2020/08/20 のログ
ご案内:「異邦人街『商店街』」に真乃 真さんが現れました。
真乃 真 > 異邦人街あまり広くない店舗の中であまりにも綺麗なお辞儀を決めている男が一人。
この街とは少々不釣り合いなビシッとしたスーツを着た男である。

「はい!!今回は!はい!!!ありがとうございました!!!
 いえ!!はい!!それでは今後お世話になります!はい!それでは!!よろしくお願いします!!」

滅茶苦茶元気な別れの挨拶。そして男の顔には笑顔。
なんらかの商談が成功したのは想像に難くない。

「それでは!また!帰り次第書面の方送らせていただきますので!!はい!失礼します!」

そうして最後まで頭を下げていた男が商店から出る。

真乃 真 > 少し歩いて、もう少し歩いて。
一つ角を曲がったぐらいの場所で小さくガッツポーズを決める!!

「いやあ!とても良かった!本当にありがたいことだよね!」

真乃真が働いている会社の主な事業。
異邦人街に売られている異世界の商品、それを買い付けて本土の方で販売するというもの。
バイヤーというのが分かりやすいのかもしれない。

商品を売らせてもらう為の交渉はもちろん、輸出品の検査の申請や商品の整理、場合によっては相手の商品の原材料の調達等も行わなければならない。
とても多忙のように思えるがまあ、多忙である!!!

「次の約束の時間は……まだ結構あるなあ……。」

スマホを確認して次の約束の時間を確認する。
思ったよりかなりスムーズにいったのでまだまだ時間は余っている、余り過ぎている。

真乃 真 > 「気になってるお店を見て回ったり……見て回ってもいいかも知らないな…。」

そうとなればこの服は目立つ。
普段の服に着替えておいた方がよいかもしれない。

アタッシュケースを脇においてそこから普段きているカジュアルな服を取り出す
そして、パチンと指を鳴らせばまるで手品のように着ている服が入れ替わっている!!

これが真乃真の異能の力!!!!

手品師に向きすぎて逆に向いてないとまで言わしめた異能!!!!!!

「さて!行くか!!」

着ていたスーツを綺麗に畳んでアタッシュケースに入れ込む。
絶対皺になるだろうと思うかもしれないがこのスーツに刻まれた魔術の刻印は汚れも!皺も!寄せ付けない!
頑張って買っただけの事はあるあまりに万能なスーツなのだ。

真乃 真 > 入るのは独特の外装のお菓子屋。
異邦人街ならどこであっても独特であるという気はするがそんな中でも群を抜いて奇抜。
壁は黒、扉も黒くて窓もない真っ黒であまりに黒い。
扉も触ってみなければどこにドアノブがあるのか分からない。

「こんにちわ!」

店内も当然、黒一色。
床も天井も内装も全て黒。
その割に何故か明るくて自分の姿は見えるものだからまるで宇宙空間に放りだされたように感じてしまう。

『いらっしゃいませ。当店は■■■の専門店になっております。』

黒の中に紛れた店主が話す。
店内に声が反響してどこにいるのか全く分からない。

「じゃあ!それで!!」『サイズはS、M、Lとございますが?』「Mで!!!」『……1000円です。少々お待ちください。』

足音もしないまま気配が消えた。
奥?奥に行ったのだろうか?

真乃 真 > 周りを見ても黒、黒、黒。
何も分からないので仕方なく無駄にかっこいいポーズをとる。
この光景を他から見ればすごいシュール。

『おまたせしました…』

ビニール袋に入れて差し出されたのはまさに■としか見えないモノ。

「うわ!本当に■だ!!」

その8センチ角の■と引き換えに1000円札を渡す。

『お早めにお食べください。』

手探りで扉を探して頑張って店から出る。
外に出ると■の黒さが余計に強調される…。

ご案内:「異邦人街『商店街』」にサクヤさんが現れました。
サクヤ > 今日の祭祀局のお使いとして異邦人街を訪れたはいいものの道に迷っていたサクヤだった。
と、通りがかりに真っ黒なお菓子屋……???を見つけ、びっくりしたように見つめる。
そしてそこから出てくる真乃の姿にさらにびっくりする。
彼の手にはまるで宇宙のブラックホールのような真っ黒の■……。
これがお菓子とは到底思えないが、大事に持って出てくるのならつまりそういうことなんだろう。

思わず珍しさから不躾にもじっと見つめてしまった。

真乃 真 > 店の外に置かれていベンチに座って黒くて四角い■を口に運ぶ。

外側はパリッと内側はもちゃもちゃ。
自然な甘さと人工的な甘さが合わさってて、好きな人は好きじゃないのかな?
おいしい、おいしい!

