2020/09/21 のログ
オダ・エルネスト > カルマの言葉には、同意できる点がある。
理解できるからこそ頷いてしまう。

「カルマ、あまり勘違いしてはいけない。
 宗教とは受け入れる事『も』役目でもあるが、それは教えを、道を示してのことだ
 その道は、『否定』の先にもある。

 何が言いたいかと言えば、宗教家とは人によっては他者を切り捨てる側面もあるということだ。
 少し、君は『組織としての宗教』に『個人の抱く宗教』の理想までも抱いてしまっている」

困ったような顔をしながら、語る。

「それは、無論悪いとは言わないがその理想が裏切られた時、宗教というものが憎くなる。

――そういう時がないとも限らない」
 
なんでも無いように、
ティーカップを口に運びながら考える。

彼女が他人のために動くのが、
宗教というものに縛られて、そうあることしか出来ないのであれば、


―――私は、久しぶりに宗教というものが嫌いになりそうだ。
 
 
「私は、彼女がこの学園で一人の『生徒』として輝くことも期待している」

そう言葉にしてから、思わず軽く笑った。
彼女のほうが年上のはずだが、なんだか父兄のような事を言ったような気がした。

カルマ > 「ほう、なるほど! 確かに! 然り!
 これはこれは、私の不見識を晒してしまったようだなオダ神父。
 いやはや、まったく……」

聖女との邂逅を夢見たが、まさかこのような見識を得ることができるとは。
まさに、神のいたずらとでもいうべきか。

「他者を切り捨てる側面、か……確かに、そのようなものもあろう。
 でもなければ、過去、宗教による争いなど起こるわけはないな。
 さて、しかして――
 神父、あなたの想起するものはそんな上っ面だけの話ではなさそうだが、如何に?」

そこまでいったところで……流石に喉が渇く。
いただいた緑茶を早速ふくもう。
そう、この仮面は高機能だ。つけたままでも茶を飲むくらい余裕……

あっっっまあああああっっっっっっ
角砂糖5個は多かったか……?

「ンッンッ……
 つまり、神父は彼女の『人』としての幸せを望む、と……そういうことか。
 ふむ……そうまで言わしめるとは。よほど、己に厳しく。己を殺すほどに、荒行を積んだ聖女どのであるということか。」

それはなんと苛烈であることか。
それはなんと可憐であることか。
それはなんと悲劇であることか。

それは……私なりの救済が必要かもしれないな……

オダ・エルネスト > 「ははは、カルマここで私が全てを答えることは簡単だろう」

そこで一本指を立てる。

「しかし、仮にも神父を名乗る私の口からこれ以上、
 水底を覗くような言葉を口にするのはあまり美しくないだろう」

最新の仮装衣装というのはハイテクなものだなぁと眺めながら。

「故に、カルマ。
 君も機会があれば彼女に君の輝きをみせてやってくれ」

よろしく頼む、と笑みを浮かべてそちらを見た。

カルマ > 「ははははははは!君は気を持たせる男だな、オダ神父!
 いいだろう、しかしその美学は気に入った。すばらしい!」

高く高く、笑い笑う。
実に爽快な男ではないか。

「無論。もとより、今日の来訪は『美しき聖女』との邂逅を目的としたものだった。
 それが叶わなかったのは無念であるが……こうして、貴殿と語らえたのは無上の幸せだと私は思う。
 それは、無念を補ってあまりあることだろう。」

さて、そこまでいって――覚悟を決める。
口をつけた茶を残してしまうのは、美学に反する。
これを……飲む、のか……
ええい、ままよ!

あっっまあっっっっ

「ンッ……
 ちなみに。聖女……いや、シスター・マルレーネの試練は何処で?
 叶うならば、そちらでの邂逅をしても良いと思う。
 それともかの聖女に少しでも早く会おうと、思うのは……些かに我慢弱かろうか?」

輝かしき男の笑みを見据え……尋ねる。
これだけの輝きを持つ男の認める聖女。
一体どれほどの輝きを秘めるのか……
そして、それを守る薄布は……どれほどの神秘を秘めているのか。

この高ぶる気持ち、抑えられない……っ
まさしく、愛、といえよう

オダ・エルネスト >  
必ず、邪智暴虐の宗教の神をわからせねばならぬと決意した。

オダに宗教の事は分からぬ。 オダは、実は神父ではない。 学園に転入し、娯楽で遊んで暮らしてきた。
けれども、邪神に対しては、人一倍に敏感であった。


「君がマリーとの出会いを臨むのであれば、試練を終えて、
 ここに戻ってきた彼女の輝きこそを見てやって欲しい」

それに、だ―――と意味ありげに首を傾けてそちらを見た。


「我慢し耐えた後に味わう、それは最上の美味を前にする興奮と同じ。
 であれば摘み食いしたくなる気持ちも理解できる――が」
 
 
 
 
 
 
         「 そこは、君の美学は反していないか。 」
 
 
 
 
 
