2020/09/07 のログ
マルレーネ > 「………そうですね。」

相手の言葉を、ゆっくりと反芻する。

自分の運命を。 自分の行く末を。 正直なところを言えば、どうでもいいと思っていた。
それは旅を続けてきたままの、リアルな感情。
生きるために全力を尽くすが、死ぬときは死ぬ。
それが明日かもしれないし、一生来ないかもしれない。
だから、自分に執心しない。

でも、それは。
自分の周りにいる友人の願いを無視していること。

それが他人のためであっても、自分をもうちょっと大切にする必要を、改めて思い知らされる。

「……そう、ですね。」

「そうですね。 願いはあります。
 まだもう少し、ここから離れたくない。

 ………こうやって一つのところで、決まった友人と過ごすのが、久しぶりで。
 本当は、楽しくて。」

ぽそり、ぽそりと言葉が漏れる。
久々の、シスターとしての言葉ではない、彼女としての言葉。

松葉 雷覇 >  
雷覇は微笑みを崩さない。
ただ、他ならぬ"彼女"の言葉に、満足げに数度頷いた。

「私は貴女の世界も知りません。
 地球<ココ>以外の世界も、数える程度しか見ていません。
 ですが、今の大変容が起きたこの世界は、非常に残酷な世界に値するでしょう」

元より、この世界は《大変容》以前より残酷だった。
人類の歴史に争いが常に刻まれる程に、大局的にものを見れば
それは、他の異世界と比べれば醜い歴史だったのかもしれない。
そして、《大変容》によって、文字通り世界の全てが変わった。
この世界は、大きな混沌に呑まれ、安定期に入った今でも
この島同様、多数の問題を抱えている。
多くの生命が悩み、儚く散っていく。悩ましく、残酷な世界。

「……私は貴女も、彼等も、この世界も何とかしてあげたいですね?」

それら全てを救いたいという理想は、余りにも高いものかもしれない。
それでも雷覇は、それを諦めない。そして、確実に一歩ずつ、上り詰めている。

「ですが、世界は残酷でも、誰もが生きるべき権利を持っています。マルレーネさん」

頬に添えた手をそっと離した。
ただ、差し伸べた手はそのまま。
マルレーネ個人に、差し伸べられた手。

「そして、願いは叶えられるべきと思っています。
 マルレーネさん、貴女の願いも、叶えられるべきでしょう」

「貴女が此処に留まりたいと言うのであれば、是非ともお手伝いさせてください」

「お力添えをさせて、いただけませんか?マルレーネさん。
 貴女の願いを、ご友人たちと過ごすこの島の生活を、そして……」

「────……どうか、貴女自身を此処に繋ぎ留めれるように、お力添えをさせて頂けませんか?」

マルレーネ > 「………こちらの世界は、ただ残酷な、厳しい世界ではないと思います。
 強い力で曲がってしまっただけ。
 ですから、それを元に戻すことは、とても大切。

 それに全力を注いでもらえれば、私としては。」

そっと頬から離された手が自分に向けられていることに気が付いて、少しだけ、目をぱちぱち、と。

「私の願い、ですか。
 ………ええと、力添えと言っても、私、本当に何もできませんよ?
 できることって言えば、荷物運びとかくらいで。

 後は………荒事でしょうか。 最近はここの能力を持ってる人には敵わないんですけど。

 ……でも、もしも分かったら教えてほしい、とは思っていますし、何か協力できることがあるならば協力したい、とは思いますが。」

苦笑しながら、てへ、と舌を出す。

松葉 雷覇 >  
「……ええ、私もそう思います。
 ですので、そう言って頂けるのであればとても心強いです」

そう、ねじ曲がってしまっただけ。
だが、敢えて否定はしなかった。
確かに厳しいだけの世界ではない。
世界では無いが……その本質自体は、何も変わらない事を。

「いえいえ、出来る事と能力など些細な事。重要視する程ではありません。
 私は、貴女自身に"興味"があります。だからこそ、貴女のお力添えをしたい」

「私の力で、貴女を繋ぎとめる事が出来れば、と……その為に、貴女の協力が欲しい」

「是非とも、貴女の手を貸して頂きたいのです」

彼女だからこそ出来る事がある。
異能など魔術などと、そんなものがあるからと言って区別も差別も必要ではない。
差し伸べられた手は、善意によって差し伸べられたものだ。
雷覇はただ、彼女の返事を、行動を、待つ。

マルレーネ > 世界については、彼女はまだ分からないことも多い。
だから、否定をされなければ気が付くことも無い。

「………はあ。 何か……私にできること、ありますかね?」

興味がある、と言われれば、首を傾げながらもその手を取る。
どちらにしろ、………ここにいたい、という気持ちだけは、変わらない。

「……それでいいならば、協力、ですか?
 もちろん、させてもらいますよ。」

微笑みながら、その善意を受け取って。
彼女もまた、心の底から善意を見せ。

松葉 雷覇 >  
とられたシスターの手を、優しく握り返した。
何処までも優しく変わらない、お互いの生命の温もりが交差する。

「ええ、勿論です。マルレーネさん」

松葉 雷覇 >  
 
       「─────……ご協力に、感謝致します」
 
 

