2022/10/29 のログ
ご案内:「異邦人街」に角鹿建悟さんが現れました。
■角鹿建悟 > 気が付けばもう深夜の時間帯だった。今回は異邦人街に遠出して、まぁ何時もの如く色々と建造物や故障品を直していた。
(…矢張り、異邦人街の異世界由来の物体は俺の能力が微妙に誤差が出るな…)
前々から薄々感じ取っていた事だが、矢張りこの世界の物体とは能力の”通り”がどうも違う気がする。
それは、些細といえば些細な誤差なのかもしれないが、仕事などに支障が出る可能性があるなら考慮すべき事だ。
「……流石に、そこを考えるのは今は後回しだな…頭が回らない…。」
こんな時間まで掛かるのは想定外だった…徹夜などは慣れてはいる筈だったが。
(…確か、朝食おにぎり3個、昼食がサンドイッチ、夕食は野菜スープと…何だったか?)
つい数時間前の夕食に何を食べたかも”思い出せない”。
ボケたか?と、思われるだろうが少年の場合は少し違う。
食事に対する印象が希薄なので、自分が食べた物にあまり頓着しない。
昔に比べれば、メニューをある程度思い出せるだけマシになったものだ。
■角鹿建悟 > 思い出したように、懐から何やらちょっと怪しい色の錠剤が詰まった小瓶を取り出して。
中から数錠取り出して口の中に放り込む。見た目の色合いがアレだが栄養剤だ、問題ない。
――ちょっと副作用が出る場合も偶にあるが、そこはもう慣れというやつだ。
「……今から帰宅するとしても、微妙な時間帯になるな…ここらで一泊できたらいいんだが…。」
もう、最悪野宿でも別に構わないくらいだ。取り合えず雨風凌げれば尚良いが、贅沢は言えない。
異邦人街にも、無人の家屋や建物は幾つかあるが、流石に勝手に侵入するわけにもいかないだろう。
と、いうより無性に補習作業などをしたくなるので、それこそまた倒れかねない。
ここまで来ると、何かの呪いか因果のようでもあり、この男の直す事への狂的な執念を端的に示すようでもあり。
(――まぁ、自制は出来ている…筈だ。)
自制が出来ているかどうかでいえば、片っ端から直しまくらないだけマシだろうか。
時間と体力があれば普通にやりかねないが、そこはまぁ今の状態では無理がある。
■角鹿建悟 > 「…気が進まないが、最悪、自分で簡易な寝床を『創る』しかないか…。」
若干嫌そうに吐息を一つ。創るのは好きだが――同時に嫌いだ。実家のクソ共を思い出す。
もう二度とあの家の敷居を跨ぐ事は無いだろうし、頼まれようがお断りだが。
栄養剤の小瓶を懐に戻しつつ、今後の直す仕事の依頼をざっと思い返す。
(…建造物の修復が3件、機械の修理が5件、日曜大工が2件――)
必要時間、必要手順を今の内に頭の中で再確認するが、矢張り疲労感のせいか頭の巡りが鈍い。
「…栄養剤より携帯食の方にするべきだったか…。」
呟くが、それより三食毎日ちゃんと食べろ!!と、ツッコミを喰らいそうだ。
実際に生活委員会の同僚達から何度も言われているが、一向に直る気配が無い。
■角鹿建悟 > 食事も睡眠も当たり前に必要不可欠だし、男もそこは人間なので当たり前なのだが。
それを削って仕事に傾ける狂的な直す執念も、表面上は多少マシにはなったが、衰えた訳でも消えた訳でもない。
「……仕方ない、無人の民家の軒先を借りるか…。」
呟けば、丁度目に留まった、人の手が入らなくなった事で休息に劣化し始めている民家の軒先へと移動。
玄関前にゆっくりと腰を下ろせば、疲労感がどっと押し寄せてくる。
(……もう少し行けると思ったが…矢張り鈍ったか?)
それだけの問題では決して無いのだが、彼自身は至極大真面目にそう考えている。
と、ぼんやりしていた矢先に連絡が来たようだ。携帯を取り出して通話をオン。
「……もしもし……あぁ、どうした…?俺か?俺は仕事を終えて今は異邦人街だが…。
…あぁ、帰るのは朝方になるかもしれないな…報告はちゃんと上げておくから問題ない。
…体調?何時も通りだ。眠気?ちゃんと寝ている。…他に用向きが無いなら切るぞ。」
淡々と、そう告げようとした所で慌てて止められた。
大体。何を言われるかは予想が出来ていたので、溜息と共にこう告げる。
「…心配は有り難いが、お前の方が先輩だし進路の事もあるだろう。自分を優先しろ自分を。」
突き放したような、淡々とした声色だが男にとっては平常運転だし、一応相手を気遣っているつもり。
■角鹿建悟 > 通話を切れば一息零して。携帯を仕舞いこみつつ、座り込んだまま玄関へと背中を預けて。
「――自分がロクでもない馬鹿だっていうのはとっくに分かってる事だ…。」
目を細めて呟き、それから暫くは結局”寝ずに”朝方までそこで過ごして。
朝と共に立ち上がれば、そのまま直帰コースで部屋へと戻るだろう。
ご案内:「異邦人街」から角鹿建悟さんが去りました。