2020/11/06 のログ
ご案内:「常世神社」に耳守 聴乃さんが現れました。
耳守 聴乃 > 昼下がりの常世神社。
秋空の快晴はうっすらとした蒼のカンバスを作り、
そのカンバスにはまるで鮮やかな絵の具で絵を描いたかのように広葉樹の葉が賑やかしていた。

「……久しぶりに外に出たかもしれないな」

『耳守君、きみ夏祭り以降外出てないでしょう!
 ダメダメ、気分転換してこないと。
 引きこもってばかりだといいアイデアも浮かんでこないから!』

職場の上司にそんなことを言われたのが数日前。
ちょうど実験の予定もなかったし、紅葉狩りに繰り出した次第だった。
神社の境内やその道中では、夏祭りほどの規模ではないものの出店があって、
それなりに人が居て盛り上がっているようだった。

「なんで一人で来たんだろう」

そんなことを考えながら、適当に周囲を散策していく>

耳守 聴乃 > 「紅葉狩りって言っても、紅葉を見るだけじゃなあ。
 教え子の一人でもいれば、多少話題にも困らないだろうに」

そんなことを言いながら、足元に散る落ち葉を踏みしめる。
よく晴れた日の落ち葉はカサカサと乾いた音がして心地よい。

教え子の誰かを誘ってみようかとも思ったが、
教師が教え子を誘うのはなんだかためらわれた。
今となってはその判断を少し後悔している。

「夏祭りの時は、夜になっても蒸し暑かったですけど、
 もうコートがないと寒い時期になりましたか。
 時間が経つのは本当に早い」

周りには家族連れや、恋人たち、そしてそれらを一生懸命誘導する生活委員や、
交通を指揮する鉄道委員、そして警邏をする風紀委員。
この街の運営に関わる生徒たちが東奔西走する様が見える>

耳守 聴乃 > しばらく神社の周辺と山道を行き来すれば、
適当な出店に寄って暖かい食べ物を買って腹に入れる。
気温は低く風は冷たいが、視界に映る景色は暖かかった。

そんな風にして、この季節にしか見れない自然の景色を楽しめば、
適当に帰ってまた研究の日々に戻るのであった>

ご案内:「常世神社」から耳守 聴乃さんが去りました。