松葉 雷覇 >  
僅かに雷覇の握った手が、その手を擦った。
瞬間、その手袋に仕込まれた"針"が飛び出す。
それは髪の毛よりも細く、微細部がのこぎり状になった針だ。
人の痛点を掠る事も無く、皮膚を突き破り侵入する。
蚊の口を再現し、更に雷覇自身の技術よりより細く、繊細に。
文字通り、"蚊に刺された程度"にも感じない。
彼女が知らない、発展した地球の科学の力。
注入されたのは、睡眠薬。
即効性はなく、実に、ごく自然に、数分で"抗えない眠気"がやってくる。

マルレーネ > 「あはは、協力できること、そんなにありますかねー?」

苦笑を浮かべる。 自分にできることって何だろう。
壊れた建物をコツコツ直したり、怪我人を運んで手当したり。
後は、人の話をゆっくりと聞いたり。

それくらいしかできない、と常に思っていたからこそ、それを素直に受け止めて。

「後は、なんだかんだで、こう………。
 施療院も行かなきゃですし、勉強もしないとですしね。」

あはは、と少しばかり恥ずかしそうに笑って、す、っと立ち上がり。

「紅茶のお代わり、入れてきますね。」

笑顔で背中を向け。…………しばらくして。
がちゃん、っと音が響き渡る。

カップを取り落としたのだろう、割れたティーカップの隣に倒れ伏す、修道服の女性。

松葉 雷覇 >  
雷覇の言動は全て善意だ。
そこに一切の嘘も偽りも無い。



─────……だが、善意で差し伸べられた手が、地獄に繋がっている事があるのも、確かだ



「……おやすみなさい、マルレーネさん」

人差し指を口元に立てて、静かな声音が雨音にかき消された。
気づけば、雨音も随分と激しくなっていた。
暗雲は未だ晴れず、太陽は昇らない。
倒れ伏したマルレーネへと近づき、優しく、割れ物を扱うように抱きかかえた。

「さぁ、行きましょう。マルレーネさん」

貴女の願いを、叶えるために。
教会の中、一切の光を失くしたかのような黒い円がそこに現れた。
光無き、宇宙の先、その先に続くものは……。
静かな歩みと共に、科学者の姿は消えていく。

松葉 雷覇 >  
 
       ────────……その日、聖女の輝きは雨に消えた。
 
 

マルレーネ > しとり、しとりと雨の降る日だった。


修道院の扉だけは、開け放たれて。

ご案内:「宗教施設群-修道院」から松葉 雷覇さんが去りました。
ご案内:「宗教施設群-修道院」からマルレーネさんが去りました。
ご案内:「宗教施設群-修道院」に神名火明さんが現れました。
神名火明 >  
客がいない

主もいない

神名火明 >  
車で乗り付けてみたのはいいものの、雨に僅かだけぬかるんだ土は来客を示す痕跡を残している。扉は開いていた。いつもどおりの佇まい。こっそり覗き込んでみた。出ていく足跡はなかったから。

「マーリーぃ~? 来たよ~、電話買った~?」

雨は何もかもを洗い流す反面に湿りという強い痕跡が残る。大きさから成人男性の足跡。歩幅からして感情の動きは大体推測できる。できたから何だと言うのだろう。起こってからしか対応できないのが常だった。いつもいつもそうだった。そんな生活に嫌気が差して自由になったのがついさっき。

神名火明 >  
「おっかしいなあ、いると思ったんだけどな~」

居たのは一人。そしてマリー。デバイスを取り出して連絡を取る先を考えながら進んだ。足跡をたどる。

神名火明 >  
ごとり。

デバイスが落下する。

割れたカップの隣に。

ご案内:「宗教施設群-修道院」に日月 輝さんが現れました。
神名火明 >  
「痕跡が消えてる」
 
「空間転移の異能?」

「誰がなんのために?」

「わざわざ教会まで来て?」

「怨恨?」

「違う、準備が良すぎる」

「それならお茶会なんてしない」

「あの子が見誤るっていうなら」

「相手は…………………善人、だとでも……」

日月 輝 > 他愛の無い話よ。

雨が降るなら旧くて古い建物は雨漏りだってするでしょう。
抗えない蹉跌。必然の陥穽。そんな当たり前を想って、いつものように扉を開けようとして、先客の応へに首を傾いだだけの。