「あーなるほど!こんな■なのか!」

首をひねる。
味って言おうとした部分が■ってなる。
……ははん?これはさては仕事の前に食べちゃダメだったやつだな?

「これは■くないぞ!!でも、■■いなあ!」
    良         面白

四角い感じの言葉が全てよくわからない事になってしまう!!

そして大きい!大きい!!!!食べても食べてもなくならない!

サクヤ > わ、あの人一気に食べた。
普通もう少し躊躇したりしないかな……いやでも自分で買ったから食べなきゃもったいないか。
店の外のベンチに座ってもちゃもちゃ食べている姿はある意味広告になる。
と、彼が発した言葉が一部伏せ字のように不明瞭な音となって出てくる。
思わずサクヤも首をひねる。
なんだか面白い効果だったので、ついサクヤはお菓子を食べている人に声をかけてしまった。

「あ、あの……大丈夫ですか?」

いくら異邦人街といえど人類が食べて大丈夫なものを売らないとまずいだろうけど
それにしたってなんだか言葉が不明瞭なのは不自由だ。
そして味とかもちょっと気になる。

真乃 真 > これ結構簡単に割れる。
ぺきぺきと小さい直方体に分かれたそれを少しずつ口に運んでいく。

「うん?ありがとう!大丈夫だよ!
 この■で■ったんだけど■々いける■だよ!少し■べてみるかい?」
   店 買      中    味     食

何を言ってるのか分からない!
不明瞭な部分が多すぎる!

だが、笑顔で小さく割った黒い直方体を勧めていく!

「美■しいぜ!」
  味

無駄にかっこいいポーズ!

サクヤ > 「えぇ……」

あまりに不明瞭なので戸惑ってしまったが、どうやら彼はお菓子を勧めてくれているらしい。
小さな直方体に分かれたそれを差し出してくれる。
しかも無駄にかっこいいポーズ付きだ。
こうなると逆に断るほうが難しいし失礼かもしれない。

「はぁ、ええと、それじゃあ……」

小さな直方体をもらって意を決して食べさせてもらう。ぱくり。
確かに外はサクサク中はもちゃもちゃ、甘みが強い。
真っ黒だから苦いと思ってたけれどこれは予想外のお味。

「あ、ほんとだ。美■しい……! あれ?■葉が……!」
        味        言

どうやら彼と同じく不明瞭な発言になってしまった。
でもこれはこれで楽しい……!おもわずくすくすと笑い出す。

真乃 真 > 「うん。特に■術とかの■素は■じないんだけど不■■だよね!!」
      魔    要  感        思議

思ったより四角入ってる言葉が多い。
結構な言葉が不明瞭になってしまう…。
食べた量とかには関係なく。一欠けらでもこうなってしまうようだ……。

「■邦人街はこういうものを扱ってる所が多くてやっぱりいいなあ。これでこそって!■じだなあ…。」
 異                                     感

しみじみとしたように呟きながらガジガジ食べ進める。
異常事態への慣れ方がすごい。

サクヤ > 「あはは、お■さんの■■全然わからないです……!
     兄   言葉

 でも、なんとなく、■■は通じますね……ふしぎ」
         意味

サクヤもお菓子を食べ勧めていく。とはいえひとかけらだったのになかなか減らない。

「お■さんは、■邦人街にはよく来るのですか?」
  兄    異

異常事態に慣れている様子からそんなことを聞く。

真乃 真 > 「お互いに分かんないよね!ホントにそれでも■となく分かるの凄いなあ。」
                     何
 
言葉は多少欠けていても分かる…すごいな言葉。

「僕はかなり来るよ!働いてるのがこの近くだからね!!
 えーと……ほらあそこに見えるあのやけに四角い屋根の」

言葉は不明瞭だがここまで来たらお互いにもう何となく分かるだろう。
そう!普段使う言葉ならもうだいたい分かる!!分かるので■にはならない!
大体、ここから徒歩5分以内。

「君もこのあたりの人だろう?宗教施設施設群?っていうのかな?
 色々あるあたりの人かな?神社とかも多いだろうあそこ。」

服装からあたりを付けてそういう風に尋ねる。
あのあたりには日本の神社に近しい建物も多くあるのだ!

サクヤ > 「ああ、ここの近くで働いていらっしゃるのですね。
 異邦人街の建物……、お兄さん自体は地球人のようにみえますが
 働いているところは異邦人の方がおおいのでしょうか」

四角い屋根の建物を見ながらそう尋ねる。
そして自分のことを尋ねられたなら、確かに近くに宗教施設群があるし
巫女服なので巫女さんと間違われても仕方がない。首を振って、

「いえ、サクヤは巫女服を着ておりますが正式な巫女というわけでは……。
 申し遅れました、祭祀局員のサクヤと申します」

ぺこりと頭を下げる。

真乃 真 > 「うん、僕はこの世界出身だよ!
 仕事場はまあ確かに異邦人の人も多いけどどっちもいるよ!」

そもそも社員がそこまで多くないけども異邦人の方が割合が多い。
店舗というか会社であるけどもまあ気にならない。

「なるほど!祭事局の人かあそれならその恰好も納得だなあ!」

相手に合わせて頭を下げる。
かなり勢い強い頭の下げっぷりだあ!!

