

そう、普段コンビニ等に寄らない詠は割り箸を見るのも初めてなのである。

彩紀 心湊 > 「ええ、大体食べるのはそちらの家で頂いてたものね…。
いや、我ながらちょっと情けないのでは…?」

ちゃんと手伝いはするのだが、そのへんおんぶにだっこなのはどうなのだろう。
しかし、こうでもされないとコンビニやらでさっくり済ませてしまう女でもあった。


「…ええ。それじゃ食べましょうk」

いただきますと手を合わせた矢先である。
思わぬ言葉に思わず二度見をかます女学生だ。

「ン゛…っ?!
あ、ぁー……なるほど。うん、なんだか久しぶりねこの感じ。

これは、割り箸よ。こうやって…(パキン)こんな感じで、割って箸にするの。
お店とかでよく使うから知っておくと良いわ。」

ここまで箱入りとは思わなかったが、それを知らなくてもおかしくはない家系ではあった。
実際に実践してみせるとくすりと笑う。