「あら、お客様かしら。マリー?お話中だったら御免なさいね。
 ほらこの間雨漏りするかもと言っていたでしょう。一応シートとか持ってきたのだけど──」

返事が無い。
おやと思って、室内へ。
そうした先には、いつかの夏に視た誰かの姿があった。

「……神名火さん?」

あの時とは髪の毛の様相が違う。切ったのかな?と先ずは思った。
けれど、その足元の痕跡にアイマスクの裏の眼が訝し気に歪む。

神名火明 >   
「輝ちゃん」

目元にくまの浮いた瞳で彼女を見つめ返した。声をかけられるまで気づきもしなかった。やさしい雨と指でかきみだしたせいでぐしゃぐしゃになった銀髪の隙間から、くすんだ瞳で視線の見えない顔をじっと見つめ返した。泣きそうだった。

「マリーがいなくなっちゃった」

あ、だめだ。言ったら涙でてきた。顔を覆った。

「どうしよう…」

日月 輝 > 夏の浜辺で聴いた声とまるきり違う抑揚。
私に誰かの嘘を見抜くような力は無いけれど、その言葉に嘘は、無いと理解する。

平静を装うように右手が頤を撫でた。

「居なくなっちゃった……ってなによ。単に偶々、出かけているだけとかじゃあないの
 あの子、割と彼方此方出かけたりしているのよね。待ち合わせする度に遅れてくるし。
 夏祭りの時なんか浴衣で猛ダッシュしてきたりしてさ」

顔を覆い、今にも頽れそうな神名火さんに努めての明るい声を務めた。
一方で室内を見回して、割れた茶器に顔を向ける。
マリーは、そういったものを放置することをしない。

「……でも、掃除はきちんとするのよね。例えば、ティーカップを割ったら放置とかはしない」

言葉が細くなる。
放置せざるをえない何かがあった。じゃあ何があった。
"突然門が開いて、別の世界にでも行ってしまった"とは、思いたくなかった。

「とりあえず……とりあえず落ち着いて神名火さん。ええと、まずは深呼吸よ深呼吸」

だから棚上げして神名火さんの肩に手を置いて、落ち着かせようとする。

神名火明 >  
手を置かれたことに気づかないくらいに取り乱してしまっていて、ひ、と声をあげて肩をびくつかせてしまった。ぐっと息を飲み込んでどうにか落ち着こうとする。

「だれかがいたの、足跡」

深呼吸して。ぽろぽろと涙を零しながら返答をする。たのしい思い出がすごく遠く感じてしまう。思い出そうとすると耳がきんきんする変な感覚。消えてしまった花火。はじけて消えた金色の輝き。鈍色の雨しか残ってない。

「帰る足跡がなかったから」

彼女が視線、こちらから見える限りでは顔を向けた先のカップを見る。横に落ちてるデバイスは自分のもので、しゃがみこんで指をカップにふれる。

「まだあったかいから、だからすこしまえまでここに…多分男の人…しずかに歩く人…わからない…だれかにつれていかれて…一緒にお茶してたのに…争った痕跡とか…血の匂いもないし…でもいっしょにいったならカップは割れたまんまで…薬物…?気絶させられた…?あたま殴られたって…、でも…でも…」

頭を抱えて、はーっ、て深いため息。色々な意味がこもった言葉がこぼれちゃう。

「わかんない…………どうしよう……どうやって探せば………」

日月 輝 > 曇天のような、それでも明瞭な言葉。
理路整然として、彼処に要領を得ない。
──頭を殴られただなんて、あたしは聞いていない。

「此処は教会で、マリーは御人好しで、そりゃあ誰かとお茶をする事もあるでしょう。
 ……御人好しが過ぎて、落第街で施術院を作るんだって張り切ってたけど……
 性質の悪い誰かにでも目を付けられた。って所かしら……争った痕跡が無いとなると……」

少しだけ、そのことに唇を尖らせて、けれども直ぐに頭を振って振り払う。

「何一つ手掛かりが無い。ってなると所謂空間移動とか、そういう異能なり魔術よね
 ……まだ暖かいなら直ぐとして……そういうものって距離とか、どうなんだろう。
 あたしはその辺に明るくないから、神名火さんはわかる?」

事件性を示すものは神名火さんの言葉ばかり。
けれども事態が奇妙なのも事実。
マリーがこんな妙な状況に陥るのは、自然でも無いし普通でも無い。

神名火明 >  
「初歩的な異能や魔術ならごく短い範囲の移動はそこまで珍しいっていうわけじゃないよ…もちろん仕組みや原理はひとによって様々だけど…でも本当に…足取りに淀みがなく感じる…何もかもが計算ずくで…だったら本当に遠くまで《門》をくぐるみたいな…優れた異能者か魔術師…それもだいぶ自分の力を使い慣れてる人…あれ…」