「……実は祭事局ってあんまり知らないんだけどね!
 式典の時に色々やってるぐらいしか知らないからなあ…今日は何か祭事局の仕事なのかい?」

サクヤ > 「今も、お仕事中だったのでしょうか? だったらサクヤはお邪魔してしまったかも……。
 それとも休憩中だったなら、それもお邪魔だったかもです……」

お菓子を食べていたのだから休憩中だった可能性がある。
貴重な休憩時間を邪魔して申し訳なさそうに肩を落とした。

「えへへ……そうですね、祭祀局は最近編成された委員会ですから
 あまりご存じない方がいらっしゃっても仕方ないです。
 この常世島の霊的守護を務めているのが祭祀局です。
 式典行事などもお手伝いはしますが、ほとんどは式典委員の領分ですし……。

 うーん、わかりやすく言うと、島のお祓いとか平和を守っています……!」

めちゃめちゃざっくりした解説を述べた。
そう言えば、自分の仕事を放り出していたことを思い出して思わず「あー!」と叫んでしまった。

「そそそそうでした、サクヤは今日祭祀局のお使いに来たのでしたが
 道に迷ってしまって……すみませんが、お兄さんは異邦人街に詳しいでしょうか?
 この、ここへ行きたいんですけど……」

自分の端末で地図を宙に展開させ、お使い先を見せてみる。
なんとびっくり、行き先は 真乃の勤め先であった。

真乃 真 > 「いやいや!ちょうど時間が空いてしまっていてね!!
 ちょっと気になっていたお店に行ってたものの一人で食べるにはだいぶ持て余しちゃってたからね!」

残り半分くらいになった■を見ながら言う。
Sサイズにしておけばよかったなあ。

「なるほどお祓いかあ……この島でお祓いとかやろうとしたらきっと凄い色んな幽霊いるからすごい大変そうだね!!」

確実に集まっている霊の種類は多い。
落第街とかではどんな存在が生まれているか想像するのも嫌になるくらいだ!

「任せてほしい!僕は人を案内するために生まれてきたような男だからね!!
 案内には慣れてるし、この街には詳しい!……うん!なるほど!弊社だな!!!」

ドヤ顔で胸を張って答えた…そして見た目的地の場所を見て頷いた。
これは真が務めている会社だ…。
この場所から道に迷わなければ徒歩5分!道は複雑だがとても近い!

「あー…良かったら案内するよ!もうそこに見えてるけど中々たどり着けないからね!」

恐らく、魔術的ななんやらは無いがただ迷いやすい。
異邦人街全体に言えることだがとても迷いやすいのだ!

「それにしてもウチにお使いって珍しいなあ……支部長何かしたのかなあ……。」

サクヤ > 真っ黒な塊がまだ残っているのを見れば苦笑する。
ひとかけらで良かった、なんて自分は安堵した。

「お邪魔でなかったなら、良かったです。
 はい、悪い霊でなければ交渉することもありますが、
 悪霊だった場合はちょっと大変です……」

摩訶不思議な常世学園での霊的存在は数えるのも嫌になるほど数多に渡る。
落第街に溢れている怨霊の数なんか、委員会ですらちゃんと把握していないに違いない。

真乃の頼りになるような言葉に、ぱぁと顔を明るくすればなんと彼の会社だったらしい。

「ありがとうございます、では案内をお願いします」

再び頭を下げて、彼の後についていく。
とにかく異邦人街は異邦人たちが建てた建物が多く、それは人類の理解が及ぶ構造でないことも多い。
その分道が複雑で迷いやすくできている。
右に行ったと思っていたら左を歩いていることだってざらだ。

「えっと、異世界のお酒……今度宗教行事でお神酒に使うのですが
 それをたくさん注文したいそうです。
 お兄さんの会社は、そういう商品も扱っていると聞いています」

真乃 真 > 「いやあ!それにしてもまさか探している場所が僕のとこの会社だなんてね! 
 渡りに船とはこのことだね!!」

……船側がこれを言うのはとても珍しい。
もう少しいい言葉があるかもしれない。

「ああ!任せてほしい!豪華客船に乗ってるみたいな気持ちで案内されればいいよ!!」

無駄にかっこいいポーズを取って言う。
氷山にぶつかって沈みそうなそれを想像してしまうがもっと強い。

「お酒かあ……。
 ウチだったら確かにまとめて卸してるけどお店に在庫無い事あるもんね。
 確かあったと思うよ。」

異邦人街の店は個人店舗が多く売れる分しか置いてないという事が当たり前。
期限のないものはまとめて買って本土よりも安いこの島の倉庫に置いてあるのでストックもあるはず。

「もし、これからも定期的に使うんだったら元の商店の人に伝えておくね。」

そちらの方が安いはず。はずだが…会社の利益は減るのでは?

