2020/10/13 のログ
ご案内:「常世神社」に芥子風 菖蒲さんが現れました。
芥子風 菖蒲 >  
今宵満月、夜の幽世。水平線の孤島。
島の太平を護る風紀が一人、芥子風 菖蒲は此処に有り。
少年は鳥居の下で背を預けて満月を見上げる青空のように青い瞳。
真夜中の警邏の時間を終え、夜の静寂に身を預けている最中であった。

「……今日も静かだな」

実に、実に喜ばしき事。
表沙汰に起きるような事が無いなら、それでいい。
手に持ったペットボトルを口元へと付け、傾ける。
葡萄の程よい酸味と甘みが口の中に広がった。

「美味い」

芥子風 菖蒲 >  
煌々と月の輝きが良い宵闇を照らす。
夜の帳を晴らすには丁度良い月輪日和。
静寂が風情を引き立て、居心地の良さを醸し出してくれる。

「…………」

此の時間が、嫌いでは無かった。
ちびちびとゆったり、時間を気にする事も無く
唯独り、草月の香りに身を委ねる安らぎに目を瞑った。
季節の変わり目、鈴の如き澄んだ虫声も良く耳朶に染みわたる。