はたと顔を上げる。それならおかしいところがあるなあって思って、そのまま見上げて訊いてみる。

「輝ちゃんさ…『掃除はきちんとする』『ティーカップを割ったら放置とかはしない』?そうだよね」

修道院の扉があいているのはあたりまえで…むしろ何かおかしい。おかしい。だって。

「割れたカップがなかったら、私も、『マリーがいなくなった』なんておもわなかった」

たぶん自分より彼女のふだんをよく知っていそうな輝ちゃんが言うんだ。間違いない。この決定的な違和感を、計画的誘拐だというなら放置はしていかないはず。

「『誘拐』だって、わかるようにしてる…の…かな…? 状況証拠だから…風紀委員会が動いてくれるかどうかも…わからないけど…『見つけてみろ』って…言ってるみたい…。
 そんな優れた異能者が、マリーの心を騙せるような人間なら、こんな初歩的な痕跡を残したりしない…と…思う…かな…」

手がかりは、ある。あってしまった。なぜ?

日月 輝 > セミでも判るような魔術理論でも短距離の移動に不便は無いらしい。
その術理は判然としないけれど、今大事なのはそこじゃあない。

「卓越した異能者、魔術使い。そうなると単純に考えるなら……」

上級生、よりも教師かなと思う。でも教師がそんな事をする訳ない。
もう一度頭を振う。冷静なつもりで、ちっとも要領を得ないのはあたしの頭だ。
絵物語のように、今新たな異能に目覚めて全てを解決できたなら、それは素敵だろうとも思う。

「ええ、そうよ。マリーは結構マメ……って言うのも変だけど、よく修道院の入口とか掃いてたし
 こう言っちゃあなんだけど、このオンボロ建物を綺麗にしていたわ」

几帳面で丁寧だ。その上で、用心深い。
施術院で人々に食料を配る際にも、ローブの下に鎖帷子を着込む程に。

「マリーは綺麗好きで、用心深くて、熟練の旅人。生半のことでは油断しない人……だと思う。
 そんな彼女が誘拐されたとして、けれどもそれが偶発的だとして、その上で用心深い彼女の上を行ける。
 ……良くある話なら、顔見知りの犯行ってのを疑うところよね。ティーカップを放置したのは……
 別にどうでもいいから、かも」

その程度の手掛かりだから放置した。
その程度の手掛かりを手繰られても何一つ困らない。
遠方に見える灯台を頼りに航路を選んだ船が、辿り着く頃には何もかもが終わっているかのように。

「神名火さん。正直……今のところだと、風紀委員の人達に通報したとしても、動いてくれないと思う」

近付き、しゃがみ、その綺麗な碧眼とアイマスク越しに視線を合わせるようにしながら言葉を選ぶ。

「風説って訳でもないけど……まあ、何だか色々ごたついてそうだし。
 言いたくはないけど、異邦人一人居なくなったくらいで、人を割いてはくれないと思うの。
 でも、個人的に知っている人はいるから、その人には、一応伝えておこうとも思うの。
 その……あまり時間をかけたらいけないような、そんな気がするから」

居合わせてしまった同士に、確認をするかのように言葉を重ねる。

神名火明 >  
「むかしこの教会つかったときはもっとボロボロだった」
 
彼女のマリーへの印象にはうんうんと頷ける。生活をしながらきれいに保たれているのはまさしく清貧の心がけができたこと。だから不意の事態が起こっているのは間違いない。ああそうだ、これを伝え忘れてた。

「悪人の反抗じゃない。ちがう。これは違う。えっと、そうなんだよ。悪意の犯行じゃないの。マリーは嘘をつくでしょ。自分が辛いことを辛いって言わなかったり、苦しいことを隠してたのしいことばっかり話そうとするでしょ。あの子はね、だから人の後ろ暗いところはすぐ見抜いちゃうでしょ。ふつうじゃない。…わかってる…まだ生きててほしいから、必死に生きてそうな可能性を探してる…いま」

視線を合わせてくれた輝ちゃん。多分年下なのに頼りになる。ううん、気づいてる。私も子供なんだ。頼らなきゃ。少し冷静になってきた。

「うん、色々聞いてる。実際、色んな人が運び込まれたりしてたもん。うちの…もううちのじゃないけど病院。
 頼るなら個人かな、委員として動かないように、理央くんと英治くん…あーっ、英治くんの連絡先知らない!あの人なんか女の子の影っていうか片思いの気配してたからな~!理央くんにはメールしてみるけど…動いてくれるかな…」

デバイスを取り上げながら立ち上がる。白衣の裾を払って、肩を上下させた。

「多分意味のないことをする犯罪者じゃない。カップが残ってる。気づかれるようにしてる。時間をかけたらいけない。それも間違いないと思う。…良かった、輝ちゃんいて。きてくれなかったらこっから動けなくなっちゃってた。私」