サクヤ > 「は、はい!渡りに船です!
 まるでタイタニック号のような快適さと安全を保証されている気分です」

安全の面では運命が決まっているようなものだが、まぁそこは置いておいて。
いちいち無駄にかっこいいポーズをとって言う真乃にくすりと笑ってしまう。

「はい、個人商店さんにもお願いしたのですが、それなら発注元の会社に頼んだほうが早いと言われまして……
 あ、ありがとうございます。伝えてもらえれば助かります。
 時々、大酒飲みの神様が現れたり、結界を張ったりするのにお酒がたくさん必要なので……」

会社の利益云々は社会経験のないサクヤにはわからない範囲である。
というか大丈夫なのか有限会社ゲートコネクト!

真乃 真 > 明らかに狭い路地を通ったり急に広い道に出たり謎の階段があったりと。
バラエティ豊かな道のりを超えて少しずつ近づいていく

「美味しいからね異邦人街のお酒!
 神様にも霊の人にも人気あってもおかしくないね。」

真は酒に強いわけではないしそこまで酒に詳しいわけでもない…
でも、市販されているお酒と比べたらこの街のお酒の方が好きだった。
普通のスーパーとかで売ってるのに比べてこう…なんというか…柔らかさがある気がする。

「さて、到着だ!!ちょっと待っててね!あっ外暑いからちょっと中で待っててね!!
 …そこの椅子にでも座ってて!!」

そう言い残して飛び込んでいく。

「支部長!!祭事局の人から大量のお酒の発注が!!!」『何言ってるか全然分からねえ!!』

「酒!お酒!祭事局!!」『さては!!また変なもん食ってきたなお前!!!』

……数分後

「はい、というわけでこの書面に書かれてる日に納品させてもらいます。
 料金の方はこちら利用して振り込んでいただければ大丈夫なので!」

いつの間にかスーツ姿に着替えていた真が用意してきた書面を見せる。

サクヤ > 「はい、異邦のかたにしか作れないお酒というのはやはり根強い人気があります。
 サクヤはお酒を飲んだことがありませんが、
 皆さんの評判を聞くに、とても美味しいものなのだなと思っています」

入り組んだ道を少しずつ解きほぐすように入りながら、やがて到着する会社。
「お邪魔します」と上がらせてもらって、傍の椅子に座らせてもらう。
どうやら真乃の反応を見るに、まだ自分たちの言葉は直っていないらしい。
なんとか伝えようと試みる真乃の姿がなんだか未開の部族の交渉のようで面白くて笑ってしまう。

そうして、商談がまとまるとサクヤはお礼を言って必要書類を確認した。

「ありがとうございます、後日祭祀局から振り込ませていただきますね。
 ……スーツ、とっても似合ってますね」

なんてくすりと微笑んで、書類を懐にしまった。

「また異世界のもので取り寄せて欲しい品があったら利用させていただきます。
 今日はありがとうございました、助かりました。
 最後にお兄さんのお名前を伺ってもよろしいですか?」

真乃 真 > 「ありがとう!結構頑張って買ったスーツだからうれしいよ!」

ニコニコとしてしまう。
良いスーツ、ここで働くにあたって用意した多機能スーツ!

「はい!是非御贔屓に!異邦人街の物でしたらなんでもご用意いたします!
 名前かい?僕の名前は■乃■。」

流石に名前は伝わらない。
取り出した名刺に書かれた名前。
それをきちっとしたポーズで手渡して。

有限会社 ゲートコネクト 常世学園支部 真乃真

「よろしくね!えっと……」

相手の名前は聞いていない。

サクヤ > きっとしたビジネスマナーで名刺を差し出してくれる真乃に
こちらも慌てて丁寧にお名刺を受け取る。

「サクヤ、です。ああよかった、■前だけはちゃんと伝わるかしら」

四角が名前に含まれていないので、たぶん伝わることと思われる。
そうして、また改めてご挨拶をしてから会社を去ろう。
帰り道、また道に迷ったのは別の話。

ご案内:「異邦人街『商店街』」からサクヤさんが去りました。
ご案内:「異邦人街『商店街』」から真乃 真さんが去りました。