 
「美味しいと予測出来る料理なら是非、完成品を味わうべきだ。 違うかな?」

万全でないならば、食す価値もなしではないか。

カルマ > ああ……神父よ、君はなんと私を唆らせるのか……
君が男であることが実に、実に悔やまれる……
いや、実はボーイッシュな神父なんてことは……いや、ないな。

それにしても――

おまえの望みは叶ったぞ。おまえは、私の心に勝ったのだ。信実とは、決して空虚な妄想ではなかった。どうか、私も仲間に入れてくれまいか。どうか、私の願いを聞き入れて、おまえの仲間の一人にしてほしい。

そんな想いが頭をよぎる。
だが――

「は、はははははは!今日は本当に、まったく……己の不出来を思い知らされる日だな神父!
 いやまさしく、君は正しく『導く者』なのだろう! 」


立ち上がり、マントを翻す


「ああ、オダ神父よ。君の言うとおりだ!私はやはり、我慢弱かったようだ。
 であれば……そう、私は完成品を味わうために。聖女の帰還を待つとしようではないか!
 まさしく、君と私の美学の通り、だ」

またもマントを翻し、手を差し出す。
かの勇士と、友好を結ぶ……これもまた、神の導きだろうか。

いや、神などというものを信じる気など毛頭ないのだが。

オダ・エルネスト >  
「いや、このくらいの事は恐らく冷静になれば君自身でも気づけたはずだ。
 つまり、これは余計なお節介だった訳だ」

何かに深く拘りを持つ君ならば、そうだったとオダは信じる。
故に、これは言う必要もなかったことだったと。
万歳、カルマ万歳。


「私も落ち着きがなく、我慢弱い男だ。 その気持は理解するよ」

そう僅かにかつての失敗に神父は赤面しつつ、差し出された手を握った。

「さて、そろそろお開きの時間だ」

互いのティーカップは、そろそろなくなっているだろう。
今回の邂逅もまた素晴らしき運命の巡り合わせであった。

カルマ > 「ああ……そうだな。すまない、思ったより長居をしてしまったようだ。
 救いを求めてやってくる子羊たちもいることであろうな。」

そうであれば。
私はこの場には相応しくないだろう。
早々に立ち去るべきだ。

「さらばだ、オダ・エルネスト。
 当然、聖女殿とは完成品として会うつもりだが……
 しかして、君ともまた語らいたいものだな!」

ばさりとマントを翻し、出口へと歩みをすすめる。
そう、今日はお別れのときだ。

愛深きカルマはクールに去るとしよう。

オダ・エルネスト >  
「また逢おう、同志カルマ。
 私も君との再び語らい合う日を楽しみにしている。

 君にも光輝の出会いがあらんことを」

去りゆく相手を胸の前で黒川装丁の本を片手に持って、笑顔で見送るだろう。




「――さて、片付けするか……私がいないときにもそれなりに来客もあるようだしな」

別に荒らしているわけではないので咎めたりはしないし、
彼女を求めて誰かが来るのは―――その気持ちを止める権利は私にはないし私が気にする事でもない。

ご案内:「宗教施設群-とある修道院」からオダ・エルネストさんが去りました。
ご案内:「宗教施設群-とある修道院」からカルマさんが去りました。
ご案内:「常世島共同墓地」に松葉 雷覇さんが現れました。
松葉 雷覇 >  
小波が潮風に乗ってくる。夜の星々が、海を照らす。
常世島共同墓地。多くの生命が此処に眠る場所。
金糸が潮風に合わせて静かに揺れ、レンズの奥
深い青が、名も無き墓石を見下ろしていた。

「遅れてしまい申し訳ございません。私も随分と、忙しくて……」

苦いはにかみ笑顔を浮かべ、雷覇は墓石へと語りかけた。
名も無き同志、静かに添える花束。青紫の竜胆達。

松葉 雷覇 >  
荒れる事も無く、穏やかな波音だ。
誰もいない、静寂だけが此処にある。
死人は黙して、何も語らない。
雷覇は静かに膝をつき、名も無き墓石に視線を合わせた。

「アナタは相変わらず、ドライですね。いいえ、ビジネスライクなのも嫌いではありません。
 事実、アナタはよくやってくださいました。例え、アナタがそうであっても受けてくださった事には変わりありません」

まるで、友人に語り掛けるように、楽しげに雷覇は語る。
昨日の出来事のように、実に明るく、此の場には少し不釣り合いだ。
融和な笑みを浮かべたまま、静かに小首を傾げた。

松葉 雷覇 >  
「私は本当に、感謝しています」

死人は決して、黙して語らない。
ただ、それでも雷覇は言葉を紡ぐ。
不便なものだ。そうで無ければ、伝わらないのだから。

「後は、"私達"が引き継ぎます」

静かに、立ち上がる。

「……母なる海に抱かれて、どうか。ごゆっくりお休みください……」

大いなる我等が母は、すぐそこにいる。
この広大な青に抱かれて眠る同志よ。
僅かな黙とうを捧げ、名残惜しむことなくその場を去っていくだろう。

ご案内:「常世島共同墓地」から松葉 雷覇さんが去りました。