不意の天稟に悩む者たちの多くに手を差し伸べてきたあの子のために動いてくれる人は絶対にいるはず。

「まだ間に合うはず。これは、犯罪者としてのカン、だけど。絶望を見せたいだけなら特定の人間を狙い撃ちにするはずだ。今日は完全にアポなしの訪問。第一発見者が私になって、ここに輝ちゃんが来たのも完全な偶然。
 今するべきはそうだね。急ごう。助けよう。マリーを。そうしろって誰かが言ってる気がするんだ」

善なる悪魔の囁きであっても、いまこの場に居る自分たちが動かない理由を探すよりずっと有意義な道筋だと思いたい。とはいっても、何をしてるかもわからない彼女に、どこまで負担を負わせていいんだろう。少し心配そうに覗き込んじゃう。

日月 輝 > 「……マリーは」

マルレーネは、もしもの未来を受け止めれる人だ。
諦めを受け入れる人だ。だから、その道行が怖い。
神名火さんの言葉に、どう返そうかを悩んで言葉が泳ぐ。
その最中に、藁をもつかむような名前に声が跳ねた。

「英治って山本英治さん?あの見事なアフロヘアの。
 彼の連絡先なら持ってるから、あたし聞いてみるわ。
 BBQの時に茶化して家族です。なんて笑ってたくらいだもの。
 きっと仲良しなはず」

動けなくなっている場合じゃあない。
あたしも立ち上がって、もしも/ifに備えて動かなければならない。

「神名火さんって犯罪者なの……?いえ、まあそれは置いときましょう。
 あたしは善良な学生だからこの際足して二で割れば丁度いいわ!!」

心配そうな顔
泣き腫らした顔
けれども明瞭に諦めない顔。
そのどれもが犯罪者とは思えなくて些かに鼻白んだ。
でも、おかげで少しばかり肩の力が抜けたかも。
意気軒高に胸とて叩き、その後に己の携帯デバイスを取り出だす。

「さ、神名火さんの連絡先を教えて頂ける?」

事件かどうかも判然としない事態を詳らかにする一歩は此処からだ。

神名火明 >  
「生きてて欲しい。あの子が私の神様だから」

掴んだばかりの信仰を喪うわけにはいかないから、少し子供じみた言葉で、泳いだ彼女の視線を掴んでしまうような声を出した。

「ほんと?よかった!そうそう、がっちりしててたくましいアフロの…。輝ちゃん、お願い!私は、親戚の子が居るから、その子も風紀委員で。その子に頼ってみる。もちろん個人への依頼になるけど。マリーを見捨てるような子たちじゃ、ないはず!」

ぺちぺちと自分の頬を叩いて、よしって気合を入れちゃう。笑い顔は困り顔になっちゃうんだけど。

「悪い子にも善い子にも慕われてるってことだよ、あの子が…」

だから助けたいから、デバイスを翳して連絡先を交換。急いでできることをしよう。幸い無職の学生になったので時間はたくさんある。あきくんには悪いけど、善良な学生におサボりをさせる時間も少ないほうがいい。

「こんな形のアドレス交換であれだけど、終わったらみんなで美味しいもの食べにいこーね!」

日月 輝 > あたしよりも子供のように
あたしよりも切実そうに
あたしよりも──あたしよりも、マリーを慕っているような神名火さんを見て安心するわ。
だって、彼女はあたしよりも年上で、それならあたしも、もう少し、そうしていいのかなって思うじゃない?

「ええ、行きましょ。浜辺でBBQをした時みたいに明るくね」

アドレス交換をした後の話。
神名火さんに意地の悪い魔女のように唇を曲げてみせて、修道院を後にして、
通りに出たなら一歩大きく踏み込んで"体重をかけない"
それだけであたしの身体は大きく跳んで、遥かに飛んで、異邦人街を見回せる程に浮き上がる。

そこに見えるものはない。あたしの視たいものはない。ただ街並みが観えるだけ。
全く何をと、何処かで思う。俯瞰した思考が諭しもしようもの。

「……何処かで迷子。ならそれでいいんだけど──」

旅人がその人生の航路に迷って標/導を求めるのなら。

──いいえ、求めなくっていい。これはあたしの我儘だから。

先行きを照らす光が何処にもありはしないのだとしたら。

──そんなものが無くてもマリー、貴方は何処までも歩いて行ける。

あたしは太陽のように、望月のように、日月に輝くものでありたい。

──ただ、"もしも"の時の未練にはなりたくないの。

貴方の歩みが暗がりの夜に、鈍色の雨にあるものではないと示したいの。

──振り返った時に冥い後悔ではなく明るい思い出であれたなら、それはとても素敵だと思うから。

だって、友達だもの。

──駄目ね。Ifの話は嫌いだって自分であれだけ言ったのに。

「もしもの不幸なんてあたしは嫌いよ。まったくね」

呟く姿が雨煙に消える。
修道院の扉は、今だ開かれたまま。

ご案内:「宗教施設群-修道院」から神名火明さんが去りました。
ご案内:「宗教施設群-修道院」から日月 輝さんが去りました。
ご案内:「宗教施設群-修道院」にオダ・エルネストさんが現れました。
オダ・エルネスト > とある修道院。
 
