2020/08/23 のログ
ご案内:「常世渋谷 黒街(ブラック・ストリート)」にヨーコさんが現れました。
ヨーコ > 「はい、動かないで頂戴。
 医師免許あるから。 触らないで。」

よろめいてやってきた男が倒れ伏せば、地面に沁み込むように広がるは赤黒い血。
悲鳴と動揺が支配する夕暮れの路地の中で、ため息交じりに声を出す女。

数年前まで、学生通りの医院で医者を務めていた………
同時に、学園の講師もしていた女。

現状は、この場所において、個人で事件を調査する……いわゆる探偵と呼ばれる職についている。

ああ、もう、今日はオフのつもりだったのに。
ため息交じりに髪の毛をかきあげて、ゴムでその髪の毛を後ろで一つにまとめる。

ヨーコ > まあ、オフといっても昔馴染みに会って医療道具を用立てていたのだけれども。

「………………。」

倒れた金髪の男の首に触れ、しばらくあれこれを確認する。
うん、手遅れだ。 どうやら恨みがあったのだろう。 何度も深く刺されている。
地面に点々とついている血の跡からして、………路地裏で刺されて、何とか逃げようとしたが命が尽きた、といったところか。

白い手袋をポケットから取り出せば、周囲を見回す。
ざわめき、好奇心、恐怖と、ほどほどの無関心。
まあ、期待はできないけれども。


「……何か見ていた人はいる? 今のうちに見たものがあるなら教えて頂戴。」

怜悧な目線でするりと周囲の人々を確認していく。

ヨーコ > ……ま、そうでしょうね。

溜息をつく。 誰もが事件にかかわりたいなどと思っていないのだ。
何かを見ていたとしても、口をつぐむのもやむなし。

むしろ、この程度のことがよく起こるのがこの場所である。

スマートフォンを取り出して連絡をしながら、周囲に目線を配る。


「………ええ、ええ。
 お願いできる? 被害者は一人。 犯人は大体目星はついてる。」

ヨーコ > 周囲の人々の背後に移る、オーラのような色、色、色。

殆どが、青。しかも色合いがくるくると変わる、不安定な青。
不安なのだろう。 怖いのだろう。
それでいて、自分には無関係だから安心も感じているのだろう。


………そのうちの一つだけ、赤、黄色、青と、激しい変化が見て取れる。
そんなに感情を揺らしていては、隠すものも隠せまい。

「さて。 凶器をまだ持っていればいいんだけれど。」

感情を読む女は、よっこいせ、と立ち上がって。
犯人がその場にいてくれるなら、解決が早くて助かるってものだ。

ご案内:「常世渋谷 黒街(ブラック・ストリート)」からヨーコさんが去りました。