2020/12/29 のログ
ご案内:「常世神社」に照月奏詩さんが現れました。
■照月奏詩 >
「まぁ時期が時期だし少ないか」
夜の境内。一人の人物がやってくる。目的は年末詣。
だがそれにしては少しだけ時期が違う。そもそもが初詣の方が有名だろうし、年末詣に向かうとしても30や31が多いだろうし、逆に早いとしたら前の土曜や金曜に行って帰省するというのがパターンだろうか。
つまり彼が訪れたのは中々に中間な地点。
「ま、その方が都合がいいや」
だが狙ってここに来ていた身としては何の問題もない。
あまりワチャワチャとしているのは得意ではないし、少ないに越したことはないのだ。
それに並ぶ必要もないし。
■照月奏詩 >
ゆっくりと境内を奥へと進んでいく。
散歩でもしているのかとばかりにその足取りは緩やかでゆっくりである。
明かりなど月と星とわずかな明かりしかない。それでもしっかりとした足取りで歩いていき賽銭箱の前。
腰から財布を取り出すと小銭を投げこむ。
「夜にならされても迷惑だろうし鐘はやめとくぜ神様。そもそもが挨拶だけだしな」
だから投げ込んでも手は合わせない。
別に開運など望んでいないし願いもない。そもそもが自分にそんなものを回す余裕があるのならもっと回すべき人に回してあげてくれとまで思っている。
だから来たのは単純に1年生き残れましたという挨拶。そして向こうにいる知り合いたちによろしく頼むというその2つだけであった。
■照月奏詩 >
「あんまり長居しても邪魔か。そろそろいくわ」
色々と報告をしておいてそういうと背を向ける。
そして少し歩くと。そういえばと少し振り返って。
「もし来れたらまた来年も来るから。その時はよろしく」
そんなことを適当に言い放って今度こそ境内を後にしたのであった。
ご案内:「常世神社」から照月奏詩さんが去りました。
ご案内:「常世神社」にモルガーナさんが現れました。
■モルガーナ >
「……何処にも変わったものはいるということかの。」
神社の暗がり、物影の地べたに座り込んでいたそれは去っていった人影を遠めに認め小さく呟く。
人がいないであろう場所を選んで星を眺めていたがこんな時間に参拝客とははよくわからない。
最もこちらに来てそう長いわけでもなく、この辺りの風習に詳しいわけでもないが……
この時間の参拝客が少ないということはここ数日で多少は理解していた。
「……騒がしいのう」
立ち去った後も、耳を澄ますと僅かに街の喧騒が聞こえた。
それと同時に高揚した感情のうねりが伝わってくる。
年越しとやらを迎えるとなり、明らかに浮足立った雰囲気が島中に満ちている。
特に平和な場所に行けば行くほど。
年末、年を跨ぐという風習は自分の世界にもあり、同様に人間たちは各々の形で祝っていたように記憶している。
龍である自分達にはあまり関係の無い風習ではあったが……
「悪くはない、というべきかの」
柵に力なく体を預けながら空を見上げて一つ呟く。
この世界が比較的平和であることからだろうか。
それとも自分が変わったのか、または両方かもしれないが
こうして様々な出来事を祝う人種という存在が以前よりも身近な存在のように感じる。
■モルガーナ >
「そういえばもうじきこの辺りは騒がしくなるというておったな。
次の場所を探さねばならんが……億劫じゃなぁ」
手元のカンテラに視線だけ動かす。
鳥籠の様な意匠のそれの真ん中に幻の様な緋色の炎が浮かんでいた。
中空で揺らめくそれは焔というには弱弱しく今にも消えてしまいそうなほど朧で
さながら盛りを過ぎた蛍の様に淡い光を放ちながら血色の悪い指先を照らしている。
「霊力は多くかつ人の少ない場所、か。
さすがにこの島でも多いとはいえまいて。
神社はたいてい人が集まるという話じゃ。さてどうしたものか」
ぼんやりとした視線のまま思案に耽る。
少し前はスラムの辺りにいたが、どうもあの辺りは思っていた以上に騒がしい上に集まる霊力の質が悪かった。
学校に戻る気はない。あの場所は少々煩わしさが過ぎるし、干渉も多い。
それに何より眩しすぎる。
「依り代でも見つかれば多少は足しにはなるが……」
別にそれが消えてしまう事には今更何も言うことはない。
これは残滓だ。それにこれが消えても正しい流れに還るだけの事。
だというのにそれを惜しんでいる自分を少し面白く感じてしまう。