昨日、来た時も扉は開けっ放しの不在だった。
修道院とは生活空間も兼ねているのだから不用心が過ぎるなーとは思っていたが、
あちらこちらへと走り回る彼女――マルレーネの事だったので、青年としてはまあ、また何か面倒事に呼び出されてるんじゃないかと思って朝に様子でも見に行くくらいはするかぁと考えての今朝。

雨は上がって、雲の隙間から朝日の光が薄ぼんやりと広がる時間。
一日降り続けた雨によって、朝の空気は冷えていて歩いてここまで来るのも楽で助かった。

修道院の正面の入口は開いたまま。
中も昨日と変わりないかも知れない。
そんなに気にしてはいなかったが。

ただまあ、この状況を放置したまま帰ってこないのは少し意外だが。
落第街の施療院だったか。
あっちで何かあったのかも知れないな、というのは昨日ちょっと顔を見せに来て不在だった時点で考えていたところだった。

「流石に、不用心だ」

割としっかりしているところが目立つが妙な所でアレな彼女のことである。
軽いフォローくらいはしてもバチにはなるまいと言うというところでもある。

っていうか、落として割れたティーカップの後始末くらいはした方がいい。
それだけ切羽詰まった話が舞い込んで来たのか、と考えれば戦友の人望の高さには笑うところだ。


「では……」


不用心な施設に無関係な男一人、同じく知らない不埒な輩がやってくれば言いくるめられること一〇〇パーセント。
そこで考えたのが、この紙袋の中身である。

オダ・エルネスト > 祭服、聖職者の衣装。

黒い衣装。
無駄に金色の十字架の装飾、聖書の代わりに実はなんか手に入れてしまった黒川装丁の『開かない』本。
祖国は世界魔術協会の本部はあるが、旧時代から宗教にも厚い国でもある。

そういう国であるからこういった服装も念の為に所持していた。

「……フフフ、オッダ神父とか名乗れる。
 私は何を着ても完璧だな」

完全にナルシストのそれ。
悪くない。


――さて、これで私はこの修道院の関係者。(※いいえ、違います)

っていうか、彼女の信奉する神ってどんな感じなんだろうか。
祖国では神の子とか他宗教の神否定みたいなのとか色々あったが。

さて、今日も看板には「相談・愚痴・懺悔・その他何でもお聞きします」という看板だけが掲げられたままなので。
手書きの紙を貼り付けておこう「『何も解決できませんが代理で、』何でもお聞きします」と変えてみる。

よし!不在中の留守番くらい一日くらいしようか。

オダ・エルネスト >  
しかし、こう早朝では暇である。
暇は良くない。

だが、祖国では放置した施設がテロリスト《深き者ども》の砦にされる事もよくあった。
簡単に銃器、ロケットランチャー手に入る世の中だったのだ。

ここは私、オダ・エルネストが守護らねばならぬ。


部屋の掃除とかなんか放置されてる茶器とか色々片付けておくかぁ。
そう言えば、修道院の奥の方は行ったことなかったな。

オダ・エルネスト >  
奥の生活空間、本来ならば立ち入らない場所ではあるが……。
昨日は、雨であれば……。


「フ……やはりな」

謎のドヤ顔。
奥の生活空間の領域に行けば、室内で干される彼女の服とか色々。

オダ・エルネスト >  
「ほう、意外とマリーの修道服は丈夫な素材なんだな」

「ふむ、これは私服か。 洗濯バサミの痕がついてしまっているな、アイロンかけてやるか」

「野暮ったい下着だけかと思っていたが、中々どうして挑戦的なものもあるようだな」

「こういう干し方は服の形が崩れやすくなってしまうぞ……今度、教育が必要だな」

「取り敢えず、除湿機とか必要だな……」

「ま、表をそれなりに綺麗にするのはいいが自分の生活空間にも金をかけてほしいものだな」

オダ・エルネスト >  
洗 濯 物 処 理 完 了。

これで、不安というものも一つ解消と言えるだろう。
いや、どこに仕舞えばいいのか分からず、思わず彼女の私室を見回ってしまった。
思ったよりも少女趣味なものも……いや、女性ならばこれくらいはあって然るべきか。

「懺悔室の神父って格好良く見えそうだな……ちょっと自撮りしよ」

この割れたティーカップの前に立つ神父とかなんか意味深な雰囲気ありそうだな……。
なんだか、楽しくなってきたな……。

オダ・エルネスト >  
そんな感じで割れたティーカップの横に寝そべって意味深なメッセージ性の写真を撮ったりした。
床って冷たくて気持ちいいよね!

しかし、何時間か暇を潰してみたが早朝って暇だな。
お悩み相談、懺悔に来る人を待つっていうのは来なければ、基本的に暇になってしまうのだな。
彼女が暇だと言っていたのを体験することになるとは思わなかったな。

「……私は落ち着きがなく、我慢弱い。
 こういう焦らしプレイのような仕事は私には無理だな」

いや、我慢できなかったのは彼女もまた同じなのかも知れないな。
故に、日常に変化を新しいことを、それが彼女に根付いた信仰によるものだったとしても。
なにかをせずにはいられない。

そんな気持ちは彼女よりも短気な私にはよく分かるところだな……。

オダ・エルネスト >  
「マリーの知り合いでもくれば、彼女がどこにいるか分かるだろう」

今日の授業の一つや二つ、サボってもいいだろう。
ふむ、先日贈った紅茶――食品系部活動の新作のティーパック。

よし、飲むか。

割れたティーカップは流石に誰かが来た時に危ないよな。裏にあったバケツの中に容れておくか。
生活委員会の修理屋に頼めば修復できるよね。

「ふぅ……お茶、うめぇ」

ご案内:「宗教施設群-修道院」に持流 童男さんが現れました。
持流 童男 > 珍しく早朝3時に起きて、ちょうど暇だったので30分アニメを見てから
そして家を出て、少女は学校に行った。

早朝4時のトレーニングをして、
いつものランニングコースから、外れてから
異邦人街の奥の教会を通ろうとして

何やら、『何も解決できませんが代理でなんでもお聞きします』と
という看板をみて二度見する。あれ、教会?代理で?え?

そう思いながらも気になったので中を見てみると
聖職者の衣装を身にまとった、見知った顔がいた

「え、何やってるの?」

そう思わず突っ込みを入れる。え?ナニコレ・・
某の友人がいつの間にか神父にジョブチェンジしてるんでござるが。

オダ・エルネスト >  
開いた扉を見て、ティーカップをテーブルの上に置いて組んでいた足を大げさに上げて靴音を立てて立ち上がる。
そちらをみれば、白い歯を輝かせて。

「ようこそ、薔薇の修道院へ」

片手に黒川装丁の本を手にして、腕を広げて迎え入れる。
黒尽くめのオッダ神父。
どうやら、はじめての来客は私の知り合いのようだ。

「迷える子羊よ、笑え」

HAHAHAHA!と声を上げて、来客を歓迎しよう。

持流 童男 > え?ナニコレ某まだ夢の中?え?
そう戸惑いつつも、思わずびっくりした。
そして、戸惑いつつも恐る恐る

「えっとびっくりしたんだけど、お主が、ここの教会の主でいいんでござるか?
ていうかいつの間にパン屋のバイトからジョブチェンジしたんでござる?」

そう言った、ていうかすっごい歯がキラキラしてるんだけどすげぇイケメンでござるな。
思いながらも修道院内に入る。

めちゃくちゃ掃除されてるのを見て、

「ナイス掃除でござるな。オダ殿。」

そう言って、こちらもサムズアップをした。

オダ・エルネスト >  
「この修道院の主は、私ではないが昨晩からここの管理人が留守にしていたので
 今日は、私が代わりに神父をしているのだ。
 私は、何をしても似合う男だからな……」

罪深い、と苦笑する。

「私に出来ないことはない。
 世界は常に私を試してくる。これほど広い修道院、掃除のし甲斐があった」

前髪をファサっと指で揺らした。

「さて、ここは修道院。 何か話を聞くような場所だ。
 童男はなにか話があったのか?」

ささ、座りたまえと先ほどまで座っていたテーブル席へ案内する。
いつもここの主が話をする際に使う場所である。

持流 童男 > 「???????????
・・・なるほど!!とりあえず代理に神父してるんでござるな!?・・っていうか私ではない・・?」

そう笑いながらもテーブル席に座る。
彼のことだから多分、何かこういろいろとあったんだろう。
ていうか代理で神父してるってすごいな、

「そうでござるなオダ殿にはできないことはないでござるからな!結構大きい修道院でござるからな。掃除のやりがいもあったでござろう!・・・お主無許可でやってるわけじゃないでござるよね」

そう思わず突っ込んだ。一応念のため確認したい。友人が不法侵入してるなんて思いたくない。
でもワンちゃんオダ殿ならやりかねないでござる。

「いや、なんかこう、気になったんで入ってみたんだけど。
そうでござるな。モテル方法って何だと思うでござる・・・?
そして顔を隠して自取りしても、なかなか、もてないのは・・・なんでござろう・・?」

そう言いつつもオダ殿に言う。もてないに関しては、モテル要にならなければいけないと思う

オダ・エルネスト >  
「そうだ。
 ここの管理人とは戦友でな、だから安心していい」

安心要素/Zero。
だが、謎の自信。 知人であれば確かにいいのかもしない、と突き詰めなければ納得するかも知れない。
そんな謎の言葉がパワー。

「人が住むところは綺麗な方がいいだろ?」

キラリと白い歯が輝く。
さて、と話を区切るように一度本の表紙を叩いて音を鳴らす。

「モテる方法か。
 人によって千差万別ではあるものではあるが……
 先ず、童男、君は自分の何がモテないと感じている? どうして、と考えたことはあるかな?」

本を脇に置いて、脚を組み指を組んで問いかける。
WRYYYYYY。

持流 童男 > 「そうでござるか・・・戦友でござるか、ならば安心でき・・・・るわけねぇでござるよなぁ!?え?!無許可でやってるんでござる?!」

驚愕しつつも思わず動揺する、え?何この友人、マジで無許可でやってるんでござる?!
そう思いながらも、言葉のパワーが強い・・謎の信頼感が得られる!だけど不法侵入はやめような!後で通報するぞ!そう思いながらも

「うむうむ、綺麗にするのはいいところでござるな。」

白い歯が輝くのを見て、ルックスはいいんでござるよなこの狂戦士
と思いながらも。本の音に気付いて

「そうでござるな。ルックスでござるかな。あとは・・・やべぇでござる。どうしてでござるか。そうでござるな。コミュニケーションでござるかなぁ」

そう思いながらもこちらは椅子の上に胡坐をかく座りやすいでござるからね。オラぁ

オダ・エルネスト >  
その言葉を聞けば、何を言っているんだお前はと信じられない者を見るような目で君を見る。
知っているか、イケメンの非難する顔というのはコンプレックスを抱える人間に自分が悪かったのか?と誤解を与える魔性。

「童男、よく考えてみろ。
 もし、家主不在でありながら戸締まりがされてなかった場合、
 戦友として、守護らねばならないのは分かるだろう。
 帰る場所を守護る、その大切さは君も分かるはずだ」

真剣な眼差しでハッキリとそう断言する。
それでも、お前ならば分かるだろう。
そう、信じているかのような言葉。
その言葉きっとよく分からない思考回路の果てに紡がれている。
常人には理解が及ぶかは不明。

「ルックス。 コミュニケーション」

ほぅ、と頷いて顎に手を当てる。

「先ずは一つずついこう。
 ルックスだな、そこに関しては流行を調べろ、ファッション雑誌を見るのがいい。
 それと、『聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥』と日の丸のことわざがあるんだろう。
 
 知り合いにセンスがいい女性がいれば、意見参考に聞くのも一つだ。
 深刻な風に聞くより、軽い相談ちょっとした雑談として聞くといいぞ」

同じ男性に意見を求めるのも一つではあるが、モテたい相手が異性であれば、
異性に聞くのが一番手っ取り早い。

「最初に会った時と比べればだいぶ気を使うようになっているから
 清潔感や洒落た感じについて考えてみるのがいいと思うな」

先ずは一つ、の助言。
当たり障りのない内容、なんか無駄にまとも。

持流 童男 > 「???????????????????????
・・・・そうでござるな!!・・・?うん・・・??
それもそうでござるな!!」

思わず訳が分からなくなる。あれ、家主不在で、それって普通に
不法侵入では?やべぇでござる。とんでもねぇ狂戦士と出会っちまったでござるな。でもそこも色でござる。

さすが某の友人。

そう無理やり納得させる。多分この狂気は、某をむしばむ。どんな呪詛よりやばい。なんでござるこれ、普通にやばいでござる。楽しいでござるなこれ。(洗脳されかけるが思いとどまる)でもそこも色。

「ファッション雑誌とセンスがいい女性でざるか・・センスのいい・・?センス・・?・・っていうか!!異性に話かける人いるのか!?すげぇでござるなそれ!」

そう思わず突っ込みをいれれつつも、

「しゃれたものでござるか・・・例えばどんなものがいいんでござるかねぇ。」

そう少しだけ自信なさげに言いながらも、オダさんの顔を見る
ていうかめちゃくちゃ正論でざるな。なんでござる。あれ、おかしいの某?某子羊?

オダ・エルネスト >  
「いや、落ち着け童男。

 風紀に所属しているんだろう?
 そうならば、同じ組織にポニテやツインテのボイーンな先輩がいるんだろう?
 若い子に聞くのは恥ずかしいと感じるかも知れないが、それは一時の恥だ。
 まさか、同じ委員会の女性と話したことがないという事はないだろう?

 そういう相手でいいんだ。
 君が素敵と思う知り合いの女性にそういう意見を求めてみる、そこから発展する関係もあるものだよ」


どうだろうか、と笑う。

「例えば、この祭服を見てみたまえ私に似合う服を、簡素の中に細かな装飾があるものだ。
 よく似合ってるだろう?

 異性から見た時に、自分がどういう服を着ればよく見てもらえるか確認するところからだ」

洒落を知るためには、自分が素敵と思う相手を選ぶべき。
そう言った考え方を先ずは知っていこう、そういう話。